見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2012/03/25

安全でない原発の輸出


3月末でJICA(国際協力機構)の理事長を退任する緒方貞子さんが朝日新聞の記者のインタビューに応じた際、個人的見解と断って、中東などの途上国への日本の原発輸出について述べた。
(以下、24日付朝日新聞から引用)
「自分の国でうまくできなかったものを外に持って行っていいのか」
「日本ほど技術が進んでいる国で、しかも(原爆を投下された)広島、長崎の経験があり、原子力に慎重なはずなのに、こんなことになった。うまく行かなかったと言わざるを得ない」

日本は東日本大震災後の昨年10月、ベトナムに原発を輸出することで合意。
中東でも、ヨルダンの原発プロジェクトで日仏合弁での受注をめざしている。
引用終わり

また「アラブの春」でのフェイスブックなど情報技術の貢献について指摘し、今後は、「情報技術革命に視点を置かないと効果的な援助、発展に寄与できない。カギになるのはインクルーシブ(inclusive:包括的、すべてひっくるめる)という概念だ。格差を出さない、すべての人を対象にする、ということだ」と語った。

個人的には日本の原発輸出に疑問を呈しても、JICA理事長としてはそうはならない。

原発輸出は、JICAと円借款部門を統合し再編成されたJBIC(国際協力銀行)が推進し、資金援助している。JBIC(国際協力銀行)の円借款部門をJICAに統合した新生JICAが誕生したのは緒方理事長の時代。JICAは今では援助実施量で世界一になり、世界の関心をますます集めるようになった。

写真は、西アフリカ・マリでクーデターを起こした軍の反乱兵のリーダーAmadou Sanogo(左の兵士)
(BBC NEWS 22 March 2012)

完全に統制するマリのクーデター指導者Amadou Sanogo
マリのクーデター指導者がBBCに語ったところでは、彼は全土を完全に統制しており、トゥアレグ人反乱府勢力との和平会談の便宜を与えると言っている。
(BBC NEWS 24 March 2012)
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-17498739

◇西アフリカ・マリの首都バマコで21日、反政府武装勢力への政府の対応に不満を持つ軍の反乱兵士たちが国営放送局を占拠し、さらに大統領府を攻撃した。22日早朝、反乱兵らは「無能な政府」から権力を奪取したと表明し、憲法の停止をテレビで発表した。

反乱兵士らは「民主主義制定のための全国委員会」と名乗っている。

大統領府では夜に入っても銃声が続いていたが、反乱兵の1人は22日、AFPの記者に対し匿名を条件に、大統領府を制圧し、スメイル・ブベイエ・マイガ外相ら閣僚数人の身柄を拘束したと語った。

アマドゥ・トゥマニ・トゥーレ大統領は脱出に成功した模様。これに先立って21日午後、大統領は大統領府内に身を隠していると側近が述べていた。

マリは西アフリカ随一の民主的な国家と言われ、成長も続いているが、1960年の独立以来トゥアレグ人の反政府闘争が続いている。トゥアレグ人は周辺諸国に暮らすサハラの遊牧民で、マリでは北部に集中している。

トゥアレグ人たちは前年、リビアの最高指導者だった故ムアマル・カダフィ大佐に対する蜂起が起きた際には大勢がカダフィ大佐を支持する勢力に加わった。このトゥアレグ人たちが戦闘経験を積み、カダフィ政権転覆後に大量の武器を持ってマリへ戻り、トゥアレグ人反政府勢力「アザワド解放民族運動(MNLA)」の下で組織化されて1月中旬から独立を求める新たな反乱を開始。このためマリでは最大20万人が避難民となっている。また公式発表はないが、政府軍の多くの兵士が死亡したり、トゥアレグ人に捕虜として拘束されているとみられ、政府の対応への怒りが膨らんでいた。

これまで2期を務めたトゥーレ大統領は4月、2期目の任期を終え退任する予定。トゥーレ大統領も軍出身で、1991年にクーデターを率いて当時のムーサ・トラオレ大統領を追放した。

(引用元:AFP 2012年3月22日)
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2867107/8680748