見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2018/02/28

アメリカのオピオイド流行病

◇100万人を死なせるアメリカのオピオイド流行病
とんでもない勝利(国内の“シットホール”を引き起こすことで)
ICH January 28, 2018 by James Petras and Robin Eastman-Abaya

資本主義とドラッグのつながりは大英帝国が何百万の中毒者から大量の需要を引き起こすために彼らの余剰オピウム収穫物を南アジアの植民地から中国市場へと力で押し進めた19世紀中ごろにさかのぼる。

オピウム(アヘン)の使用と販売を禁じた中国政府は大量の麻薬常用癖によって引き起こされる増大する社会的無秩序に驚きあわててドラッグの氾濫を止めるために西側強国と戦争を始めた。イギリスと中国の麻薬王の盟友のおかげである中国政府の敗北は来世紀に向けて中国に大規模搾取と略奪を利用できるようにした。国家レジスタンスを組織化するにつき、中国のアヘン常用者は相当な障害だった。世界を揺るがす革命が中毒と退廃の連鎖を終わらせるまで本質においてイギリスの東インド会社と帝国の保護者は中国を史上最大の“シットホール(便所)”に変えた。

21世紀には類似した質の低下がアメリカで内面的に起こっていた。“処方薬オピオイド流行病”がアメリカの家族、近所のひとびと、コミュニティ、都市や州を荒らしている、そしてアメリカ社会の基本構造全体を切り刻んでいる、特に田舎、採鉱や“かつては栄えたアメリカ中西部・北東部を中心とする工業地帯”で。数十万の主として労働者階級の犠牲者が亡くなり、将来の破壊を阻止することができない何百万の麻薬常用者がかつては有力な労働力だった地域での実労働者数に取って代わった。 

アメリカにおける生命に関する重大事態の統計値の特徴をなす散漫で不完全な検死官報告書と死亡診断書に基づく政府の公式調査は1999年以降ほぼ70万人が死んだと見ている。薬物が死因のおそらく追加の数十万人は犠牲者の中の麻薬や鎮静剤の過剰処方のはっきりした証拠にもかかわらず、記録されていないか、“より先に存在する”病気や自殺、事故に帰するものとなった。

オバマに任命されるジャネット・イエレン連邦準備制度理事会議長による上院宣誓証言によると、アメリカのオピオイド中毒は大規模に「血気盛りの年齢の労働者の間の総労働力参与者数減退」の原因だ。アメリカの建設労働者の概算15%が麻薬濫用を病む。‘Suboxone’ や他の麻薬中毒治療の枠組みがいくつかの建築組合の医療プランを破綻させる恐れがある。資格がある熟練した建設業界のアメリカ人労働者不足は雇い主に不足を満たすためにもっと移民労働者たちを要求することを可能ならしめる。

20年以上のあいだ、急上昇するオピオイド過量摂取死の数は左派と右派の作家や学者はもちろん、民主共和両党によって無視された。医師や病院管理者は積極的に共謀するかまたは否定した。だがより重要なのは惨害にもかかわらず、連邦医薬品局(FDA)が何千万ものアメリカ人の患者に対して製薬業界に純利益数十億の大当たりをもたらす大いに習慣性の麻薬と鎮静剤の製造、マーケティング、処方を承認し続けた。1999年から2014年の間に薬剤メーカーは鎮静剤(麻薬剤)の販売と流通から毎年100億ドルの純利益をかせいでいた。

麻薬常用癖パワーエリート

アメリカでの“薬物流行病”は増大する階級不平等や経済的な貧困化のまっ最中にますます寡頭政治状態の権力と社会的関係の現在の構造が本質である。根本的に21世紀のアメリカ資本主義は過去20年の間、強度を増すことでアメリカの労働者と従業員の質をおとしめ、貧乏にして搾取した。労働者は職場や政治活動においてほとんどすべての結集した影響力を失った。資本主義者が自由に雇用して解雇する間、労働条件や安全度は悪くなった。給料、年金、健康管理や死亡保険金は大幅削減されるか、なくなった。

労働条件の悪化は社会的状況で著しい低下を伴う:家族、近所のひとびと、地域社会の暮らしを切れぎれに引き裂いた。不安や不安定が労働者や従業員の間に蔓延した。現実に置き換えて、影響を受けたエリアの寿命が落ちた。若者や労働者の自殺が急上昇している。妊婦と子どもの死亡率が上がっている。アメリカの若者はどうも匹敵する他の豊かな国の若者より多い70%が成人期以前に亡くなるらしい。

2016年に麻薬過量摂取による死亡(35/100,000)のせいでミレニアルズ(年齢25歳から34歳)の死亡率が10万分の129(129/100,000)まで上がった。屍の山は1980年代のアメリカのエイズ流行病の絶頂にまさる。田舎や小さな町の子ども保護サービスはおろそかにされ孤児になる中毒者の子どもたちで限界点をかなり超える。新生児集中病棟は母親の中毒のせいで深刻な麻酔薬禁断危機の前兆を示す状態で生まれる幼児の数に圧倒される。この厳然たる実態にもかかわらず、金持ちのための税が大削減されていて公益事業は大幅に削減した。

その間に労働者階級と寡頭制支配者間の所得格差は広がり、階級を限定する辛辣なヘルスケアと教育上のアパルトヘイトが明らかになった。20%の上流階級の子どもたちには家族や人種のきずなに基づく独占的で特権のあるエリート大学への道筋がある。“健康保険”を必要としないエリートの家族には世界で最も完ぺきで高等な医療サービスへの道筋がある。医者は寡頭制支配者の家族に無責任に麻薬を処方することなど夢にも思わない。

これらの不平等が深刻に凝り固まる:オピオイド流行病に冒された地域の労働に従事する人々は、たとえ無資格ではないとしても基礎的医療サービスを行う医師助手や荷が重すぎる看護師からわずかにぞんざいで不十分な世話を受けるにすぎない。彼らは劣化する緊急治療室で長い待ち時間にさらされてめったに医者に面会しない。だれも定まったかかりつけの医者(ホームドクター)はいないも同然だ。もしも彼らが負傷するか痛みに苦しむならば、彼らはより安全だがより費用のかかる物理療法や非常用性の薬物の代わりに長いクール(一定期間に飲むべき一連の薬:治療単位)と大量の麻薬鎮痛剤オピオイドを処方される。これがFDAの承認で発生していた。若者の間の中毒に対するよく知られた増大する感染性にもかかわらず、スポーツで怪我した田舎の高校生でさえ麻薬を受け取った。巨大製薬会社によって資金を提供される政治的に強力な“ペイン(痛み)・ロビー”は莫大な利益を生み出すために億万長者の製薬経営陣の代わりに20年以上にわたりこの動向を推し進めた。

アメリカのオピオイドの殺戮の場にはいくつかの相互関係のあるアメリカの資本主義の特徴が一点に集合するその原点と論理がある。これは企業とエリートの容赦のない利益追求のせいだった。おまけに国の産業空洞化(製造業の衰退)地域や農業地域を国内の“第三世界”に変えた。

第一に、資本家階級は彼らの利益を増やすために労働者に向けた良質の健康管理を利用する手段を制限することにより生産コストを切り詰めた。アメリカではこれが何百万もの労働者を安くて入手できる医師の処方する麻薬に依存させる結果に導いた。雇い主が用意する保険会社は決まりきって負傷した労働者に対してより高くつく非麻薬治療を拒んで労働者を職場に復帰させるために安いオピオイドを処方するといって譲らない。安いオピオイドはまず最初はカネを節約するために組合の健康計画によって黙認された、そして組合幹部らは多数の労働者が中毒者になったという事実に顔をそむけた。

第二に、資本主義者らは職場で負傷して治療を求める労働者を自由に解雇して労働者に病気休暇を避けさせて“大手製薬会社(Big Pharma)”が非習慣性として不正に売買したオキシ・コンティン(Oxy-Contin)のようなオピオイドによりいっそう頼ることを余儀なくさせた。

第三に、資本主義者らはこれが年金経費と健康保険の支払いを低くするのでより高年齢の労働者の中で関連している予防できる原因や過量摂取による早まった死から非常に利益を得る。アメリカの労働者の間で短くなる寿命によって節約される数十億ドルの年金と健康管理負担をウォール街はあつかましくもほめたたえた。アメリカでの寿命の低下と早まった死の増加はボリス・エリツィン下のアメリカに支援されるマフィア寡頭政支持者によるソビエト連邦と跋扈する略奪消滅後の最初の10年間にロシアで見られたパターンに似ている。

第四に、資本主義者は賃金がもっと低くてどのような保険会社からの給付金もない臨時労働者として若い補充労働者(18歳から30歳まで)を自由に雇う。彼らは“ギグ・エコノミー”(自家営業労働者と従業員へのアウトソーシング;外部委託)の一部として不確定雇用の不安定をかけられる。意味がないのに加えて過度の圧力を加えられるこれらの労働者は身体的な痛みと感情的なストレスを乗り越えるために中毒の虜として脱落するまでオピオイドにたよる。これが比較的高い就職率にもかかわらず、アメリカで使用できる若い労働者数が低下する主要な理由である。

第五に、そしてぞっとするような踏んだり蹴ったりのめにあわせるために、オピオイド死流行病は組織や臓器移植産業にとって思いがけないぼろもうけだった。そこで、骨、皮膚、角膜、腱、心臓弁、歯、血管を含む、若い過量摂取の犠牲者から摘出される“マテリアル”は死体ごとに何万ドルもの価値がある。脳死状態の過量摂取の犠牲者から摘出される臓器は数十万ドルと評価される。多くの場合、当局の前に最も近い親族に接触する、摘出会社と組織ブローカーは新たな犠牲者のニュースを待っている死肉鳥のように病院緊急治療室のまわりをうろつく。この奇怪なアメリカの資本主義の完全に防げる国内死から利益を得ることは、ジョナサン・スウィフトの諷刺作品“穏健なる提案(Modest Proposal)”、女性の財布のような商売品を作るためにジャガイモ凶作犠牲者の皮膚を摘出する英国企業家についてを思い起こさせる。(スウィフトは、膨大な数の貧民が数多くの子供を抱えて飢えるアイルランドの窮状を見かねて、彼らに経済的な救済をもたらすと同時に人口抑制にも役立つ解決策を提案した。その提案とは貧民の赤子を1歳になるまで養育し、アイルランドの富裕層に美味な食料として提供することである。題名の「穏健なる」は実は反語表現であり、その内容はスウィフトの諷刺文書の中でも最も強烈な傑作と評価されている。)

要するに、現代アメリカの資本主義の構造と利害関係はオピオイド流行病の総体的な原因で受益者である。避けられない結果は資本家の決定によって社会の周辺的な地位に追いやられるコミュニティの急な破壊だ。前の2世紀におけるインドの飢餓の間、ある意味では大英帝国をしのばせる余剰でもしかすると反抗的な人口を淘汰することでこれが資本家階級のためになった。

次回に続く
James Petras is a Bartle Professor (Emeritus) of Sociology at Binghamton University, New York. https://petras.lahaine.org