見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2019/11/28

あなたがここにいてほしい


◇フリー ジュリアン・アサンジ
ロジャー・ウォーターズが9月2日ロンドンの内務省前で行われたウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジ(48歳)の釈放を訴える集会に参加、ピンク・フロイド1975年の「Wish You Were Here」をライヴ演奏した。

ロンドンの内務省前で開催された抗議運動でロジャー・ウォーターズは参加者にこう述べている。「孤独に監禁されるジュリアン・アサンジのような身に自分が置かれるというのはどういうことでしょうか? シリアやパレスチナ、ロヒンギャの少年と一緒にいてこの建物にいる人たちによってひどい目に遭っているというのはどういうことでしょうか?」
その後ロジャー・ウォーターズは「アサンジを引き渡すな」と書かれた幕を前にピンク・フロイドの1975年発表のアルバム『炎~あなたがここにいてほしい』に収録の“Wish You Were Here”を披露した。

△写真はその時のロジャー・ウォーターズです。


◇ジュリアン・アサンジのために
セルジュ・アリミ(Serge Halimi)
ル・モンド・ディプロマティーク統括編集長
https://www.monde-diplomatique.fr/2018/12/HALIMI/59366

昨年11月16日、CNNのジム・アコスタ記者は50人ほどの報道カメラに囲まれ、ペルシャの「もうひとりの博士」アルタバンのように誇らしげに笑みを浮かべ、鳴り物入りでホワイトハウスへの帰還を果たした。ホワイトハウス担当記者である彼は数日前に記者証を取り上げられたが、裁判所はトランプ大統領にこの仕打ちの取り消しを命じた。
「これはテストでした。われわれはそれに合格しました。この国では憲法修正第1条で報道の自由が謳われ、記者活動が守られているということを記者たちは肝に銘じなければなりません。そのお陰でこの国の政府や指導者が何をしているのかこれからも取材できるのです」とアコスタは大言壮語した。この演劇的な映像はハッピーエンドを迎え、背景の音楽とともにフェイドアウトした。

6年前にロンドンのエクアドル駐英大使館に逃げ込み政治亡命を認められたジュリアン・アサンジ氏はおそらく、この感動的な結末をCNNのライブで見ることができなかっただろう。というのも彼は囚人のような生活を送っているからだ。イギリス当局に逮捕され、アメリカに引き渡される恐れがあり、外出もままならない。またエクアドルのレニン・モレノ大統領がアメリカの機嫌を損ねないようアサンジ氏の“客人”としての処遇を厳しくして以来、彼は報道機関へのアクセスが制限されており、さまざまな嫌がらせも受けるようになった。

アサンジ氏が拘禁状態にあり、アメリカの刑務所に数十年は投獄してやるという脅しを受けている理由のすべては(2010年トランプ大統領は彼の処刑を望んだ)、彼が創設した情報サイトにある。このウィキリークスは十数年来、世界中の権力者たちにとって不都合な情報漏えいの口火をきってきた。アフガニスタンやイラクでのアメリカの戦争犯罪の映像、アメリカの産業スパイ、ケイマン島での秘密口座などの情報などだ。チュニジアのベン・アリ大統領の独裁政権はアメリカ国務省の外交電文の漏えいによって体制が揺らいだ。それは政府の友人である腐敗国家を「硬直した体制」「ほぼマフィアのよう」と形容する内容だった。フランソワ・オーランドとピエール・モスコビシという2人のフランス社会党の指導者が2006年6月8日に在仏アメリカ大使館に赴き、ジャック・シラク大統領がイラク戦争に断固として反対したことに遺憾の意を表明したと暴露したのもウィキリークスだった。

だが、いわゆる「左派」の人たちがアサンジ氏を許すことができないのはヒラリー・クリントンの選挙陣営からハッキングによって流出したメールをウィキリークスが公表したことだ。この件がロシアの陰謀計画とトランプの勝利に有利に働いたと左派は見ているが、民主党の予備選でバーニー・サンダース候補の選挙運動を妨害するためクリントン陣営が行った策謀をウィキリークスが暴いたことは忘れている。当時、世界中のメディアはそれまでの情報漏えいについてもそうだったようにこれらの情報をも躊躇なしに報道してきた。もちろん、それによってメディアの編集責任者が外国のスパイよばわりされたり、投獄の脅しも受けることはなかった。

アサンジ氏に対するアメリカ当局の容赦ない対応は、彼を見捨て彼の不幸を大いに楽しんでいる臆病なジャーナリストたちによって助長されている。アメリカの放送局MSNBCでは元民主党の重鎮で花形ニュースキャスターであるクリストファー・マシューズが臆面もなくこう提案した。アメリカのシークレット・サービスは「イスラエルのやり方を真似してアサンジをアメリカに強制連行すべきだ。」