見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2022/05/26

不当で残忍な戦争、イラクもまたしかり

 



ロシア不在のダボス会議

投資家のジョージ・ソロスは、「戦いはいずれ終わるに違いないが、そうなった後も元の状況に戻ることは永遠にないだろう」とダボスで述べた。



◇ジョージW.ブッシュがゼレンスキーをチャーチルとなぞらえ、ウクライナの戦争を正しいとされていないイラク侵攻と呼ぶ失態

The Dallas Morning News May 18, 2022

 

18日水曜日、戦争が始まって以来、ロシアのウクライナ侵略についての最も広範囲の公開の論評のなかで前大統領のジョージW.ブッシュは、ますます独裁者のようなロシアの政権を公然と非難すると同時に、ウクライナの指導者のゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)をウィンストン・チャーチルになぞらえた。


「かっこいい普通の男」と評したゼレンスキーと「21世紀のチャーチル」は、ロシアの侵略に対抗して自国の防衛を指揮するより先に選挙の正当性によって権限を与えられたとブッシュは述べた。


ブッシュはサザンメソジスト大学の彼が主催するセンターでのイベント中に論評した。イベントは、前大統領ドナルド・トランプがジョー・バイデンに敗北したことを認めるのを拒否し、バイデン勝利の証明を妨害しようと意図して計画された1月6日米国議会議事堂での結果として続く暴動の圧倒的な影響のなか、民主主義状態とアメリカの選挙の安全性について考察した。


だが、10分間の演説の間にブッシュはロシアのウラジーミル・プーチンに言及しながらことばによる軽率な行いもした、プーチンのことを民衆の反対意見を残酷に抑圧し、政敵を投獄させたとブッシュは特に言及した。


「結果はロシアでのチェック&バランス(行き過ぎを抑えて均衡を取る)の欠如、そして完全に正当とされていない残忍なイラク侵攻に着手するというひとりの男の決定だ」と、ブッシュはまばたきして「ウクライナのことです」と自分の誤りをただす前に述べた。


この説明は聴衆を気まずい沈黙状態にした。次にはブッシュは肩をすくめると小声で「イラクもそう」だと話した。


ブッシュは2003年のイラク先制侵略を監督し、批判者たちはその侵略を残忍で不当なものと呼んでいる。結果として続く戦争で、数万人のイラク市民に加えて4000人以上のアメリカ軍勢が殺害された。


https://www.dallasnews.com/news/2022/05/18/george-w-bush-compares-zelenskyy-to-churchill-mistakenly-calls-iraq-invasion-unjustified/



◇ジョージW.ブッシュがつまづいて真実の瞬間に入る

前大統領の失態は、彼の犯罪的な戦争の開始が今でも正義を言えと迫ることをわたしたちに気づかせる

The Nation MAY 20,2022


アメリカのすべての大統領のなかで間違いなく最もはっきりしないジョージW.ブッシュは、時たま、非常にバツの悪い言葉でかなり重要で本当のことをうっかり言ってしまうことがある。水曜夜の演説の間、ブッシュは意図せずにうっかり、彼の最も悪名高いレガシーについて世界に思い出させた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の政権を批判して、完全に罪となる残忍なウクライナ侵略というところを「完全に罪となる残忍なイラク侵略」に着手したと述べた。彼は次にはためらって止まると、難しい数学の問題を解く子どものような目をして「ウクライナのこと」だと自分の誤りをただした。


まだ混乱しているように見えるブッシュは、「それはともかく、イラクもだ」とつぶやいた。これは告白とみなされるかもしれないが、彼は言い訳することに転じた。群衆がいらいらして笑い始めたとき、ブッシュは最初のうちは不可解な「75」という一語の文を口にするということばの癖に戻った。思うに彼は、「わたしは75歳(4分の3世紀)になった」という事実に言及していたとはいえ、実際にはまだうんと若い男性の未熟な得意げな笑みと道徳的なはぐらかしを有している。


ブッシュの予想外の発言をなんとみなすか?ただのへま(ばかな間違い)だったのか?告白?ことによると一種の意味を曲げた自慢ですらある?


でも、フロイトが教えてくれているように、間違いは発覚(暴露)の始まりにもなりえる。ブッシュがフロイト的失言をしたとすれば、それは単なる失言以上のものだった。文字通りのフロイト的落とし穴。無意識の深みへの心理分析的な洞窟探検家に頼らなくても、本当に恥ずかしい間違いは偶然に明らかになるものだというのは常識の問題だ。アメリカの政治ジャーナリスト、マイケル・キンズレー(Michael Kinsle)までもこの提案を明確な格言に成分化した。「失態(へま)は政治家が真実、彼が言うことになっていない明らかな真実、を語るときのこと。」


ブッシュに何らかの精神(霊的)生活があると仮定するとすれば、彼がいくらかの罪悪感を抱いている可能性がある。だが、ブッシュの不安げな良心という個人的なドラマは、仮にそれが存在するとして、イラク戦争がアメリカの文化全般に癒やされない傷のままとどまることを保証する政治的現実ほどは重要でない。


ふたつの印象的で矛盾した事実が真実だ。イラク戦争は間違いであり、おそらく犯罪であったという、政治的な範囲全体に広いコンセンサスがある。

依然として、この大失敗を犯した人々を罰する現実的な可能性はない。ディック・チェイニーとブッシュ自身がやがてそうなるように、ドナルド・ラムズフェルドは特権の享受者のうちに死んだ。


イラク戦争が悲劇でありおそらく犯罪だったことを認める機会として、政治的範囲全体のさまざまな声がいかにブッシュのフロイト的失言を利用したかが印象的だった。


ムスリム女性初の下院議員イルハン・オマル(Ilhan Omar)は次のようにツイートした。「罪を犯した意識があなたに追いつくとき、あなたは告白することになったが、あなたの責任を問うことをだれも欲しない。笑いは、この男と彼の聴衆がどんな人であるかについて知らせるじゃまをしている。彼の戦争で亡くなった数千人の米軍と数十万人のイラク人についてまったく気にかけない。」何についてもオマルにめったに同意しないドナルド・トランプ・ジュニアが類似した意外なことを言う:「彼自身の20年、数えきれない命と何兆ドルについて、これほど正直で批判的だったらよかったと思いますよ。」


しかし、多様な党派的・個人的利害の人々によって共有されたコンセンサスにもかかわらず、ブッシュは免責を享受し続けるだろう。彼の話を聞いた支持者で構成された群衆は、無謀で違法な帝国の危険をものともせず敢行することは全く取るに足らないとアメリカの政治システムがすでに決定していることをわかっていたので、彼のことばによる災難を笑い飛ばすのが安全だと感じた。


ブッシュの後任であるバラク・オバマは、次に進むという名目で、ブッシュ時代の内外の犯罪の何であれ法的な重大性はまったくないと判断することで問題を封印した。この金のかからない国民和解の推進はドナルド・トランプの台頭でもっぱら強化された。突然、民主党の指導者らが、立派な共和党のアバターとしてブッシュの役を作りなおした。デマゴーグのリアリティ番組のスターに対比して踏みとどまる、品位が高いと思われている地味な政治家にだ。ファルージャの破壊者は、ミッシェル・オバマにミントをあげた好ましい男になった。


https://www.thenation.com/article/politics/george-bush-iraq-war-crime/?utm_source=one-signal&utm_medium=push&utm_campaign=2022-05-20