見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2022/05/02

EUは最大の敗者

 



最近、世界の女性のトップが、その考え方、発言も含めて輝いて見えます


フィンランドの首相はロシア・ウクライナ戦争によりこれまで選択したことのなかったNATO入りについて早急に検討する考えを会見で発表したとき、ライダーズジャケット姿でした


ところで、ヤニス・ヴァルファキスはギリシャの財務大臣のとき、バイクで通勤し、皮ジャンで演説していたのが印象的でした

その後、なんとミュージシャンのブライアン・イーノとコラボしたりトークイベントに出演したり、ぐっとそのユニークな存在が身近に感じられるようになりました

彼の著書、ダイヤモンド社の『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話』は、このへんの図書館でも借りられるほどで、他にも明石書店の『黒い匣 密室の権力者たちが狂わせる世界の運命』や ele-king books の『わたしたちを救う経済学』(原題『And the Weak Suffer What They Must? (弱者は耐えるのみ?)』)があり、後者は14カ国で翻訳されるベストセラーだそうです


2019年11月4日にロンドンで開催されたヴァルファキスとブライアン・イーノのトーク・イヴェントの議題は、「カネと、権力と、ラディカルな変革への呼びかけ」

ごくわずかな人たちのみを豊かにし、残りの大多数を貧困に陥れるグローバルな金融システムが、いかにわたしたちの社会の首を絞めているかについて語られました


ぜんぜん異なる世界に生きるふたりに見えるけれども、実はふたりは「本当に民主的なEU」の創出を目指す運動「DiEM25(Democracy in Europe Movement 2025)」で変革を闘う同志です(イーノは DiEM25 のテーマ曲も担当


https://www.intelligencesquared.com/events/yanis-varoufakis-and-brian-eno-on-money-power-and-the-need-for-radical-change/

http://www.ele-king.net/news/007097/



下記のヴァルファキスとのやりとりは、ロシアのウクライナ侵略が始まった2月24日の番組でのものです


◇ヤニス・ヴァルファキス(Yanis Varoufakis):

ヨーロッパはウクライナの立場を主張して賛成しなければならない、そしてプーチンを非難し、NATOを戻して平和を回復させなければならない

デモクラシーナウ!FEBRUARY 24, 2022


ロシアのウクライナ侵攻は残りのヨーロッパにとってどのような意味があるのか?EU(欧州連合)やUN(国連)ような国際機関が戦争を阻止できなかったことについて、わたしたち(番組デモクラシーナウ!)はギリシャの元財務大臣のヤニス・ヴァルファキスと話します。2月24日木曜の攻撃のあとただちに行った演説でアントニオ・グテーレス(António Guterres)国連事務総長はロシアにすべての軍隊を撤退させるよう懇願し、アメリカと同盟国は正当な理由のない攻撃(侵略)への報復として制裁を課すことに迅速に動きました。ヴァルファキスはこれらのおどしは「豆てっぽうが戦車をなんとか止めようとしているようなもの」だと警告します。平和的解決への唯一の有望な見込みは、NATOがウクライナはNATO加盟国にはならないと宣言することだとヴァルファキスは言います。


ヤニス・ヴァルファキス:なんと言えばいいのか?世界にとって、とりわけヨーロッパにとって、悲運な、うち沈んだ日です。戦争が欧州大陸に戻ります、欧州連合によってわたしたちの土地に戦争が戻ることは決してないだろうと約束されたのに。ウラジーミル・プーチンはこの行動を起こしたことに対して完全に責任があります。でも同時に、ウクライナにプーチンの突飛な行動をもたらす情況を作り出したことでNATOは責められなければなりません。


わたしたちは今ただちにこの戦争を止める必要があります。そしてどのようなNATOの拡大も止めるために、懸命に努力して進まなけれななりません。NATOに、ヨーロッパ、とりわけ東ヨーロッパを避けさせるために、わたしたちは国際的な連帯を引き起こす必要があります。忘れないようにしておきましょう、ジョージ・ブッシュ(パパ・ブッシュ)がミハイル・ゴルバチョフに断言していたことを。


エイミー・グッドマン(番組の司会者):欧州連合の反応はどうあるべきですか?EUは前例のない制裁を約束しています。欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は、制裁はロシア経済の戦略的セクターを対象とし、「ロシアの経済基盤を弱体化させ」「現代化するその能力を弱める」と述べました。加えて、彼女は「欧州連合のロシアの資産を凍結してロシアの銀行のヨーロッパ金融市場へのアクセスを停止する」と言いました。あなたの返答は?


ヤニス・ヴァルファキス:エイミー、本当のところ、プーチンはこのすべてを聞いて彼の立場に身をおいてびくびくしてなんかいませんよ。欧州連合は最大の敗者だと言うことでわたしの答えを始めさせてください。もちろん、戦争の辛辣極まる攻撃に苦しんでいるウクライナの人々は別として。欧州連合は信用を傷つけています。わたしたちの東の側面を戦争から解放し、自由の身に保つという使命を完全に失敗しています。そして今、あたかも欧州連合が単にNATOの付属物であるかのように、NATOの言葉づかいを採用していることは、大量の偽善でもあります。


すごい制裁のおどし一切に言及しましたね。それは、豆てっぽうが戦車を止めようとしているようなものなんです。というのも、うまくいく可能性のある制裁は1つ、プーチンが恐れるのは1つの制裁だからです。それはガスプロム(Gazprom)からの天然ガスの購入の終わりとなっています。ガスパイプライン、Nord Stream 1は、ドイツの産業機構に天然ガスからそのエネルギーの40%を供給しています。彼らはそれについて何も言うつもりはありません、これは覚悟ができていない制裁だからです。それによって、この外交的萎縮と偽善という一連の巧妙なコマの動きがあるのです。


エイミー・グッドマン:これが核戦争にエスカレートする可能性についてはどうですか?世界最大の核兵器保有量を監督するプーチン大統領の非常に不吉なおどしがあります、スピーチで彼は「わが国への露骨な攻撃がいかなる潜在する侵略国に対しても破壊と恐ろしい結果につながることは、誰であれ少しも疑うべきでない」と言っています。


ヤニス・ヴァルファキス:たまらなくいやな戦争がそのねぐらから解き放たれるとき、たくさんの大災害(悲劇の大詰め)が起こりえます。プーチンまたはアメリカがそこまでやるつもりであるとは思わないが、先のことはどうなるやらわかりません、なぜなら、これは強行論者(タカ派)がヨーロッパの人々や世界中の人々の頭上を威嚇するように飛び始めた瞬間に力を作用させる大きな不確実性だからです。


現在の最優先事項は、ロシア国民に勝利として提示できるなにがしかをプーチンに与えることにより、この混乱を片付けるまじめな外交上のイニシアチブです。そしてそれは世界中の誰にとってもコストのかからないものです、プーチン側からの軍隊の撤退と引き換えに、ウクライナがNATOの加盟国にはならないというNATOによる、アメリカによる、宣言です。プーチンは自分を取り戻し、立ち止まり、すべての敵対行為をやめてウクライナの国から全軍隊を動かします。


しかしアメリカ合衆国、欧州連合は存在しないのでわたしはアメリカの名を挙げています。アメリカはウクライナのために、いわば中立を含む取引をしなければなりません。アメリカはいかなる時にもウクライナに軍隊を派遣するつもりはなく、いかなる時にもプーチンがウクライナ人の権利と暮らしを踏みにじることに先手を打つことにはなりません。少なくとも、ウクライナの人々がロシア軍から解放されることになるこの部分の交渉によって決める手順を作ることです。


エイミー・グッドマン:ロシアがウクライナへの侵攻を開始したとき招集された国連安全保障理事会の緊急会議でグテーレス国連事務総長が演説をしました。ヤニス・ヴァルファキス、彼のコメントに対するあなたの反応は?今では骨抜きにされた欧州連合とあなたは言っています、欧州連合にはもっと権力があると思いますか?


ヤニス・ヴァルファキス:残念ながらそうでないようです。アントニオ・グテーレスは感動的なスピーチ、りっぱなスピーチをしました。でも、彼は国連憲章とそれを尊重する必要性について言及しましたね。まあ、プーチンがそれを尊重していないことに疑いはありません。彼がそれを尊重するかまたは尊重しないことに対して手段を講じることにわたしたちは最善を尽くすべきです。でも、同時に忘れないようにしましょう、国連憲章がいかにして無条件に踏みにじられたかを、国連がかかり合うどのような許可または当然与えられるどのような手続きもなしにイラクを侵略したとき、ジョージ・W・ブッシュによって国連憲章がなんの価値もない一枚の紙きれになったことをわたしたちは記憶していられる年齢です。それ以前にも、NATOがユーゴスラビアを空爆した1999年に当時のクリントン政権は国連を簡単に片付けました、国連を迂回し、事実上効力のないものにしました。確かに、国連は実にりっぱな考えです。国際主義は前進する唯一の方法です。ですが、残念ならがアントニオ・グテーレスは無人テントの事務総長だとわたしは思っています。


エイミー・グッドマン:ニューヨークタイムズ紙がロシア国内の反戦運動について報じています。ロシア国内の全住民についてはどうですか?これで誰が得をして誰が損をするのか?実際、ロシアの億万長者の一部が制裁の対象になっているとしても、制裁は積極的行動に駆り立てません。たとえ彼らがその他の外側の経済から孤立させられたとしても、ロシアが依存しなければならないのは内側の億万長者の事業です。


ヤニス・ヴァルファキス:ロシア国内の反戦運動について言及したことをとてもうれしく思います。なぜなら、平和を成し遂げる中でわたしたちの最良の同志、親友、協力者は、ロシアの民主主義者、中国の民主主義者、アメリカ合衆国の民主主義者だからです。民主党員のことではありませんよ。そして西側諸国がまるでロシアの民主主義者に対してプーチンが強くなることをただひとつの目的に考慮しているかのようにふるまっているのをわたしは非常に危ぶんでいます。なぜなら、NATO軍とNATOの核兵器でロシアを取り囲むとき、あなた方はロシアの民主主義者の弾圧を効果的に続けるにあたりロシア内でプーチンに非常に強力な論拠を与えているからです。この戦争は一方ではNATO拡張主義の結果です、他方ではもちろん、ロシアのりっぱな民主主義者、善良な人々を制するプーチンの権力、残忍で残酷な権力を強化するためにこの戦争をする、アメリカとNATOとヨーロッパが彼にもたらす好機にプーチンがとびつくことゆえの大歓喜です。


エイミー・グッドマン:ヤニス・ヴァルファキス、番組にご参加いただきありがとうございました。ウクライナから平和活動家にも参加していただきたかったのですが、彼はキーウの戦争地下シェルターに行かなければならなくなりました。ヤニス・ヴァルファキスはギリシャ議会議員、ギリシャの元財務大臣、バーニー・サンダース上院議員と共にProgressive Internationalの創設者です。

 

https://www.democracynow.org/2022/2/24/russia_invasion_ukraine_yanis_varoufakis?utm_source=Democracy+Now%21&utm_campaign=7d19524561-Daily_Digest_COPY_01&utm_medium=email&utm_term=0_fa2346a853-7d19524561-190327541