シェインの展覧会
昨日、渋谷で音楽ものの映画、『SONGS FOR DRELLA』を見てきました
今年見た映画でも、これは出だしからジョン・ケールとルー・リード、ふたりの緊張感がはんぱなく、すごかったー
1990年の観客なしのふたりのライブ!ですが、歌詞はウォーホルを丸裸にしています
『シェイン』と『SONGS FOR DRELLA』と、今年見た映画の一番、二番を競います
◇ポーグスのハードな生きざまの元フロントマンがアーティストとして成功を見いだす
ガーディアン紙 2022年10月23日
シェイン・マガウアンにはスタジオはなく、妻の口紅で“sick bags(嘔吐袋)”に絵を描くのだが、ケイト・モスが彼のアートを購入している。
彼の初めてのロンドンの展覧会への肯定的な反応にシェインは困惑し、仰天している。「あらゆることにまったく圧倒されちまった」と彼はオブザーバー紙に語った。
彼の名はハードな生きざまの代名詞だが、今月、ポーグスの有名な元フロントマンは隠された絵の才能を現した。シェイン、現在64歳はナイツブリッジギャラリーに展示されたほぼすべての作品が売却済みとなり、展覧会が延長されたことを知る。
シェインはアート界では新人かもしれないが、ギャラリーのオープニングを催すことになったとき、その詩人は本拠地に戻ってきた。「ロンドンでは笑いが止まらなかったよ、でもまともな朝食みたいな一番シンプルなものを手に入れるのに骨が折れた。長いこと経験しなかった、たくさんの人に会ったよ。」シェインの車いすと虚弱な健康状態にもかかわらず、ケイト・モスと一緒の夜は遅くに終了したと妻であり作家のビクトリア(Victoria Mary Clarke)は語る。「シェインはフレンドリーでない状態でいることで逃げられるけど、実際に心から愉しんでいた。彼は普通はじょうずとかうまいと言われるのが好きではない、でも彼のアートはいい感じという考え方が好きになりだしている。」
アイルランドのフラット(集合住宅)では、シェインは幼少期の彼を取り巻く暴力や、彼のアートのなかのその場所について率直だ。目で見た影響にはカラヴァッジオや印象派の学校が入るが、自分のことを「うまく描けない現実主義者」と考えていると彼は述べる。「オレはほんとうに素朴なアーティストなんだよ。退屈な旅でおもしろがるために紙切れや嘔吐袋やなんかに絵を描いた。ただ創造的だとは思う。みんなそうだと言ってくれている。」
めったにないほどおおらかなムードでシェインは、アイリッシュバンド、Croninと一緒に作ったアルバムの完成がやっと近づいていることに喜びを漏らしてもいる。
妻のビクトリアによると、アンディパギャラリーの展覧会の最初の数日という速さで絵は売れた、それにはケイト・モスが購入したグレース・ジョーンズの一枚が含まれる。「ケイトはいつもとてもクールなアートを家に飾っているので、彼女がその絵を気に入ってくれてとてもうれしかった」と彼女は言う。「それにバンドのFontaines DCがシェインのとても力強くて攻撃的と言えるほどのボノの肖像画を買ってくれたの、だから彼らはみんないっしょにアイリッシュバンドよ。」
展覧会『The Eternal Buzz and the Crock of Gold(果てしのない熱狂と金の壺』の来客は多くの絵がすでになくなっていることに気づく。「複製はいっさい作らないので作品を所有できるのは1人だけ。シェインは同じことを繰り返すのが好きではない。」
夫のスタジオの規律は存在しないとビクトリアは言う。「彼にはスタジオもなければ規律もない。水彩とアクリル、たいがいはインクで描くけど、また口紅のような自然にあるものを利用しても描く。彼の気分のようにまちまちなの。」
夫婦は突如として供給の問題を抱える。シェインの絵の大部分は彼が移動中の80年代に描いたもので、たとえそれらが現在2000ポンドから2万8000ポンドまでの価格帯といえども、在庫がなくなりつつある。
「当時、彼はどこにでも絵を描いていた」とビクトリアは言う。「レストランのメニュー、ホテルのルームサービスのカード、またはわたしのレシートや銀行の明細書に。壁にだって描いた、キャンバスに描いたことは一度もないのよ。」
1957年のクリスマスの日にケントで生まれたシェイン・マガウアンは、『Fairytale of New York(ニューヨークの夢):ポーグスの代表曲』をうらさびれてデュエットする手に負えない腕白小僧としてよく知られている。また、彼は伝統的なアイリッシュ・バラードのパワフルなカヴァーバージョンのクリエータであるのはもちろん、すごいソングライターとしても認められている。ポーグスで彼は影響力のあるアルバムを5枚作り、 酔っ払って民衆を扇動することで音楽界のレジェンドとしての地位を確立した。「でもオレは神話上の生きものじゃない」と彼は言う。「オレはもてあますほどの人間だ。霊長類の動物。オレは動物で動物には魂がある。オレたちはみんなビッグな魂を持っていると信じるよ。この地球上のだれもかれもだ。」
シェインは幼児期の頃から絵を描き始めた、そしてその後すぐに酒を飲むようになったと彼は言う。初期のスケッチはホッケーと比較される強健なアイルランドのスポーツ、ハーリングの試合のものだった。「ハーリングは極端に熟練したゲームで、アイルランドとイングランドの道路で働いているか農夫だったことを除けば、オレの家族の多くがハーリングをやっていた。それはまったく格闘技なんだよ。」
シェインがいじめられたと妻が言うロンドンの神聖化されたウエストミンスター学校での短い期間は精神的な問題で引きこもりの期間が引き続いて起こった。どちらの期間も傷跡を残したとビクトリアは考えている。もっと最近にはシェインが動けなくなった転倒の後、抑鬱的な“意気消沈”と妻が形容するものに陥った。そのすぐ後、母の突然の死が続いた。「彼はリスクを冒し続けても得るものは何もないと考えていた。人と話したり会ったりすることを望まなかったし、それが何年も続いた。」
Mullingar出身のファミリーバンド、Croninとの音楽制作にゆっくりと復帰することで人生への関心を取り戻した。絵を描くのは、自分を芸術的に表現するという彼の絶えず続く必要性のさらなる証拠だと妻は示唆する。「それは相伴う。創造性を発揮させると、それは止められない強い力です。」
シェインの友人、ジョニー・デップが展覧会に伴う高価な本のなかで指摘するように、彼の絵の多くは暴力的だ。本はミュージシャンのウエブサイトで販売されている。
宗教的なモチーフは心の中に埋め込まれているとシェインは語る。「今はミサの儀式に行くのにうんざりしているけど、聖体拝領には行く。自分の罪を告白する必要性なんて感じないよ。」
かつては衝動的に絵を描いていたかもしれないが、現在、彼をせきたてているのは常に頭の中で旋律をつくる音楽だ。「オレはいつも歌を書いている。絵を描くのはもっと努力する。今は新しいバンドと一緒にアルバムをレコーディングする後期の段階にあり、オレたちにはびっくりするような相性(共感)がある。」
https://www.theguardian.com/music/2022/oct/23/pogues-hard-living-former-frontman-finds-success-as-an-artist?utm_term=Autofeed&CMP=twt_b-gdnnews&utm_medium=Social&utm_source=Twitter#Echobox=1666517314
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