見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2007/06/01

さよならアメリカ シンディの辞任の手紙


「反戦の母」と言われてきたシンディ・シーハンがその活動を停止したことをDaily Kosに書いています。
以下はそのほぼ全訳です。(29 May 2007)
それにしても、すごくいやーなやつになることを楽しむ風潮とかがあるんでしょうか。シンディ母さんの息子が死んだ戦争は、始まる前に世界中が反対した戦争なんです。ブッシュには彼女の息子が死ななくてはならなかった理由を説明する責任があるはずです。

息子のケーシーがイラクで殺されて以降、特に私がアメリカの反戦運動の「顔」とやらになって以降、私はたくさんの中傷と憎悪に耐えてきました。特に民主党の手に帰している縁を切って以降、デモクラティック・アンダーグラウンドといった「リベラルなブログ」で無用の者とさんざんなぐられてきました。「注意の売春婦(アテンションホア)」と呼ばれること、「いい厄介払い」だと言われるのは、寛大な叱責以上のものです。
この戦没者記念日の朝、私はひどくつらい結論に達しました。私の抗議をジョージ・ブッシュと共和党に限定さえすれば私は左派とやらの愛情を一身に集めている人だったというのが最初の結論です。もちろん、私は民主党の「道具」だと右派によって誹謗中傷されました。このレッテルは私と私のメッセージを社会の主流から取り残し社会的に無視するためのものでした。どうやって女性はオリジナルの考えを持てるのでしょう、または私たちの「2大政党」システムの外でどう役に立つことができるのでしょう?
しかしながら、私が共和党を支えたと同じ規範で民主党を支え始めたとき、私の主張(大目的)のための支援が減退し出して、右派が使ったのと同じ侮辱で左派が私にレッテル付けを始めました。平和と、理由もなく人が死ぬことの論点は、「右か左か」の問題でなしに「正しいか間違ってるか」の問題だと私が言ったとき、誰も私に注意を傾けなかったと思います。
等しく民主党と共和党によって支援されたウソに基づく戦争のために何十万という人間が死んでいるとき、党派心の強い政治は路傍に捨てられるべきだと信じるから、私はラディカル(急進派)に重きを置いたのです。論争で活発な人々やレーザービームのようにウソや虚偽の陳述(誤伝)や政治的方便(ご都合主義)に注意を集中できる人々が、党となるとわが党のウソや虚偽の陳述や政治的方便を認めるのを拒絶することに私はびっくり仰天します。どちらの党で生じるにせよ、盲目的な党の忠義は危険です。私たちが政治指導者らにひどく流血をともなう許容範囲を許すせいで、世界の人々は物笑いの種として私たちアメリカ人を見ています。そして、もしこの腐敗した「二大政党」システムに取って代わるものを見つけなければ、議員代表共和政体は死ぬことになり、私たちがどんどん身を落としていっているただのチェック機能もバランス機能もないファシズム的集合体の不毛時代に取って代わられるでしょう。人物を見るときに私は所属の党や国籍を見ないせいで悪霊に取り憑かれます、私はその人の心を見ます。もし着ているものや振る舞いや話や投票が共和党員のように見えるとして、その人が自分自身を民主党員と呼ぶせいで支援に値するというのはなぜなのでしょう?
また、私がこういうことをしているのが「注意の売春婦」だからなら、献身的である必要があるという結論にも達しています。私はすべてを注ぎ込んでいます、なんとかして国に公正に平和をもたらすことに私はのめり込んできました。彼らが息子を殺したとき、「感謝に満ちた」国が私にくれたお金から得た利用できる小銭をことごとく、そして講演や本の印税で受け取ったすべてを費やしてきました。私は29年の結婚生活を犠牲にし、ケーシーの兄弟姉妹から遠く離れて長期間旅してきました。そして私の健康が犠牲になりました、罪のない人間を虐殺するのをこの国になんとか止めさせることに私の全エネルギーを費やしてきたせいで、ほとんど死にそうになった昨年夏から病院の支払いが積もりにつもっています。私は卑劣な人間が考えつく見下げはてた名前ことごとくで呼ばれてきていますし、私の命は何度も脅されてきています。
しかしながら、今朝、私が達したさんざんな結論は、ケーシーがまったく無駄死にしたということでした。私たちが考えることをコントロールさえする戦争マシーンによって動かされ恩義を受ける自分の国によって殺された彼の尊い生命のもとは愛する家族から遠く離れた国で尽きました。以来、私は彼の死になんとか意味を見いだそうとしてきました。民主党と共和党が人命で政治ごっこをするなか、この先数ヶ月でどれだけ多くの人々が死ぬことになるかより次のアメリカの崇拝の的に誰がなるかのほうに関心を持つ国のためにケーシーは死んだのです。何年もこのシステムに巻き込まれたことを知るのは私にはとても苦しいことです。そしてケーシーはその国家の忠誠の義務のために犠牲を払いました。私は最愛の息子をなくしました、そのことが一番つらいです。
しばしば、平和と人命より当人のエゴを優先させる平和運動の範囲内で役立とうとやってもみました。この団体はあの団体とは一緒にやらない、彼女がここにいるつもりなら彼は参加しない、そしてとにかく、なぜシンディ・シーハンが全注意を引くのか?まさしくその運動があまりにもたくさん意見の不一致がある名をとって命名されるとき、平和のために役に立つのは困難です。
女性も男性もイラクにいる勇敢な若者たちは、破壊についてのチェスボード上のポーンのように兵士たちを動かす臆病な指導者らによっていつまでも無期限に見捨てられてきています。そして人よりも選挙について心配する人々によって、イラクの人たちは死にいく運命と死よりも悪い運命を定められているのです。しかしながら、5年、10年あるいは15年、わが国の軍隊は別の見下げはてた失敗で、くたくたに疲れて帰国することでしょう。そしてそれから10年か20年して、私たちの子どもの子どもたちが愛する家族が理由もなく死んだのを理解することになります。なぜなら祖父母らもまた腐敗したシステムに巻き込まれたからです。ジョージ・ブッシュが弾劾されることは決してないでしょう。民主党が深く掘りすぎても彼ら自身の墓に数体の骸骨を発見するのが関の山で、システムは永久に不滅でしょうから。
なんであれ私が残してきたものを引き受けるつもりでいます。自宅に戻り、残された子どもたちの母親になるつもりでいます、そして健康など失ったものを回復するつもりです。旅で見つけたとても前向きな人間関係を維持し、育てていくつもりです。
キャンプ・ケーシーはその目的を満たしています。売り出し中です。テキサス、クロフォードの5エーカーの美しい土地を買いたい人は?妥当な申し出を考慮に入れますよ。ジョージ・ブッシュもまた、まもなく引っ越すつもりだと聞きます。資産価値が上がるのでは。
これはアメリカの反戦運動の「顔」を辞任する私の手紙です。アメリカの帝国によって傷つけられる世界の人々を助けようとすることは絶対にあきらめません。でもこのシステム内、またはシステム外で役立つことは終えます。このシステムは助けられることに激しく抵抗し、なんとか助けようとする人々を食い尽くします。それが私や私が愛する人々や残りの私の資産をすっかり消費し尽くす前に、私は出て行きます。
さよならアメリカ.....アメリカは私が愛する国ではありません、私の犠牲の大きさなど気にしないことにやっと合点がいきました。あなたが望まない限り、私にはどうにもできません。
あなた次第です。

シンディ・シーハンの本は、「Peace Mom: A Mother's Journey through Heartache to Activism 」とシティ・ライツから出ている「Dear President Bush 」の2冊です。