見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2008/11/22

アンナ殺害の裁判は茶番劇


◇米中央情報局(CIA)などで組織する国家情報会議(NIC)は11月20日、2025年の世界情勢を展望する報告書を発表した。米国について「圧倒的優位が弱まる」とし、超大国ではなくなることを自ら認めた。中国が世界第2の経済大国に成長するなど「富は西洋から東洋に移り、多極化した世界になる」と分析した。

「変貌(へんぼう)した世界」と題した120ページの報告書は、2025年までに世界は新興国の台頭と経済のグローバル化により「第2次世界大戦後に生まれた国際体制が、ほぼ跡形もなくなる」と予見した。通貨ドルに関して「ドルの国際的な役割は衰え、複数の基軸通貨が並立するなかでの筆頭格となる可能性が高い」と指摘した。

「世界に最も影響を与える国」は中国になると展望。「世界最大の資源輸入国、そして最大の汚染国になるかもしれない」と指摘した。

(日経新聞 2008年11月21日)

◇米ワシントン連邦地裁は20日、キューバのグアンタナモ米軍基地に収容されているアルジェリア人5人の釈放を命じた。「敵性戦闘員」としての証拠が不十分と判断した。

同基地の収容者をめぐっては、連邦最高裁が今年6月、拘束への異議を申し立てる権利を認めるとの判決を下していた。これに基づいて申し立てをしたアルジェリア人6人について、同地裁で審理が行われていた。判事が読み上げた釈放命令は、通訳を介して電話で本人らに伝えられた。

6人は2002年、サラエボの米大使館の爆破を計画していたとして、ボスニアで拘束され、同基地へ送られた。米当局は昨年、この計画に関する容疑を取り下げたが、その後も引き続き、「アフガニスタン駐留米軍への攻撃などを図っている」として拘束を続けていた。同地裁は6人のうち1人について、国際テロ組織アルカイダへの協力者であるとの「十分な証拠がある」と判断し、拘束を認めた。

司法省は「5人についての地裁の判断には同意できない」として「失望」を表明したが、釈放命令に異議を申し立てるかどうかは明らかにしていない。

グアンタナモ基地には現在、約250人が収容され、このうち200人が拘束の是非を問う裁判を起こしている。

(CNN 2008年11月21日)

◇政権移行チーム、グアンタナモ基地収容者への対応を検討

オバマ次期米大統領の政権移行チームは、キューバのグアンタナモ米海軍基地に収容されているテロ容疑者255人への対応について検討に入った。オバマ氏の上級外交政策顧問、デニス・マクドナー氏が明らかにした。

オバマ氏は先月31日、CNNの単独取材で、同基地の収容施設を閉鎖する方針を明言している。マクドナー氏は、収容者の処遇を「国土安全保障や法律問題のチーム」を招集したうえで決めたい意向を明らかにした。

オバマ氏に近い複数の消息筋が10日明らかにしたところによると、次期政権は同基地の一部収容者を既存の連邦裁判所で裁く案や、細心の注意を要する情報を扱う特別治安裁判所を設ける案、残り収容者を釈放する案を検討している。このシナリオでは、同時多発テロに関与した国際テロ組織アルカイダの幹部戦闘員を訴追するためブッシュ政権が設立した軍事委員会は廃止される見通し。

軍事委員会については2006年、米最高裁が違憲判断を示した。ブッシュ米大統領も拘置施設閉鎖の意向を表明したものの、「冷酷な殺し屋」拘束の余地を残す必要があると発言。ゲーツ米国防長官は今年5月に上院委員会で、収容者の処遇問題が足かせとなって拘置施設閉鎖が進んでいないと語った。

米国自由人権協会(ACLU)は10日付の米紙ニューヨークタイムズに意見広告を掲載し、大統領就任初日に同基地閉鎖を承認するようオバマ氏に促した。

◇ブッシュ大統領が不支持率で記録達成、ニクソン大統領抜く

米ブッシュ大統領の不支持率が76%と過去最悪になったことが、CNNとオピニオンリサーチが10日に発表した世論調査で分かった。ウォーターゲート事件で辞任した故ニクソン元大統領の不支持率66%を抜き、支持率調査が導入された過去60年来で最も不人気な大統領になった。

「不支持率が70%を超えた大統領はほかに1人もいなかったが、ブッシュ大統領は今年、これを3度も達成した」とCNNの調査責任者キーティング・ホランド氏は解説する。

同じ調査で「米国はうまくいっている」と答えた人はわずか16%で過去最低となり、「悪くなっている」との回答が過去最高の83%に増えた。同調査では過去34年間同じ質問をしているが、うまくいっているとの回答が20%を切ったのは初めてだという。

一方、バラク・オバマ次期大統領については回答者の3分の2が当選後の行動を評価。4分の3が、同氏は優れた大統領になるだろうと期待を表明した。

調査は大統領選挙直後の6日から9日にかけて、米国の成人1246人を対象に電話で実施した。
(以上、CNNニュース)

◇アンナ・ポリトコフスカヤの裁判で新たな別の手

論議が深まる真っ最中に、ロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの殺害にかかわり合う容疑者3人の裁判が一時停止されている。

陪審と被告側弁護士の両者が論議に入った後、エフゲニー・ズーボフ判事が10日間延期した。

この裁判はゆゆしく妥協して処理されるとの印象に最新の奇怪な別の手が加わるとBBCの特派員は伝える。

殺害されたクレムリン批判者の支持者たちは、裁判が茶番劇なのはすでに立証されていると言う。

11月17日月曜、裁判は一般に公開されるものとすると決定して判事はすべての人を驚かせたと、モスクワにいるBBCのルパート・ウィングフィールド・ヘイズは伝える。

2日後、陪審がジャーナリストの前に姿を現すのを拒絶したと言って、彼はこの決定をくつがえした。

だが、木曜、陪審のひとりがモスクワのラジオ局に電話して、陪審の誰もそんな要求をしていないとこれを否定した。

情報源のジャーナリストではなく、法廷にTVカメラが入るのに反対したと陪審員は言った。

いま判事は被告弁護士らが忙しすぎると言って訴訟事件を一時停止にしてきている、だが、被告弁護士らもまたそれは真実ではないと否定している。

ポリトコフスカヤの支援者たちは、国家保安局員らが彼女の殺害に関与していると信じる、そしてそれゆえに、公平で開かれた裁判などあるわけがないと言う。

ロシアのウラジミール・プーチン元大統領の最もやかましい批判者のひとり、ポリトコフスカヤは2年前にモスクワの彼女のアパートの外で射殺された。

公判中の3人の被告は、元警察官のセルゲイ・ハジクルバノフ(元組織犯罪取締局大尉)と、2人のチェチェン人マフムードフ兄弟だ。

だが、彼らは殺害の遂行でもそれの命令でもなく、陰謀への関与で告発されているだけだ。

(BBC NEWS 21 November 2008)

写真は3人の被告、笑ってる2人がチェチェン人兄弟