イタリーのゴモラ
◇ナポリで反マフィア10万人集会 イタリア、過去最大規模
イタリア南部ナポリで21日、マフィアなどの犯罪組織の犯行による犠牲者を追悼し、政府に対策強化を求める市民団体主催の集会が行われた。警察発表によると、10万人以上の市民が参加、同国の反マフィア集会では過去最大規模となった。
イタリアの犯罪組織としては南部シチリアのマフィアのほか、ナポリのカモッラなどが大きな勢力を持ち、麻薬の密売などで得られる年間収入は計1300億ユーロ(約17兆円)と「イタリア最大企業の売り上げに匹敵する」との報告もある。
集会では、犠牲者の遺族が遺影を持ちながら行進、犠牲者計約900人の名前が読み上げられた。カモッラの暗部を描いた世界的ベストセラー「ゴモラ(邦題・死都ゴモラ)」の作者で、摘発により打撃を受けたカモッラから「暗殺予告」を受けている作家サビアーノ氏(29)も参加した。
(共同通信 2009年3月22日)
◇広がる影響力
行進に参加した人たちの中に悪事を徹底的に調査し追求するジャーナリスト、ロベルト・サビアーノがいた。彼はマフィアを暴く本「ゴモラ」の著者、ゴモラは今では国際的に賞賛される映画だ。
29歳の著者は、ナポリのカモッラに焦点を合わせる本を出版して以降、死の脅迫を受けてきている、そして今は警察の保護下で暮らす。
全国規模のマフィアへの関心が映画「ゴモラ」の公開でもって再燃した、映画は若干の映画祭で多数の賞を受賞した。
映画は大部分フィクションだが、イタリーの現実をそっくり再現する、無慈悲で融通のきく組織の物語を伝える。
イタリーの組織犯罪は4つのマフィア一味によって支配される。シシリーのコーザノストラ、ナポリを中心とするカモッラ、カラブリアの'Ndrangheta、そしてプーグリアのSacra Corona Unita。
イタリー当局は近年、コーザノストラに打撃を加えてきているが、他の組織は支配力を維持し、彼らの影響力が広がるのを確かめてきていると、BBCのミラノ特派員マーク・ダフは言う。
グローバルな経済不況もまた、クレジットを奪われて苦しむビジネスマンに現金を貸すといった、斬新な金儲けの好機をマフィアにもたらしてきている。
(BBC NEWS 22 March 2009)
写真はロイター=共同
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