見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2020/07/26

ママたちの壁


軍事装備を施された連邦捜査官と地元警察による激しい取締りにもかかわらず、ポートランドの抗議は増している

オレゴン州ポートランドでは重装備した名札のない連邦職員が人種差別に反対するデモに対して夜な夜な攻撃を遂行し、通りから人々をひっつかんで逮捕した…

◇‘行動を取りたかった’:ポートランドの抗議者を守る‘ママの壁’に味方する

何百人もの母たちがデモに行き、抗議者と連邦職員とのあいだに人間のバリケードとして踏みとどまった

ジェーン・ウルマン(Jane Ullman)をアメリカで警察がやっていることにようやく注意を向けさせるにはジョージ・フロイドの殺害が必要だった。だが、彼女に抗議を始めさせたのはポートランドの通りからデモ参加者をひっつかんで逮捕する迷彩服を着た連邦捜査官の悪意のある光景だった。

オレゴンの最大都市の新設テク企業の財務本部職員は「ママの壁」という黄色い服を着た他の数百人の母たちの仲間に加わってBLM(黒人の命も大切)のデモを集中的に追い散らすためにドナルド・トランプによって派遣された政府職員(捜査官)と抗議者とのあいだの人間バリケードとして毎夜立ち向かうことになる。それは人種的正義を支持する初めてのデモだったとふたりの子どもの母であるウルマンは語った。

「アメリカで最も白人文化の都市にいる上層の社会階級の白人女性として、もはやわたしはがまんできませんでした」と彼女は言った。「ジョージ・フロイド以降、わたしはたくさん独学をしてきました。本を読み、知識を取得することで。わたしは行動を取りたかった。でも、わたしを連れ出したのは、‘ママの壁’でした。」

ウルマンだけではなかった。今までで最大の抗議のためにポートランドのダウンタウンにある郡刑務所と連邦裁判所の外の通りや広場に数千人が群がった2日目の夜、公然たる抵抗の小さな象徴的行動として土曜日に始まったものが先頭に立つ重要なデモに変わった。

その中心で黄色の服を着た何百人もの女性たちが「両手を上げます、どうかわたしを撃たないで」と歌っていた。トランプの連邦捜査官の派遣は抗議者を止めることができなかっただけでなく、抗議者たちを新たに活気づかせた。

抗議者を続けざまに殴打して街路からひっつかんで逮捕する、警官というより占領軍の兵士のように見える誰であるか識別できない連邦捜査官のビデオは、35歳のふたりの子どもの母、Bev Barnumを怒らせた。彼女は土曜の朝、フェイスブックのメッセージに次のように投稿した。

「あなたがたの大部分がニュースを読んで知ったように抗議者たちは理由もなく痛めつけられています。そして最近、抗議者は誰であるか識別できない法執行機関によって印のないクルマに入れられることにより、彼らの権利を剥奪されています。わたしたちママはよく過小評価されます。でも、わたしたちは認められている以上にゆるぎなく大胆です」と彼女は書いた。

白い服を着てトランプがアナキスト(無政府主義者)と表現したデモ参加者と警察とのあいだに防護線をつくるよう、Bev Barnumはグループに大声で求めた。「暴力を使わずに抗議者を守ることをはっきり見えるようにしましょう」と彼女は言った。「振り回されている不当な叙述部分にわたしたちはしかとせず光を向けます。」

その夜、「連邦政府職員はずっと罪のないままでいなさい、ママはここにいる」とチャントする最初のほぼ40人の母たちのグループが勢揃いして一列に並んだ。

連邦職員が催涙ガスと大きな衝撃音を放って警棒で襲いはじめるやいなや、ママたちの列はほとんど守りの気勢を示さなかった。だが、彼女たちは翌日の夕方、もっと大人数で戻ってきた。今回は黄色い服を着て、ひまわりの花を手に持っていた。ウルマンと他の数百人がこれは抵抗する時期だと判断した月曜には、ママの壁はメインイベントになっていた。おばあちゃんであるジェニファー・ブラッドリーはもっと早い時期には抗議に加わることをためらった。

「連邦職員が人々を通りから一掃することにわたしは熱を上げていません」と‘ユニオン・プラウド’のバッジをつけている郵便局の女性配達員は言った。「わたしはBLM(黒人の命も大切)で活動してきましたがママの壁を見るまではこのデモはわたしにはあまりにも過激に見えました。ママの壁は同じ意見の人々の大きなグループです。」

女性の多くはトランプの介入によって連れ出されたが、警官がホームレスの人々を射殺したために警察が裁判所の監督の下にあるポートランドを含め、
警察改革の差し迫った必要に焦点をあて続けることが重要だったとブラッドリーは述べた。

「なんとなく人々はあきらめるつもりがないという感じがします。今回は違うという感じがする」と彼女は述べ、ジョージ・フロイド以前の他の殺害の後にいかに警察に変化がなかったかをよく考える。ほぼ9分にもおよび警官が彼の首を膝で押さえつけた後、ジョージ・フロイドは5月25日にミネアポリスで亡くなった。

ポートランドの市長とオレゴンの州知事は、国家安全保障省、アメリカ連邦捜査局(US Marshals Service)、国境警備隊からの職員の配備を非難した。
州の検事総長は「権限の行き過ぎとポートランド・ダウンタウンの通りの平和的な抗議者を傷つけたり脅したりした」ことでこれらの機関を訴えている。

一部の抗議者が彼らのことをそう呼ぶ、「トランプの軍隊」は地元の警官より大きな活動の余地がある。裁判所は市警に催涙ガスの使用を禁じるが連邦職員はその命令に拘束されない。

ママたちの壁の仲間に加わったオレゴン州の元住宅管理責任者、Margaret van Vlietにとって、それはとても耐えられなかった。
「わたしは家で声を上げなければならないと思っていた」と彼女は言った。「だからここにいる」と。

https://www.theguardian.com/us-news/2020/jul/21/trump-federal-agents-portland-protests-moms?utm_term=Autofeed&CMP=twt_b-gdnnews&utm_medium=Social&utm_source=Twitter#Echobox=1595373757


△BBC NEWSより一連の流れを遡ってみる

2020年7月23日

米オレゴン州ポートランドで続く反人種差別デモは開始から2カ月近くがたつ。最近では、「ママ」たちの参加が増えている。
「ママたちの壁(Wall of Moms)」と呼ばれる一団はデモ参加者とデモ解散のために送り込まれた連邦職員らの間に入り込み、「人間の盾」の役割を果たしている。
ポートランド在住の母親べヴ・バーナム(Bev Barnum)さんは18日、「ママたちの壁」を作ろうとフェイスブックで呼びかけた。
彼女は連邦職員が「明らかな人権侵害をしている」のをメディアで目にし、行動を起こしたと米CNNに語った。
ポートランドでは、5月に黒人のジョージ・フロイドさんが警察の暴力で死亡した事件をを受け、毎晩のようにデモが続いている。ドナルド・トランプ大統領はこれを抑え込むためとして連邦職員を派遣。市内の空気は張り詰めている。
トランプ氏は秩序を回復すると主張するが、ポートランド市当局者らは11月の大統領選挙で再選を目指して同市を利用していると非難している。
所属の表示がない車両から出てきた連邦職員らが路上でデモ参加者たちを手当たり次第に拘束しているとの目撃証言が出ている。催涙ガスも使用された。
国土安全保障省のチャド・ウルフ長官は今週、連邦職員は全員、警官だと示す記章をつけていると主張した。
デモ参加の意思を示す「ママたち」は2000人近くに上っている。デモがすぐに収まる見込みはない。


ドナルド・トランプ大統領は22日、国内各地の暴力対策強化として、連邦政府の法執行職員を「大量」に派遣するとホワイトハウスで表明した。

警察の暴力や人権侵害への抗議を機にデモが5月下旬以来続くポートランドでは、派遣された国土安全保障省の職員がデモ参加者を拘束している。こうした動きは市民や市当局、州政府から強い反発を呼び、むしろ緊迫する現地の状況悪化につながったと批判されている。
トランプ氏に批判的な人たちは、コロナ禍でアメリカの死者が14万2000人を超え、大統領支持率が低迷する渦中で11月の再選を意識した動きだと警戒している。

2020年7月18日

所属不明の男たちがデモ参加者をいきなり拘束 連邦職員か
オレゴン州ポートランドで、所属の明示がない迷彩服姿の男たちがデモ参加者たちを説明のないままいきなり拘束し、所属不明の車両に乗せて現場を走り去ったという。同州知事は「露骨な権力の乱用」と強く非難している。
オレゴン公共放送(OPB)の報道によると、人種差別や警察暴力に抗議するデモが5月下旬以来続くポートランドで、「POLICE(警察)」の文字以外は所属の明示がない迷彩服姿の男たちが所属不明の車両から降りて容疑内容や黙秘権の通告もないまま抗議参加者を無令状で拘束し、車両に押し込み走り去る様子が確認された。
OPBによると、少なくとも7月14日からこれは続いているという。
OPBが確認したという動画では、抗議に参加していたマーク・ペティボーンさんが自分が拘束されたときの様子を話している。それによると、7月15日に防弾チョッキなどを着けた所属不明の職員が乗ったバンに「要するに放り込まれ」、連邦地裁の留置場に連れて行かれた。そこで権利の通告を受けた後、取り調べに黙秘すると逮捕歴の記録も召喚令状の交付もないまま釈放されたという。
OPBによると、連邦職員はこれまでに13人をデモ関連の罪状で訴追している。

「露骨な権力濫用」か「暴動鎮圧」か
AP通信によると、連邦政府施設の警備に派遣された連邦職員は連邦地裁周辺だけでなく、連邦政府の施設から離れた場所でも抗議参加者を拘束しているという。
オレゴン州のケイト・ブラウン州知事(民主党)は、所属不明の連邦職員が市民をいきなり拘束していることに強く反発し、「露骨な権力乱用」だと非難した。
知事報道官のチャールズ・ボイル氏は、相当な理由のない拘束は「非常に懸念される行為で市民の公民権や憲法上の権利を侵害するものだ」と述べた。
ポートランドのテッド・ウィーラー市長をはじめ複数の市幹部は、連邦職員の支援を依頼したことはないし、退去するよう要請したと話した。
トランプ政権がオレゴン州に派遣した連邦職員は、デモ隊に向けて催涙ガスや致死性の比較的低い弾丸を発砲している。
16日にポートランド入りしたチャド・ウルフ国土安全保障長官代行は、連邦職員は「アナキスト(無政府主義者)」や「暴徒」を鎮圧しようとしているのだと主張した。
ウルフ長官代行は長文の声明で、州政府と市当局が「事態収束」に失敗したと批判。そのため「暴徒が勢いづき、毎日のように騒乱を激化させている」、「ポートランドの街は47日間も連続して、(暴徒に)捕らわれている状態だ」と述べた。
これに先立ちトランプ大統領は13日の記者会見で、ポートランドでデモ鎮圧にあたる連邦職員は「見事だ」と称賛。「ポートランドは完全に制御不能だったが、連邦職員が現地入りして、おかげで大勢が刑務所に入ったはずだ」と述べ、「だいたい鎮圧した。また始まったら、またあっさり鎮圧する」と話していた。

連邦職員は何者なのか
国土安全保障省(DHS)に属する税関・国境警備局(CBP)は、少なくとも抗議の参加者1人の拘束は自分たちによるものだと認めた。
ニュースサイト、デイリー・コーラーの取材にCBPは、拘束した人物は職員を攻撃し、連邦政府の施設を破損したと思われたため、「ただちに容疑者を取り調べのため、安全な場所に移動させた」と説明した。
CBP報道官は米メディアに対して、「暴力的なアナキストたちが数週間前からポートランドで集会を企画した。目的は、連邦施設を意図的に破損・破壊し、連邦職員やエージェントを負傷させることだ」と表明。「こうした犯罪行為は決して容認しない」と述べた。
ネイション誌によると、CBPは自分たちの活動は、DHSが7月初めに創設した「Protecting American Communities Task Force(アメリカの地域社会を守るタスクフォース、PACT)」の一部としてのものだと話している。
PACTはトランプ大統領が6月末に記念碑や像を「損壊、汚損、撤去」する行為に禁錮刑を科す大統領令に署名したことを受け、DHSが創設した。
一方で、人権団体のアメリカ市民自由連合(ACLU)は「人が街角でいきなり拘束され、所属不明の車両に押し込まれる。この光景を我々は通常、誘拐・拉致と呼ぶ」とツイッターに書いた。
「この行為はひたすら違憲だ。このままにはしない」とACLUは強調した。

https://www.bbc.com/japanese/53453760