見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2019/11/28

IMFの耐えがたいバカ騒ぎ


◇モレノとIMFに対する戦いは断じて終わってはいない
ICH October 18, 2019 By Peter Koenig

エクアドルではIMFの緊縮政策との戦いは断じて終わってはいない。わたしの記事「エクアドルとIMFの耐えがたいバカ騒ぎ(Ecuador - and the IMF’s killing spree)が10月13日に発表されてわずか数時間後、モレノ大統領(Lenin Moreno)が悪名高い政令883は無効になったと宣言した。すなわち、きわめて高い燃料価格の引き上げ(燃料補助金撤廃)が取り消され、緊急事態夜間外出禁止令は中止された。彼は警察と軍のせいで暴力をもたらした11日間の抗議行動に終止符を打ちたかった。

軍が応援する警察は抗議の間中ずっとエクアドルの最近の歴史では見られなかったような鎮圧を行い、少なくとも7人の死者、約1340人の負傷者、1100人以上の逮捕者を出したとされる。キトの通りは、破壊、火災、催涙ガス、煙、完全なるカオスだった。

燃料価格の法外な値上げのほかに緊縮策には政府支出の縮小、政府職員2万3000人の解雇、社会サービスとインフラの民営化が含まれる、さらにこのすべてがIMFの42億ドル(米ドル)の融資に結びつく。これらの措置もまたどうやら無効になったらしい。少なくとも最初からそう見えたし、そう思えたように。

この外見上の勝利は主として先住民運動、エクアドル全域の先住民グループの上部組織、CONAIE(エクアドル先住民族連盟)のおかげで達成された。彼らは、ラテンアメリカのたいしたものの例として役に立ったし今でも役に立つラファエル・コレアの社会主義運動の10年を通してついに彼らが獲得したすべての社会的成果の獰猛な廃止に対して彼らの権利のために容赦なく戦った。

先住民グループやだれであれ他のエクアドル国民はIMFの融資について意見を聞かれなかった。レニン・モレノがダボスの世界経済フォーラム(WEF)で当時まだIMFの専務理事だったマダム・ラガルドと会った2019年1月にはIMFの基本的取引はすでにまとめられていた。

このものすごい借金をエクアドルの規約に記名調印する前にモレノが解決しなければならなかった「副次的な問題」がいくらかあった。

問題のひとつは、アメリカ合衆国が犯した凶悪な戦争犯罪について真実を述べて公表したことに対して死刑またはグアンタナモに直面する可能性のあるアメリカへの身柄引き渡しにジュリアン・アサンジを近づけるため、ロンドンのエクアドル大使館から彼を追放せよとのアメリカの拡張権力を媒介としたアメリカによる要請だ。そしてネオナチのモレノは従った。ジュリアン・アサンジは現在イギリスの最も厳重なセキュリティ刑務所で拷問と病気によりゆっくり変質している。そして世界はなにも言わない。“平和を愛する”国連組織でさえもだ。まったく声を立てない。

イギリスの警察がロンドンのエクアドル大使館からジュリアン・アサンジをひきづり出したわずか数日後、42億ドルの融資・債務取引が調印された。偶然ではない。アメリカまたは他のアメリカの拷問同盟国へ“引き渡される”畏れを正当化することでアサンジはほぼ7年間ロンドンのエクアドル大使館にみずから押しかけて保護を求めることにより持ちこたえられた。

さて、政令883を無効にすることによりすべての緊縮措置が取り消されることになったとき、なぜモレノは新たな政令を策定するために顧問団を召集したのか?この顧問とは誰か?IMFの人間か、アメリカ財務省、または単にNED(National Endowment for Democracy)によって訓練され資金提供された“Fifth Columnists”か?IMFが課した緊縮財政がなぜ簡単に取り消されたのか?完全停止なのか?

いずれにせよ、日曜夜、CONAIE(エクアドル先住民族連盟)は「883に取って代わる法令を起草するため委員会が設立された」と報告した。
CONAIE!どうか妥協しないでくれ。

新しい法令にはIMFの融資の完全な取り消しを要求する条項を含める必要がある。そうでなければ、IMFは手放さない、何らかの形で戻ってきてエクアドルの資源を奪うだろう。これはアメリカのドクトリンだ。決して目標から逸脱しないし、IMFや世界銀行を通じて、またアメリカ財務省が管理する他の金融機関を通じてそれは拡張される。これは財政的手段による国に対する現代の戦争であり、厳格に実施された緊縮財政プログラムによって蓄積された社会資本と天然資源を盗み、飢餓や病気、絶望や死を引き起こす。最近の例、ギリシャ、ウクライナ、アルゼンチンを見ればわかる。

もちろんタンゴは一人じゃ踊れない。向こう側に腐敗した政府なしにはIMFはなにもできない。

抗議のリーダーたちはどうなるか?11日間この国を揺るがした革命の最前線の男性女性?リーダーや他の多くが政治犯として投獄されており、解放されるべきだ。

CONAIEの指導者たちが本当に望んでいるのはレニン・モレノの辞任である。それが彼らが目指すべきものだ、なぜなら彼は嘘つきであり、信頼できないことがわずか2年の大統領職ですでに幾度も証明済みだからだ。エクアドルのわずかなエリートとその外国のパートナー、主にアメリカの石油会社のために国民やその天然資源を売り渡す。たとえ彼がたったいま洞窟にいたとしても、権力に留まるのを許されるなら、モレノは国を新自由主義にするために戻ってくる。それが彼の盟約。それが彼が大統領になった前提だ。

それどころかほんとうに、誰もそれについて語らない。主流のメディアでも進歩的なニュースでもIMFの42億ドルの融資で何が起こったかどのような報道もない。エクアドルは融資を必要としない。負債がGDP比率40%の場合、IMFの助けを求める必要はまったくない。GDPの割合としてエクアドルの負債はドイツの三分の二に過ぎない。

IMF融資の帳消しは比較的かんたんだ。エクアドルが違約金なしにIMFの取引から撤退することを妨げる法律はない。これは以前に何度もあった。

Conaieは抗議を中止して彼らの土地に戻る前に2つの目標を強く主張することを検討するかもしれない。一つ、42億ドルの融資を無効にすること。一つ、政府とモレノ大統領の職務を停止すること、暫定政府を求めて3ヶ月以内に次の選挙を考慮に入れること。ラファエル・コレア(前大統領)が再び大統領選に立候補する可能性のある選挙だ。

△Peter Koenigは経済学者で地政学上のアナリスト。彼はまた水資源と環境の専門家でもある。彼は世界のあちこちで環境と水の分野で30年以上におよび世界銀行や世界保健機構と共に働いた。彼はアメリカ、ヨーロッパ、南米の大学でレクチャーを行う。

http://www.informationclearinghouse.info/52421.htm


△エクアドルで反緊縮策の大規模デモ、先住民が首都に行進
Newsweek 2019年10月8日

エクアドルで10月7日、政府の緊縮財政政策に反対する先住民の大規模な抗議デモが5日目に突入し、数千人が各地で道路を封鎖するとともに、首都キトに向かって行進する事態となっている。過去数年間で最も大きな騒乱でこれまでに477人が拘束された。
エネルギー省によると、国営石油会社が操業する3カ所の油田施設が「部外者」に占拠され、石油生産にも支障が出ている。

エクアドル先住民連盟(CONAIE)は、モレノ大統領が先週打ち出した燃料補助金撤廃(実質的な燃料価格引き上げ)を取り消すまで、デモを続けると宣言した。こうした動きと呼応する形で、9日には労働者の全国的なストライキも予定されている。

一方モレノ氏は、社会の秩序の混乱は認めないし経済改革の一環である燃料価格引き上げ方針も撤回しないと表明した。
キトの南端に徒歩やトラック、バイクなどで到着した約7000人の先住民らは、地元の人々から大歓迎され、食料や水を提供されているのが目撃された。キトで暮らす退役軍人の男性(58)は「大統領は国民を痛めつけている。緊縮措置は大打撃でモノの値段が高くなっても賃金は上がらない」と怒りをあらわにした。
ロモ内相はラジオ番組で、拘束した477人は主として救急車12台の破壊を含めた暴力行為が原因だと説明した。

△AFP通信 2019年10月14日
南米エクアドルで燃料価格の高騰に抗議するデモが暴徒化していた問題で、抗議行動の中心となっていた先住民団体の代表とレニン・モレノ大統領が13日、2週間近く続いたデモの終結で合意した。

モレノ大統領は首都キトで、エクアドル先住民族連盟(CONAIE)のハイメ・バルガス会長と4時間にわたり会談。その様子は国営テレビで生中継された。

会談は国連とカトリック教会が仲介して実現したもので国連職員が読み上げた共同声明は「この合意により、エクアドル全土への(デモ隊の)動員は終了し、われわれは国内の平和回復に全力を尽くす」と述べている。

また、政府は国際通貨基金(IMF)から42億ドル(約4500億円)の財政支援を受けるための緊縮政策の一環で廃止した燃料補助金について、廃止命令を撤回した。

当局は、一連のデモで1349人が負傷、1152人の身柄を拘束したとしている。

https://www.afpbb.com/articles/-/3249397

あなたがここにいてほしい


◇フリー ジュリアン・アサンジ
ロジャー・ウォーターズが9月2日ロンドンの内務省前で行われたウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジ(48歳)の釈放を訴える集会に参加、ピンク・フロイド1975年の「Wish You Were Here」をライヴ演奏した。

ロンドンの内務省前で開催された抗議運動でロジャー・ウォーターズは参加者にこう述べている。「孤独に監禁されるジュリアン・アサンジのような身に自分が置かれるというのはどういうことでしょうか? シリアやパレスチナ、ロヒンギャの少年と一緒にいてこの建物にいる人たちによってひどい目に遭っているというのはどういうことでしょうか?」
その後ロジャー・ウォーターズは「アサンジを引き渡すな」と書かれた幕を前にピンク・フロイドの1975年発表のアルバム『炎~あなたがここにいてほしい』に収録の“Wish You Were Here”を披露した。

△写真はその時のロジャー・ウォーターズです。


◇ジュリアン・アサンジのために
セルジュ・アリミ(Serge Halimi)
ル・モンド・ディプロマティーク統括編集長
https://www.monde-diplomatique.fr/2018/12/HALIMI/59366

昨年11月16日、CNNのジム・アコスタ記者は50人ほどの報道カメラに囲まれ、ペルシャの「もうひとりの博士」アルタバンのように誇らしげに笑みを浮かべ、鳴り物入りでホワイトハウスへの帰還を果たした。ホワイトハウス担当記者である彼は数日前に記者証を取り上げられたが、裁判所はトランプ大統領にこの仕打ちの取り消しを命じた。
「これはテストでした。われわれはそれに合格しました。この国では憲法修正第1条で報道の自由が謳われ、記者活動が守られているということを記者たちは肝に銘じなければなりません。そのお陰でこの国の政府や指導者が何をしているのかこれからも取材できるのです」とアコスタは大言壮語した。この演劇的な映像はハッピーエンドを迎え、背景の音楽とともにフェイドアウトした。

6年前にロンドンのエクアドル駐英大使館に逃げ込み政治亡命を認められたジュリアン・アサンジ氏はおそらく、この感動的な結末をCNNのライブで見ることができなかっただろう。というのも彼は囚人のような生活を送っているからだ。イギリス当局に逮捕され、アメリカに引き渡される恐れがあり、外出もままならない。またエクアドルのレニン・モレノ大統領がアメリカの機嫌を損ねないようアサンジ氏の“客人”としての処遇を厳しくして以来、彼は報道機関へのアクセスが制限されており、さまざまな嫌がらせも受けるようになった。

アサンジ氏が拘禁状態にあり、アメリカの刑務所に数十年は投獄してやるという脅しを受けている理由のすべては(2010年トランプ大統領は彼の処刑を望んだ)、彼が創設した情報サイトにある。このウィキリークスは十数年来、世界中の権力者たちにとって不都合な情報漏えいの口火をきってきた。アフガニスタンやイラクでのアメリカの戦争犯罪の映像、アメリカの産業スパイ、ケイマン島での秘密口座などの情報などだ。チュニジアのベン・アリ大統領の独裁政権はアメリカ国務省の外交電文の漏えいによって体制が揺らいだ。それは政府の友人である腐敗国家を「硬直した体制」「ほぼマフィアのよう」と形容する内容だった。フランソワ・オーランドとピエール・モスコビシという2人のフランス社会党の指導者が2006年6月8日に在仏アメリカ大使館に赴き、ジャック・シラク大統領がイラク戦争に断固として反対したことに遺憾の意を表明したと暴露したのもウィキリークスだった。

だが、いわゆる「左派」の人たちがアサンジ氏を許すことができないのはヒラリー・クリントンの選挙陣営からハッキングによって流出したメールをウィキリークスが公表したことだ。この件がロシアの陰謀計画とトランプの勝利に有利に働いたと左派は見ているが、民主党の予備選でバーニー・サンダース候補の選挙運動を妨害するためクリントン陣営が行った策謀をウィキリークスが暴いたことは忘れている。当時、世界中のメディアはそれまでの情報漏えいについてもそうだったようにこれらの情報をも躊躇なしに報道してきた。もちろん、それによってメディアの編集責任者が外国のスパイよばわりされたり、投獄の脅しも受けることはなかった。

アサンジ氏に対するアメリカ当局の容赦ない対応は、彼を見捨て彼の不幸を大いに楽しんでいる臆病なジャーナリストたちによって助長されている。アメリカの放送局MSNBCでは元民主党の重鎮で花形ニュースキャスターであるクリストファー・マシューズが臆面もなくこう提案した。アメリカのシークレット・サービスは「イスラエルのやり方を真似してアサンジをアメリカに強制連行すべきだ。」