見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2007/10/30

イランの映画を見ればわかること


◇ホルムズ海峡で自爆攻撃も イラン革命防衛隊高官が示唆
イランの精鋭部隊、革命防衛隊海上部隊のファダビ副司令官は29日、イランが攻撃を受けた場合、革命防衛隊傘下の民兵部隊「バシジ」が石油の主要海上流通ルートであるペルシャ湾の出口ホルムズ海峡で「敵」に対する自爆攻撃を行うことを示唆した。ファルス通信が伝えた。
米国がイランへの強硬姿勢を強めるなか、対イラン軍事攻撃が実施された場合、イランが報復としてホルムズ海峡を封鎖するのではないかとの懸念も原油価格高騰の一因となっている。ファダビ副司令官の発言はこうした状況を意識し、対イラン攻撃をけん制する狙いがあるとみられる。
(時事通信10月29日)
 
もう一方の米国:
◇米世論調査会社ゾグビー・インターナショナルが29日に発表した調査結果によると、アメリカの有権者の52%がイランの核兵器開発を阻止するための軍事攻撃を支持し、53%が来年11月の米大統領選前に米軍が攻撃を開始すると予想していることがわかった。
調査は、チェイニー副大統領が核開発を続けるイランに対して「このままでは重大な結果を招く」とけん制したり、ブッシュ政権が独自の対イラン制裁措置を発表したことに合わせて、24日から27日まで全米の有権者1028人を対象に電話で行った。
支持政党別にみると、「比較的近い将来の米軍によるイラン攻撃を予測」しているのは、民主党支持者が63%、無党派層が51%、共和党支持者が44%。一方で「攻撃を支持する」と回答したのは、共和党が71%、無党派層が44%、民主党支持者が41%だった。
また、米軍によるイラン攻撃の可能性が世界で大きく報道された場合、68%が2001年の米中枢同時テロに匹敵するテロ攻撃が米国で起こると予想。うち27%は「非常に可能性が高い」とみていることもわかった。
(東京新聞10月31日)

写真は、2005年撮影のイラン民兵部隊バシジの女性兵士ですが、カルチャーの違いを超えてなんともかっこよく見えます。

日本の罪なデタラメぶり


安倍晋三のことぜんぜん話題にのぼりません。彼がいたことさえ忘れてるふうなんですが、この先やはり議員でいることも難しいようです。
◇安倍晋三元首相の身辺に近い筋が22日までに明らかにしたところによると、首相は辞任表明直後の9月14日、入院先の慶応病院で自殺を図った。幸い、未遂に終わったが、首相は深い鬱状態に陥っており、再び自殺を図る恐れもあることから、自殺防止のための警護が強化されたという。(ベリタ通信10月22日)

もっと深刻な日本のデタラメ!私たちの税金でグアムの米兵にプール付き豪邸でも建てるんか!でもこの写真、グアム大学周辺のプール付き、バスルーム3つの大豪邸なんですけど、4100万円だと。日本のどこのゼネコンに発注するにせよ、いまいちばんの攻撃の的、守屋前次官のゴルフ接待200回どころじゃないメガトン級のボッタクリじゃーありませんか。

◇グアム移転の米兵住宅が8000万円
民主党の浅尾慶一郎議員が、防衛省疑惑問題で一番問題なのはグアムへの米沖縄海兵隊の移転にからむ日本の負担で、米軍住宅の建設費が一戸あたり73万ドル(約8000万円)にもおよぶ事実を強調していた。米側の試算では17万ドル程度で、4倍以上もするのだという。
昨年の日米合意で、移転費用の日本の負担は60・9臆ドルとなり、そのうち家族住宅の建設費は25・5億ドル(2800億円)となっていた。政府は3500件を建設するとしていた。単純に割り算をすると一戸あたり8000万円となるのだ。
住宅面積は150平方メートル程度で(写真の豪邸は敷地面積1040平方メートル)、日本の家より広めとはいえ、土地代抜きで8000万円とはどういうことなのか。誰でも疑問に思うことが防衛省を含め、日本の官僚や政治家にはわからないらしい。
守屋前次官のゴルフ接待を見逃していいという話ではないが、メディアが批判し、もっと怒るべきは、国家予算のムダ遣いなのだ。
日本は1978年から、「思いやり予算」と称して米軍住宅や戦闘機の格納庫などを建設してきた。87年の日米特別協定で、基地内で働く日本人従業員の給与や米軍の訓練費の一部、光熱費を負担することになった。問題はその金額だ。当初62億円だった予算が2005年に43倍の2700億円を上回る額になっている。ちなみに米国防省の報告では、日本は米軍への協力費が04年に44億ドルとなっており、常軌を逸している。2位のドイツ15億ドルを含め、26ヵ国の合計額39億ドルを上回るのだ。 
(萬晩報 2007年8月19日)

2007/10/29

genius factor 天才係数



天才のなかの天才:ウエブからホーマー・シンプソンまで
The Guardian 29 October 2007
by Rachel Williams

一方は近年における私たちの生活を変容させたと論証できるテクノロジーの革新的なものを考え出すと信じられる人、他方はアメリカ中産階級のカスタード色の一家についてのアニメーションの陰にいる人。

さらに、彼らの「天才係数(パーセント)」に従って個々をランクづけする報告によると、WWW(ワールドワイドウェブ)のハイパーテキストシステムを発明したティム・バーナーズ=リーと、「シンプソンズ」のクリエーター、マット・グローニングの両者がともに生存する世界の天才トップテンのなかにいる。

彼らの貢献が型にはまった従来型の思考をどれほど逆にして混乱させてきたかについて、ライバルの重要性を評価するのに得点システムを使った。彼らが受けた世間一般の称賛、彼らの知識力、彼らの功績と文化的な重要度。

世界の天才上位100人はただもう頭脳に取り憑かれた人間と科学者というのではなしに、19人のミュージシャンと2人のアーティスト(ダミアン・ハーストとロバート・クラム)、そして一人のスポーツマン(モハメッド・アリ)を特色にする。不意打ちのエントリーによりオサマ・ビンラディンが43番で加わる。
*ダミアン・ハースト:ヤングブリティッシュアーティストと呼ばれるコンテンポラリー・アーティストの代表格。
特に「Natural History」という、死んだ動物(4メートルのサメ、牛、羊)をホルムアルデヒドによって保存したシリーズが有名。
*ロバート・クラム:ジャニス・ジョプリンのアルバム「チープスリル」のジャケットで有名なイラストレーター。アンダーグラウンドコミックス運動の創始者で、アメリカンコミックの作家として最も高く評価されている。

イギリスのコンピュータサイエンティスト、バーナーズ=リーは、LSDを合成したことでよく知られる101歳のスイス人化学者アルベルト・ホフマンとトップの座を共有する。マット・グローニングはネルソン・マンデラのひとつ前で4番目。スティーヴン・ホーキンスは7番目に位置する。

トップ100位に女性はわずか15人、他にはスティーヴン・スピルバーグ、リチャード・ブランソン、アレサ・フランクリン(数少ない女性のひとり)、モリッシーなどが含まれる。23人がイギリス人。

リストを作り上げたグローバルなコンサルティングビジネス「Synectics」は、UKの4000人に彼らが天才の資格があるとみなす生存する人物を10人まで指名するよう求めた。

亡くなっていたり、身元がわからなくなっていたり、自分で自分のことを指名してると判明した候補を排除すると、候補者は400人超になった。

6人のコンサルタントからなる審査委員団はその候補者を100人にまで減らし、5つの要因のそれぞれに10点までの得点をつける。最高得点に立つ人は50分の27を獲得した一方、100番目の人は50分の2という天才率だった。

◇トップ10

1位=アルベルト・ホフマン(スイス)化学者(天才係数27)◇LSDの父

1位=ティム・バーナーズ=リー(イギリス)コンピュータ科学者(天才係数27)
◇URL、HTTP、 HTMLの最初の設計は彼によるもの。1991年8月6日、「World Wide Web プロジェクトに関する簡単な要約」を alt.hypertext ニュースグループに投稿。この日、WWW はインターネット上で利用可能なサービスとしてデビューした。同日、世界初のウェブサイト http://info.cern.ch/ が設立されている。公開に際しては社会全体への貢献を第一に考え、特許を一切取得せず使用料も徴収しなかった。彼が所属したCERN(欧州原子核研究機構) は1993年4月30日、WWW を誰に対しても無償で開放することを発表した。

3位=ジョージ・ソロス(アメリカ)投資家および慈善家(天才係数25)

4位=マット・グローニング(アメリカ)風刺作家およびアニメーター(天才係数24)◇シンプソン一家の生みの親

5位=ネルソン・マンデラ(南アフリカ)政治家および外交官(天才係数23)

5位=フレデリック・サンガー(イギリス)化学者(天才係数23)
◇インシュリンに関する研究によって1958年にノーベル化学賞を受賞。DNA分子の配列を決定した功績によりアメリカの他の分子生物学者2人と共に1980年にふたたびノーベル化学賞を受賞した。

7位=ダリオ・フォー(イタリア)作家および劇作家(天才係数22)
◇イタリアを代表する演劇人。演劇人という言葉を使うのは、劇作家のみならず、演出、役者、舞台芸術もこなすから。フォーの演劇の特徴、特異性はその類まれな身体性と舞台性。彼自身が逮捕されるほどの痛烈な体制批判、そして彼の演劇活動のキーワードは「民衆」だ。彼の舞台は会場を笑いと情動の熱風で包み込み、観客たちを揺さぶる。ダリオ・フォーはイタリアの歴史と彼の生きた激動の時代そして現代イタリアが生んだ現代演劇を代表する一人といえる。1997年にはノーベル文学賞を受賞した。

7位=スティーブン・ホーキング(イギリス)物理学者(天才係数22)

9位=オスカー・ニーマイヤー(ブラジル)建築家(天才係数21)
◇1952年にル・コルビュジエと共にニューヨークの国際連合本部ビルをデザインした。

9位=フィリップ・グラス(アメリカ)作曲家(天才係数21)

9位=グレゴリー・ペレルマン(ロシア)数学者(天才係数21)
◇100年の難問と言われる数学史上の難問「ポアンカレ予想」を「ウィリアム・サーストンの幾何化予想」を解くことにより解決したロシア、サンクトペテルブルグ生まれのグレゴリー・ペレルマン博士は「数学界のノーベル賞」と言われている「フィールズ賞」の受賞を拒否した後、所属していた研究所を退職し、失踪。故郷で慎ましく暮らすことを選んだ。

写真は、誰もが納得!のほんものの天才、ティム・バーナーズ=リーと、人をひっくり返す風刺と笑いの天才、ダリオ・フォー

2007/10/27

ライス長官 あなたは戦争犯罪者


コードピンクのメディア・ベンジャミンとアン・ライトが非暴力の市民不服従の罪で逮捕されたのを理由にカナダへの入国を拒否されたとのニュースと共に、請願書への署名の呼びかけがうちにも配信されてきました。このピースメーカーたちをブラックリストに載せるのをやめるようカナダ政府に迫る請願書に1万5000人以上が署名したそうです。以下、コードピンクのニュースと関連記事を紹介します。

◇10月23日、私たちはあなた方の署名をサンフランシスコ、ロサンジェルス、シカゴ、ニューヨーク、そしてワシントンDCのカナダ領事館に届けました。そして非暴力の平和のための抗議者を尊重するカナダの入国方針が、FBIとブッシュ政権に左右されるのをやめるようカナダ政府に求めました。
私たちの行動の結果として、メディア・ベンジャミンとアン・ライトが本日、カナダ議会の前で意見を伝えるため招かれました。あなた方なしにはできなかったことです、言い分を聞き入れられるピースメーカー(調停団)として私たちの意見を結集させたことに感謝します。
昨日(24日)、議会聴聞会(上院外交委員会)で証言するため準備の整ったコンディー・ライスにコードピンクの活動家デザイアー・フェアルーズが血まみれの両手を掲げて近づきました。コンディが証言の席に着こうとすると彼女は「戦争犯罪者」と叫び、ただちに警官によって部屋から引きづり出されました。これがコードピンク全員を逮捕し始めた警察の極端なうねりを誘発しました。メディア・ベンジャミンはピースサインの指を掲げただけで逮捕されたのです。
他にもコードピンクの3人の女性が逮捕されました。(逮捕者は全部で5人)

以下はカナダの「TheStar.com Canada」( 25 October 2007)から:

◇血で染めた反戦抗議者、「犯罪者」とライスをまともに攻撃
昨日、議会聴聞会で警官に無理やり追い出されて拘留される前、反戦抗議者がコンドリーザ・ライス米国務長官に向かって血で染められた両手を振って「戦争犯罪者!」と叫んだ。
「何百万ものイラク人の血はあなたの責任です!」と団体コードピンクの抗議者デザイアー・アニタ・アリ・フェアルーズは叫んだ。
米中東政策に関する聴聞会で証言するため議会会議室に入ったとき生じたできごとにジョージ・ブッシュ大統領のイラク政策の設計者、ライスはあわてなかったものと思われる。
警備員と警官がその女性を乱暴に押し出したとき、上院外交委員会の議長トム・ラントス下院議員は「出て行け!」と叫んだ。カリフォルニアの民主党員もまた他の幾人かのコードピンク活動家の排除を命じた。
治安びん乱行為(軽罪)と警官への言葉による暴力で起訴されたフェアルーズを含め、5人が逮捕されたと首都ワシントン警察は報じた。
話変わって、FBIが運営するデータベースで酷評され、イラク戦争に抗議したせいの逮捕を理由に、カナダへの入国を拒否された2人のコードピンク活動家は本日再度入国を試みると話す。
幾つかの米国の都市にあるカナダ領事館で火曜日、活動家とその支援者らが請願署名を提出して、領事館が唱えるイラク戦争反対者の訪問を禁じる方針をくつがえすようカナダに要求する。
除隊した米陸軍大佐で外交官のアン・ライトは、10月3日、コードピンクの仲間メディア・ベンジャミンといっしょに国境で阻止された。カナダの新民主党議員 Alexa McDonough がまとめる公的フォーラムに出席するのを期待して、本日オタワに飛行機で行く計画だと彼女は話した。
(ロイター、AP通信)

2007/10/25

ブッシュの任期はあと452日



ブッシュの任期満了まであと452日と21時間
10万人以上が「Backwards Bush」を購入し、首から下げたり、スクリーンセイバーにしたりしてオーナーに仲間入り、さあ今日からカウントダウンだ!

これを読んでいる君ならまずブッシュがこれまでで最悪の大統領のひとりだと思っているはずだ。私たち(www.backwardsbush.com)はもちろんそう思っている。だからこの「Backwards Bushカウントダウン時計」を考え出した。ブッシュの任期満了の日、2009年1月20日まで秒読みをすることで、いや実のところ時間の経過を早めさせることができる。まだ「これまでで最高の任期」と呼ぶ人がいる、こんなひどいこの国の悪夢を他に見れるとでも?
Backwards Bushカウントダウン時計、デスク時計、壁掛け時計、あるいはスクリーンセイバーやパソコンの仕掛けと、いずれにしてもひとつを所持してブッシュの最後の日まで秒読みすることが役に立つ。なぜやってみない?まだ納得がいかないなら、以下の「Backwards Bushカウントダウン時計キーチェーンを所持する理由トップテン」をチェックアウトしてみてくれたまえ。

◇Backwards Bushカウントダウン時計キーチェーンを所持する理由トップテン
1)それを首にかけることで共和党員を寄せつけない、臭いはニンニクよりずっとましだ。
2)Backwards Bushキーチェーンを購入することでただちに「敵戦闘員」の身分に向いているとみなされる。
3)二度と共和党員には間違えられない。
4)ブッシュには裁判官席に着いている自分の裁判官たちがいる、キーチェーンはどうもじきに違法になるらしい(それ故、コレクションアイテムになるようだ)。
5)ブッシュとは違って、私たちのキーチェーンには100%賛成の評価がある。
6)真夜中に家に押し入ってグアンタナモに連行するとき、Backwards Bushキーチェーンがシークレットサービスに君の正体を割り出しやすくさせる。
7)ブッシュ弾劾の場合には、キーチェーンは新しい門出の日を表すのに簡単にリセットできる。
8)なおキーチェーンに金を使っておいたほうがいいかもしれない、なぜなら社会保障が私的利害のあること以外に関与しなくなれば、金なんか残らない!!!
9)これを読んでいるなら、NSAはすでに君のことをスパイしてるらしいので、なおいっそう買うだけの価値があるというものだ!!!
10)Backwards Bushは「ダルフールを救う」を誇りを持ってサポートする 。

2007/10/23

ニガーをフライにしてやる


昨日のカウンターパンチのコラムを書いたデイヴ・リンドルフは死刑を宣告されて以降、冤罪で闘ってきているムミア・アブ=ジャマールに関する本を出していた。
ムミアの再審については5月に口頭弁論があったそうだ。以下、デモクラシーナウのニュースから抜粋ーー。

◇黒人死刑囚ムミア・アブ=ジャマールの再審 デモクラシーナウ(日本語版)
15 May 2007

5月17日、フィラデルフィアの連邦控訴院(第3巡回裁判所)で、黒人死刑囚ムミア・アブ=ジャマールの再審をめぐる口頭弁論が開かれた。このインタヴューは弁論の直前に、ムミアの古くからの友人リン・ワシントン(テンプル大学教授)がこの裁判の意味について語ったものである。

ムミアは元ブラックパンサー党のスポークスマンで、著名なジャーナリスト。1981年末にフィラデルフィアで白人警官が殺害される事件が起きた際、不運にも現場にいあわせた。彼自身も何者かに銃で撃たれ重傷を負ったが、犯人として逮捕され人種差別的な裁判官アルバート・セイボの法廷で有罪、死刑判決を受けた。

1995年から再審請求(PCRA)を行っている。彼の闘いは、アメリカ死刑制度の人種差別主義、黒人ジャーナリストへの政治的弾圧と言論圧殺に対する闘いとして、全米ばかりか、ヨーロッパ各国でも大きな支援運動を広げている。フランスではパリ市が彼を名誉市民としているし、サンドニ市には彼の名前を付けたストリートがある。

5月17日の口頭弁論は、連邦控訴院が弁護側の主張の一部を取り入れ、以下の4点について審理を行うことを決定したもの。州の各級裁判所や連邦地裁が弁護側の憲法違反の主張をすべて退け、事実の再審理を行うことを拒否してきたことと較べ、再審に向けた一歩前進と見られている。

1)検察官が「一審で死刑になっても、被告人は上訴に上訴を重ねて、死刑を免れる可能性がある」と法廷で述べたことは、陪審員が軽々しく死刑を選択するように仕向け、公正な裁判を受ける被告人の権利を侵害した。憲法修正5条、6条、14条違反。
2)検察が意図的に黒人を陪審から排除したことは、公正で平等な法的保護を受ける被告人の権利を侵害した。憲法修正6条、14条およびバトソン判例違反。
3)原審の量刑段階における裁判官の陪審員への説示が不適切で、死刑を回避するため被告人に有利な状況を考慮する際には全員一致でなくてもよいことを正しく伝えていなかった。憲法修正8条および14条違反で、残虐で異常な刑罰に相当する。また、ミルズ判例にも違反する。
4)一審およびPCRA(再審請求審)におけるセイボ判事の人種差別的態度、なかんずく「ニガー(黒んぼ)をフライにしてやる」といった発言は、被告人の公正な裁判を受ける権利を侵害した。

これらの主張が認められれば、死刑判決を下した原審は無効とされ、まったく新しく陪審員を選定し直して裁判がやり直されることになる。

だが、連邦控訴院が弁護側主張を却下すれば、原審の死刑判決が有効とされるか、連邦地裁の決定に従って終身刑に減刑するかのいずれかとなる。 死刑の決定が出た場合、レンデル州知事はすみやかに執行命令に署名すると公言している。 弁護側主張が退けられた場合、連邦最高裁への上訴の道は残されているが、最高裁で結論がくつがえることはまず絶望的といってよい。 あと数カ月以内に出される予定の連邦控訴院の結論は、発生から25年を経たムミア冤罪(えんざい)事件の最大の山場となっている。

5月17日当日は大法廷の300の傍聴席が埋まり、入りきれなかった1000名ほどの支援者が法廷をとりまくなか、ロバート・ブライアン主任弁護士らが予定を大幅に超える2時間以上の弁論を行った。支援者は、その後、フィラデルフィア中心部をデモ行進し、再審の開始とムミアの釈放を訴えた。

▲ムミアは死刑囚監房からラジオコメンタリーを発信し続けている。彼の声は「Prison Radio」(http://www.prisonradio.org/) で聴くことができる。

◇ドイツ人ジャーナリストが冤罪の新証拠を発掘 hbjournalist 14 Jan.2007

ドイツ人ジャーナリスト、ミヒャエル・シフマンが独自取材に基づいて書いたムミア事件に関する著書「 Race Against Death Mumia Abu-Jamal: a Black Revolutionary in White America 」が2006年末、ドイツ国内で発売された。だが、2007年1月現在も英語版は未発表のままだ。ともかく、私たちには以下のサイトからシフマン同様にムミア事件を取材してきたアメリカ人フォト・ジャーナリスト、ハンス・ベネットによるシフマンへのインタヴューの全文が読める。
http://hbjournalist1.googlepages.com/schiff

ミヒャエル・シフマンとのインタヴューでわかったこと。

◇警察より先に事件現場を撮影していたカメラマンがいた!
シフマンの最大の発見は、事件当日、警察の移動犯罪捜査班よりも先に現場に到着して数十枚の写真を撮影していた報道カメラマンがいたことをつきとめたこと。そしてそのカメラマンが撮影した現場写真から、検察の話が矛盾していること、警察が現場を改ざんしたこと、検察側重要証人(ロバート・チョバート)が現場にいなかった!ことなどを実証したことだ。

◇弾道鑑定から真犯人のいた位置が特定できる!
さらに、弾道学的調査も独自に行い、殺された白人警官フォークナーを撃った銃弾は「ムミアがいた方角から撃たれたものでない」ことを論証している。

写真はミヒャエル・シフマンの本の表紙

なにかが不健全


◇米「勝利宣言」検討と報道 イラクのアルカイダ掃討
10月15日付のワシントン・ポスト紙は、イラク国内で活動する国際テロ組織アルカイダ系武装組織がこの数ヶ月で回復不能な壊滅的打撃を受けたと米軍が分析、ブッシュ政権内で「勝利宣言」を出すことも検討されていると伝えた。
同紙によると、米軍増派とイスラム教スンニ派部族との連携、武装組織幹部の尋問などが効果を発揮。自爆攻撃やシリアからの外国人民兵流入が大幅に減るなど、アルカイダ系組織の能力が今年初めと比べ60〜70%低下したと推定されている。
このため軍幹部の間では、アルカイダに対する「勝利」を宣言すべきだとの意見が台頭。しかし、ファロン中央軍司令官やペトレアス駐留多国籍軍司令官らは慎重な立場で、アルカイダが組織を立て直す能力を過小評価しているとの見方も根強いという。

◇イラク米軍、民間のイラク人女性と子供15人を殺害
イラク駐留米軍は11日、バグダッド北郊でのアルカイダ系武装勢力掃討作戦で、民間人のイラク人女性6人と子供9人の計15人が巻き添えで死亡したと発表した。米民間警備会社ブラックウオーターによる9月の市民17人殺害に続き、イラク国内での米国批判がさらに高まりそうだ。
駐留米軍によると、バグダッドの北約120キロを空爆。逃走した武装勢力を地上部隊が追跡中に銃撃を受け、空爆などで応戦。武装勢力15人のほか、民間人の遺体が見つかったという。(AFP通信10月13日)
◇イスラム教の断食月ラマダン明けの12日、イラクでは前夜の米軍による空爆で女性と子ども15人が死亡するなど、ラマダン明けを祝う祭りを一般市民の血が流されるなかで迎えることとなった。
米軍は11日夕刻にバグダッド北西部で空爆を実施。この爆撃について、シーア派指導者(大アヤトラ)アリ・シスタニ師やスンニ派の有力聖職者団体は非難の声明を出した。空爆により武装勢力の戦闘員19人も死亡した。
米軍当局は空爆により一般市民の犠牲者が出たことを認め、女性や子どもが死亡したことに対し遺憾を表明し、今回の作戦について調査を開始したことを明らかにした。
ラマダン明けの祝祭期間は伝統的に、家族が集まって親せきを訪問したり、ピクニックや休養のため公園に行って過ごしたりする。(AFP通信)
◇米軍発表によると、11日、北部ティクリート近郊で実施した国際テロ組織アルカイダ系武装組織の掃討作戦で死亡したのは、女性6人と子ども9人。また、容疑者2人と女性1人、子ども3人が負傷し、容疑者1人が拘束された。作戦は、武装組織の指導者らがこの地域で会合を開くとの情報に基づいて実施されたという。(CNN10月12日)

◇無実の人を虐殺 イラクとペンタゴンではなにかが不健全
カウンターパンチby Dave Lindorff 15 October 2007

アメリカの陸軍将校が例の空爆でメソポタミアのアルカイダの高い階級のリーダー19人と民間人15人を殺害したと主張するのはおかしくないか?民間人全員が女性(6人)と子ども(9人)だった一方、殺害されたアルカイダメンバー全員が男で、男はみんなアルカイダだった。
ちょっと考えてみてくれ。
これでは女性はアルカイダじゃないってことになる。にもかかわらず、私たちは女性も戦うのを知っている、それに爆弾をからだに巻きつけて自爆するスーサイドボンバーズとして彼女たち自身も吹き飛んでいる。さらにこの女性たちは全員民間人だった。もちろん子どもは子どもだった。
私たちは、無実の傍観者だった男はいなかったと信じるべきなのか?殺されたあの成人男性すべてが「悪人」だったと。
さらに無実の傍観者、女性と子どもがいた。無邪気に傍観している男性はひょいとうまく抜け出せたとでもいうのか、それともかわいそうなあの女性と子どもたちを殺した弾丸と爆弾の破片(生気を失わせるようなマシンガンの雨あられの発射はもちろん、使われた爆弾が破裂と同時に細かく破砕する破片爆弾だったのは確かだ)が、なんかこう魔法でもかけられたみたいに男性をはずしたかだ。
みごとだよ、えっ?
それが当然、私たちの理解力を侮辱する非常識な主張であるのを除いては。
なんといっても、敵の戦士すべてのリストを持つペンタゴンらしくない。実際に生じるのは軍には戦闘後に届く人たちがいることだ、そしてこの死んだ人たち全体に気づく。軍が男たちを見て決めなくてはならないのは、この男たちが戦士なのか民間人かだ。手に銃を持ってるかそばにあるかすればむろん戦士と決め込むかもしれないが、どの男もAK47を持つ国でそれは有効な基準だろうか?それに銃を持ってないとしたら?正直なところあの死んだ男たち19人全員が銃を持ってると思うか?私は疑わしいと思う。この人たちは米軍と爆撃機による攻撃から逃れようとする人たちだ。戦士であろうと普通の市民であろうと、彼らは奇襲攻撃に命からがら逃げていた。仮にそのとき手にする銃がなかったとして、それをつかむために止まるはずがないだろう。
だから米軍はあの戦闘現場に記者たちを自主的に行かせないし、なにがあったか調べさせない。証拠を期待してやきもきしても誰も知らない。(これは軍が仕留めた獲物すべてを「テロリスト」かアルカイダのメンバーと呼ぶ要点に触れていない、はんぱものが戦闘員にしても、テロリストでもアルカイダのメンバーでもないとき、むしろ別の反政府集団か米国を追いやるために戦うだけの別の集団なだけのこと。)
私たちが得ているのが大ウソだというのは私には明白だ。ちょうどヴェトナムで軍隊が死体を数えてヴェトコンが何人殺されたかを報告書に記録したように、イラク(そしてアフガニスタン)で、彼らは男の死体を数えてはそれを敵と呼ぶ。
これに関して誰も軍部に要求しない。政府などの検閲を受けないフリープレス(出版の自由)と呼ばれてきたもので、間違いなく誰も。
数字は簡単に事実として受け入れられ、私たちにうやうやしく報じられる。
真実:イラクでの罪なき人々の虐殺を私たちが指揮していることは、軍の東部戦線キャンペーンでナチがしたどんなこととも同様に、たちが悪い。

▲ Dave Lindorff は「キリングタイム:ムミア・アブ=ジャマール死刑囚監房の真相調査」の著者だ。彼のカウンターパンチのコラム集「This Cant's be Happning!」がCommon Courage Pressから出版される。リンドルフの最新の本はバーバラ・オルシャンスキーとの共著「The Case for Impeachment」

2007/10/19

ノーフェンス ブルースカイの下で



うちのパンク小僧どもは元気に成長しています。海に行ったり、川でサンバは泳ぎヴァーモスはサンバの取ってきた木の枝を奪い取ったり、公園でほかの仲間とはしゃいだりと、たぶん犬としてはゴキゲンな毎日をおくっているんだろうと思います。
今朝はいつも運動しに行く海岸公園でなかよしのゴールデンリトリバーUちゃんに会いました。
遊ぶのはだいたいボクサー犬のヴァーモスのほう、こうやって2匹が夢中になってレスリングをやってるときはラブラドール犬のサンバは「わが道を行く」で勝手にあたりを匂いをチェイスして走り回っています。
ヴァーモスにはUちゃんは強気でいきます。5ヵ月ほど年下なんだけど、ガーガー言ってひっくり返ったヴァーモスをはがいじめにして愉しんでいます。ヴァーモスはどんな犬にも、なんでも許す大きな気持ちの持ち主ですが、音やものごとのすばやい動きに対してはものすごく敏感に反応して警戒します。この犬種に備わった能力なんだろうと勝手に解釈しています。
どんな種類のフェンスもなしに、ただもう青い空の下で、夢中になって遊ぶ犬たちを見ているのはサイコーに「しあわせ」です。心のフェンス、国境のように見えないけど確実に存在するフェンス、具体的なフェンスと、どれもできるだけなくしていくことが、わたしがしようとしてることすべての動機につながっているように思えます。

写真は、うちのヴァーモスとUちゃん、クリックすると拡大版で見ることができます。
そうそう、ヴァーモスはごらんのように「イージーウオークハーネス」を使うことにしました。どうしても前に出たがる体型なのでこれは訓練士にも修正できなかった、でもこのハーネス、優れものです。日本のハーネスは背中にリングがついていてそこにリードをつないで連れて歩くのですが、米国製のこれは胸の前にリードをつなぐんです。前に出ようとするとどうしても飼い主側、つまり横を向くことになり、修正されます。体験者でないとわかりにくいでしょうけど、すごい威力です。

2007/10/18

オバマとチェイニーは遠い親類


◇オバマは副大統領の遠い親類だとチェイニーの妻は言う
The Guardian by ダン・グレイザー 18 October 2007

バラク・オバマは彼の多彩な遺産から多くを自分のものにする。彼の父親はケニア出身、母親はカンサス出身。だが、彼の8親等の遠い親類がディック・チェイニーだという、はっきりしないままになっている家系の一要素がある。新しいスタイルの政治力学を断言する男が、古い政治力学の権力を強化するため前例のないくわだてを持っていると信じられている副大統領と親類関係にあるとのすっぱ抜きは、チェイニーの妻によるものだ。

Blue Skies, No Fencesと題するワイオミングで大人になる回顧録を調査する間に、夫と民主党大統領指名候補者との関係を発見したとリン・チェイニーはインタヴュアーに語った、たとえ彼女が回顧録にこの事実を入れなかったといえども。2人ともメリーランドからワイオミングに移った男の子孫だと彼女は述べた。

「8世代までさかのぼってみれば共通の先祖がいるものよ」と彼女は言った。「ひとりの先祖がおそらく、ディックとバラク・オバマほど異なる多彩なあみだのルートをたどる家系での原因といったこと、これが驚くべきアメリカの歴史なんです。」オバマ氏はユグノー(16−17世紀ごろのフランス新教徒)のマリーン・デュヴァルの子孫だとチェイニー夫人のスポークスマンは述べた。彼の息子が、1650年代後期イギリスからメリーランドに到着したリチャード・チェイニー&スザンナの孫娘と結婚した。

このデュヴァル夫妻はオバマ氏の曾・曾・曾・曾・曾・曾・曾・曾・曾祖父母で、副大統領の曾・曾・曾・曾・曾・曾・曾・曾祖父母だ。

オバマ氏のスポークスマンは、「どこの家族にも厄介者はいるものだ」と見当違いの観測をした。

先月シカゴサンタイムズは、17世紀のマサチューセッツのカップル、サミュエル・ヒンクリーとサラ・スールのおかげで、オバマ氏がジョージ・ブッシュ大統領の11親等の遠い親戚だとの、同じ程度にびっくりさせるニュースを暴露した。

フムフム..... 

写真は2005年に撮影されたもの。ふーん、日本では8世代前なんて他人も同然だよ。

反体制ブロガーが狙われている


1985年の設立以来、報道の自由を守る活動を続けている国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(本部・パリ)は、16日、毎年恒例の「2007年報道の自由度ランキング」を発表した。
ランキングの対象は世界169の国と地域。自由度トップはアイスランドとノルウェーの両国。「G8」加盟国の中ではカナダが最も高く18位、続いてドイツ20位、イギリス24位、フランス31位、イタリア35位、日本37位、アメリカ48位、そしてロシアが最も低く144位。
5年連続で最下位だった北朝鮮はワンランク上がって168位に。北朝鮮もびっくりの、最下位転落は昨年166位のエリトリア。エリトリアは報道内容を理由に多数の外国人記者を収監しているとされる。
さて、前年51位だった日本はランクを上げた。だが「国境なき記者団」は、昨年のナショナリズムの高まり、日本経済新聞社本社に火炎ビンが投げつけられたこと、外国人TVクルーに対する襲撃、政府が記者クラブ制度の改革をさえぎっていること、などを指摘している。
◇トップのアイスランドとノルウェーに続き報道の自由度上位にある国は:
エストニアとスロヴァキア(共に3位)、ベルギー、フィンランド、スウェーデン(共に5位)、デンマーク、アイルランド、ポルトガル(共に8位)、スイス(11位)、ラトビアとオランダ(共に12位)、チェコ(14位)、ニュージーランド(15位)、オーストリア、ハンガリー、カナダ(共に16位)...... ドイツ(20位)、イギリス(24位)、ジャマイカ(驚きの27位!)、フランス(31位)など。
◇最悪のエリトリアに続き報道の自由がまったくないか脅かされている国は:
168位の北朝鮮から順に、トルクメニスタン、イラン、キューバ、ビルマ(やっぱり164位!)、中国(来年オリンピックがある国が163位!)、ベトナム、ラオス、ウズベキスタン..... そして気になるイラクは157位、リビア155位、サウジアラビア148位、ベネズエラ114位、イスラエル(領土外103位、イスラエル領土は44位)、ボリビア68位となっている。
◇2007年に殺害されたジャーナリスト77人、殺害されたメディアアシスタント11人
◇刑務所に収監されたジャーナリスト128人、刑務所に収監されたサイバー反体制64人

世界のブロガーなどサイバーでの反体制64人が目下、刑務所にぶち込まれている。伝統的なメディアでのジャーナリスト同様、いまブロガーが脅されていた。
また2003年3月以降、少なくとも205人のジャーナリストとメディアアシスタントが仕事中に殺されてきている。ほかにも2人のジャーナリストがいまだ行方不明だ。

2007/10/17

セロファンはアナーキー


ミシェル・ゴンドリーの映画は外せません。「The Sience of Sleep」の邦題「恋愛睡眠のすすめ」には「?」です。むしろ「セロハンはアナーキー」のほうが、「ヒューマンネイチュア」や「エターナルサンシャイン」を創り出した監督の「へんだけどかわいい」創造性を表すのに適していると思うんだけど。映画のなかでまるで双子のステファニーとステファンが夢中になって想像する世界を形にしていく最中に「セロハン!」とひらめくように。よく知りぬいた睡眠術というのはすなわち「夢中でなにかする」術でもあるのかなーとふと思いました。
ところで監督ゴンドリーはパリでグラフィックデザインを学ぶ美術系の人、結成したバンド「Oui-Ouiウイウイ」ではドラムを担当してました。音楽でなにかやりたいと思っていたところ、93年ビョークに出会ったことで幸運をつかみます。ビョークの「ヒューマンビヘイヴィア」はすべてのアワードで受賞。ベック、ケミカルブラザーズ、ダフトパンク、ホワイトストライプスなどなどと、もりもりミュージックヴィデオクリップの傑作を生み出していきます、そしてミュージックヴィデオ界の天才と呼ばれるまでになりました。
今回の映画の上映に先立って来日した監督は、「The Sience of Sleep」についてこう語っています。
ガエル・ガルシア・ベルナル演じる主人公ステファンは「まさにボク自身のこと」「ボクが見る夢というのはとても鮮烈な部分が多くて、起きても憶えていることが多いんだ。さまざまな夢にまつわる体験が、この作品のそもそものスタートだった。夢のなかでは自信に満ちた男なんだけど、実世界ではちょっとシャイで奥手なところがある。そんな男性像を作るのと同時に、ボクの個人的な恋愛体験などいろいろのものがミックスされて仕上がった。」
また音楽は、ヒューマンネイチュアでもかかわったコンポーザー、ジャン・ミシェル・ベルナール。今回は、ピアノを弾く警官としても登場。あるオリジナルスコアではゴンドリー自身がドラムを叩いているそうです。その他、フレンチポップスのディック・アネガルン、そしてガエル、シャバたちによるルー・リードのカバーなどがある。
写真は映画のワンシーン、このぬいぐるみの馬はステファニーの宝物。これを見つけたとたん寂しげな表情に魅了されたと彼女は告白。ステファンはこの馬を機械仕掛けで動くようにする、彼はへんなテクにすぐれているのだ、あとは夢のなか.....
ステファンはイラストレーターを夢見ていて、とっておきのカレンダーの構想を売り込もうとします、これが傑作なんです。売れるわけはない!のですが、世界のディスアスター(大災難、不幸)を描いていて彼の夢のなかではこれが驚くばかりに売れるんです。受賞もしてその際のスピーチでこの大災難にあった人たちのおかげと感謝します。毎月これを見るたびに戦争など世界の災難について思い起こすというのも、さすが「セロファンはアナーキー」なのでした。

2007/10/15

隣国シリアが国境閉鎖


他に生きのびる手だてがなく重い決断の末にイラクの人々は隣国シリアにたどり着く。シリアではこうした難民が200万人を超えた。最後の生きのびる道だったところが、今月から国境を閉鎖した。では、どこへ向かえばいいのか。この地獄のような状態を生んだ米国の戦争マシーンは、なんだってこの時期にシリアを刺激する行為に出るのか。

◇イラクの治安悪化で家を追われた200万人もの難民を抱える隣国シリアが、今月から国境を閉鎖し、イラク人に対する入国ビザ制限を始めた。背景には、シリアと米国との不協和音がある。故郷に戻れず、第三国への移住もままならないイラク難民たちは、「悪夢」を引きずったまま隣国で絶望の日々を過ごしている。
倉庫のような受付場所に、イラク人家族らの行列ができていた。ダマスカス郊外にある国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の難民登録センター。受付とは別に、長い廊下が30のブースに仕切られている。難民認定のための面接場所だ。
しかし、受け付けから面接までたどり着くには平均で半年待ちだ。難民登録までにビザが切れると不法滞在になる。就労はできない。イラクから持ち込んだ貯金を取り崩している人が大半だ。
そんな中、シリア政府は今月から、イラク人に対する入国ビザを商用目的などに制限し、国境を閉鎖した。ビラール情報相は「イラク難民受け入れで年間10億ドルもの負担をシリアは強いられている。軍事力でイラクを占領しながら、その結果追い出された人たちには何ら支援をしない米国へのメッセージだ」と語る。
バグダッドとダマスカスを行き来する乗り合いバスのイラク人運転手らによると、ビザ制限開始のうわさが広まった先月下旬には、通常の10倍にあたる1日約2万人が国境を越えてシリアに駆け込んだ。制限措置が始まった今月1日以降は、客のいないバスを運転している状態だという。
一方、ダマスカス周辺にはイラク難民たちが集まる「街」が出現している。最大規模の約70万人が暮らすとされるセイダ・ザイナブ地区のイスラム教徒女性アハラムさんは2年前まで、バグダッドの米政府関連事務所で英訳作業などに従事していた。通勤途中に武装勢力に拉致され、8日間監禁されたのを機に家族とともにイラクを脱出。ダマスカスで難民認定を受けた後、米国への移住を申請している。
しかし、管轄する米国土安全保障省からは「最終決定まで、どれくらい時間がかかるか分からない」と告げる紙切れが来ただけだ。
外交筋によると、シリアを「テロ支援国家」と名指しする米国とシリアとの不協和音が、米国への移住を希望するイラク難民の状況にも影を落としている。イラク難民と面接をする米政府担当者にシリア政府が入国ビザを発給しないため、手続きが進まないという。
UNHCRによると、イラクの人口の7分の1にあたる400万人以上が家を追われた。シリアには最大の150万〜200万人が滞在する。それに次ぐ50万〜75万人を受け入れるヨルダンはすでに入国制限を実施。
米国は今年初め、9月末までに7000人のイラク難民を受け入れると発表。その後、目標を2000人に下方修正した。米メディアによると、実際に受け入れたのは約900人にとどまっている。
(朝日新聞2007年10月14日)

ところで、イラクからとびきり新鮮でユニークな視点の情報を発信してくれていたブログ「バグダッドバーニング」の仮称リバーベンドの一家が9月にやはり重い決断の末に「わが心の故郷」を離れ、たどり着いた先がシリアでした。
以下、9月6日の彼女から届いた最も新しいブログから抜粋します。

◇国境を越えて最後のイラク国旗を見たとき、涙がまた流れてきた。国境を越える間、運転手が私たちに話していた彼が経験した突飛な行為の顛末のむだぐちを除いてクルマは寡黙だった。おまけに隣に座っている母をこっそり見ると涙が流れていた。私たちがイラクを離れるとき言うべきことはまったくなかった。私はしゃくり上げたかったけど、赤ちゃんみたいに思われたくなかった。過去4年半の間、地獄のような身の毛もよだつところだったものから出るチャンスに私が感謝を表さないと運転手に思われたくなかった。
シリア国境もほとんど同等に群れをなしていたが、雰囲気はイラク側よりずっとリラックスしていた。人々はクルマから出て手足を伸ばしていた。ある人たちは知り合いに気づいて互いに手を振った、またある人たちはクルマの窓越しにいたましい顛末やコメントを伝えた。最も重みがあるのは、私たち全員が同等だったことだ。スンニ派とシーア派、アラブ人とクルド人..... シリアの国境職員の前では私たちはみな等しかった。
金持ちも貧乏人も、私たちはみな難民だった。そして難民はみな同じように見えた。ほっとした安堵に悲しみが混じりどことなく不安げ、どの顔にも独特の表情があることに気づくはずだ。どの顔もほとんど同じに見える。
国境を越えて最初の数分は感極まって圧倒された。抗しがたい安堵と抗しがたい悲しみ..... たった数キロの範囲、たぶん20分くらいなのに、どうして死から生の分離がこれほど確固としているんだろう?
どうして誰も見たり触れたりできない国境がクルマ爆弾や民兵や死の部隊と平和や安全のあいだにあるんだろう?今でも信じがたいことだ。ここに座ってこれを書きながら、どうして爆弾の破裂する音が聞こえないのかしらと思う。
飛行機が頭上を通過するとき窓がガタガタいわないのはどうしてかしらと思う。黒い服の武装した人たちがドアを突破して私たちの生活に侵入する確率から、なんとか脱しようとやってみている。道路封鎖や不法逮捕やムクタダの肖像画や他の諸々.... のない通りに、自分の目を慣れさせようとやってみている。
ちょっと走った先にこのすべてが存在するというのはどうしてなんだろう?
(イラク人女性リバーベンドのブログ「バグダッドバーニング」より)

写真は、イラクの次にイランと表示されることになるのかどうか?オルタネットにあったバナーです(http://www.alternet.org/)

2007/10/13

地球を攻撃してるのは人間だ



WIRED誌の記者デイヴィッド・ハンブリングによると、アメリカの豪華ホテルの地下には秘密の米国議員向けの核シェルターがあり、アメリカの中央銀行である連邦準備制度が10億ドルの核シェルターを運営していたそうなんだ。(フィンランドには6000人が入れる核シェルターがあるって)
そして、もちろん、ハリウッドスターがこれを持ってちゃいけないという法はない。報告によると、少なくともひとりがこれを計画している。
以下はエンターテイメントワイズの記事から引用
◇トム・クルーズ 1000万ドルかけてサイエントロジーシェルター建設か
トム・クルーズが、世界の終末に備えてコロラド州にある邸宅の地下に1000万ドルをかけた核シェルター建設を計画しているとの情報がある。
俳優のトム・クルーズは、新興宗教団体「サイエントロジー」の熱心な信者でも有名だ。彼らの教えのひとつに、銀河系の悪の支配者「Xenu」が地球を攻撃してくるというのがあり、クルーズはそれに備えて、大金を投じて備えをすることにしたというのだ。
ところで、デイヴィッド・ハンブリングによれば、爆撃に耐える最も強固なシェルターは地下ミサイル格納庫を改造したものなんだそうだよ。
写真は核シェルターとなるバンカー
(DANGERROON 01 October 2007)

トム・クルーズといえば、映画「ワルキューレ」の撮影でトラブルがあった。
◇ドイツ国防省は25日、アドルフ・ヒトラーの暗殺計画を描いた映画「Valkyrieワルキューレ」の製作について、ドイツ国内の軍事施設での撮影を認めないと発表した。同省はその理由として、主演する米人気俳優のトム・クルーズがサイエントロジーの信者であることを挙げた。
ドイツ政府は、サイエントロジーについて、宗教団体を装って資金集めをしていると主張している。サイエントロジー側はこうした主張を認めていない。
この映画の中で、クルーズは、クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐を演じることになっている。国防省の報道官は、クルーズがこの役を演じる限り、この映画のためのドイツ軍事施設の撮影は許可できないと語った。
シュタウフェンベルク大佐はヒトラー暗殺計画の首謀者で1944年7月にブリーフケースに爆弾を隠し暗殺を試みたが失敗し、処刑された。
(ロイター通信2007年6月26日)
◇ドイツメディアはこうした経緯を大きく報じ、全国紙フランクフルターアルゲマイネの世論調査では3割以上が「サイエントロジストのトムクルーズに演じて欲しくない」と答えた。ドイツでは70年代に布教が始まり、高い参加費などから「宗教の名を借りた集金マシーン」と社会問題になった。サイエントロジー側の反発のなかで、ドイツ内務省は97年に認定した監視対象指定を変えていない。
(朝日新聞)
◇サイエントロジーは多くの訴訟で負けている。スイス国内の少なくとも4カ所の裁判所が、「サイエントロジーは宗教ではなく事業である」と認定している。そして注目すべきことに同団体は「組織的サギ」の疑いでも取り調べを受けた。さらにこの他にも、世界各国で、不審死亡事件に関連した裁判で敗訴している。
また、サイエントロジー教会は名誉毀損や著作権・商標権侵害などを訴因として多数の訴訟を起こしている。
◇アメリカ社会を過激に風刺するアニメ「サウスパーク」では、たまにサイエントロジーをからかったようなシーンがある。シーズン7「羊たちのトイレットペーパー」では、子どもたちがサイエントロジー信者に捕まり人格診断テストを受けたというウソ話をでっち上げるシーンがある。なおこのエピソードのエンドロールに流れるスタッフ名はすべて偽名が使われている。劇場作品がMTV Movie Awards 2000を受賞したとき、授賞式でジョン・トラボルタにもらった性格診断用紙をトイレットペーパーにする映像が流れた。(トラボルタも熱心な信者のひとり)
◇フランスではサイエントロジーは司法、警察の記録に基づいてセクト(カルト)として扱われている。また、デンマークでは宗教法人として認可されるための基準を満たすことができず、これを取得することができなかった。またフランスではサイエントロジーを脱会した人を同団体の信者が集団でいじめ、自殺にまで追い込んだ事件で有罪判決が出ている。この判決はマインドコントロールに関する重要な判例の一つとなっている。
(フランスの信者自殺事件:毎日新聞1997年8月28日の記事)
◇欧州でサイエントロジーは単なるビタミン剤を法外な値段で売りつけるビジネスを組織的に行っていた。イギリスではサイエントロジストは公務員になれないが、これが信者であるというだけで差別するのは問題ではないかと、アメリカ政府との間で争議をかもしており、非常に難しい問題になっている。
◇2005年7月11日、パリ市議会はトム・クルーズがサイエントロジーのメンバーであることを理由に名誉市民の称号はふさわしくないとの決議を採択した。世紀の2枚目俳優はパリでは「歓迎すべからざる人物」と規定された。また2006年8月には、パラマウント映画がサイエントロジーの擁護などを理由にクルーズとの14年間におよぶ契約を打ち切ると発表した。2007年には映画「ワルキューレ」の撮影においてドイツ国防省がクルーズの同国連邦軍施設内への立ち入りを断るといった事態も発生している。
◇ブライアン・シンガー監督の「ワルキューレ」に一転して撮影許可が!
7月からドイツ国内で撮影が始まっていたトム・クルーズ主演、ブライアン・シンガー監督の戦争映画「ワルキューレ」が、撮影当初は独国防省から許可されなかった軍事施設での撮影が一転して許可されることになった。AP通信が9月15日に伝えたもの。
今回撮影の許可が下りることになった建物は、ベルリン市内のベンドラー街にある「ベンドラーブロック」と呼ばれる国防省ビル。大戦時は旧独陸軍司令部が置かれ、ヒトラー暗殺未遂事件の舞台になった場所。またシュタウフェンベルク大佐が射殺された場所で、今では「反ナチ」レジスタンス活動の記念施設となっている。
トム・クルーズがサイエントロジーの重要なメンバーであるとして、独国防省は当初、同作の撮影を許可しない意向を示していたが、クルーズの共同プロデューサーである製作会社ユナイテッド・アーティスツのポーラ・ワグナーが、同省へ脚本と手紙を送り、同軍事施設内での撮影の重要性を説明していた。
同省スポークスマンは、暗殺計画者(シュタウフェンベルク大佐)が射殺された記念施設と、今の民主的なドイツは(脚本の中で)区別されていると指摘。「野蛮な行為に支配されず、最終的には民主的なドイツの再興が描かれている」と述べ、製作会社ユナイテッド・アーティスツに対する撮影許可が下りるとの見方を示した。
上の映画のスチール写真の4番が大佐を演じるアイパッチをしたトム・クルーズ

2007/10/12

ゆがんだ世界



9月初め、イスラエル軍がシリアの疑惑の核物質現場を爆撃した。ここで、どうやってロシアから購入したシリアの防空レーダー網にひっかかることなく、これを成し遂げたか?とのミリオンダラー級の疑問が生じる。レーダー専門家デイヴ・ファルガムの答はこうだ、イスラエルはネットワークをハックした。

◇DANGERROOM by Sharon Weinberger 04 October 2007
米航空宇宙産業と退役した軍当局者らは、米国が開発した「Suter」のようなテクノロジーがイスラエルによって使われたと指摘した。空気伝送ネットワーク攻撃システムは英BAEシステムズによって開発され、L-3コミュニケーションズによる米国の無人航空機に組み込まれる。
このシステムは、過去1年を通して、イラクとアフガニスタンで使われてきているか、少なくともいつでも使えるように試されてきている。
このテクノロジーは、ユーザーを通信ネットワークに侵入させ、敵のセンサーが見ているものを見させ、システム管理者を装って乗っ取ることも許すので、センサーを操作して接近する航空機の位置を見えない位置にすることができた。
その操作課程には、すばらしい精度で敵のエミッターの位置を突き止めることが含まれ、データの流れをニセの標的や誤解させるメッセージのアルゴリズムが含まれるものに向けることで、コントロールも含め、幾らかの活発な動きを許すことになる。

これで疑問が解けるものかどうか、ぜんぜんわからないが、いままさにその集中攻撃の大当たりを研究するロシア人レーダーエンジニア団がいるのは確かなんだろう。
どうせわからないなら、こういう謎解きよりは、デイヴィッド・リンチの「インランドエンパイア」の謎解きのほうがいい。
リンチはわたしの持ってるヴィジュアル感覚のはるか彼方で彷徨っていた。でもときどき、触れてくる瞬間はすごいものがある。時間とか次元とか、誰であるかがパチッと切り替わるとき、入れ替わるとき、すごい。ムンクのような感情の「ゆがみ」はわたしの興味の対象でもある。

写真は精鋭のイスラエル空軍 こんなのを持ってる国と戦ってきているパレスチナ人って驚くばかりだ!
そしてリンチ監督

2007/10/11

戦争が悪魔をつくる


これから、続々とイラクを題材にした映画が公開される。
ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した、ブライアン・デ・パルマ監督の「リダクティッド(Redacted:編集した書きもの)」は、実際にイラクで起きた米兵による「むごたらしい」レイプ殺人事件を取り上げている。
2006年3月12日、バグダッド南部マハムディヤ(憶えているだろうか、日本人ジャーナリスト橋田信介さんが殺害されたのもここ)で、5人の泥酔したイラク駐留米軍兵士が一般市民の家を襲撃し、14歳のイラク人少女をレイプして射殺したあと、彼女のからだに火をつけて燃やした、さらに少女の両親と幼い妹も射殺した。
犯人グループとされる米軍兵士らは、ジェシー・スピールマン米陸軍初等兵、ジェイムズ・バーカー初等兵、ポール・コルテス三等軍曹、ブライアン・ハワード初等兵、スティーブン・グリーン初等兵。このうち、ジェシー・スピールマン米陸軍初等兵はすでに米国内裁判で懲役110年の有罪判決を受けて服役する見込みだが、10年で仮釈放が可能な条件つきである。また、グリーン初等兵はレイプ直後に少女を射殺し、遺体に灯油をかけて燃やし証拠隠滅を図った件で死刑宣告される見通しである。

◇イラク中部で14歳の少女をレイプして射殺し、家族も殺害した罪で起訴された元米兵に対し、米検察当局は3日、死刑を求刑する意向を明らかにした。イラクでは駐留米軍による民間人の殺害事件が複数起きているが、死刑求刑は極めて異例だ。
米中部ケンタッキー州の連邦地裁に同日提出された検察側文書などによると、元米兵はスティーブン・グリーン被告(22歳)。2006年3月12日ごろ、同じ部隊の兵士らとバグダッド郊外の民家に押し入り、少女を集団で暴行して殺害、証拠隠滅の意図で遺体の一部を焼いた。妹(6歳)と両親も射殺したとされる。
グリーン被告は事件発覚前に除隊したため民間法廷で審理が行われている。事件当時、犯行現場付近は駐留米軍と武装勢力の激しい戦闘が続く「死のトライアングル地帯」の一角で、同被告も戦闘ストレスを訴え薬物治療などを受けていたと米メディアは報じている。( 毎日新聞)

映画祭で行われたインタヴューによれば、デ・パルマ監督は米国大手メディアが現在進行中の戦争の実像をまったく伝えていないと憤慨している。今回の作品では、そうしたメディアによる「編集して作られた(Redacted)」イメージではなく、ネット上で流通する米軍兵士が投稿した戦場風景や動画を作品の中に入れることで、イラク戦争のリアリティを伝えようとしている。

写真は、惨殺された一家を襲撃しようとするイラク駐留米軍兵士ら、といってもこれは映画のワンシーン

2007/10/10

日本のブラックウォーター戦力


◇ブラックウォーター社は日本のミサイル防衛力 by Noah Shachtmnan
07 October 2007

ブラックウォーター社に雇われた殺し屋どもがぶらついてるのはバグダッドやニューオーリンズの通りばかりではない。日本でもまた、彼らが国内で議論のある弾道ミサイル防衛システムを保護することが判明する。
Stars & Stripes 紙によると、日本海沿岸の小さな車力(しゃりき)村では、約100人の政府請負人がAN/TPY-2 レーダーを処理する。そのレーダーは「アメリカやその同盟国に向かって東に進む敵のミサイルを追跡するため、高性能の電波を西方のアジア本土に向ける」
請負人たちは「RaytheonとChenega Blackwater Solutionsに勤めており、それぞれミサイルレーダーを処理し、基地の警備を提供する。」2人の兵士が100人のチームを監督する。
どういう人たちがこの警備の仕事をしてるのか?このブラックウォーター職務内容説明書によると、この職に応募する人は誰でもハイスクール卒業証書(またはGED一般教育を満たすと同等)を持ち、「民間警察隊、軍警察隊、または民間警備会社」で経験のある、少なくとも21歳である必要がある。
「分数、パーセンテージ、配分、比例計算といった概念を応用する能力」もまた不可欠。そして求職者は以下のように通告される:
この職務をこなす間、従業員はたびたび立つことが要求される;歩く、指先まで手を使って処理する、あるいはモノや道具をさわったり、コントロールする;両手両腕で達しようと努める;相談し、聞き入れる。従業員はデスクまたはテーブルで座ってる時間を臨時に延長されることがある。授業員は立ってる時間を延長されることがある。予定された交通手段、すなわち航空機、乗物、大量輸送システムなどによって、臨時に移動できなければならない。

2007/10/09

イーノがデモを呼びかける


イラク戦争に反対する市民連合「StoptheWar」といっしょに行動するミュージシャンのブライアン・イーノが、月曜のデモ行進にいっしょに参加しよう!と呼びかけている。
1839年ロンドン警視庁法という古い時代からの生き残りの法律を使ってデモが禁止されていようと、月曜の「デモはやる」と言っている。「ボクたちの多くがまだイラクのことを考えているという事実に注意を引きつけるのと、イギリス部隊の即時撤退を要求するため、議会が再開される月曜日にトラファルガー広場から議会スクエアまでデモ行進する。」
「いま都合よくイラクを忘れることは、戦争にあるかもしれない唯一の恩恵、ボクたちを動きの取れない苦境に陥れた機能不全の政治システムを再考するチャンスを失うことになる。もしこれをやらないと、これまでよりずっと動きの取れない一連の苦境に陥るリスクがボクたちにはある。イラクのいちかばちかの冒険は、中東に民主主義の目標となるものを根付かせるとして正当化された。それにすっかり失敗したばかりか、ボクたちの民主主義も傷つけた。ボクたちの考え方よりもパラノイアにアピールするジョージ・ブッシュとトニー・ブレアは、発展させるのに何世紀もかかった自由に対し制限を手に入れた。ボクたちの安全を保証するのにこれらが欠かせないと2人は言った。記憶にないほど昔から独裁主義の指導者によって利用される方便だ。」
続きはメールマガジン「NewsFanzine173」で読めます。

◇生殖力をゲットする イーノの音楽
アンビエントミュージックのゴッドファーザーと呼ばれるブライアン・イーノは、コンピュータによって生み出される最近の曲は「おそまつ」だと感じている。
有能なソフトウエアプログラムによって、テンポや音の高低、ビートの感じをちょっと変えるなんてことはテキストのフォントを変えるのと同じくらい簡単にできるようになった。でも、そういった操作ができることは必ずしもよいこととはかぎらないとイーノは語る。
こういったソフトウェアプログラムが登場した結果、ミュージシャンは「非常に細かい部分にまでこだわれるようになった反面、全体を無視しがちになってしまった」
「ファンキーさがなく、すごく細かくて、石みたいに無表情な響き」
イーノが1970年代初めからずっとやってきているスタイルは、「generative music (生殖する音楽)」として知られており、イーノが嫌悪してやまない細かすぎるコンピュータ製の曲とはまったく異なるものだ。
「普通の音楽は技術工学のようなもので、すべてが計画通りにきちっと組み立てられていて、なんど繰り返しても同じ演奏になる。それに対し"生殖する音楽"はガーデニングにたとえられる。種を植えると、いつも違う成長のしかたをする」とイーノは説明する。
またこうも述べる。コンピュータに依存するプロデューサーたちは「自分がどんなに不自然な音楽を作っているかわかっていない。最先端テクノロジーを使うなら、それによって最先端でないものを生み出さないかぎり、おもしろいことはなにもできない。」
(WIRED 27 October 2001)
ちなみにイーノはこのごろのアンダーウエアはぴっちりしすぎで気に入らない。彼が愛用してるのはポーランド製のゆったりしたものなんだそうだ。

写真は、ロキシーミュージック時代のブライアン・イーノ。ボーカルのブライアン・フェリーよりメイクもギンギンにきめていた。

2007/10/08

アンナ殺害の日はプーチンの誕生日



ロシアのプーチン政権を厳しく批判してきたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤが自宅のある建物のエレベーター内で射殺されて7日で1年が経過する。
1年前、アンナ殺害は「プーチンへの誕生日プレゼント」と言われたように、この日はプーチン大統領の誕生日と重なった。今年7日、モスクワでは大統領を批判する勢力と大統領を支持する勢力の相反する2つの集会が開かれた。
モスクワ川のほとりで開かれた写真展。亡くなったアンナの生前の表情や、彼女が記者生命をかけたチェチェン紛争の惨状を物語る写真が展示されている。訪れたある市民は「残念ながら、今のロシアには当局と異なる意見を言えるほど自らの仕事を信じている彼女のようなジャーナリストは少なくなってしまった」と語った。
この日、野党勢力「もう一つのロシア」がアンナを追悼する集会を開いた。警官隊に囲まれるなか、治安当局に行動範囲や時間を制限されたことと仲間割れも手伝って、規模は小さく数百人から1000人の市民が参加した。
もう一方の大統領を支持する集会では「ナーシ」と呼ばれる若者およそ数千人から1万人が大統領の誕生日にあわせてロシア議会の近くに集まり、「プーチンはロシアを近代化し、自信を取り戻させた」と気勢を上げた。
ところで、いまロシアでは大統領の権力を象徴するようなCMが流れている。
プーチン大統領が登場して「私はコムソーモールスカヤ・プラウダを読んでいます」と新聞を宣伝する。
「権力の監視」が使命の新聞社が大統領に出演を依頼するのも、大統領が特定のCMに出演するのも、ロシアでは前代未聞のこと。
ロシアの将来を憂える人々にとって「10月7日」はどうやら特別な意味を持つ日になるようだ。
◇ロシアの代表的な人権活動家リュドミラ・アレクセーエワ氏は、「ポリトコフスカヤ記者は無法な暴政と妥協せず闘ったために殺害された。首謀者が処罰されていないことはロシア国民にとって恥辱だ」と述べ、政府当局への抗議を呼び掛けた。
野党指導者のカシヤノフ元首相は「プーチン政権は言論の自由や市民の政治参加を阻害し、全体主義国家をつくろうとしている」と非難した。(時事通信)
◇下院選を控えるロシアで7日、政権支持派の青年組織「ナーシ(Nashi)」は、モスクワ中心部に約1万人を動員し、ウラジーミル・プーチンの55歳の誕生日を祝った。
参加者の多くは、胸にプーチン大統領のイラストと「プーチンを選ぶ」とあり、背中に彼のイニシャル「V.V. Putin」と数字の1が描かれたアカ一色のTシャツを着て雨の中で祝いの言葉を叫んだ。このキャンペーンは1週間続けられる。
プーチン大統領はこの日の夜、安全保障会議メンバーなど治安トップをクレムリンに招いて仲良く誕生日を祝うことを明らかにした。任期終了を目前に、在任8年で初めてクレムリンでの誕生日会を行った。
今月はじめ、プーチン大統領は12月に行われる下院選挙で与党「統一ロシア」の比例名簿第1位の候補者として立候補することに合意し、首相就任の可能性についても「十分現実的だ」と発言。また、2012年に再び大統領選へ出馬する可能性についても否定しなかった。2期連続で大統領を務めた後、一度退任してから大統領選に再出馬すれば違憲にはならない。(AFP通信10月8日、ドイツZDF)

◇「ナーシ」のサマーキャンプ
「ナーシ」(英語でOurs)は、2005年に結成されたプーチン大統領支持の青少年団体。大統領顧問のスルコフ氏が組織したとされる。団員は現在約10万人。
最近の目立った活動として、2007年4月、エストニア政府が首都タリンにあった対独戦勝の旧ソ連兵記念碑の銅像を「ソ連による占領の象徴」として撤去・移設したことに対して、在モスクワのエストニア大使館を包囲して抗議デモを行ったことがあげられる。「ナーシ」の活動資金源は明らかにされていないが、クレムリンが援助していると言われる(当局は否定)。
ロシア国家とプーチン大統領の偉大さを称え、大統領を批判する者・政敵をファシスト呼ばわりするこの団体は、メディアにはよく「大統領の親衛隊」と出てくるが、組織的にはソ連時代のコムソモール(共産主義推進のための青年組織)に近いようだ。
7月11日から23日まで、その「ナーシ」のサマーキャンプがモスクワ近郊セリガー湖畔で開かれ、青年1万人が参加した。学習会やカラシニコフを使った訓練が行われたが、訓練は戦闘のためというより軍隊での新兵いじめ(ロシアでは深刻な問題になっている)に対抗するためのプログラムとのこと。
政治団体「もう一つのロシア」の活動などで、大統領を批判しているカシヤノフ元首相と元チェス世界チャンピオンのカスパロフ氏の娼婦姿のポスターが、キャンプ敷地内の「赤線地帯」と名付けられた場所に掲示された。
元チェスのチャンピオン、カスパロフは今度の大統領選に立候補を表明している。
(ロイター通信2007年7月19日、AP通信7月18日)

写真はアンナ・ポリトコフスカヤと、ナーシのキャンプ地に貼られたプーチン批判するカシヤノフ元首相(左)と元チェス世界チャンピオンのカスパロフ氏(中央)を娼婦に見立てておちょくるポスター(AP通信)

2007/10/07

ベルナール・クシュネルってどうよ


フランスのベルナール・クシュネル外相が先月16日、イランの核問題をめぐり解決のためにはイランと「最後の最後まで協議は続けなければならない」としながらも、最悪の場合、「世界は新たな戦争に備えなくてはいけない」と発言したことで波紋を呼んだ(AFP 通信9月17日)。その後、発言はメディアによって誤解を招くものとなったとして訂正はしたが、EU独自の制裁などに含みを残した。
ベルナール・クシュネルは、もともと左派系の医師でサルコジ政権では最長老なんだが、さかのぼって見ると、あの「国境なき医師団」を設立した人なのだ。1980年に意見の相違からそこを離れ、「世界の医療団」を設立することになる。
1970年代末、ベトナムからボートピープルが南シナ海に流出するという騒ぎが世界中の注目を集めた。 クシュネルが設立に加わった国境なき医師団は、ボートピープルの救助が領海侵犯の恐れありとして行動を躊躇した。これに反対したクシュネルは友人らとともに大型船「イル・ド・リュミエール:光の島」号をチャーターし、海上をさまようボートピープルの救助に向かった。これを契機に「世界の医療団」は設立された。
「世界の医療団」の使命:(wikipedia)
正義のない治療はなく、社会のおきてのない持続的援助はありえない。効果的にその支援活動を実施するのに、世界の医療団は医療を超えた「証言」という手段に訴えていく。いかなる政治的・イデオロギーにも拠らない独立した立場において、医療へのアクセスの妨げとなっているもの、人権や尊厳を侵害するものを、医療を通じて証言していく。 さらに、単に医療にとどまらず、医療アクセスの障害となっているもの、人権ならびに人間としての尊厳の侵害を証言し、世論に訴えるアドボカシー活動も世界の医療団の重要な使命のひとつである。

◇フランスのベルナール・クシュネル外相は今月2日、対ミャンマー追加経済制裁について、国内石油大手のトタル(Total)にも例外なく参加を求めるとの考えを示した。ラジオ放送局Europe1の番組内で語ったもの。
クシュネル外相は「経済制裁が必要となった場合には、当然ながらトタルも例外ではない。わが国は現在、経済制裁の発動可否について検討中であり、いかなる企業も例外とはならない」と明言した。
一方で外相は「海外企業が撤退しても、ミャンマー資本や中国資本の企業が新たに参入してきた」過去があることを指摘し、軍事政権による市民弾圧を食い止めるには、欧米諸国による経済制裁よりも、アジア諸国による圧力のほうがより効果的だとの見方も示した。
サルコジ大統領も先週、トタルを含む国内企業に対し、ミャンマーへの新規投資を凍結するよう要請していたが、完全撤退については求めていなかった。(AFP通信10月2日)
◇VOA(ヴォイスオブアメリカ)は、トタル社のような外国企業がミャンマーの軍政維持に一役買っていると指摘する。
◇ロイター通信は、トタル社が軍事政権を利している最大の外国企業の一つであると伝える。
◇オランダで左派政党が中心になってトタル(エルフもその傘下)のガソリンスタンドに対する不買運動が起きているとインターナショナル・ヘラルドトリビューン紙は伝えている。
◇英インディペンデント紙は、トタル社のみならずフランス政府への批判が高まっていることを示し、人権団体が指摘する児童就労の問題(会社側は否定)についても取り上げた。

◇ミャンマー南部でガス田を操業し、隣国タイの発電所にガスを供給しているトタルは、約270人の現地労働者が劣悪な労働環境に置かれている事実を容認しているとの非難を浴びている。
◇フランス石油会社トタルがミャンマーのヤダナ・パイプライン建設に関わる訴訟で和解:
トタルは強制労働に関わったとして2002年フランスのナンテール地方裁判所で8人のミャンマー人に訴えられていた問題で、11月に両者が和解にこぎつけたとのプレスリリースを発表した。
ヤダナの天然ガスパイプライン建設の際にミャンマー軍などによる強制移住、強制労働などの甚大な人権侵害が行われていることが批判されており、同社はその建設に投資し推進していたことから、強制労働で責任を問われていた。また、ベルギーの裁判所でも人道に対する罪で訴えられていたが、2005年4月、原告がミャンマーからの難民でベルギー国籍を持たないため、管轄権がないとして訴えを退けられた。
2003年、一連の批判騒動に対処するため、トタルはコンサルティング企業BK Conseilを雇った。BK Conseilの経営者は人道活動の世界で顔が効く。彼はミャンマー現地で調査を行い、開発事業から撤退するよりも批判を抑えるためのPR活動を拡大することでイメージ改善に力を入れるべきだと報告書でトタル社にアドバイスした。(Total社サイト:報告日2003年9月29日、報告書を書いたのはBK Conseilの経営者、企業コンサルタントのベルナール・クシュネル)
今回のミャンマーの僧侶などのデモ行進に対する軍政の武力制圧でのフランスの制裁措置について、トタル社側はミャンマーでの事業を継続する理由として、「フランス企業が撤退したら倫理面ではるかに劣る中国その他の企業が投資を拡大し、ビルマ国民にとって事態はさらに悪くなる」と説明している。そしてまたフランス外相も「トタル社はミャンマー軍事政権と事実上協力関係にある」との批判を一蹴して、フランス最大・世界第4位の天然資源開発企業であるトタルを擁護した。
おわかり?フランスの外相とは、2003年トタルに事業を続けるよう提言したコンサルタント会社の社長、ベルナール・クシュネル氏ってことだよ。

また、ヤダナ・パイプライン建設に関わる人権侵害では米国のユノカル社が2004年12月に住民への補償および医療、教育などの整備のための資金提供などを行うことで原告と和解している。
ヤダナ・パイプライン建設事業には仏トタル社の他に米シェブロン社も参加している。米国のライス国務長官が1991年からブッシュ政権入閣直前までシェブロンの重役だったのはよく知られた事実だ。
さて、お待ちかね!チェイニーがCEOだったハリバートンは、90年代からミャンマー軍事政権を顧客に抱え、ヤダナ・パイプライン初期工事に携わった。シェブロン同様、ハリバートンもまた「対ミャンマー経済制裁の適用外」という特別待遇を受けている。CNNの番組「ラリー・キング・ライブ」でこの件を問われたチェイニー副大統領は、「この世界は民主主義だけで成り立つわけではないんだ。」と言ってのけている。

◇ミャンマーにおける人権侵害関与をめぐるユノカル社事件が和解合意する:
ミャンマーの天然ガス・パイプライン建設の際の強制労働、強姦、殺人などについて米国の石油会社ユノカルを米国の連邦裁判所に訴えていた事件で、12月、当事者が和解に合意した。ユノカルとその子会社は1992年、ミャンマーの国営企業とミャンマー沖ヤダナ油田の天然ガス採掘でジョイントベンチャーを行っていたフランスの石油会社トタルからプロジェクトの28%を取得し、テナセリム地方を通して天然ガス・パイプラインを建設していた。その際、ユノカル承知の上でミャンマー軍がユノカルのプロジェクトに対して警備その他のサービスを提供していた。
原告のテネサリム地方の住民は、パイプライン建設での強制労働、軍による拷問、強姦、殺人などで1996年ロサンゼルスの連邦地裁に訴え出た。翌年、同地裁はミャンマー軍と国営企業に対する訴えは主権免除により却下とした。2000年にはユノカルに対する訴えも直接、人権侵害に関わったことを示していないとして退けた。これに対し、原告側は控訴した。
原告は外国人不法行為請求法などの法律を根拠にユノカルを訴えていた。同法は米国外で起こった外国人に対する不法行為について、それが国家機関によるものであれ、非国家組織体の行為によるものであれ問わずに米国の連邦裁判所に管轄権を付与する法律だ。フィリピンのマルコス元大統領やボスニア・ヘルツェゴビナのカラジッチ元セルビア人指導者などに対する訴訟で適用されてきたが、最近は多国籍企業の海外における人権侵害に対する救済の手段として注目を集めている。
2002年9月、第9巡回控訴裁判所は、ユノカルの人権侵害の教唆・幇助を問えると判断した。一方、米国政府はそのような訴訟が多発することが米国の外交政策を損なう懸念があるとして、同法の適用に消極的な意見を裁判所に提出している。
2004年12月13日に公表された和解では、ユノカルがテネサリム地方の住民に補償金を支払い、生活条件、医療、教育などを改善するためのプログラム開発資金を提供することになっている。

今回、ビルマに関する記事をあれこれ読んでいて戸惑ったのは国名表記と元首都ラングーン表記の違いだった。NYタイムズを初めとするアメリカのニュースはほぼビルマ表記となっている。そこで google:
1989年、共産主義体制の崩壊にともない国名が「ビルマ連邦(Union of Burma)」に変更となったが、暫定軍事政権が国を支配するとすぐにこれを「ミャンマー連邦(Union of Myanmar)」に変更。同時に、首都ラングーンもヤンゴンに改名された。
アメリカ合衆国、イギリス、オーストラリアなどは、暫定軍事政権を承認しないという意味を込めて「ビルマ」の名称を使用し続けている。EUのニュースなどでは両方併記となっている。
ここでわが国は、ビルマを軍事政権が支配して一番にこれを承認したのが日本だった。当然「ビルマ」はあっさりミャンマー表記に変わった。おまけに、諸外国からあんまりうるさく批難されたもので仕方なく2003年に援助を停止するまで、日本が最大のミャンマー軍政の援助元だった。「経済活動と政治は別問題」と最近誰かさんが言いました。でも、世界をちょっとでも見れば、ひとつにつながって、がっちりタッグを組んでることは歴然としています。世界はまさにひとつのことのために動いているのです:「金儲けがすべて」

写真は、トタル社のウエブサイトにあるビルマ、ヤダナ・パイプライン事業のバナー。英語&フランス語圏のウエブにはビルマとミャンマーが併記されている。

2007/10/05

衛星が人権侵害をとめる日


米国ネバダ州では目下、衛星画像を駆使した行方不明の冒険家の捜索が行われているそうである。また、衛星画像を活用して暴力に苦しむミャンマーにおける人権侵害を追跡する別の動きもある。
米国科学振興協会(AAAS)の「科学と人権プログラム」では、人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルなどと協力して、衛星写真を使って世界の紛争を監視し、防止しようとしている。
AAASの研究者ラーズ・ブロムリー氏によると、この計画の戦略は人権侵害の現場をとらえた証拠写真を撮影し、関係者を改悛させるか、圧力をかけるよう、政府を説得する材料にすることだ。
衛星写真は、特にインターネットや電話などの通信が閉鎖され外部との連絡がたたれて十分報道されてない場所には、強力な証拠になると期待されている。
現在、ミャンマーはどうなっているのか?
以下はAAASの報告「ミャンマーにおける人権侵害を証明する衛星画像」から引用する。

◇高解像度の衛星画像をあらたに分析したところ、村落の破壊や強制移動、さらには人権侵害の目撃が報告されているミャンマー東部の25カ所で、軍の駐留規模が拡大しているのをはっきり示す証拠が見つかった。

◇AAASは、全米地球空間情報局(NGA)が提供する情報と現地調査のメモを比較して、報告されている約70件の人権侵害のうち、31件の場所の正確な地図を作成した。衛星画像の分析から、地図が作成された31カ所のうち25カ所で人権侵害の報告例を裏付ける具体的な証拠が見つかった。

ラーズ・ブロムリー氏はできるだけアーカイブに保管されてる衛星画像とあらたに入手した写真とを比較して、報告されている軍事行動の前後の現場を検証した。以前の画像がない場合でも、最近の画像から破壊行動は明白だった。
たとえばこの写真(上の写真)は、米DigitalGlobe社が運営する商業衛星によって今年6月24日に撮影されたものだが、4月22日にミャンマーのPapun郡で村が焼き討ちされたと報道される内容を裏付けると考えられる。人道主義団体「Free Burma Rangers」によると、焼き討ちは政府軍によるもので、村が反政府勢力を支持していたというのが焼き討ちの理由だ。この結果、約12人が殺された。
AAASは、ダルフールやジンバブエの紛争の追跡にも協力しており、村の人口激減を衛星写真で明らかにしている。
(WIRED DANGERROOM 28 September 2007)

政治的ツールとしてのSNS


10月6日、世界の数十都市で数万人規模による、ミャンマー(ビルマという国名を軍政が改めた)での民主化運動弾圧に抗議するデモ行進を行なう予定だ。
このデモ行進は「Facebook」という大学生の飲み仲間探しを支援する目的で作られたソーシャル・ネットワーキング・サイトの呼びかけであっという間に組織された。ソーシャル・ネットワーキング・サイトなるものの影響力がいかに強まっているか、その影響の範囲がいかに広がっているかがよくわかる。
アマチュア活動家と大規模な非営利政治団体の両者が、「Facebook」を利用することで世界中の人々を結びつけ、市民の関心事を政治家に表明することがどんなに簡単にできるかに気づいた。
6日の抗議デモは「Support the Monks' Protest」(僧侶の抗議を支援しよう)という名称の「Facebook」グループに属する30万人強のメンバーによって組織された。
ロンドンのほか、パリ、メルボルン、ソウル、台北、ウイーン、そしてワシントンDCなどの米国各都市で抗議行動が予定されている。
「Support the Monks' Protest」を立ち上げたのはカナダ・トロント出身の大学生19歳のアレックス君、9月半ばに民主化運動の弾圧を知ったのがきっかけだった。彼は今年の夏、大学に行くまでの7ヵ月の休暇中にミャンマーを旅行した。この経験が衝撃的だったという。
「すべてが古くてボロボロだった」、「人々はみな絶えず恐怖にさらされていた。思ったことを口にすることもできず、常に、見張られていることに注意していなければならない」と彼は語る。
軍政がデモ隊を暴力で弾圧するニュースが流れた後、メンバーの数は急増した。ミャンマーに親類がいる人、ミャンマーを旅行したことのある人たちが、なにか行動したくて参加できるグループはないかと「Facebook」で探したのだ。
ロンドンでこれに参加し、積極的に活動しているメンバーのひとり、23歳のジョニー君もやはりビルマでの滞在体験が参加の大きな理由だという。
リーズ大学を卒業したばかりだが、現在、このグループの中心メンバーとして、「Burma Campaign UK」やアムネスティ・インターナショナルなどの経験豊富な政治団体と協力したり、バイラル・ビデオを作ったりしている。
マレーシアのクアラルンプールでも積極的に活動している人々が20人を超えている。そのひとりナイジェル・カンバーランド40歳は英国出身だが国籍はマレーシア。母親がミャンマー出身で民主化運動に関係する親族もいる。
Facebookのキャンペーンは「自己満足的なところもあるが、ないよりましだ」とナイジェルは語っている。
New York Timesの記事によれば、ミャンマー政府は現在、インターネットや電話回線を閉鎖しており、兵士たちに、カメラや、カメラ付携帯電話を没収させている。
こうしたミャンマー政府への抗議を、自分たちのブログ上で表現しようという団体「Free-Burma.org」が、ドイツの大学生2人によって組織されている。
彼らの10月4日に組織したネットイベント、いつもの内容をやめてミャンマー軍政への抗議のバナーなどを掲載する「International Bloggers' Day for Burma」に参加したブログは、世界中で5000にのぼっている。
(WiredNews 10月5日)

写真は、ヤンゴンのシェダゴンパゴタ

2007/10/02

トスカーニのNo Anorexia



ミラノファッションウィークが開催されているイタリアで9月24日、拒食症の女性モデルを起用したヌード広告が新聞紙面や広告掲示板に掲載された。
体重31キロのフランス人モデルを起用したのはファッションブランド「Flash&Partners」。広告には「No Anorexia(拒食症)」と書かれており、イタリア人写真家オリビエーロ・トスカーニ氏が撮影した。
同ブランドによると、トスカーニ氏は、拒食症の現実を人々に示すため裸の写真を用いたという。同氏は1992年、ベネトンの広告キャンペーンで死期の迫る男性エイズ患者を撮影するなど物議を醸している。
やせすぎのモデルをめぐっては、スペインで昨年行われたマドリードファッションウイークで、BMI(肥満度)の数値が18を下回るモデルの起用が禁止され、大きな注目を浴びた。BMIで標準とされる数値は18.5〜25だ。(ロイター通信9月27日)

◇写真家オリビエーロ・トスカーニの仕事は一般にはベネトンの広告のなかで知られている。
彼のベネトンにおける最初の功績は1989年に始められた「反人種差別キャンペーン」で、黒人女性が白人の赤ちゃんに授乳をしている写真には「人種の混交」という彼のアイディアが込められていた。 当時まだアパルトヘイトが存続していた南アフリカ共和国のベネトン代理店はこのポスターに難色を示してポスターを作り直すよう依頼したが、ルチアーノ・ベネトンがこれを拒絶する。後に南アフリカ初の黒人大統領になったネルソン・マンデラは彼らを賞賛し、南アフリカに招待した。(wikipediaより抜粋)

ベネトンの広告にある、「世界がいま注目すべきこと」になんとしても人々の注意を惹きつけようとするオリビエーロ・トスカーニの努力の成果には、人の心をつかんで放さない目の覚めるような写真がたくさんある。1994年の「Bosnian Soldier 」もそんな写真のひとつだ。
ボスニア紛争で戦死した若い兵士が着ていたシャツとパンツを並べた写真。ユーゴスラビアの内戦が激しかった時期に、国連と共同で「反戦と難民の救済」を呼びかけるキャンペーンポスターとして使われた。その日のニュースで報道される戦死者はその他残りの世界には数字でしかない。このポスターでは、血染めのシャツとパンツという若い兵士の遺品を大写しにすることで、記号化された「死」や「戦争」を排除して、ひとりの若者の死というパーソナルな文脈へ見るものを導こうとする。このポスターもまた映像の衝撃の大きさから、多くのヨーロッパ諸国でメディアへの掲載拒否があったが、一方で高く評価され、日米で広告賞を受賞した。日本では1994年に一度、朝日新聞の30段広告として掲載された。
その切り抜きは、新聞紙の黄ばみから「過去」に思えても、アンソニー・ミンゲラの映画「こわれゆく世界の中で」のように、ロンドンで暮らしていようがボスニア難民という、いまの問題でもあるのだ。

写真は、拒食症の衝撃のキャンペーンポスターと1994年のBosnian Soldier

わたしたちの奇妙な優先順位


アンジェリーナ・ジョリーが26日、ビル・クリントンが主催し、地球温暖化や伝染病、貧困など、世界の抱える問題について討議する「クリントン・グローバル・イニシアティブ」のニューヨークでの年次総会に出席。イラク戦費のわずか数時間分で多くの子供に教育を受けさせることができるとスピーチした。
国連難民高等弁務官事務所の親善大使として、先月イラクを訪問し、400万人もの難民の現状を視察してきたばかりのアンジェリーナは、ユニセフと国連難民高等弁務官事務所が子供たちの教育のために要求している金額は「(アメリカの)イラク戦費の約8時間分です」と指摘し、「このわずか数時間分で15万人の子供たちを学校に通わせることができます」と付け加えた。
アンジェリーナは「思いやる心にまさるものはありません。教育以上に自由を与えるものはなく、争いを止めるために教育を受けた子供にまさるものはありません」と、行動をするうえでの優先順位を正しく設定するべきだと訴えた。
女優であると共に国連の親善大使も務めるアンジェリーナ・ジョリーは、紛争地域で暮らす子どもや難民の子どもたち100万人に対するおよそ1億5000万ドル(約173億円)の教育支援計画を発表している。
◇優先順位の見直しを
アンジェリーナ・ジョリーがイラク戦争について批判的な意見を語るのは今回が初めてではない。
6月のインタビューでは、イラク戦費について「わたしたちの優先順位はとても奇妙だ」と述べ、援助すべき状況には経費を支出せず、「結局はそれが戦争へつながり、さらに費用がかさむことになる」と指摘した。このほかにも、軍事費とエイズ対策基金を比較するなどしている。アンジェリーナは先月、イラク、シリア両国国境にある難民キャンプを訪れた。
「クリントン・グローバル・イニシアチブ」では、このほか地球温暖化や伝染病、貧困などの差し迫った問題についても話し合われた。(AFP通信9月30日)

アンジェリーナ・ジョリーは最近もっぱらその激やせぶりで人の目を引いている。
彼女はそこで子どもを出産するほどアフリカのナミビアが気に入っている。確かにナミビアにはすごい砂漠があって、写真で見る限り、自然空間はゴージャスだ。
反面、やはりそこは過酷な土地アフリカには違いなく、人々は飢えている。
国連大使として第三世界にたびたび足を運ぶアンジェリーナ・ジョリーは人々が飢えている現実世界をよくわかっている。裕福な国に戻っても、さあリッチなレストランで優雅な食事をしましょう!という気分にならないんだとどこかで言っている。
彼女の兄も、彼女が「食べなくなっている」のは今年1月の母親の死もあるだろうが、なんといっても第三世界のせいだと言っていた。
ときどき、こんなふうに「食べて」いてもいいんだろうか、と思うことがある。
ときどき、特別の日などのコースのディナーのすぐあとに全部嘔吐してしまうことがあり、数日拒食症みたいになる。罪悪感からではないと思うし、アンジェリーナのように繊細ではないけれども、こういう世界に生きていて、こんなふうに「食べる」必要があるんだろうか?とは考える。

写真は、最近のアンジェリーナ・ジョリーです。この記事では彼女のすじばった腕とおなかの陥没(ほらあなという単語を使ってた)について書かれています。それよりもすごいと思ったのは、彼女のボディには70カ所以上にタトゥーがあるんですよ。消す面倒(+痛み)があるので、もう男の名前は彫らないんだそうです、ブラッド・ピットにも期待はするなと言ったとか。ゴシップちょい好き。

2007/10/01

FUNDRACE2008


THE HUFFINGTON POST の「FUNDRACE2008」をクリックすると、あなたのボスや同僚、隣人、さらにはあこがれのセレブまでが2008年米大統領選候補の誰に寄付しているかが、すぐにわかる。
たとえば、俳優エドワード・ノートン、彼はニューヨークのパークアヴェニューに住んでおり、バラク・オバマに2300ドル寄付している。
スパイダーマンのトビー・マグワイアーはヒラリー・クリントンに4600ドル。
ポール・ニューマンはオバマとヒラリーに同額の4600ドル、他にも民主党候補
2人に寄付している。ドッド候補2500ドル、ビル・リチャードソン2300ドル。いずれにしても民主党。
◇ファンドレース2008へ ようこそ
セレブが二股かけてやしないか知りたくない?あなたが面倒みている新人が外観は共和党みたいってことなのか、それとも実際にそうなのか?
ファンドレースは、友人、家族、同僚、隣人がどの候補者に寄付しているかを名前または住所で簡単に突き止める。
金がどこからきたか?どしどしやってるのは誰か?見つけ出す、そしてあのいかれた元ルームメイトがなぜ今はトルコや西インド諸島ケーコスの大使になってるか?その謎を解くといった、何年にもわたり政治家やジャーナリストがしてきていることをやってしまうテクノロジーをファンドレースが君に与える。

写真は、次の大統領は民主党のオバマと考えるエドワード・ノートン