見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2023/12/26

今年のクリスマスは中止

 



25日のロイターによると、今月6日から消息不明となり、安否が気遣われていたロシアの反プーチン活動家ナワリヌイは、モスクワの北東約1900キロに位置し、最も過酷な環境にある北極圏の刑務所にいることが判明した

広報担当者はロイターTVに「この刑務所は以前収監されていたウラジミール刑務所よりもずっとひどい環境になる。当局はナワリヌイの生活を極限まで耐えがたいものにしようとしている。彼を孤立させ外部との連絡をより困難にしようとしているのは間違いない」と非難している


この間ずっと、ガザではすさまじい規模の爆撃がひっきりなしに続く

12月20日にはイスラエルはガザのラテン修道院教会とマザーテレサ修道女の家を空爆した

ガザに教会などひとつもないとイスラエルが主張したわけはこれ、全部抹殺して消しちゃうつもりだったから


この世から消し去るイスラエルの計画

ガザ政府メディア局によると、イスラエル軍がガザでパレスチナ人137人を処刑したとのこと

「わたしたちはイスラエル軍がガザ地区と北部自治区で137人以上のパレスチナ民間人を現場で処刑したとの生の証言を入手した、イスラエル軍はそこに収容所を設置し、その中に大きな穴を掘って多数の民間人を生きたまま穴のなかに入れた、次には直接弾を発射して処刑した。そうしてブルドーザーで埋めた。」


◇ヨルダンのラニア王妃が12月21日付ワシントンポスト紙に寄稿、ヨルダンのキリスト教徒がクリスマスの祝祭を「中止することを選んだ」と表明した。イエス・キリストの生誕地とされるヨルダン川西岸ベツレヘムで毎年催されるクリスマス行事がパレスチナ自治区ガザで続く戦闘を受けて中止されることを踏まえた決定だという。

王妃は、「わたしも母親であり、全力で守ろうとした子どもを失うガザの親たちを思うと胸が引き裂かれる」と吐露。「大切な人を守りたいという思いは、たとえ敵対する人の思いであっても、尊重すべき」と強調した。

その上で「停戦を求めることが、あなたにできる最も小さなことであり、わたしたちみなが共にやるべきこと」だと呼び掛けた。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2023122201103&g=int


元空軍パイロットのサルマ王女(アブドラ2世国王の娘)は軍服を着てガザ地区に向かった。アラブ首長国連邦の日刊紙ガルフトゥデイなどが15日に伝えたところによると、サルマ王女は14日にガザ地区北部でヨルダンの緊急医療物資空輸に参加した。この日、ヨルダン空軍は落下傘を利用してガザ地区にあるヨルダン野戦病院に医療物資と補給品を緊急空輸した。


ヨルダンは11月1日、イスラエルによるガザ地区への攻撃に抗議して駐イスラエル大使を帰国させている

イスラエル軍による攻撃は罪のない市民を殺害し、前例のない深刻な人道危機を引き起こしている、大使召還は非難と拒絶を示すためだとしている

11月6日、ヨルダンのアブドラ国王はガザ地区の野戦病院に空軍が医療物資を投下したと発表

「ガザで負傷した同胞を支援するのはわれわれの責務だ」と述べた


また、周囲がだんまりのなか、ヨルダンのラニア王妃は25日に放映された米CNNのインタビューで、イスラエルの空爆によるパレスチナ自治区ガザの民間人殺害を非難しない西側の指導者たちについて、「目にあまる二重基準」だと批判している



#国連安全保障理事会でのパレスチナ大使のスピーチより

「イスラエルの攻撃対象は、パレスチナ国民の過去と現在のみならず、実のところ将来なのです。それが医師やエンジニア、詩人、学者、アーティストを殺害する理由です。それがわたしたちの都市や街、大学や文化施設を破壊している理由です。それがわたしたちの子どもを殺害し、子どもたちに恐怖を起こさせ、トラウマを与える理由です、そして子どもたちの未来にきずあとを残し、その価値をきづ付けます。わたしたちは耐えがたい悲劇としてよく殺害された子どもの数を引用しますが、2万5000人の子どもが孤児となり、数万人が負傷して手足を切断されたことを忘れてはなりません」


「“世界”という意味の最も美しい名前を持つ12歳のパレスチナ人の少女、Dunyaは、両親、姉妹、兄弟、家族全員を自宅へのイスラエルの砲撃で殺害されました。彼女も足を失いました。そしてDunyaは、決して愛する家族を忘れることがないまま、生き続けなければならないと語りました。彼女を助けてくれた医師たちのように医師になって子どもたちを助けるだろうと。」





#2日前、ガザで殺害されたジャーナリストの数が103人になった

中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、ガザ地区で取材中だったカメラマンがイスラエル軍の攻撃によって死亡したことを受け、イスラエル側の責任を問うためにICC(国際刑事裁判所)に捜査を求めると発表しました。

アルジャジーラなどの報道によると、アルジャジーラのサメル・アブダッカ カメラマンは、15日、南部ハンユニスの避難所で取材をしていた際にイスラエル軍のドローン攻撃に巻き込まれて負傷し、その後、治療を受けられずに死亡したとのことです。
これについてアルジャジーラは16日、声明で「19年間、パレスチナで紛争取材に力を尽くした同僚への犯罪を非難する。責任者らが適切に処罰されるよう、あらゆる措置を講じる」と強調しました。
そのうえで戦地で活動するジャーナリストを標的にすることは戦争犯罪にあたるとして、イスラエル側の責任を問うためにICC(国際刑事裁判所)にカメラマンが死亡した件について捜査を求めると発表しました。
アルジャジーラは法律家などが加わる作業部会を設置し、資料を作成して今後、ICCの検察官に提出する予定だとしています。

2023年12月18日NHK NEWS WEB





#アメリカは、紅海での”Prosperity Guardian(好景気守護者)”作戦の開始を発表

イギリス、バーレーン、カナダ、フランス、イタリー、オランダ、ノルウェー、セイシェル、スペインも、この作戦に参加する。

彼らは紅海での安全をなんとか守ろうと試みるのだろう。 すでに海運会社のほぼ80%がイスラエルとの商売を断念している。


#Iran Observer

UAEとサウジアラビアはイエメンの不利になるアメリカの提案を拒否した。


'USS Carl Vinson' 率いる空母空襲編隊グループ1が、フィリピンでの任務を性急にやめて、中東に向けて移動している(目下シンガポールに停泊)。


もしもそこでアメリカとフーシー派とのあいだで戦争がエスカレートした場合、スエズ運河は完全に閉鎖され、すべての船舶がアフリカ全土を迂回してヨーロッパに達することになり、商品の価格上昇を引き起こす。


アメリカはイスラエルに向かう船舶を守るために軍艦を派遣しているが、それは状況を悪化させるだけであり、イスラエルのみならずヨーロッパ全体が経済的に苦しむことになる。




2023/12/12

ブライアン・イーノVOICES FROM GAZA

 



amos trust | justice and hope for the forgotten

『VOICES FROM GAZA』

日時:2023年12月15日午後7時30分

場所:St George the Martyr, Borough High Street, London SE1 1JA

―地下鉄Borough駅の向かい側


ライブ演奏や朗読と共にパレスチナ人作家Ahmed Masoud(アフメド・マスード)とイギリス人劇作家Justin Butcher(ジャスティン・ブッチャー)がガザからの一字一句変えない証言の夕べのキュレーターをつとめます


ライブ演奏と朗読:

Brian Eno(アーティスト、ミュージシャン、活動家)

Harry Baker(アーティスト、作家、詩人)

Dizraeli(イギリス人ラッパー、詩人、ミュージシャン)

Saied Silbak(パレスチナ人作曲家、ウード奏者)

Iyad Sughayer(有名なパレスチナ人ピアニスト)

Rosalind Nashashibi(ターナー賞にノミネートされたパレスチナ系イギリス人アーティスト)

さらに、著名な役者、Will Keen(ウイル・キーン)とAmaka Okafor(アマカ・オカフォー)


収益はすべてガザのためのAmos Trust緊急クリスマス・アピールに投入されます。

https://www.amostrust.org/voices-from-gaza

詳細についてはこちら↓でご確認ください

 amostrust.org/christmas-appeal

所要時間:90分(no interval)完ぺきに車いす出入り自由



イメージ:Maha Dayaの作品『Devastation 3』
ガザの主要なビジュアルアーティストをフィーチャーしたAmos Trustの On Location exhibition より



2023/12/11

サイードの臨終のことば don’t forget Palestine

 


#ヤニス・ヴァルファキス

けばけばしい色彩をもったイスラエルの胸のむかつくような入植者イデオロギー




#アイルランドは、ダブリンの政府庁舎にパレスチナの国旗を掲揚し始めた。

サンキュー、アイルランド


#スペインのゲルニカの町はパレスチナとの連帯を表明している。4月26日、ゲルニカはナチス・ドイツのコンク軍団による最初の空爆で爆撃された。スペインにおけるナチスの虐殺を知らせるゲルニカのサイレンは86年後、ガザの虐殺を知らせている。


#ヤニス・ヴァルファキス

ハアレツ紙によると、ガザでの死者に占める民間人の割合は20世紀の世界のすべての戦闘の死者の割合より高いという。丁寧ではなく、より直接的に言えば、アメリカ・EUはメガデス(核戦争級の大量死)に共犯している。


#中東ジャーナリスト 川上泰徳 @kawakami_yasu

ホロコーストの犠牲者としての歴史の風化というよりも、イスラエルが1967年以来、パレスチナの非人間的な占領を半世紀以上続けていることで社会にパレスチナ人に対する差別意識が深く根を張っているのでしょう。すべてのユダヤ人男性市民が高校卒業後、ほぼ3年間、パレスチナ占領地でパレスチナ人を人間扱いしない兵役に従事する中で、「パレスチナ人は劣っている」という差別意識で非人間的な軍務を正当化するしかなくなっているのです。社会意識として非常に不健全だと感じました。

 私はエルサレムに駐在していた時、西岸、ガザでの軍務を拒否する予備役の兵士たちを取材して記事を書いたことがありますが、彼らは「西岸の軍の任務は入植者を守るために、パレスチナ人を抑圧し、結果的にイスラエルを危うくしている」と語っていました。「パレスチナで占領を続けることで、イスラエルの道徳が破綻する」と危機を語る若者もいました。

 ただし、国防こそ市民の義務であるイスラエルで兵役拒否や軍務拒否をすれば、就職先は限られ、市民としての権利も制限され、繰り返し軍刑務所で服役することになりますから、その代償は大きいのです。



『ガザに地下鉄が走る日』の著者である岡 真理さんが愛用しているカナダのパレスチナ支援グループが製作し販売しているカレンダー、“Colors of Palestine”には、パレスチナに深く関わる3つの信仰、ユダヤ教、キリスト教、イスラームに関係する祝祭日が記載されている……

「エルサレムはこれら3つの信仰の聖地であり、この聖地で人々は信仰を異にしつつもアラビア語を話しながら隣人として歴史的に共生してきた。それがエルサレムの街の歴史であり、パレスチナの歴史であり、さらに中東イスラーム世界のありようだった。…千数百年に及ぶ長い歴史の過程で、異教徒に対する迫害がなかったわけではない。しかし、総じて“共生”こそがムスリム社会の原則だった。

 たとえば、歴史的に地中海世界最大のユダヤ教徒を抱えていたモロッコは、宗主国フランスがナチス・ドイツに占領されたことで、新ナチスのフランス、ヴィシー政府から国内のユダヤ教徒を摘発すべしとの命令が下された。しかし、ときのスルタン、ムハンマド・ベン・ユーセフは、スルタンである自分はイスラーム法に従って、臣民であるユダヤ教徒を保護する義務があるとしてフランスの命令を敢然と拒否し、モロッコのユダヤ教徒はホロコーストを免れた。

 エルサレムとはアラブ・イスラーム世界における、この歴史的共生のシンボルにほかならない。その共生の歴史を暴力的に破壊したのが、近代におけるシオニズムによる侵略であり、イスラエル国家の建設だった。」


「1990年1月、私はスペインのアンダルシアにいた。

イベリア半島は、ヨーロッパ・キリスト教徒によるレコンキスタ(再征服)が完了するまで800年間にわたってアラブ・イスラーム世界だった。グラナダ、コルドバ、セビリア……。これらアンダルシアの諸都市の魅力はアラブ・イスラーム時代の歴史と文化を色濃く残していることにある。……

 だが、アンダルシアでヨーロッパ人キリスト教徒によるレコンキスタが完了したとき、その地に暮らすユダヤ教徒、イスラーム教徒を待っていたのはキリスト教への改宗か追放の二者択一だった。ユダヤ教徒、イスラーム教徒のまま、彼らが故郷にとどまることは許されなかった。

…この同じ暴力、民族浄化の暴力が、500年後、再びヨーロッパで繰り返される。ナチスが政権を取ったドイツと、ナチス・ドイツに征服された東欧の国々で、ユダヤ人はまず社会の周縁に追われ、次に祖国から追放され、最後にこの地上からの抹殺が企図された。500年前は“信仰”を理由に、故郷に生きる権利を否定されたのが、近代においては“人種”の違い、“血”がその理由とされた。…そして、ユダヤ人がナチスの絶滅収容所から解放された3年後、再び同種の暴力が、今度はパレスチナの地で繰り返されることになる。キリスト教徒とイスラーム教徒のパレスチナ人は“アラブ人”と人種化され、パレスチナに住まう権利を否定され、ナチス支配下のヨーロッパで“ユダヤ人”とされた者たち同様、非人間化され、人間としての権利を奪われたのだった。パレスチナ問題が“パレスチナに移植されたユダヤ人問題”とされる、ひとつの所以である。」


#速報|ヘブライ語チャンネル13:ネタニヤフ首相は、ガザから解放されたイスラエル人の人質の家族との面会を要請した、だが、彼の要請は拒絶された。




#わたしたちは決して忘れません

わたしたちはこれについて伝えることを決してやめません





2023/12/08

わたしたちは無力なのだろうか

 



11月30日にポーグスのボーカル、シェインが死んじゃいました

彼は65歳でした

シンニード・オコナーが亡くなったとき、“シェインは大丈夫かなあ”と心配になったけど、本当に彼女の後を追っちゃいました

今年のクリスマスはふたりのことを思い、「ニューヨークの夢」を聴きます

https://music.youtube.com/watch?v=j9jbdgZidu8

シェインについては、過去のブログ、「酔いどれ詩人 シェイン」を読んでください

https://tequilamama.blogspot.com/2022/08/



先日、「平和を語りつぐ」というイベントでフリージャーナリストの青木 理さんと石川 旺さん(上智大学教授、社会学が専門、父は小説家の石川達三)の対談がありました

そもそも、わたしは、今年1月、広島拘置所で亡くなった上田美由紀死刑囚の『鳥取連続不審死事件』を追った青木 理さんのルポ『誘蛾灯 二つの連続不審死事件(2016)』を読み、おもしろかったのが始まりでこれまでに彼のトークを3回ほど聞いています

鳥取の事件は直接的証拠がほとんどないに等しく、49歳の女性が拘置所で食べたものを咽に詰まらせて死ぬというのも怪しい顛末ですが、「何から何まで謎だらけの事件」そのものが謎のまま終わってしまいました


2013年の控訴審で上田美由紀死刑囚はこれまでとは一転して2件の強盗殺人について「わたしはやっていません。一審の判決は受け入れられない」と語り始めていましたから、謎が解ける可能性はあったのです

「特別秘密保護法は可決されたんですか。あれはひどいと思います。今の政治はおかしいっていうか、ひどいですね」といった話しも彼女はしていました


さて、今回のサロンのような雰囲気の中での、“パトリック”のスニーカーを履いた青木さんの話しでは、「日本はもっともっとひどくなる」んだが、今回の自民党派閥の政治資金パーティをめぐる問題は、「おもしろい展開になっている」と力強く、期待を込めて、言い切っていました


彼の説明によると、

“検察がやる気になっている”理由のひとつは、「安倍晋三首相がいなくなった」こと

そして、2020年に安倍首相がやろうとしてできなかったこと、「当時東京高検検事長だった黒川弘務検事長の定年延長をあきらめざるをえなくなった」ことが大きい
(彼が検察トップにいたら、他同様、もみ消して終わる)


・2020年1月31日、黒川検事長の定年延長を検察トップに据えたい安倍官邸の横やりで異例の人事が強行される

・同年3月13日、検察庁法改正案を閣議決定

ところが、4月6日、日弁連会長が閣議決定の撤回を求める声明を発表

5月8日、Twitterデモが始まり、世論の厳しい反応、支持率急落を受けて、政府は検察庁法改正案の上程をあきらめる

そうこうするうち、黒川氏の“賭け麻雀”報道が出る、彼は5月22日に辞職する


黒川氏を巡っては、検察庁法が定める63歳の定年を控えた1月、政府が国家公務員法の規定を適用して定年延長を決定。この規定は検察官には適用しないとされてきたが、政府は「法解釈を変更した」と説明

神戸学院大の上脇博之(かみわきひろし)教授が20~21年、関連文書の開示を求めたが法務省がほとんどの文書を「未作成」などの理由で不開示としたため提訴、2023年8月10日、この訴訟の弁論が大阪地裁であった


今回の自民党派閥の政治資金パーティをめぐる問題でも、自民党の5つの派閥は2021年までの4年間にあわせておよそ4000万円分の政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に適切に記載していなかったとして、上脇博之教授が告発状を提出し、各派閥は訂正を行うなど、対応に追われる事態となった

Twitterデモをはじめ、政府のやることに対して「おかしい」と声を上げ、行動するわたしたちのチカラが働いて「今回の展開がある」んだと、青木さんが何度も強調していたことが、特に印象に残りました

日本はもっともっと悪くなるにしても、わたしたちに力がないわけではない



2023/12/05

かつて、パレスチナは世界の前衛だった

 



#ガザには男女を問わず何百人ものアーティストが住んでいることをご存知ですか?文字通り、人口に比例してアーティストの数が最も多い都市です。このスレッドではその一部を紹介します。これらのガザっ子は、破ることのできない、繊細で、驚くべき人たちであり、本物の立ち直る力の体現者です。

Abdalhadi Alijla عبد الهادي العجلة



ガザのアーティスト:Taisir Batniji


ガザのアーティスト:Rana Batrawi


ガザのアーティスト:Kamel Al Mougani


ガザのアーティスト:Mohamed El Kept

岡 真理さんの著書『ガザに地下鉄が走る日』の“あとがき”より

 2018年8月9日、イスラエルはガザの150ヵ所を爆撃した。ハマースがイスラエルに向けて200発のロケット弾を放ったことに対する報復であるという。ビーチ難民キャンプにあるサイード文化センターも爆撃され、5階建てのビルは瓦礫となった。イスラエルの常として、ハマースがここで活動していたから、というのがセンター爆撃の理由だ。2004年にオープンし、2つの劇場と映画館を擁する同センターは、ハマースではなく、ガザの芸術文化活動の一大拠点だった。完全封鎖のもとで「生きながらの死」を耐えるガザの人びとに舞台や映画、コンサートを提供し、いくつもの劇団や楽団がここを自分たちの活動のホームグラウンドにしていた。ここから世界の舞台へ羽ばたいていった者たちもいる。センターはパレスチナの民族舞踏ダブケの舞踏団も運営しており、250名の子どもたちが参加していた。そのセンターが一瞬にして瓦礫の山となった。

 自殺という宗教的禁忌を犯して地獄に堕ちることと、封鎖下の生き地獄を生きることのあいだに、もはや違いが見いだせず、命を絶つ者たちが激増しているガザで、それでも生の側にとどまり続けること、人間であり続けること、それがガザの人びとの闘いの根幹を形成しているこのとき、<芸術>というものが、どれほど彼、彼女らを支える力の源、糧であることか。

……イスラエルがサイード文化センターを標的にしたのも、センターがガザのアーティスティックな活動の拠点であり、人間をただ生きているだけの命に還元してしまおうとする完全封鎖の暴力のなかで、アートというものが、それでもなお人びとを深く<人間>たらしめる魂の糧であることを知っているからだ。

 センターが破壊された翌日、ガザのアーティストたちは楽器を持ち寄ってセンターの瓦礫のなかで演奏した。10年前、2008-2009年のガザ攻撃のときも、停戦になるやガザのアーティストたちは、破壊を免れた絵画作品を半ば崩れかけたビルの壁に飾り、それを撮影した動画を「廃墟のなかのアート」と題して世界に発信した。パレスチナ人のレジリエンス(回復力)を世界に見せつけるように。だが、文化センターを標的とする攻撃に現れているように、昨今のイスラエルの攻撃は、レジスタンス(武装解放勢力)を叩くというより、パレスチナ人のこの「レジリエンス」の根源、彼らが「それでもなお人間であり続けよう」とする精神的基盤―それこそがナクバからこの70年間、パレスチナ人の闘いを支えてきたものだ―を根源的に破壊しようとしているように思われる。

 かつて、ナクバから四半世紀を経た1970年代、パレスチナの若者たちは、男性だけでなく女性も、フェダーイーン(解放戦士)となって、その手に銃を握り、祖国の解放と故郷への帰還のために命をなげうった。「パレスチナ」は、エドワード・サイードが言うように、人間の全的自由を求める闘いの、世界の前衛だった。




#南アフリカの国際関係協同大臣Naledi Pandorは、イスラエルが世界に対してウソをつき続けてきたことを追認!

イスラエルとパレスチナ双方のさまざまなNGOによって提供された証拠は、イスラエルが米国当局といっしょにフェイクニュースとプロパガンダを広めていることを確かにする。