見つけた 犬としあわせ

こころがどきどきするもの見つけたとき、それを作品にしたり、思わずなにかの形にして人に伝えたくなります。 見つけたとき感じたしあわせ感覚がひとしずくでも誰かに伝わったら、ダブルでハッピーです。

2019/08/18

平和の碑

少女の隣りにある椅子は
訪れた人がそこに座り
少女がどんな思いでそこにいるか
感じるためにあると聞いた

◇少女は何を待つのか 彫刻家が込めた多様な意味 
〈寄稿〉鄭栄桓・明治学院大教授
東京新聞2019年8月7日

2017年4月26日、韓国・済州島で銅像「最後の子守歌」の除幕式が行われた。ベトナム戦争で犠牲となった子を抱く母を形象化した150センチほどのこの像は、その姿から「ベトナム・ピエタ」とも呼ばれる。韓国軍による民間人虐殺を謝罪し、被害者たちを慰める思いを込めてこの像を制作したのは、韓国の彫刻家である金運成(キムウンソン)、金曙〓(キムソギョン、〓は日の下に火)夫妻。ふたりは、「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」に出品されながらも、日本への「ヘイト作品」などとの非難をうけ展示中止に追い込まれた「少女像」の制作者でもある。

少女像が日本人を貶めようとする韓国人の偏見の発露である、と考える人々にとって、二つの像を同じ彫刻家が制作したことの意味を理解することは困難かもしれない。国家の加害を問うことは「ヘイト」であり、名誉を傷つける行為だとする発想からすれば、韓国人がベトナムで行った加害行為を告発するなど想像もつかないだろう。だが二人の彫刻家にとって、二つの像の制作はまったく相反するものではない。

そもそも少女像とは何か。はじめてソウルの日本大使館前で少女像をみたとき、日本の報道を通してのみ接していたからか、小柄なその姿に驚いたおぼえがある。正式名称を「平和の碑」というこのブロンズ像の高さは120センチほどしかない。だがこの小柄な像は、11年12月14日に「日本軍慰安婦問題解決のための定期水曜集会」1000回を記念して建てられて以来、長きにわたり日本への謝罪と補償を求める運動のシンボルであり続けてきた。私が訪れた日も、かたわらで若者たちがテントを張って像を守っていた。今回「撤去」された少女像は、ソウルの像と同じ大きさの繊維強化プラスチックにアクリル絵の具で彩色した作品である。

日本軍の「慰安婦」制度の被害者を象ったこの少女像の細部に、二人の彫刻家はさまざまな意味を込めた。少女は椅子に座り何かを待っている。「日本政府の反省と悔い改め、法的賠償を待っている」のだという。少女から伸びるハルモニ(おばあさん)の形をした影は「謝罪反省を一度も受けないまま過ぎた歳月の、ハルモニたちの恨が凝り固まった時間の影」を意味する。肩には平和と自由の象徴である小鳥がとまり、かかとがすり切れたはだしの足は険しかった人生をあらわし、はじめはただ重ねられていた手は、像の設置を妨害しようとする日本政府に備えてぎゅっと握りしめられた。

ただ日本政府への抗議のメッセージだけを込めたのではない。地面を踏めず少し浮いたもう一つのかかとは、「彼女たちを放置した韓国政府の無責任さ、韓国社会の偏見」を問うている。韓国政府・社会もまた彼女たちの傷を回復することを遅らせた責任がある、こうした考えからであろう。韓国の民主化運動に身を投じ、民衆美術の立場から数々の作品を発表してきた二人の視線は、いつも戦争と植民地支配の犠牲となる民衆とともにある。韓国の加害を問うベトナム・ピエタは、だからこそ「平和の少女像」制作の延長線上にあるといえるのである。

たしかに少女像は「慰安婦」問題をつくりだしたかつての日本軍と、問題に誠実に向き合わない今日の日本政府と社会を告発し、目をそらさぬようじっと凝視している。多くの日本人たちに居心地の悪い思いをさせるであろう。だが国家の不正や加害行為を問うことは「ヘイト」ではない。少女の待つものは何か、その意味を改めて日本社会は考えてみるべきではないか。

△チョン・ヨンファン=明治学院大学教授・歴史学、在日朝鮮人三世
https://www.tokyo-np.co.jp/article/culture/culture_news/CK2019080702100040.html


◇文大統領は「盗っ人たけだけしい」と言ったのか 
プロ通訳と読み解いた
2019年8月7日の毎日新聞 ソウル支局長

日本が輸出管理上の優遇対象国であるホワイト国(グループA)から韓国を除外する閣議決定をした8月2日、反発して日本を強く批判した韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の表現が、日韓間の新たな火種になっている。

発端は「賊反荷杖(ジョクパン・ハジャン)=泥棒が罪もない人にむちをふるう」という四字熟語。日本語では直訳できない表現だ。

私は「開き直って」と意訳して報じたが、他の日本メディアは「盗っ人たけだけしい」という訳が圧倒的だった…

https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20190806/pol/00m/010/003000c

◇展示は表現の自由を賛美した。それは沈黙させられた。
NY Times Aug. 5, 2019 by Motoko Rich 
それは表現の自由を賛美するはずの展示だった。それどころか表現の自由は中止された。

歴史の記憶と償いを通じて日本と韓国との間のいつまでも忘れない恨み重なる戦いは、第二次世界大戦の間に日本兵のための性的奴隷であるものにむりやりさせられた韓国人女性のひとりを象徴する像を目玉とした展示を日本の国際芸術祭の主催者がやめた週末の間、アートの世界にあふれ出た。

“表現の不自由展・その後”は日本のどこかほかの美術館から排除された作品を展示することを意図したものだった。展示のホスト、愛知トリエンナーレの芸術監督、津田大介は声明で、「わたしは現在の状況をなにか表現の自由が徐々に蝕まれているとわかるものだと思います」と述べた。

テロの脅威にかんがみて決定されたと役人が言った決定を津田氏は残念に思うと述べた。

世に言う慰安婦像は、女性たちがむりやり奴隷であるものにさせられたことに異議を唱える日本の国家主義者にとってずっと刺激物だった。先週、展示が始まったとき、安倍晋三首相の党(自民党)の右派の幾人かの議員がこの像、韓国のふたりのアーティストの作品が含まれていることに抗議した。

日本の第4の都市、名古屋で開催される国際的に目立つ日本の芸術祭、愛知トリエンナーレでの展示(企画展)を中止する際に、愛知県知事の大村秀章は公式に決定は「安全を優先事項にした」ことを挙げた。

3週間も経たない前に攻撃者が京都のアニメーション・スタジオに火を付けて35人が亡くなった。大村氏は類似した攻撃を警告するファクスがフェスティバル主催者らに送られたと言った。

だが、政治(党派的利害)もまた影響を与えたという論点はほとんどなかった。

先週、展示会場を訪れた後に名古屋市長の河村たかし(国際芸術祭の実行委員会は県や名古屋市、経済団体などで構成され、大村氏が会長、河村氏は会長代行を務める※)は「日本国民の心を踏みにじる」ものであるから展示を中止にしてもらいたいと言った。

月曜の記者会見で、戦争中に中国南京で日本軍が大虐殺を犯したということにも以前異議を唱えた河村氏は、表現の自由は「なにをやってもいいという自由ではないです」と言った。公的資金で芸術祭を支える「表現の自由には一定の制約がある」と彼は言った。

しかしながら、大村氏、愛知県知事はテロの脅威のために展示の閉鎖を深く後悔した。

「政府や公務員は表現の自由を守る人でなければならない」と彼は言った。「たとえその表現が彼らの好みでないとしても、表現としてそれを受け入れなければならないんです。」

様式上、愛知の展示の像は韓国と世界中の日本大使館や領事館の前に活動家によって立てられた像によく似ている。「平和の像」と題名が付く作品に添えられるキューレーターのメモは、それを「世代を越えて受け継がれてきた不正に反対する精神」を具体的に表現すると評した。

安倍氏の政府は慰安婦像に対して著しく神経過敏だった。2017年、安倍の政府は韓国釜山の日本領事館の前に置かれた椅子に座る韓国の伝統服を着た裸足の若い女性の像に抗議するため3カ月間韓国大使を召還した。昨年、大坂市長の吉村弘文は韓国、中国、フィリピンからの慰安婦を象徴する記念碑に抗議して大阪市の長年のサンフランシスコとの姉妹都市関係を終えた。

「この歴史問題に関してはどうも言論の自由の例外であるらしい」と日本の植民地政策の韓国の犠牲者に焦点を合わせる研究のオーストラリア国立大学講師、ローレン・リチャードソンは言った。「激怒がほんとにとても強いので、それはほとんどまるで別々のカテゴリーのようです。」

中止はもっともだと理由づけるためテロの脅威を利用するとして愛知の展示の主催者らは政治的圧力に屈したと批評家たちは責めた。

「暴力またはテロの脅威に屈しないと日本政府は他の例で繰り返し主張します」と日本における少数民族の韓国人コミュニティについて書いたオーストリア国立大学名誉教授のテッサ・モーリス・鈴木はEメールに書いた。「例えば、この自然の脅威のためメジャーなスポーツ競技を中止するとはとても想像できません。過激な人からの若干の脅威がこれほどたやすくこの当局からの降伏に帰着できるものですか?できないです。」

中止は日本の社会が「あと戻りしている」ことを示したとアーティストのひとり、キム・ウンソン(Kim Eun-sang)は言った。

「日本はアートや文化を尊重する国とわたしたちは知っています」とキム氏が電話インタビューで述べた。「わたしたちは常にその点で日本は進んだ礼儀正しい国と了解していましたが、安倍政権が政権を取ったので、民主主義は危うくされて、特定の目的を持つ展示でさえ政府が意のままに閉鎖できるものとみなされます。」

閉鎖が危険な前例を作ったと批評家たちは申し出た。フリーライターのMichiyoshi Hatakeyamaはソーシャルメディアで、著しくエスカレートする外交と貿易(産業)争いのまっ最中に彼が明らかに政治的決定と見たものを遺憾に思った。

「政治が作った混乱をアートが解決する必要はまったくない」とMichiyoshi Hatakeyamaはツイッターに書いた。展示を中止する決定に抗議するオンライン嘆願書には1万6000人以上が署名した。

像のもうひとりのアーティスト、キム・ソギョン(Kim Seo-kyung)は、公開された3日間に訪れた人たちがそのメッセージの意味を理解したように思えたことを考慮すれば、展示がこんなにすぐに閉じられたことは恥ずかしい思いだと述べた。

「大部分の人々、特に女性が、像に戦争の痛みを感じたと思います」とキムは言った。「多くが泣きながら、“戦争はするべきではない”と言いました。感情移入の悲しみの表情を表して長いあいだじっと像を見つめました。」

キムは若い娘を連れて来た母親を思い起こした、母親はなぜ少女像の肩に鳥がいるのか女の子に尋ねた。「“寂しいからよ”と娘は言いました」とキム。

△Reporting was contributed by Eimi Yamamitsu, Makiko Inoue and Hisako Ueno from Tokyo, and Su-hyun Lee from Seoul, South Korea.

https://www.nytimes.com/2019/08/05/world/asia/japan-aichi-trienniale.html

河村たけし氏は大阪市の松井一郎市長から少女像の展示について「どうなっているんだ」と電話があったことを明かした。松井氏は報道陣の取材に「日本で公金を投入しながら、我々の先祖がけだもの的に取り扱われるような展示物を展示されるのは違うのではないか」と話した。

津田氏は開催前、朝日新聞の取材に「感情を揺さぶるのが芸術なのに、『誰かの感情を害する』という理由で、自由な表現が制限されるケースが増えている。政治的主張をする企画展ではない。実物を見て、それぞれが判断する場を提供したい」と話していた。

https://www.asahi.com/articles/ASM824TN5M82OIPE013.html?iref=pc_rellink

2019/08/08

トランプが核でイランを脅す

懐かしいね。スコット・リッター!

◇核兵器でイランを攻撃するとトランプはほんとうに脅したのか?

アフガニスタンを破壊できたが、どこかほかに信号を送っていたと彼は言った。おっかない部分はすでに計画があること。

ICH July 25, 2019 by Scott Ritter

7月22日、ドナルド・トランプとパキスタンのイムラン・カーン首相との記者会見の間、トランプはアフガニスタンを絶滅させる計画を見直したことについてどちらかと言えばさりげなく話した。

「わたしは一週間のうちにその戦争に勝てた。ただ1000万人を殺すことは望まない」とトランプは言った。「アフガニスタンに対してわたしには計画がある、わたしがその戦争に勝ちたいと思えばアフガニスタンは地上から消えるだろう、それはなくなる。文字通り、10日で終わるだろう。そしてまたわたしはそれを終わりまでやり遂げたくない。」

人類の歴史においていまだかつて見られない範囲とスケールでの推測に基づく大量殺人に関するトランプの表面上は珍しくもない言及は衝撃的だった(600万人のユダヤ人を殺すのにナチスドイツは4年以上かかった)。アフガニスタンで自由活動状態を許されたわたしたちはそれが決して生じないことを知っている。だが、それは事前の用意なしではなかった。また、そのような完全破壊の方針はもしかするとイランに当てはまるとみなされる、そして万一アメリカ・イラン戦争の場合には核兵器を使用する可能性は断じて推測に基づくものではない。彼は正確に自分がなにをしているかわかっていた。

毎日の奇怪な声明やツイートの集中砲火についてトランプ・ホワイトハウスのオブザーバーの間にそっけない傾向がある。彼を取材する記者はこの男が世界を100回以上破壊するのに十分な核能力を所有する史上最強の軍隊の最高司令官であることを忘れるほどこの終わりのない誇張の流れにしだいに慣れるようになった。ツイートが方針表現のためのフォーラムになった時代には、例えば2018年核体制見直し(NPR)の方針表現の従来の形が存在して実際の意味を押さえ続けることを忘れるのも簡単だ。

2018年核体制見直し(NPR)によると、アメリカ合衆国は「合衆国やその同盟国、パートナーズのきわめて重大な利益を守るために、極端な状況でのみ核兵器の使用を考慮に入れる。」これは元気づけられる声明だが、その真価は国家が核兵器を使用するのをやめさせるアメリカの核企業の能力にある。NPRが特に言及したように、「抑止に失敗するとすれば、アメリカ合衆国、同盟国、パートナーズのためにアメリカ合衆国はできる限り最低レベルの損害と最善の成就期間でどのような戦争も終えるよう励む。」

アメリカ合衆国とその同盟国のために「できる限り最低レベルの損害」と「最善の目的達成期間」の間でバランスに達することはワシントンが成就の傾向を示したある事ではない、人はもっぱらイラクやシリアでのIS(イスラム国)に対する苦闘においてコバニ、モスル、ラッカを視察に訪れてその荒廃状態を見る必要がある。戦略的能力がゼロの軽武装の反乱軍を破るためにアメリカが都市をくまなくなぎ倒すことを選ぶことは、「バランス」といういかなる概念も越えて計算についてたくさん事実を表す。人が現代の核兵器の破壊力を要因として含めるとき、「できる限り最低レベルの損害」は文字通り何の意味もない非常識な標準であることが明白になる。

それとして、問題はアメリカの核企業の使用になりそうな最低基準が何かになる。まっさきに、アフガニスタンで進行中の衝突はアメリカ合衆国による可能性のある核兵器の使用に関していかなる同一視の要因にこれっぽっちも加わらない。武力衝突の間、相互関係の問題に対処するとして米軍の将校は表面上ウィーン条約と付随書に厳格遵守で動く。国際司法裁判所は核兵器の使用は戦時国際法と相容れないと断定した。

しかしながら、アメリカとNATO軍の立案者は例外を開拓してひとたび衝突が始まれば人道主義と国際法の旧来の理論は抽象的で無意味なものになることに注をつけた。だが、この例外はアフガニスタンの現在の状況に決して当てはまらない。そのような計画を見直したとのトランプ大統領の主張の向きを生じさせるものだ。率直に言ってこれまでにアメリカの軍の指導部がそのような計画の考慮を許され、立案するままにしておかれ、実施の準備を整えるまでにしておかれる余地はまったくない。

だが、トランプがアメリカとイランとの間の非常に異なる対立に信号を送るためアフガニスタンを使っているのは明らかだ。2国間の緊張が高まる中でアフガニスタンを核絶滅で脅したのと同じ記者会見の間にトランプはイランとの状況について、「われわれはまったくの最悪事態の準備ができている」と言った。トランプが「まったくの最悪」によってなにを表すつもりだったか意味を明確にしようとすることに多くの想像力はいらない。2019年6月26日、記者に話しかけてトランプはイランとのどのような戦争も「非常に長くは続かない、わたしはあなた方にそう予測できる。boots on groundとか、百万人の兵士を派遣する話をしているのではない。」

トランプが同じように脅しの言葉をツイートしたあとこの声明は行われ、次のように言い放った。「なんでもアメリカに対するイランによるどのような攻撃も優勢的な不可抗力の戦力を受ける。ある地域では圧倒するとは抹消を意味する。」大統領は核兵器の使用について話していたし、話している点で、どんな理性的なオブザーバーの考えも疑いの余地はない。

1000万人を殺すのに必要な範囲とスケールに核兵器を使用する点で単なる考慮が想像も及ばないアフガニスタンと状況は似ても似つかない、イランと比較して状況はまったく異なるシナリオだ。2018年NPRは、幾つかの衝突の可能性のある問題点でイランに立ち向かうためにアメリカの核抑止力によって演じられる役割について特に意見を伝える。まっさきにNPRは「イランはそうすると決めて1年以内に核兵器を開発するのに必要不可欠な技術力と能力の多くを保持する」と述べる。2018年NPRはアメリカが一般的にイラン核合意で知られるJCPOA(Joint Comprehensive Program of Action)のメンバーだった間に書かれ、発表された点について心に留める必要がある。2018年5月にアメリカはJCPOAから手を引いた、そしてそれ以降は核開発計画を制限することについて新たな交渉に入ることを強要するためにイランへの「最大限の圧力」の方針に乗り出した。この圧力に応じるよりむしろイランはJCPOAによって容認される範囲を越えて核保有能力を増やした。2018年NPRで言及した1年のしきい値はかなり短くなっていることを意味する。

アメリカは核拡散や「テロリストに完成した武器または原料、専門知識へのアクセスを与えないこと」についても懸念を抱く。イランはテロ支援国家と言い放たれていた、そして核開発計画で重要な役割を演じるイラン革命防衛隊はテロリストの実体だ。2018年NPRは「暴力的な過激派組織による核兵器、核物質または関連するテクノロジーや専門知識の違法な取得を防ぐことは重要なアメリカの国家安全保障の優先事項」と言い放つ。「核兵器または原料、テクノロジー、そしてそれらを製造するのに欠かせない知識をもつ」イランのような「ならず者国家」による核兵器の取得はテロ組織がそれをもつ見込みを増やすと注意する。「さらに」とNPRは言及する、「テロリストのイデオロギーの本質を考慮すれば、わたしたちは彼らがそれをもつために核兵器を使用するのは当然のことと決め込まなければならない。」

現在ではイランが核兵器を追い求めていないこと、あるいはアメリカによるイランとイラン革命防衛隊の両方へのテロリストの本質との指定はまったく現実に欠ける政治的処置であることは重要ではない。それがアメリカの核抑止力政策の問題ということになるとき、核兵器を身につけるためとテロ組織とこのテクノロジーを共有するためにイランとしては理論上は存在する能力と意図がアメリカの政策の中で固められたという事実はそのまま残る。それとして、「アメリカ合衆国、同盟国、パートナーズのきわめて重要な利益を守る」ためにワシントンが核兵器の使用を考慮できることを受けて、抑止に失敗したというアメリカによるどのような宣言も非常に「極度の状態」を引き起こす。

核兵器を使うことで、アメリカ合衆国はイランの核施設を破壊して政府やイラン革命防衛隊を含む補助的な組織を排除するのに一週間かからない。そのような攻撃で殺されるイラン人の数は1000万をずっと上回る。トランプ大統領はアフガニスタンを絶滅させることへの言及がばかげていたとわかった。だが、短期の決定的な軍事的勝利を達成するために核兵器を使うとの彼のやる気の意味はわからなかった。

イランに備えてアメリカ合衆国が核兵器の使用を合法化する条件を明確にしたという事実はすべてのアメリカ人をぎょっとさせ怖がらせて当然である。現在の危機がこれらの条件を満たしてもよかったという事実は全世界を警戒させて当然だ。正常の事情のもとにアメリカ国民は理性のあるまともな大統領に核戦争の亡霊を不必要に招いたどのような状況からも逃げることを期待できた。トランプ大統領がきわどい国際的な緊張のまっ最中にこのように手軽に自分の力を引き合いに出すということは、きっとわたしたちに躊躇させると思う。

△スコット・リッターは1988年~90年に旧ソビエト連邦で軍縮査察の任務につき、90年の湾岸戦争ではペルシャ湾でミサイル探知などの特殊任務についた元海兵隊情報部将校。 除隊後、91年~98年まで国連大量破壊兵器廃棄特別委員会の査察官としてイラクで力を尽くした。イラクには大量破壊兵器はないと一貫して否定、イラク戦争反対運動に参加した。

http://www.informationclearinghouse.info/51991.htm

2019/08/03

公共の利益がいちばん

◇判事の決定はアサンジに対するアメリカの引き渡し訴訟の進行に巨大なじゃまを入れる
ICH August 01, 2019 by Tom Coburg

ウィキリークスは十分に民主党全国委員会(DNC)のEメールを公表する権利があるとアメリカの判事が裁定した、つまり法は破られなかったということだ。ずっと続いている告発者チェルシー・マニングの留置はもちろん、ウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジに対するアメリカの引き渡し訴訟に強い衝撃を与えてもよかったので、その決定は非常に重要だ。

7月30日、連邦判事 John G. Koeltlは民主党全国委員会Eメールのハッキングといわれている訴訟事件の判決を下して、以下のように締めくくった:

単に民主党全国委員会がそれを「秘密」や企業秘密と決めつけたからといって民主党全国委員会の政治上の財務および選挙人契約戦略にかかわる文書を公開することの責任がウィキリークスにあると判決されるならば、どんな新聞または他のメディアの発表の場も責任があることになる。

換言すれば、もしもウィキリークスが起訴の対象だとすれば、世界のあらゆるメディアの発表の場が起訴の対象になる。判事は以下のように主張した:

修正第一条は、広める人がそもそもデータを入手する際にどのような不正にも関係しない限り、データが入手される点での欠陥にもかかわらず、公共の利益に属するデータを広めるニュースの発表の場のために責任を排除するのと同様に、そのような責任に先手を打つ。

意味ありげに判事は盗んで得た文書をせがむかまたは「喜んで受け取る」のは犯罪ではないと付け加えた、そしてどうしてか:

発表者(出版社)が窃盗に関係しない限り、人には発表者が情報源に頼んだ盗んで得た文書を公表して広める権利がある。

重要な勝利

アサンジの弁護団の一員、Jen Robinsonは、判事の決定を「言論の自由にとって重要な勝利」と評した:

アメリカ・ウィキリークスの弁護士Joshua Dratelは以下のように述べた:結果に非常に満足します、大きな団体のために働こうと小さな独立した仕事で働こうと(いずれにせよ)修正第一条があらゆる点で一律にジャーナリストに適用されることを再確認するものです。

http://www.informationclearinghouse.info/52021.htm

2019/07/28

現実の悪のトロイカ


◇常軌を逸したモンスターが地球を歩きまわる
この3つの国が現実の悪のトロイカというそのわけ
ICH  June 28, 2019  by Philip Giraldi

わたしたちの中にモンスターがいる。“言いなりにならない”外国政府にどのように振る舞うべきか悟らせるためにどこかの場所を新たに侵略するかまたは別な方法で苦しめるかいずれかのアメリカの計画をわたしは毎日読んで知る。先週それはイランだったけれど来週それはまた同じようにやすやすとレバノン、シリア、またはベネズエラでありえた。もしくはロシアまたは中国、たとえアメリカの兵士、海軍軍人、海兵隊員が彼らの国境を見守っても見守らなくても、どちらも“脅威”とみなされている。たとえ実際だれによっても脅かされないとしてもあらゆるところを脅威とみなす点でことによるとアメリカ合衆国は世界の歴史において無類の国である。

まさにたびたび、彼らにそうする力があるから無防備なアラブ人に打撃を加えるイスラエル人による新たに始まる残虐行為について人は知る。この前の金曜日ガザで学生たちが“平和イエス、戦争ノー”ポエトリー祭を催していたからといってユダヤ人国家の警察が占領地エルサレムのパレスチナ人孤児院学校に押し寄せて閉鎖する間、イスラエル兵士が武器を持たないデモ参加者4人を銃撃して殺害し300人以上を負傷させた。イスラエルの公認するカリキュラム(履修課程)に平和はない。

そして次には、野蛮なふるまいの集団的な見せびらかしとしておおっぴらに37人の“反体制派”の首を切り落とすサウジアラビア人、そしてまた不運なジャーナリストを殺害し手足をばらばらにしたサウジアラビア人がいる。しかも、イエメンにおける爆撃と何十万もの罪なき一般市民を意図的に餓死させたことを忘れないようにしよう。

それはまったくアメリカの国家安全保障担当補佐官ジョン・ボルトンによって偏愛される表現、悪のトロイカだ、ボルトンはそれをキューバ、ベネズエラ、ニカラグアにあてがっていたけれども、すべての“社会主義”国家は目下、ワシントンの“攻撃対象者リスト”に載っている。アメリカ人、サウジ人、イスラエル人は、たとえ彼ら自身の考えでは“ひときわすぐれる(別格)”、“神によって選ばれる”または“メッカとメディナの守護者”であるために特権を授けられるとしても、残りの世界の見るところでは常軌を逸したモンスターになっている。3つの国すべてが、彼らの弾圧的でしばしば違法なふるまいがどういうわけか完全に合法的であるとの虚構を支える権利(資格)という悪辣な感覚を共有する。

確かにすべてのアメリカ人またはサウジ人、イスラエル人が個人としてモンスターというわけではない。多くはそれぞれの政府がしていることに愕然とするしかるべき人々だ。サウジ市民は専制政治下に暮らしており政府について言うことはほとんどないが、少しばかり全体主義(一党独裁)でないイスラエルでは侮りがたいが分断された平和運動があり、アメリカ合衆国では増大する反戦機運がある。アメリカの苦痛の種は、911後の戦闘がもっと深刻に国を出口のない終わりのない戦争に巻き込むだけだったという感覚によって駆りたてられる。残念ながら、アメリカの反戦活動家は指導者がいなくて支離滅裂で誰かが進み出て責任を引き受けるのを待つと同時にイスラエルの平和運動にはいまだかつてどのような事実上の力もない。

目下の外交政策の論争は中東でのワシントンの次の手がどうなるかを中心として集中する。意思決定には必然的にアメリカとその“親しい同盟国”イスラエルとサウジアラビアが関係する。そのことにきっと誰も驚きはしないだろう。土壇場で行動をキャンセルする前、ドナルド・トランプ大統領がイランに対して攻撃を命じたことは明瞭であると同時にそれが正確にどうやって尽きたかは不明瞭なままだ。大統領自身によって奨励されるひとつの理論はその攻撃が不釣り合いなものだということ、一般の認めるところでは非常に高価な監視無人機と引き換えにおそらく何百人ものイランの軍人を殺すことになる。イラン人を殺害することはイランによる即時エスカレーションを約束した、それには大統領の計算法にも加えられたかもしれない要素、ペルシャ湾岸地域の内外で高い価値のある標的を攻撃する意志と能力の両方がある。

トランプの攻撃取り消しは、イスラエルとサウジのイランが懲らしめられるというよりトーンを落とした繰り言の要求に加えて、ただちにワシントンのいつものネオコン・チキンホーク(いばりちらすタカ派)連中から怒りの叫び声を引き起こした。とはいえ、イスラエルとサウジはまた大規模なイランの報復が両国に激しく打撃を加えることを心配している。両国はワシントンの非常に強力な戦略軍備がすぐに決定的にイランをノックアウトするのに成功することを望んでいるが、どちらも完全にホワイトハウスを信頼しないことを学んで知っていた。

人でなしどもを鎮めるために大統領は政府の意思決定が少しも変わっていないのに間違いなくイランの人々を痛めつけるイランに対する“すごい”新たな一括制裁を提出した。さらに、一斉に発せられるネオコンの声によって噴出する騒ぎを静めるために積極的なふりをするもうひとつの試み、イラン軍とインフラの標的へのアメリカのサイバー攻撃に関連づける顛末のリークもあった。

ここちよくない在職であるように見えるという事実にもかかわらず、なにか妙な理由によりドナルド・トランプは2020年に再選される大統領であることを望む。すぐ終わる上できの戦争は彼の二期目のチャンスを強化する、それはおそらくポンペオが約束したことだろうが、ただちに決め手とならないどのような軍事行動も彼の見通しに損害を与える、あるいはいわば致命的なダメージを負わされるも同然だ。トランプは明らかにフォックスニュースの解説者タッカー・カールソンによってとりなしを受けた、カールソンは攻撃を取り消すと決める直前、トランプにその現実を説明したかもしれない。まあ一応言わせてもらえれば(その真価はわからないけれども)、タッカーはえり抜きの戦争、民主主義を確立することや、世界的な自由主義の風潮について懐疑的な政治的右派から出てくる大いに尊敬される批評家だ。

来たるべき年の間中ずっとアメリカのすべての外交政策は2020年大統領選にとって重大となる一定の支持者(地盤)に媚びるために立案される。ユダヤ人票ともっと重要なカネを稼ぐために人はイスラエルときわめて残忍な凶悪犯ベンジャミン・ネタニヤフ首相に認められるいっそう多くの譲歩をあてにできる。週末にジョン・ボルトンはすでにイスラエルにいたしペンスはトランプ2020年の遊説に乗り出す週に前もってオーランドの会議で話したとき感情あふれるばかりにイスラエルをほめたたえた、それゆえゲームはすでに進行中である。シェルドン・アデルソン(Sheldon Adelson)のようなユダヤ人寡頭制支配者が何百億ドルもの金をどんなふうに政治家に寄付するかは観察するのにおもしろいプロセスだ、そうして政治家もまた返礼に数百億ドルを生んだユダヤ人の州の納税者に与える。汚職政治家を賄賂で抱き込む(買収する)ことは、今日のアメリカで人が繁栄を確かなものにできる(もうけることができる)最高の投資のひとつだ。

トランプは軍産複合体(MIC)の重要な選挙区を幸せにする数十億ドルに値する武器をサウジ人に売りたいのでサウジアラビアもまた優しく扱う。そしてアメリカを偉大にするために彼がいかに妥協しないでいられるか観衆に示すためにイランとベネズエラに“最大の圧力”を振るい続ける。とはいっても、不幸な犠牲者の誰かが反撃して彼を戸惑わせようとする場合に備えてできる限りではあるが戦争を避ける。

イランとの戦争は当面は保留となっているが、集団のホワイトハウスの記憶の寿命はほんの3日か4日の傾向があるので、来週もう一度番組を受信してください。来週までには、わたしたちアメリカ人はモンゴルと戦争しているかもしれない。

△フィリップ・ジラルディ(Philip Giraldi)は博士、National Interest評議会の常務理事。テロ事件に従事してヨーロッパと中東と海外で20年過ごした元CIA事件部門担当官で軍情報部士官。彼はシカゴ大学から優等で学士号をもち、ロンドン大学から近代史の博士号と文学博士号をもつ。

http://www.informationclearinghouse.info/51836.htm

2019/07/04

大使館での幽閉から獄中へ

◇イギリスの保釈条件に違反するとしてジュリアン・アサンジが禁固50週の刑を宣告される (2019年5月1日)
by Natasha Lomas 

ウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジは今日、サザーククラウン刑事裁判所の判決を下す審問で2012年のイギリスの保釈に必要な条件に違反するとして禁固50週の刑で収監された。

裁判所のスポークスマンはEメールでほぼ1年の保護刑期を正式に認めた。それはこの法律違反によって伴われる最大の刑罰、禁固12カ月にわずかに足りない厳罰だ。

アサンジの宣告のあとでウィキリークスはツイートで「ひどい」「復讐的」だと烙印を押した。

エクアドルがあらかじめアサンジに与えた外交的亡命者保護を取り下げたあと、エクアドル大使館での逮捕のあとに続く先月の審問で彼はすでに保釈条件に違反するとして有罪評決を下されていた。

アサンジは2012年にロンドンのエクアドル大使館に逃れてレイプ告発に直面していたスウェーデンへの身柄引き渡しを回避しようとつとめた、スウェーデンが彼をアメリカに引き渡すのを恐れたとアサンジは主張する。その結果として起こったことは彼を受け入れる国の忍耐が最終的に限界に達するまでみずから課したほぼ7年の大使館における幽閉状態だった。

この間に、彼が保護されていた外交的亡命者保護から彼を強引に引き出す見通しがまったくわからなかった、スウェーデンの検察官も彼に対する訴訟を取り下げた。

裁判所で弁護士によって読み上げられる手紙の中で、アサンジは「わたしが真相を追究した時にわたしが軽視したとみなす人々に無制限に」謝罪したとガーディアン紙は報じる、そして自分がいるのに気づく「並々ならぬ状況」を彼は恐れていたと主張して、逃れるという決定を今では悔やむということだ。

先月イギリスの警察に収監されるやいなや、アメリカに代わってアサンジはただちに再逮捕された。アメリカは機密扱いのコンピュータに侵入した陰謀で彼を告発しており、彼の引き渡しを求めている。

懲役50週は、彼がアメリカへの引き渡しに抵抗する闘いを始めている時に彼がイギリスの獄中にとどまることを意味する。

アメリカの告発は、ほぼ10年前の元米陸軍情報分析官で告発者のチェルシー・マニングによってウィキリークスの手に渡された軍事機密情報のリークに関連する。

マニングによってリークされ、ウィキリークスによって公開された文書には他のありのままを示すすっぱ抜きの中にまじって米軍が公式に報告された数より多くの一般市民を殺害したことを示したアフガニスタンとイラクからの何十万もの戦場報告書が含まれる。

アサンジは機密情報を公表することについて“ジャーナリスト”の身分と修正第一条の言論の自由擁護を主張しようと努めた。だが、アメリカの検察官は機密情報にアクセスするのを許したパスワードを解くのをウィキリークスの創設者が助けたと強く主張している、さもなければマニングにはリークはできなかったと。

もしアメリカに送還されてこれらの告発で有罪と決定されるならばアサンジは懲役5年までの刑に直面する可能性があった。

アメリカの引き渡し要請についての聴聞会のために彼は木曜にイギリスの法廷に戻ってくることになっている。

並行して、マニングもまたアメリカで投獄されている、ウィキリークスを調査している大陪審で証言することを拒否した罪で投獄されていた。

チェルシー・マニングの軍事機密文書の漏洩による最初の35年の刑は前アメリカ大統領バラク・オバマによって7年に減刑された。

https://techcrunch.com/2019/05/01/julian-assange-jailed-for-50-weeks-for-breaching-uk-bail-conditions/ 

△米司法省は23日、内部告発サイト「ウィキリークス」の共同創設者ジュリアン・アサンジ被告について、新たに17件の罪で起訴したと明らかにした。4月にイギリス・ロンドンで逮捕された被告をめぐっては、アメリカが身柄の引き渡しを求めている。

米司法省の起訴状によると、アサンジ被告は2010年に米軍の機密情報や外交文書を公開し、同国の諜報活動取締法に違反した疑いがある。

同省はすでに、同国の元陸軍情報分析官チェルシー・マニング氏と共謀し、政府の機密情報を扱うコンピューターに侵入した容疑でアサンジ被告を訴追している。有罪となれば最長5年間、刑務所で服役する。

先月11日、アサンジ被告はイギリスのウエストミンスター治安裁判所に出廷。定められた裁判所への出頭を怠ったとして有罪判決を受けた。

アサンジ被告には、2010年にストックホルムで開かれたウィキリークスの会合後、女性1人を強姦した容疑や、別の女性1人に性的暴行を加えた容疑がかけられていた。

一方、アサンジ被告は性行為は同意の上だったとして、容疑を否認。スウェーデンの検察当局による捜査開始後の2012年にロンドンのエクアドル大使館に保護を求め、以来7年間、スウェーデンへの身柄引き渡しを逃れてきた。

そのためスウェーデンの検察当局は、捜査継続が難しいとして、2017年に打ち切りを発表。強姦容疑については2020年8月に時効となる。

エクアドルのレニン・モレノ大統領は、アサンジ容疑者が国際条約に繰り返し違反し、諸外国の内政に干渉したとし、「アサンジ氏の行状について、我々として限界に達した」と述べ、保護中止を発表。これを受けてロンドン警視庁は先月11日、アサンジ被告をロンドンのエクアドル大使館で逮捕した。

アサンジ被告は裁判で禁錮50週を言い渡され、現在はロンドンのベルマーシュ刑務所に収監されている。

今回の起訴を受けてウィキリークスはツイッターで、「これは狂気の沙汰だ。これは国家安全保障上のジャーナリズムの終わりであり、米憲法修正第1条の終わりだ」と反論した。修正第1条では言論の自由が保障されている。

司法省のジョン・デマーズ次官補(国家安全保障担当)は、同省は「我々の民主主義におけるジャーナリストの役割について真剣に」受け止めているが、アサンジ被告は「ジャーナリストではない」と述べた。

「実際、ジャーナリズムにおける責任ある行為というのは、紛争地域において機密とされる個人名を故意に公開し、彼らを最も深刻な危険にさらすということではない」

ロンドンのベルマーシュ刑務所に収監されているアサンジ被告をめぐってはスウェーデンの検察当局が13日、強姦容疑の捜査を再開すると発表。米国と同様に被告の身柄引き渡しを求めている。

イギリスのサジド・ジャビド内相が両国どちらの要求を優先するか判断することになる。

マニング氏は、数十万件にも及ぶ軍機密情報を漏えいした罪で2013年に軍事法廷で35年の禁錮刑の判決を受け服役。バラク・オバマ前大統領の恩赦で減刑され、2017年1月に釈放された。

今年3月にウィキリークスに関する捜査への証言を拒否したとして再び収監されたが、今月9日に釈放された。

その後、大陪審による取り調べを拒否したことから、現在は再び収監されている。

マニング氏による機密情報漏えいは、アメリカ史上最大規模の情報漏えい事件の1つ。

https://www.bbc.com/japanese/48392131

2019/06/23

無知は無上の喜び


◇ジュリアン・アサンジが世界を変えた18の事項
Truthdig May 28, 2019 by Lee Camp

ジュリアン・アサンジは調査員である。それを理解することが重要だ。

アサンジとウィキリークスはアメリカ軍の戦争犯罪を暴いた。アメリカ政府の腐敗行為や有力なエリート集団に対するアメリカの法人組織メディアのどうしようもない隷属的なお世辞を暴露した。まさにあなたが支配階級のお仲間であるならば、あなたはそれを探偵業の模範例として見ることになる。

すぐにわたしはジュリアン・アサンジが調査員であることによって世界を変えたあらゆる事項をリストにするつもりだ。

進化させ完全に現実化された社会では寡頭政治の執政者らはアサンジを危険な犯罪者とみなし、普通の働く男女はアサンジを人格化された正義の典型とみる。

だが、わたしたちは進化しないし、これはゴッサムシティではない、そして普通のアメリカ人は真実を応援しない。多くのアメリカ人がアサンジの投獄を喝采する。彼らは企業財閥の売り込みに用いる話の種を信じてわたしたちの国の人道に対する犯罪または銀行家の経済に対する犯罪についてもはや聞かされる必要のない時代にあこがれる。わたしたちが金持ちの悪党によってたゆみなく搾取されることについて彼らは潜在意識で仕方がないこれが人生だときっと考えるだろうし、エキセントリックなオーストラリア人の徹底的な努力のおかげでそれについてすっかり知るのは金持ちの悪党によってたゆみなく搾取されていることについてまだ何も知らないことよりなおいっそうひどいと考えるのだろう。

「無知は無上の喜び」はアメリカ合衆国の瞑想的なマントラだ。

ジュリアン・アサンジは逮捕され、現在イギリスで収監され閉じ込められている。公式な罪状に関係なくアメリカ政府は政府の犯罪を暴いた犯罪として彼の引き渡しを望んでいる。

鋭く叫びたてる法人組織の報道にとってウィキリークスが正確にわたしたちに何をしたのか一般市民全体に思い起こさせることは政治的に不都合だ。それゆえ、法人組織のチャンネルのどこにも下記のウィキリークスが成し遂げた業績のリストを見ることはない。主流メディアがチェルシー・マニングの裁判に関してマニングが事実を明らかにするのを助けた戦争犯罪の概要でことごとくの報道に着手しなかったのと同じならわしで。

そしてチェルシー・マニングの最も有名なリークは先ず間違いなくウィキリークスの最も有名なリークでもあるので、それがこのリストの先頭にたつ:

1)それは米軍ヘリに搭乗する兵士が武器を持たないイラク人一般市民を熱中して銃で撃ち倒していることを見せる、軍事行動によって民間人が受ける人的被害、悪名高き殺害ビデオとなる。(2010年4月ウィキリークスによって公開されて世界中で有名になる米軍ヘリによる民間人殺害のビデオ)
彼らは12人から18人までの罪なき人びとを殺害した、そのうちの2人はロイター通信のジャーナリストだった。
その副次的な殺人で逮捕者はゼロであった。それにもかかわらず、ジュリアン・アサンジはそれを暴いたとして逮捕される。

2)ウィキリークスはわたしたちに、Camp Delta Standard Operating Proceduresをもたらしてくれた(キャンプデルタ、グアンタナモ湾刑務所のための合同タスクフォースグアンタナモ標準操作手順のこと。拘留者の確保と治療を含むグアンタナモ湾の運営に関する主要文書。文書は広範囲でありテキストに加えて様々なフォーム、身分証明書、さらにはイスラム教徒の埋葬指示も含まれている)。米軍の拘留施設で拘束される囚人の多くがまったくの無罪だったことを示し、かなりが赤十字当局から秘密にされていた。(そのわけは無実の人びとを拷問しているとき、まあ詮索好きな目から離れてひっそりと内密にやりたいからね。注意をそらせることは非常に簡単だ、それにまた職を失って一から始めなければならない。)
グアンタナモで無実の人びとを拷問する兵士のだれひとり拷問のせいで逮捕されなかった。それにもかかわらず、ジュリアン・アサンジは拷問を明らかにしたとして逮捕されている。

3)単に戦争犯罪を明らかにするだけで満足することなかれ。2008年にウィキリークスはサイエントロジーの秘密のバイブルを発表した。それはエイリアンが世界を支配するとか、エイリアンがわたしたちの内部にいるとか、エイリアンがわたしたちに消化不良を起こさせることを教えた。
しかし、そのばかげたカルトを行ったせいでこれまでだれも逮捕されていない。それでもそれを明らかにするのにジュリアン・アサンジを必要とする。
ウィキリークスはアメリカ政府の犯罪だけを明らかにしたと多くの人が思っているが、それは完全に間違っている。ウィキリークスが世界中で透明度のレベルを上げたことをアメリカの法人組織メディアは普通のアメリカ人に理解してもらいたくないのだ。

4~9)ウィキリークスは中国で抵抗するチベット人反体制派のビデオを投稿した、そのビデオは中国で見られるのを許されなかった。彼らはペルーの石油スキャンダルやロシアがロシア市民の携帯電話をスパイしていたことを暴いた。そしてアフリカで投棄される有害物に関するミントン・リポートを、そしてシリア政府の内部工作を示すシリア・ファイルを明らかにした。そして中央銀行や国際的なリーダーらが関与した巨大贈収賄スキャンダルについてオーストラリアの報道機関が報じるのを止めたオーストラリア最高裁の秘密の言論の自由抑制命令をウィキリークスは地球上の聴衆に広げて見せた。
アサンジは世界中の政府によって嫌われている。彼らが透明度を是認してもさしつかえない程度、それが他の国々に関係するとなるとき(特にアメリカ合衆国)、彼らは自分たちの特定のクソの山の全陳列を望まない。
わたしが知る限り、これらのスキャンダルに関与した政治家のだれもそれに関係したとして刑務所に行っていなかった。それでもそれらを明らかにするのにジュリアン・アサンジを必要とする。

10)アメリカの違法なイラク侵略に関係する何十万もの文書、イラク戦争ログを忘れないようにしよう。わたしたちはそれを“戦争”と呼んだが、戦争には敵と味方の2つの側がいる必要があると思う。イラクの最新鋭部隊、共和国防衛隊は結局3人の男とロバだったとわかった… そしてそのロバにはりっぱな目的すらなかった。
わたしの話せるかぎりでは、イラク戦争ログのなかで証拠となる戦争犯罪を犯しただれもそのために監禁されていなかった。それでもそれらを明らかにするのにジュリアン・アサンジを必要とする。

11)ウィキリークスは非常に秘密主義のビルダーバーグ・グループ会議報告書をわたしたちに暴露した。ビルダーバーグ・グループは一堂に集まってわたしたちあらゆるストリートピープルをいかにして抑えるかを決める信じられないほど有力な男女から構成される。
(1954年から毎年1回、世界的影響力を持つ人物や企業、機関の代表が130人~150人ほど集まり、世界の重要問題や今後の主に政治経済や社会等を主なテーマに完全非公開で討議する秘密会議。参加者があまりにも世界的影響力のある有力者や著名人ばかりなので、影の世界政府、世界の行く末を決める会議とも言われている。)
https://wearechange.org/classified-bilderberg-group-documents-leaked/
彼らはよくトカゲ人間であるとして非難されるが、彼らは実際に50万ドルでマリブの形成外科医から購入したトカゲの皮を身につけるまさしく完ぺきな社会病質者だ。
ビルダーバーグ・グループの誰であれ、たった今独房監禁されて拷問されているとは思わない。それでもジュリアン・アサンジは彼らが誰であるか明らかにするとしてとっちめられる。

12)バークレーズ銀行税金回避計画はバークレーズに純益として年に10億ポンドもたらした。
失った税金について5億ポンド支払うよう命令されたとはいえ、市民からの窃盗のかどでだれも逮捕されなかった。それでもジュリアン・アサンジはそれを明らかにするとしてとっちめられる。

13)アフガン戦争日誌はわたしたちのアフガニスタン破壊に関連する9万2000の文書から成る。それらは味方に被害を与える誤爆(友軍爆撃)事件や一般市民の人的損害を列挙した。ウィキリークスによると、「彼ら自身の行動を報告するとき、アメリカの部隊は一般市民殺しを暴徒殺しとして分類する傾向があり、殺害された人の数を控えめに言うかその逆の名ばかりの言い訳をする」ことを日誌は暴露した。
わたしたちの軍事行動がそうなっているおきまりのコメディ演技に仰天させられることなくこれを読むことはとてもできない。アフガニスタンで毎日起こっているこのシナリオを描いてみることにする:
米兵1:ちょうどいま我々が殺したこの男は暴徒だった。
米兵2:どうしてわかる?
米兵1:我々が殺したからだ。
米兵2:なぜ我々は彼を殺した?
米兵1:彼が暴徒だから。
米兵2:どうしてわかる?
米兵1:我々が殺したからだ。
(頭がもうろうとするまで繰り返してくれたまえ。)
誰であれこれらの戦争犯罪のせいで監房に閉じ込められるのをわたしは知らない。それにもかかわらず、これを明らかにしたせいでジュリアン・アサンジは監房に閉じ込められる。

14)ウィキリークスはまた何十万件ものアメリカ国務省の外交公電を暴露した。それは秘密主義の政府がほとんどアメリカ国民の意見なしにその帝国をどのように支配するかについてこれまでより一層明瞭に示した。数ある中で外交公電はヒラリー・クリントン国務長官が外交官に国連安全保障理事会でフランス、イギリス、ロシア、中国の代表団をスパイするよう命じたことを明らかにした。それはまたアラブ諸国が米国にしきりにイラン、その他を攻撃するよう促したことも示した。
もちろん国務省外交公電で明かされた秘密のせいで誰も監禁されていない。だが、それを暴くとしてジュリアン・アサンジは処罰されることになっている。

15)ストラトフォーの電子メール、これは活動家や抗議者を標的にするために民間の情報関連企業がどのようにアメリカの法人組織や政府の得意客によって使われてきたかを示した500万通以上の電子メールだった。
(ストラトフォーは「影の米中央情報局(CIA)」とも呼ばれる民間企業。同社は事業内容について、地政学的なリスク分析を行い購読者に情報を提供していると説明している。購読企業には「フォーチュン500」(米経済誌フォーチュンの米企業トップ500社)に選出された企業も含まれる。
ストラトフォーは声明で電子メールが盗まれたことは同社に対する脅迫だとし、それには屈しないと強調。一方で公開される電子メールの一部は「偽造もしくは変更が加えられた可能性がある」とした。ウィキリークスは電子メールを入手した経緯を明らかにしていないが国際的ハッカー集団「アノニマス」は今年初めにストラトフォーの社員約100人の電子メールを盗んだとし、内容を公開すると発表していた。ロイター通信2012年2月28日)
現在、ストラトフォーの誰も監禁されていない。だが、ジュリアン・アサンジはその事実を明らかにすることで処罰されることになっている。

16)それにまた貿易協定がある。TPP、TISA、TTIP、実質上どれもこれまでに思いつく最大の会社乗っ取りの企てに等しい。どれもドナルド・トランプの税金より隠したがった。官僚、法人組織の弁護士、そしてロビイストが非公式にすべての言葉を書いた。議会でさえ進行が終わりに近づくまで環太平洋パートナーシップ(TPP)について知らなかった。それが法律になる前に文書のかなりをアメリカ市民(そしてヨーロッパの市民)に見せた唯一の組織がウィキリークスである。
ウィキリークスは、わたしたちに問題提起されようとしていた法人組織の抑制についてわたしたちに気づかせた、そして活動家がTPPから手を引くようにトランプに圧力をかけるのを可能ならしめた。
秘密主義の巨人組織のだれも彼らが企てた権力強奪の罪で刑務所に入れられない、だがジュリアン・アサンジはそれを明らかにしたせいで処罰されることになっている。

17)アメリカ民主党全国委員会(DNC)幹部の電子メール流出。民主党全国委員会の電子メールは民主党予備選がまさにどれほどあらかじめ仕組まれていたか(結果を不正に操作したか)にかかわる証拠をわたしたちにもたらした。流出した電子メールはメディアがヒラリー・クリントンの遊説(選挙戦)と結びついていたことを証明した。それらはオバマの1期目の閣僚がシティバンクによって選ばれたことも示した。
たった今どんな高潔な選挙運動が存在しても、それはこのウィキリークスによる暴露に多くの恩恵を負っている。この問題で訴えられたあと、アメリカ民主党全国委員会の弁護団は公平な予備選をしなければならない義務はないことを法廷で認めた。それはあらかじめ仕組む(八百長をやる)彼らの権利だ。
でもこれについて怒ろうとしてみないでくれ、もしあなたが精いっぱい怒ろうとしてみたら、CIAにはあなたの人生を台無しにするきわめて多面的な方法があるからだ。

18)2017年にウィキリークスは“Vault 7”と呼ばれるCIA文書(スマートフォンやスマートテレビを使って会話を録音する、クルマをハッキングして暗殺する、フランス大統領選に関する資料を集めまくるといった、CIAの極秘諜報作戦の実態を暴露する機密資料)を集めたものを公表した。それはクルマやスマートTV、ウェブ・ブラウザ、スマートフォンを遠く離れて乗っ取ることを含む、CIAの能力を列挙した。
では、すべての点で可能なわたしたちのプライバシーを侵害するとしてCIAの誰かが鎖でつながれるのか?いいえ、でもジュリアン・アサンジはそれを暴いたせいで処罰されることになっている。

地球上の人々に真実を突き出すことによってウィキリークスはアラブの春やオキュパイ運動(ウォール街を占拠せよ)のような世界中の運動を引き起こす手助けをした。そして忘れないでくれ、ウィキリークスとアサンジは初めはその驚くべきはたらきをほめたたえられたのだ。2011年、アムネスティ・インターナショナルでさえウィキリークスをアラブの春の触媒のはたらきをするものと認めた。ガーディアン紙は以下のように伝えた:「活動家やジャーナリストが権力に対し事実に言及するために、そしてその際にすばらしい人権尊重を推し進めるために、ニューテクノロジーを使用した分岐点として2010年はおそらくは記憶されるだろう。…それはまた抑圧する政府が余命いくばくもない現実の可能性に直面した年でもある。」
では、なぜそれほど多くの発表の場(放送ネットワーク系列局)がアサンジとウィキリークスに嫌悪を抱くようになったのか?彼が抑圧するアラブの体制だけを暴いていたのではないとわかったからだ。彼は世界中のアメリカが支援するクーデターや戦争犯罪を暴きもした。アメリカを支配するエリート層の犯罪行為や極悪非道を彼は暴露した。
ウィキリークスで発表される何事もこれまでに偽りであると立証されてきていない。その記録をCNN、MSNBC、FOX NEWS、またはどんな主流の発表の場とでも比較してみてくれ。 
アサンジは複数のノーベル平和賞の候補にノミネートされてきているし、ほぼすべての一目置かれるメディアの発表の場が報道でウィキリークスからの情報源データを使っている。それでも、こういうことの後、そして捕らわれ期間7年の後、けしからぬ(罪のある)指導者を暴露してわたしたち各自に束縛の鎖を見せてくれた男はパレードや称賛を受けていない。彼や彼が真実を暴くのを助けた人たちだけが果てしなく罰せられる。

わたしたちはみなジュリアン・アサンジだ。彼が収監される限り、わたしたちは決して自由ではありえない。

△このコラムを書いたリー・キャンプ(Lee Camp)はアメリカの独演コメディアンであり、作家、俳優、活動家。キャンプはRT Americaの毎週放映されるコメディニュースTV番組“Redacted Tonight With Lee Camp” の司会者。
もしこのコラムが重要だとお考えなら、これをシェアしてください。
このコラムは彼のTV番組“Redacted Tonight With Lee Camp” で彼が書き演じたモノローグに基づいている。

This article was originally published by "Truthdig"-
https://www.truthdig.com/articles/18-ways-julian-assange-changed-the-world/

2019/05/25

東京新聞の望月記者


東京新聞の記者、望月衣塑子さんの講演を聴いてきました
弾丸トークで知られていますが全身でトークする彼女はとても魅力的!
今の日本にこんな記者がいるなんてうれしい 応援しなきゃ

もうウソはいやだ

管官房長官会見で東京新聞の記者、望月衣塑子さんの質問が制限される、または妨害されていることを知っていますか?

▽BUSINESS INSIDER Apr. 05, 2019より

平日午前と午後、毎日2度開かれる官房長官の記者会見は政権の考えを知る最も重要な取材機会だ。この官房長官会見での質問を巡り、2018年末から記者への質問が“制限”されるということが起きている。

その制限されている当事者でもある東京新聞の望月衣塑子記者と朝日新聞政治部記者出身で現・新聞労連(日本新聞労働組合連合)委員長でもある南彰さんに“今、政治報道の現場で何が起きているのか”を語ってもらった。

浜田敬子BIJ統括編集長(以下、浜田):望月さんの著書『新聞記者』が原案になった映画が6月に公開されますね。どういう映画ですか?

望月衣塑子さん(以下、望月):政権側がひた隠しにする権力中枢の闇に迫ろうとする日本人と韓国人のハーフでアメリカで育った女性の新聞記者( シム・ウンギョン)と理想に燃えて官僚になった男性(松坂桃李)との対峙や葛藤が描かれています。
メディアがどんどん権力によってコントロールされつつある現代において、何より一番重要なのは個。個が確立し、一人ひとりがものを言えるような社会になって欲しいというメッセージが込められています。

記者も官僚も覚悟を問われる映画

南彰さん(以下、南):私ももう見ました。安倍政権と直接は言っていないけれど安倍政権で実際起きている森友・加計疑惑、性暴力を告発したジャーナリスト、伊藤詩織さんなどの問題をトレースしていますよね。
政権とメディアという関係性の中で記者が個人としてどう振る舞うか、そして官僚も個としてどう振る舞うかがテーマだと感じました。
新聞記者や官僚に覚悟を迫る映画だと思います。自分たちの原点に照らして今やっていることは恥ずかしくないのかと問われているようです。

浜田:2年前に望月さんの『新聞記者』が出版された時、正直、こんなに売れるとは思いませんでした。
売れた理由は、望月さんが政権ナンバー2である菅義偉官房長官の会見で質問している姿、あの女性は誰だろうという関心が高まっていたことは大きいですよね。

望月:官房長官会見に毎日出るようになったのは2017年6月からです。
2017年2月頃から森友疑惑が大阪府豊中市の木村真市議や朝日新聞の報道によって浮上、続いて加計疑惑も出てきました 。加計学園が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画を巡り、担当の内閣府が文科省に「官邸の最高レベルが言っている」などと早期新設を求めたとする文書について菅義偉官房長官は当初 「怪文書のようなものじゃないか」と言い切った。
でも、「怪文書と言えるのだろうか」と直接、疑問をぶつけたいと思って参加するようになったんです。
首相の官邸での記者会見(外国要人との共同記者会見除く)は2017年は4回、2018年は3回だけで首相の番記者のぶら下がりもせいぜい聞けて1、2問で、ほとんどやってないに等しい。それなら菅さんに行こうと思いました。

前はもっと自由に質問できていた

浜田:今、望月さんに対する官房長官会見での質問制限(※)が問題になっていますよね?
南さんは朝日新聞政治部で長く記者をされてきましたが、もともと官房長官会見に質問制限はあったんですか。
(※)2018年12月の官房長官会見で望月記者が辺野古の工事を巡って、「赤土が広がっている。沖縄防衛局は実態を把握できていない」と質問したことに対し、官邸側は「事実に基づかない質問であり、赤土の表現も不適切」と東京新聞に申し入れた。東京新聞によると、それ以前も望月記者の質問に対して内閣広報官名で9回にわたり、「事実に基づかない質問は慎んで欲しい」という申し入れがあったという。

南:ないですし、前はもっと自由でした。官房長官の番記者はたしかに長官と四六時中つきあわなきゃいけないから表現には気をつけます。でも他の記者が突っ込んで聞いていたし、政治記者1年目の僕にも町村信孝官房長官(当時)は普通に答えてくれていました。
民主党政権の最後まではそんな雰囲気でした。その後、官房長官番しか聞けない雰囲気にどんどんなってきて。政権が長期化すると記者側も「どうせ記者会見で聞いてもこの程度しか答えないだろう」という相場観ができてしまったのです。

オフレコ取材を人質にとっていた

浜田:そこに空気を読まない望月さんが乗り込んできた。望月さんが菅さんに質問をがんがんぶつける時、番記者たちはどんな空気だったんですか?

南:6月6日に望月さんが最初に会見場に来て質問し、その後すぐに前述の加計学園に関する文書が出てきた。そのあたりは「あっ!やられた。こういうやり方があったか」という感じで、刺激を受けた番記者もいました。

望月:6日の午前の会見で聞いたら、その日の午後、 ある記者から「一つの質問が長すぎると会見に支障が出る」と注意されました。それ以降も私は知りませんでしたが、菅さんが私の質問で怒ると官邸会見後に行われる数分の「オフレコ取材」などをやらなくなったりしたことがあったようです。オフレコ取材を人質に取り、「オフレコ取材をしたいならば望月を何とかしろ」と番記者たちに暗にプレッシャーをかけていたということでしょうか。聞いた時はショックでした。

浜田:オフレコ取材とは?

南:記者会見とは別に菅さんは番記者と会見後に内容を確認したり、夜、議員宿舎で質問に応じたりするんです。記者会見で気分を損ねるとそれに応じなくなったようです。

浜田:2018年12月、首相官邸が内閣記者会に「問題意識の共有」を求める文書を出しました。その時の周りの記者の反応は?

望月:私はクラブに文書が出されたことを全く知りませんでした。長谷川栄一内閣広報官から来た東京新聞の臼田信行編集局長宛の抗議文書だけを受け取って読みました。

「俺はあいつが嫌いなんだ」

浜田:内閣記者会宛の文書を読みましたけれど抗議の理由としては成り立たないと感じました。望月さんの質問内容がもし事実でないなら菅さんが否定すればいいのでは?菅さんは望月さんの突っ込んだ質問で文書の存在を認めざるを得なくなったことを根に持っているんでしょうか。

望月: そんな昔のことが影響しているというよりも、私は2018年9月の沖縄県知事選以降、沖縄絡みの質問を重点的に聞いていました。沖縄の辺野古に造ろうとしている米軍新基地や南西諸島のミサイル要塞化は政権のアキレス腱(けん)とも言われています。
そういう政権が嫌がるようなテーマを持って取材し質問することが気にくわなかったのかもしれません。周りが何を言っても菅さんが「俺はあいつが嫌いなんだ」と言っているという話を人から聞きました。

あまりにも台本通りの会見になっている

浜田:安倍さんや菅さんはメディアをコントロールしたいという思いが歴代政権に比べて強いと感じてますか?

南:以前から会見の司会役である官邸の報道室長が会見の1時間前に記者クラブを回って番記者に「今日はどんな質問するんですか」って探りを入れに来る。付き合いがあるから5問用意したうちの1問くらいは教える。勝負をかける時はそれを悟られないようにクラブには行かないようにするといった緊張感がありました。
今は望月さんの質問以外のほとんどはあらかじめ用意したペーパーを読んでいるように見えます。事前に質問を出せというプレッシャーをかけているんだろうと思います。

一方で記者側はどうですか?

望月:かつてに比べると記者が追及する力は落ちているようにも見えます。ほどほどしか言わず、「この程度しかどうせ言わないよね」みたいな相場観が生まれているようにも見えます。
南さんはじめ、政治部の先輩記者たちに聞くと、以前は首相の番記者は質問する機会がたくさんあって、「次に何を聞こう」と常に考えてどんな場でも「突っ込んでやろう」というマインドを持っていたと。でも今は記者たちが台本通りの会見に馴らされてしまっているのかも。
ある経済部の若手記者は財務省担当になった当初から、麻生大臣の閣議後の短いぶら下がりに慣れてしまい、たまに財務省の会見室で麻生大臣が時間を取り長めにやろうとしていた時、もっと聞けるのに、数問しか質問が出ずに終わっていた。「大臣会見ってこんなものかなと思った」と話していました。本来はもっと活発に聞ける会見なはずなのですが。

南:背景は大きく2つあります。一つ目は総理という最高権力者に質問する機会がなくなったこと。小泉純一郎総理の頃から東日本大震災まではほぼ毎日質問する機会があって政治記者1年目はこの場で鍛えられていました。最高権力者とやり合えなくなったことは政治記者にとってマイナスです。
二つ目は記者の評価基準。本来は会見で問いただしてそこで聞き出したことを評価するべきなのにいまだにオフレコで独自情報を取ってきた人を評価してみんなの前で聞くなんて愚かだという価値観がメディア側にある。ここを変えないと会見が「戦いの場」にはならないんです。

記者を守る仕組みがメディア界にない

浜田:望月さん、「今回はしんどい」とおっしゃっていましたが、これまでとどこが違いましたか?

望月:一番しんどかった時期は過ぎました。私のことを野党が国会で取り上げた時に菅さんが顔を真っ赤にして怒っていたのを見て驚きました。
その後から、市民から「頑張れ」という声や「とんでもない!」という批判もあって。反応がぶわーーーって来て「渦中の人」になってしまった。取材依頼もたくさん来ましたが、通常の(自分の)取材もありましたし東京新聞が社として抗議文に対する検証記事を出す前に勝手なことは言えない。官邸の不当な申し入れ文書について自分自身の言葉で反論することができなかった。菅さんは国会でいくらでも答弁できるのにです。それがとてもしんどかったです。

南:東京新聞だけでなく、記者が誹謗中傷された時に記者を守る仕組みがメディア業界としてまだ整ってないんです。官房長官の会見のように動画配信されると出席している記者は晒され、今後、誹謗中傷される機会は増えていくでしょうね。

浜田:個人として晒される機会は増えたのに組織が記者を守る準備はできていない?

南:今は過渡期です。これからは例えばツイッターのフォロワーが10万人くらいいて、リスクをコントロールしつつ不特定多数の人と対話できる人が編集局長になって新聞業界のオピニオンリーダーになるというような価値観を確立していくべきでしょう。そういう実感がないと会社が記者を守るということは難しいと思います。

質問制限で記者を分断していく

浜田:文書が出されたことでほかの記者の反応はいかがでしたか?

望月:それまで官邸会見にさほど縁のない他社の社会部などの記者たちが、さすがにあの申し入れ書はひどいと会見場に来て質問していました。嬉しかったですね。会見での質問が「一問だけ」と制限されて会見が5分で終わってしまった時は、ある記者が「(国会の)会期中とはいえ、もう少し聞けるはず。おかしいですよね」と言ってました。

浜田:東京新聞の対応はどうだったんですか?

望月: 朝日新聞や共同通信が官邸の申し入れ書は「知る権利の弾圧だ」とする趣旨の記事や社説を書き、その後、北海道新聞や琉球新報、沖縄タイムス、報道ステーション、ニュース23、バズフィードなども取り上げてくれました。
東京新聞もこれまで官邸から受けた9回の抗議文について検証し、2月20日に記事を出しました。その頃、共同通信と朝日新聞の社会部の記者が会見で質問しましたが、朝日新聞の女性記者は1分程度なのに「質問は簡潔に」と2回も言われていました。その様子を見てこれだけ官邸の申し入れが問題視されているのに官邸は質問制限で記者をどんどん分断していこうとしているんだなと感じました。

ツイッターで拡散「一人じゃないんだ」

南:今回の件を受けて3月14日にメディア関連労組で官邸前集会を呼びかけたら、現役記者も含めて600人が集まりました。黙っていては官邸にどんどん押し込まれる。それを断ち切るためには、現場の人が「これはおかしい」と自分たちの言葉で語るしかないんです。

望月:実はその集会の前日に上村秀紀報道室長による「質問妨害」がぴたっと止まったんです。官邸側にもさすがに何か変えないとまずいという空気があったのかも。最近は地方紙の記者が会見で厳しい質問するなど会見場の空気に変化も感じます。

浜田:望月さんは今、ツイッターのフォロワー数は何人ですか?

望月:10万人を超えました。誹謗中傷もあるけれど、記者に限らず個人の価値観や思いを直接、

発信できる時代になっていると思います。いろいろな人が見てくれてその人たちと双方向でつながっていける環境になりつつある。そういう意味で未来に希望を持っています。
記者会見では“一人でぽつん”で終わることがあっても、ネットで誰かが見てダイレクトにメッセージをくれたり、ツイッターで会見のやりとりをツイートしてくれたりして、それが100や200もシェアされているのをみると、「一人じゃないんだ」と勇気付けられます。「頑張れ、東京新聞!!」と言って定期購読してくれる人もいて、とてもありがたいです。

記者個人を商品化していくべき

浜田:新しいメディアが次々生まれる中でも、新聞には是非とも踏ん張ってもらいたいと思うんですけど、そのためには今後どうしたらいいと思いますか?

南:新聞社でも署名記事が増えて、記者個人を商品化していくという流れが必要だと思います。これからは記者個人を応援してもらって、「その人が属しているメディアだから信頼する」という流れになっていくのかなと思います。望月さんはその一つのモデルです。

浜田:私も個人として価値を打ち出せない人は仕事がなくなっていくと思います。「この記者の記事を読みたい」と思われないと。
各自がテーマを持って取材していけば、テレビのコメンテーターとして呼ばれたり、さまざまなメディアから執筆依頼があったり、講演の依頼もある。そうすれば自信になるし新しい人脈もできる。そういう個が立つ人をどんどん生み出していかなければならないと感じます。

https://www.businessinsider.jp/post-188481


東京新聞の望月衣塑子記者を支援する署名を呼びかける「Change.org」のページ

▽huffingtonpost 2019年03月02日 

東京新聞の望月衣塑子記者を助けたい。中2の女子生徒がたった1人で署名活動に取り組んだ理由とは

官房長官会見での質問をめぐって首相官邸側から問題視されている東京新聞の望月衣塑子(いそこ)記者を支援しようと、1人の女子中学生が立ち上がった。
望月記者の質問を制限しないよう官邸側に求めるインターネットの署名運動を2月に開始。活動を終えた2月28日までに、1万7000人を超える賛同者を集めた。

なぜ中学生は活動することを決意したのか。本人に聞いた

「特定の記者の質問を制限する言論統制をしないで下さい」 2月5日、インターネットの署名活動サイト「Change.org」に、そんな文言のキャンペーンが現れた。

特定の記者とは、東京新聞の望月記者のこと。菅義偉官房長官の記者会見で厳しく質問し続ける望月記者に対し、首相官邸側は「未確定な事実や推測に基づく質問」などと度々抗議してきた。

官邸は2018年12月、沖縄県のアメリカ軍普天間飛行場を県内の辺野古沖に移設する工事をめぐる望月記者の質問を問題視。「事実誤認がある」として官邸を担当する記者クラブ「内閣記者会」に対し、「問題意識の共有をお願いする」などと文書で申し入れた。

一方、実際の会見でも司会を務める官邸の報道室長が望月記者の質問中、数秒おきに「簡潔にお願いします」などと妨害とも受け取れる行為を繰り返すなどした。

東京都に住む中学2年の女子生徒(14)は、こうしたことをテレビのニュース番組で知ったり、官房長官会見の様子をインターネットの動画で見たりした。

「これでは単なるいじめと変わらない。もう見ていられない」。女子生徒はそう思い、ネットで知ったChange.orgを使って賛同者を集めることにした。

望月記者の問題が「他人事」に思えなかったことには訳がある。自身も小学生のころ、いじめられた経験があるからだ。
「私は口数の少ないタイプで、小学生のころ、人から物事を強引に進められても断れなかったことがありました。あと言葉による暴力を受けたこともあります」
かつての自分と望月記者が重なり、いてもたってもいられなくなった。

Change.orgはネットで探し当て、母親の助けを借りて署名を募った。
「娘と一緒に会見の動画やニュースを見ていたんですが、望月記者に対する『妨害』がだんだんひどくなり、娘も署名を集めたくなったようです」。母親はそう打ち明ける。
ただ、誹謗中傷や嫌がらせを恐れ、「山本あすか」と仮名を使った。「安倍政権のサポーターからの攻撃は正直、怖いです」

署名集めの最中、望月記者からツイッターのダイレクトメッセージを受け取った。「ありがとう。中学生が頑張るのは心苦しい。大人が頑張るから大丈夫だよ」。中学生の自分を心配してくれていることはありがたかったが、納得できなかった。
「私はずっといじめをなくしたいと思っています。国の上のほうのことだけど、こんなこと許したら普通の人ももっと自由に発言できなくなると思って。中学生でも無関心ではいられませんでした」
当初の予定より延長し、2月いっぱいまで署名を集め続けた。

2月26日。菅官房長官は記者会見で、望月記者から「この会見はいったい何のための場だと思っていらっしゃるんでしょうか」などと会見の意義について問われ、「あなたに答える必要はありません」と突っぱねた。

女子生徒は望月記者に対する「圧力」が続いていることに、さらに不安を募らせているという。
集めた署名は印刷するか電子データにして、首相官邸と記者クラブ双方に届けたいとしている。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/isoko-mochizuki-signature-campaign_jp_5c7a1ea7e4b0e1f77651aefc

 望月さんのツイッターフォロワー数は現在10万4千人以上