見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2008/05/31

ガザ黙殺と共犯で世界は恥を知れ


◇米軍の間でPTSDが46%に増大する
新たな数字が米軍の間で外傷後ストレス症候群(PTSD)の劇的な増大を示す。ペンタゴンによると、昨年PTSDの新たな症例が46%以上に急増し、5年間で総数4万人近くに至らせた。ブッシュ大統領が軍の勤務期間を延長して隊のサージ(大波)とやらの下でイラク占領を拡大したとき症例の数が増大した。

◇元報道官:ホワイトハウスはイラクに関して国民を操作した
ホワイトハウスの元報道官スコット・マクレランが、イラク戦争を行うため故意に国民を操作したとブッシュ政権を非難している。新著の回顧録でマクレランはこう書く、「2002年の夏までずっと、ブッシュのトップの補佐官らは、戦争をずぶといほど積極的に売り込むため、来るべきキャンペーンを慎重に画策するための戦略の輪郭を描いていた。永続するキャンペーン時代には、世論の情報源となるものを大統領に好都合な要因へと操作することにすっかり従事した。」
彼は続ける、「私にわかっているのは、戦争は必要なときにだけ行われるべきものだということで、イラク戦争は必要ではなかった。」マクレランはまた、ブッシュ政権にあまりにもやさしすぎたと言って、イラク侵攻前の品行のせいでホワイトハウス記者団をとがめもした。
彼はまた、ハリケーン・カトリーナの手際でもブッシュを非難する。カトリーナの後に続く最初の週をホワイトハウスが「絶縁状態」で費やしたとマクレランは言う。また、ホワイトハウスの対応について世間の批判を押しとどめこれに逆襲するため、カメラマンとの会見としてニューオーリンズを低空飛行する大統領専用機エアーフォースワンの儀礼飛行を、ホワイトハウスの代理人カール・ローヴが計画的にやって見せたと言う。
マクレランはブッシュの報道官として3年あまり務めた後、2006年4月に辞職した。

◇ブラックウォーター事件で大陪審がイラク人目撃者らの言い分を聞く
火曜日、昨年9月の軍事会社ブラックウォーターワイルドワイドに勤める護衛らによる17人のイラク人殺害を調査する連邦大陪審の前に、少なくとも3人のイラク人目撃者らが姿を現した。
Nissor Square大虐殺として知られるようになっている事件で告訴は起こされてきていない。ブラックウォーターは米国が押しつける法の下でイラクでの犯罪訴追手続きから免除される。米国でブラックウォーターを起訴できるかどうか、検察官らはまだ不確かだと言う。ひとりの目撃者は家族の写真をしっかり抱えて裁判所を後にした。

◇殺しの徹底的調査を始めるためツツ司教がガザを訪問
イスラエルと占領された自治領では、2006年イスラエル部隊による19人のパレスチナ人殺しに徹底的調査を開始するため、南アフリカのデズモンド・ツツ司教が火曜日ガザに到着した。イスラエル政府は彼の入国を拒否することで、国連に支援されるツツの調査をあらかじめ妨害していた。ガザ市で話をするツツは、ガザのパレスチナ人に対するイスラエルの扱いを非難した。
デズモンド・ツツ司教:「私たちには、ガザで起こっていることが容認できない。すでに私たちは、ほとんど人を激怒する気にさせるだけ見たり聞いたりしてきている。」
ツツはまたハマスにもイスラエルの町へのロケット攻撃を止めるよう求めて、双方の側が和平会談を始めるべきだと言った。

◇パレスチナ人がイスラエルの分離壁の拡大に抗議
同時に、西岸ではイスラエルの分離壁に対する抗議でイスラエルの兵士らがゴム弾を撃ったとき、少なくとも10人のパレスチナ人が負傷した。壁を故意に妨害しようとして、イスラエル人とパレスチナ人の抗議者数百人が西岸のニリン村の近くに結集した。占領する自治領に違法に建設されると国際法廷の決定が下されたにもかかわらず、イスラエルは壁の拡大を続ける。

◇元外交官:イラン攻撃を米国が計画
国務長官元補佐がブッシュ政権は今後2カ月以内にイランに対する空爆を計画していると主張しているのを、アジアタイムズが報じている。米国の攻撃はイラン革命防衛隊のエリートQuds(コッヅ)部隊の本部を標的にしたものだと匿名の職員は述べた。ブッシュの任期が終わる前にブッシュ政権はイランを攻撃する計画だとのイスラエルのニュース報道を、先週ブッシュ政権は否定した。

◇元アルゼンチン軍司令官の裁判が始まる
そしてアルゼンチンでは、1976年に始まるアルゼンチンの7年におよぶ独裁下での人権虐待で元陸軍司令官の審理が続いている。ルチアーノ・ベンジャミン・メネンデスは、ラ・ペルラとして知られる秘密の拷問センターでの左派の反体制の人の誘拐、拷問、殺しの告発に直面する。火曜日、裁判の開始をはっきり目立たせるため、数十人の活動家がコルドバの法廷の外に結集した。3万人が独裁下のアルゼンチンで死んだと考えられている。

2008/05/30

食えない、漁ができない、抗議運動



デモクラシーナウ!の5月27日ヘッドラインからーー。

◇IAEAが核の開示でイランを批判
国連の核監視役のトップが、核計画に関する質問に答えていないとイラン政府を非難している。最新の報告で、IAEA国際原子力機関は、原子力開発での軍の役割の申し立てに対し、イランは説明するべきであると言う。軍の関与の証拠は示されてきていない。

◇イスラエルが150個の核兵器を保有するとカーター
同時に、イスラエルがその兵器庫に少なくとも150個の核兵器を保有すると信じると、ジミー・カーター元大統領は明らかにしている。イスラエル政府は国の核兵器プログラムを一度も白状してきていない。だが、科学者のMordechai Vanunuが1980年代に政府の文書をリークして以来、その存在は広く知られてきている。カーターのコメントは、元米大統領がイスラエルの原子力兵器の数について話した 最初なのを際だたせる。カーターはまた、イスラエルのパレスチナ占領を「地球で最も大きな人権犯罪行為」のひとつと呼んだ。

◇ペンタゴンがプロパガンダ計画の調査に場所を与える
ペンタゴン(米国防総省)の検査官総務局は、軍の国内プロパガンダ計画に徹底的内部調査を発表している。積極的なニュース報道を発生させてイラク戦争を押しすすめるためペンタゴンが退職した軍人らを使っていたのを、先月ニューヨークタイムズ紙が暴いた。下院の徹底的調査は、計画が国内プロパガンダの政府資金供給を禁じる法に違反するかどうかの一点に集中することになるだろう。

◇チリが元独裁者の勢力に断固たる措置をとる
チリでアウグスト・ピノチェットの独裁政権下の元兵士と警察官およそ100人に逮捕状が発行された。1973年、選任されたアジェンデ政府の転覆で始まった17年の軍統治下の犯罪としては単一で最大規模の逮捕だ。容疑者らはコロンボ計画への関与で起訴される。コロンボ計画では少なくとも120人の反体制の人が殺された。政府は最後まで論拠を言い張るつもりだと、チリの内務省弁護士ボリス・パレデスは述べる。
ボリス・パレデス:「モンティグリオ判事の調査は告発的な調査です。これのために、彼らはそれは多くの責任を負わされます、国全体がこの犯罪、この恐ろしい犯罪で悪事をたくらんだのですから、それは必然です。
ゆえに、私たちは最後まで犯罪の責任を追及するつもりです。」
ピノチェットの統治下で3000人以上の人びとが死んだ。彼を公判に付する非常に多くの試みをかわした後、2006年12月、彼は死んだ。

写真は、パキスタンの労働者たちが総督官邸の外で最近の食品の値上げに抗議してデモをしている。もう一枚はやはり燃料費の高騰などで漁ができずに魚市場が閉鎖に追い込まれているフランス西部の漁師たちが抗議して、通行人に手渡すためスーパーマーケットから冷凍の魚を盗む。BBC NEWS 28 May「Day in pictures」から。

2008/05/29

キューザックのWar,Inc.


◇ジョン・キューザック 戦争に行く

ジョン・キューザックは怒っている。そして君らもまた怒るべきだと考える。型にはまった戦争の風刺を進歩させた、自殺的な映画の機会かもしれないものを受けるほど彼は怒っている。

主題としてイラク戦争は大作映画にはさえない墓場だった。だが、ロサンゼルスで5月23日公開された映画「War,Inc.」で、キューザックはいちかばちかの冒険をやっている。ヨシュア・セフテルが監督し、キューザックが共同で書いている映画は、軍隊の民営化に証拠を挙げて反対するのに、辛辣なユーモアと、独創性と個性的演出をはっきりうちだす映画監督の不条理主義者のレンズを使うことで、観客を揺さぶり強い影響を与えることだろう。

「すべてが外部委託される、すべてがもうけるため」だと、ヴェニスプロダクション事務所でのインタヴューで42歳の俳優・作家・監督は言った。「人が実際にこれを理解しているとは思わない。戦争自体がコストプラス方式(原価に協定利益を加算する方式)のビジネスだと言ってもよい程度まで、企業が戦争を民営化してきている。彼らは政府がすることになっている非常にコアな職務を掘り抜いている。彼らはATMとして国務省を活用しているんだ。」

「彼らは刑務所に送られるべきだよ。彼らは有罪と宣告されるべきだ。彼らのイデオロギーは面目をつぶされるべきだ。ボクたちは彼らに反抗すべきだ。ボクたちは彼らをもの笑いの種にしてあざけるべきだ。」

そこで彼が主役を演じるのは、ブランド・ハウザーという人物、「War,Inc.」の堕落した法人の暴利をむさぼる者だ。(「セイ・エニシング」から彼の映画の多くでたびたび共演するキューザックの姉のジョーンがハウザーの秘書を演じる。)

武装した従業員のいる民間企業が中東で米軍といっしょに軍事行動をとっていたのを初めて国民に気づかせた、イラク・ファルージャでの軍請負人グループの殺害の後、キューザックと友人のジェレミー・ピクサー(映画「ブルワース」を共同で書いた)とマーク・レイナーはこの映画のためのアイディアを考え出した。

今日、ブラックウォーターのような民間企業に雇われて、アメリカの元兵士らがイラクで整然と組織された軍の役割を演じて、国務省との契約の下に米国外交官の安全確保の手段を提供する。

政治が常に激しく議論される、シカゴのリベラルなアイルランド系カトリック教徒の家庭で成長したキューザックは、問題を黙殺したままではいられないと感じた。

「ボクたちが許しているのは、政府お気に入りの戦争で金持ちになる企業のための保護貿易主義のいかがわしいやり口だ」とキューザックは言った。彼は映画を作ることで「Baghdad Year Zero」の作者、ジャーナリストのナオミ・クラインの著作を激しく頼りにした。「ブラックウォーターのような会社は、ボクが市政学のクラスで学んだ、考えられる抑制と均衡(米国政治の基本原則)をどこで保たれるのか?」

確かに、キューザックは俳優としてエッジーな役柄を引き受けるのを決していやがってきていない。彼の成果は軽い作品(「理想の恋人」05年)から冷酷でグロテスクな作品(「アイスハーヴェスト氷の収穫」05年)まで幅広い。そしてインディ映画界のイコン(「ジョン・マルコヴィッチの穴」)。彼の演じたキャラクターのように、彼は危険を冒す人間だ。

メジャースタジオが「War,Inc.」を後援しないのを彼はよく承知している。代わりに、自主的に配給されればいいことになる(この映画の場合にはFirst Look Internationalから)。「従って、うまくやりとおせるか心配せずに、ボクらは、なんであれしたいことをすることにした。」とキューザックは言った。

ボックスオフィス(劇場のチケット売上金)の結果がどうであれ、映画は彼の意見を正直に表すとキューザックは考える。「まさしく君自身を表現して成功することが必要だ」とキューザックは言った。「この映画は会話を始めることを意味する。」

キューザックは「War,Inc.」のおどけた感性を、キューブリックの「博士の異常な愛情」のさっそうたる突進を有するマルクス兄弟の映画になぞらえる。キューザックが映画をどう描写するか紹介しよう。「原子破壊器に風刺と超現実主義と誠実をいっしょに入れて、それを全部まとめてブレンドする。」

そのアプローチを誰もが好きでないのは明らかだ。トライベッカ映画祭で上映された映画は賛否両論の評価を得てきている。ある批評家はそれを「気むずかしすぎる」と呼んだ。

アーティストのスタジオ産業ベニスの中にこじんまりとおさまるキューザックは、巨大な天窓のあるスペースを占有する。大部分のモノは彼の過去の作品で使われる小道具と家具だ。最も人目を引くのは2002年の映画「アドルフの画集」のセットで使われた大きな絵画だ。映画でキューザックはヒットラーを助けたユダヤ人アートディーラーを演じた。

ごたごたを起こすのが好きなのを彼は認める。ありきたりの映画スターになりたければ、彼は間違いなくそれになれた。彼には女性が愛する感じやすいあこがれの的(すてきな男性)的なアピールがあった。だが、それは彼向けのものではなかった。

彼は政治と映画の問題になると、俳優で第二次世界対戦の退役軍人の父親、ディック・キューザックの助言を重く頼りにしてきている。

「父はボクに多くのことを教えてくれた」とキューザックは言った。「正しく生きれば、後ろめたさを示さずにどんな男をもまともに見ることができ、くたばってしまえと言えるんだと彼は言った。温室に石を投げることになるので、多くの人たちに対してそれはできない。オヤジのようにボクはりっぱではないが、戦争で暴利をむさぼる連中はどうなんだ?彼らはくたばっていいよ。」

(By Tina Daunt, Los Angeles Times Staff Writer May 23, 2008)
tina.daunt@latimes.com

ワシントンの欺瞞の文化


言葉に意味がなくなったのはいつからか?とジャーナリストのロバート・フィスクは嘆いた。
計画的な悪用や曲解を重ねているうちに、言ってる本人にもわけわからなくなるというのがある。でも、ブッシュはどうなんだろう。自分の言ってることに感動してるふしがある。それに、ここまできてもなおブッシュ(&カンパニー)の言葉をその通り受け止め、うなずく、アメリカ人がいる。
以下、CNNニュースからーー。

◇「アメリカがテロ戦争に負けるとすれば、われわれがみずからをくじく場合のみ」だとブッシュ大統領は水曜、アメリカ空軍アカデミーの2008年度卒業生に語った。
曇り空のファルコンスタジアムで話す大統領は、イラクとアフガニスタンでの戦争をアメリカの前の戦争、特に第二次世界大戦になぞらえた。
「われわれの国はもう一度、怒り、憎しみ、絶望を広めようと努めるイデオロギー、イスラム過激主義のイデオロギーに対処している」と彼は言った。
「今日の苦闘で、われわれはもう一度、自由をさげすみアメリカをさげすみ、何百万人をその乱暴なルールに服従させようと意図する、邪悪な男どもにさらされている。」
「かつてわれわれはこの義務を引き受けた」と彼は言って、40万人以上のアメリカ人の命の損失を経験した戦闘、第二次世界大戦後のドイツと日本の再建に言及する。

◇3年間にわたってブッシュ米大統領の代弁役を務めていたホワイトハウスのマクレラン元大統領報道官が、イラク戦争などをめぐってブッシュ氏を痛烈に批判する回想録を刊行した。腹心だった人物の裏切りに、ブッシュ大統領は政権末期の悲哀をかみしめているようだ。
マクレラン氏が執筆した回想録は「何が起きていたのか−ブッシュ・ホワイトハウスの内幕とワシントンの欺瞞(ぎまん)の文化」と題され、「ブッシュ大統領はイラク開戦の必要性を国民に売り込むために、真実を語らず、政治宣伝に狂奔した」などと書いている。
マクレラン氏は、長年ブッシュ大統領に付き従い、テキサス州知事時代にも報道官を務めた。2003年から2006年まで、大統領報道官の激務をこなした。
(時事通信 2008年5月28日)

◇イラク戦争についてマクレラン氏は、国民の支持を獲得・維持するためには誠実で率直な姿勢が是非とも必要だったが、ブッシュ大統領と補佐官はそれを宣伝キャンペーンと混同したと指摘。「この点において、大統領の上級補佐官、特に国家安全保障に直接かかわった補佐官は恐ろしく役立たずだった」と振り返った。
米国南部を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」への対応をめぐっても「わが国史上最悪級の惨事は、ブッシュ氏の大統領職における最大級の惨事となった」とブッシュ政権の失策を批判している。
CIA工作員の身元が暴露された事件をめぐっては、ブッシュ大統領のため自分は真実を語らなかったと打ち明けた。
この事件ではホワイトハウスのルイス・リビー補佐官らが情報をリークした罪に問われたが、マクレラン氏は「私は欺かれてうその情報をそれとは知らずに伝えてしまった」と告白。それが原因で後に報道官としての職務をまっとうできなくなったとしている。2年後にマスコミが詳細を伝えるまで、自分が事実に反する発表をしたことは知らなかったという。
(CNN 2008年5月28日)

2008/05/27

ブッシュの言葉に意味はない


◇では狂気はどこで終わるのか?
内戦の集団墓地に埋められたあらゆるモンスターが掘り返されている
by Robert Fisk

なにが今週の最悪部分だったか私には確信がない。レバノンでの暮らしか?ジョージ・ブッシュのけしからぬ言葉を読むことか?幾度か私はこの疑問を自問している。言葉はその意味を失っているのかと。

そういうわけで、ベイルートのコクトーレストランでランチといこう。そう、そこはジャン・コクトーにちなんでつけられた、そしてそこは町で最もシックな場所のひとつだ。テーブルには堂々とした花、完ぺきなサービス、すばらしい食事。そうとも、前日、20ヤード離れたソデコで銃撃があった。レバノン政府の事実上の崩壊と、ヒズボラの勝利として認めなければならないこと(ジョージ・ブッシュにこれを理解しろと求めるな)をものともしないイスラム教スンニ派(そしてサウジ)と、さらに多くの通りでの銃撃の危険に、私たちはすでに気をもんだ。だが私は、些細なこと、10人か12人の民兵が捕まってレバノン軍に引き渡される前に殺された、レバノン北部での重要でない皆殺しを持ち出した。彼らの死体は、どうもこれは正しいようだ、死後手足をバラバラに切断された。

「彼らはそうなって当然だった」と私の左のエレガントな女性が言った。私はぎょっとし、当惑して、むかつき、深く悲しみに沈んだ。そんなことがどうして言えるものなのか?だが、ここはレバノン、多数の人、私のカウントでは62人がこの数日に殺されてきており、内戦の集団墓地に埋められたあらゆるモンスターが掘り返されていた。

私はコクトーでescalope du veauを選んだ。私がどれほど早くこれに決めるかにうんざりさせられる。そしてレバノンで目撃していることにどんなに激怒するか、親愛なるレバノン人(そして彼ら全員が私には貴重だ)の友人たちに説明するのに私は精力的だった。

3日前、アベド(長年のフィスクの運転手)がクルマで私を国の北部まで進ませたとき、弾丸がトリポリの壁に突き刺さっていて、それを見てぎょっとしたシリアとの国境の税関職員のひとりが私に、彼や彼の友人たちといっしょにとどまるよう求めた。私はとどまった。彼らはオーケーだ。

だが、逆の宗派の出身であることがまた突然決定的になる。君の運転手が誰で、君の大家の宗派がなんであるかが、突如として計り知れない重要な問題なのだ。

昨日の朝、海に面した私の一室の界隈で学校が再開し、見晴らしのよい断崖沿いの道路を自転車で下りていくヒジャーブ姿の女性を見た、そして今度のヨーロッパへの短い旅のことで旅行会社から電話があった。ベイルートの空港が再開した、そして私はレバノンが「平常に戻った」のを実感した。

道路がまた通れるようになった。目隠しをしたガンマンどもの姿はなかった。政府はヒズボラとの対決を断念していた。空港のシーア派イスラム教徒の警備主任の解雇(その人が一年前にシャンペン1本くれたのをどうやら私は憶えているらしい、彼がヒズボラの「スパイ」だと!)とヒズボラの秘密通信システムを解体するとの政府の要求は失敗の最後のしるしだった。そうして新聞を広げた私がそこで読んだのは?

「その地域全体のイスラム教徒らが、テロリストのビジョンのなさと彼らの大義の不正を認めるに従い、アルカイダ、ヒズボラ、ハマスは負かされるだろう。」と、エルサレムでジョージ・ブッシュが宣言したものだ。

狂気はどこで終わるのか?言葉はどこでその意味を失うのか?アルカイダは負かされてきていない。ガザのハマスの戦争と同じく総体で、ヒズボラはレバノン国内の戦争に勝ったばかりだ。アフガニスタン、イラク、レバノン、そしてガザは地獄の災難である。1948年パレスチナのチャーチルに関する記述をまた引用することで謝罪するまでもない、そしてこの愚かでバカで悪意のある男がまたもや世界に対してウソをついている。

どんな中東「和平」を指揮するにもずばぬけて不適任な男、Kut al-Amaraのブレア卿と、彼は「秘密」の会合を催した。思うに、このことが、会合が秘密である必要があった理由なんだろう。だが、彼はイスラエルの民主主義に世界の賛意を述べる。代々所有してきたパレスチナ民族の土地を彼らから奪い続けている民主主義から、まるでパレスチナ人たちが恩恵を受けるかのごとく。

私たちはこれを本当に受け入れる必要があるのか?「国連が、中東で最も自由な民主主義に対して世界の他のどこよりも多くの人権決議を採択するのは、恥さらしのもとだとわれわれはみなす」とブッシュは述べる。

パレスチナの土地を盗むことで、国連がイスラエルに足かせをはめられていない許可を与え続けることが、恥さらしのもとだというのが真実だ。これが、中東における唯一のアメリカの同盟国に対して国連が人権決議を採択することが(ワシントンにとって)恥さらしのもとであるその訳なのだ。

そして私が暮らすこの国でワシントンがなにをしているか?ワシントンはレバノン軍司令官に会いに行き合図で知らせるため、トップの軍司令官のひとりを送っている。レバノン政府へのワシントンの支援をなげうってきているのではというのが増大するフィスクの感づきだ。

なるほど、常に中東の軍隊にはいっそう多くの装備、武器、弾薬なのだが、もう一度言っておく(軍隊が好きではない私が繰り返すのだ)、レバノン軍が今週もっぱら私たちを救ったのだ。その軍の最高司令官、ミッシェル・スレイマン将軍が次期大統領になることになり、アメリカ人たちは彼を支持して、彼らが常にするように、担当するひとりの将軍を有して安全だと感じることだろう。レバノン人ならこう言うはずだ、「Chehabism(チェハブ主義)」が戻っていると。

だが、私はそれほど確信しない。スレイマンはダマスカスとうまくやっていく。彼が親米・ヒズボラとの戦いに彼の兵士たちを導くつもりはないだろう。そしてレバノン人は、ブッシュの正気でない「世界のテロ」との「ジハード(聖戦)」に仲間入りするつもりはない。

今週、レバノン北部でうれしい瞬間があった。チェックポイントのレバノン兵士がクルマの中にいる私を見つけて道路に走り出てきたとき、私の勇敢な友人アベドをことさら励ましたのだ。

「あなたはロバート氏ですよね!」彼が大声で言った。「TVで見ています!あなたの本を読みました!」そうして彼は親指をあげて「いいぞ!」の合図を送ってよこした。そして私はこの男を喜ばせなければならない。そして彼はきっとレバノンのために戦うだろうと私は考える。だが、アメリカ人のために彼が戦うとは思わない。

(UKインディペンデント紙 18 May 2008)

▲ロバート・フィスクの新著「The Age of the Warrior: Selected Writings」が、Fourth Estateから出版される。ロバート・フィスクは、現在レバノン在住の中東専門のイギリス人記者、インディペンデント紙などにコラムを掲載。

写真は、監督、プロデューサーのシドニー・ポラックです。5月27日亡くなりました。73歳。
映画「マイケル・クライトン(邦題:フィクサー)」に出ていたのが最後となりました。彼は40年間、ハリウッドをリードするスターたちと仕事をしてきています。

2008/05/26

タイソンとマラドーナとデル・トロ



チェ・ゲバラの半生を描いた映画「CHE」(スティーヴン・ソダーバーグ監督、来年日本公開)が21日夜、カンヌのコンペで上映された。
これには、元ヘビー級チャンプのマイク・タイソンと元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナが姿を見せた。2人ともゲバラの大ファンで、上映後には主演のベニチオ・デル・トロらと固い握手を交わした。
以下、BBCニュースからーー。

◇タフで現実的なパリの学校生活を描いたフランス映画「The Class」がカンヌ映画祭で羨望のパルムドールを受賞した。
審査委員長ショーン・ペンによって授与されるこの賞で、世界で最も信望のある映画祭は閉幕となった。
ローラン・カンテが監督する「The Class」は、彼らの人生の一年を記録にとどめるため、実際の生徒らと教師らを活用する。
IRAのハンガーストライカー、ボビー・サンズの人生の最後の6週間を記述する「Hunger」は、初監督作品のベスト作品に与えられるカメラドールを獲得した。
スティーヴン・ソダーバーグのキューバ革命家チェ・ゲバラの伝記で主役を演じたベニチオ・デル・トロが最優秀男優賞を受賞した。
「これをチェ・ゲバラ自身に捧げたい」と彼は観衆に語った。
デル・トロはソダーバーグの2000年の映画「トラフィック」での演技でアカデミー最優秀助演男優賞を受賞した。
「Line of Passage」でサンパウロの妊娠した母親役でブラジルのスター、サンドラ・コルベローニが最優秀女優賞を受賞した。
フランス映画祭閉幕のセレモニーでクリント・イーストウッドとカトリーヌ・ドヌーヴがその貢献で特別賞を受賞した。
・Moving movies(これもあれも感動させる映画)
カンヌでペンは、コンペに出品される映画の基準を称賛した。
「パワフルでエモーショナル、心を動かされる映画と演技の競争の場だった」と彼は言った。
「もうこれ以上興奮できないと思ったことが何度もあった。」
ペンがパルムドールを授与した作品「The Class」は、「驚くべき、驚くべき映画」だと。
壇上で10代のキャストらがいっしょに加わったカンテ監督は、「マルチプルで多面的で複雑な、フランス社会を反映」した映画を作ろうと試みたと言った。
「時には摩擦もある映画は、誤りをかばって隠そうとはしない」と彼は付け加えた。
ロベルト・サヴィアーナの小説をベースにし、ナポリで撮影した、イタリア人マフィア映画「Gomorrah」が次の賞のグランプリを獲得した。
3位に位置する審査員賞はパオロ・ソレンティーノ監督のジュリオ・アンドレオット元首相の記述、「Il Divo」となった。
授賞式の後、バリー・レヴィンソンの「What Just Happened?」のプレミア上映で映画祭は幕を閉じた。映画はロバート・デニーロ、ブルース・ウィルス、ショーン・ペンらが主演する、キャリアをあげることに精力的な、やがてしぼんで消えていく、ハリウッドのプロデューサーのおはなし。

写真は、パルムドールに輝いたローラン・カンテと彼のキャストたち、そしてチェ・ゲバラとカンヌと監督に感謝するベニチオ・デル・トロ

・最高のパルムドール受賞作品:「The Class」(ローラン・カンテ監督)
・グランプリ作品:「Gomorrah」(ゴモラ、マッテオ・ガローネ監督)
・特別賞:クリント・イーストウッド、カトリーヌ・ドヌーヴ
・監督賞:ヌリ・ビルゲ・セイラン(スリー・モンキーズ)
・審査員賞:「イル・ディーヴォ」(パオロ・ソレンティーノ監督)
・最優秀男優賞:ベニチオ・デル・トロ(チェ)
・最優秀女優賞:サンドラ・コルベローニ(リナ・デ・パッセ)
・最優秀脚本賞:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟( Lorna's Silence)
・カメラドール(新人監督賞):「Hunger」(スティーヴ・マックィーン監督)

2008/05/25

戦争は石油で起きるんだ、バカもん


現在、ペルシャ湾には、空母ハリー・トルーマンと空母エイブラハム・リンカーンの2隻の航空母艦が配備されている。
イラク戦争が始まったとき、サダム・フセインが石油の輸出をドル建てからユーロ建てに替えたこと、憶えているだろうか。いろいろ論議を呼んだ開戦の動機のひとつに、この「ドルの防衛」があった。
つい先頃、イラン石油省の高官がイラン国営TVで、「米ドルはわが国の石油取引から完全に排除されることになった。原油輸入国はこれから、ヨーロッパではユーロ建て、アジアでは日本円建てで取引することで合意した」と発表した。また、チェイニーがサウジに行った翌日、サウジ政府は、「イランのブーシェル原子炉が攻撃された場合を想定して、突然ふりかかる放射能汚染に対応する国を挙げての対策」を発表した。
わたしたちは、「またバカなアメリカ人!」と思うだけだが、イラク開戦前に「イラク=アルカイダ」を繰り返し唱え、国民の脳にインプットさせたウソへっちゃら大統領が4月10日の演説で、「今世紀、アメリカにとって最も脅威となる2つの勢力が、いまイラクに集結している。それはアルカイダとイランだ」と訴えたのだ。この「イラン=アルカイダ」、「イラン=アルカイダ」のチャントが始まっている。
ジャーナリストのジョー・ローリアがハフィントンポストに書いているーー。

◇世界の文明人は石油を支えとする。世界は石油を使い果たしている。われわれがどれほど終わりに近づいているか、石油会社や政府は真実を伝えていない。チェイニーは、ハリバートンのCEOとしてロンドン石油学会で演説した1999年には、石油のピーク時の供給について承知していた。2010年にそれが来ると彼は予言した。そのあと、石油を使い尽くすのは時間の問題だ。残存する石油を支配する者が、誰が生きて誰が死ぬかに決着をつける。
この石油の60%がカンサス州の大きさの中東三角地帯内の領域にある。スピーチでチェイニーは言った。「世界の石油、しかも原価の安い石油の三分の二を有する中東は、究極の貴重な目的物がまだ眠るところだ」と。
この小さな中東のトライアングルは、クウェート、カタールとその首長国といっしょに、サウジアラビアの北東の油田とイラク、イランの南西部を一周して取り囲む。米国はすでにイラクを支配する。他の国々は愛想のよい友好的政府だ。
イランは例外だ。米国はいまイランを包囲する。
カンサスの大きさの地域を支配するのは米軍にとって難問であるはずがない。ただし、そこは人口が密集している地域で、三角地帯の人びとの多くがアメリカ人にいて欲しくないので戦うつもりでいることを除いての話だ。
アメリカに代替エネルギー源が必要なことは、少なくともこの30年、よく知られてきている。だが、ほかのもっとましなエネルギー計画の代わりに、われわれは、死にゆくビジネスに執着するオイルメンによってイラクに侵略してしまう。そして最後の一滴にしがみつくため、多数の人びとを殺すのをいとわない。米国はその地域から決して離れていない、またはイラクから一度も撤退していない。居つづけることではマケインは正しい、だが100年は長すぎる。石油は100年も長く存続しない。
次はイランだ。リーバーマンは先週、ペトレイアスにつけいって、イランが支援するグループがイラクで何百ものアメリカ人兵士を殺してきていると証言させた。金曜日、ゲイツはイラクでのイランの影響力を「有害」と呼んだ、そしてブッシュは、もしイランがイラクにちょっかいを出し続けるなら「そのときはわれわれが彼らを処罰する。」と言った。彼らは上院と国連での決議を用いた戦争の事情をでっちあげている。米国が占領しようとしているのは、イラクとの国境から150マイル入ったイラン西部だけのはず。そこにイランの石油はある。だが、イラン革命後30年のテヘランに傀儡みたいなイラン国王を復活させたにしても、米国はイランで卑劣な戦闘をもてあますことになるだろう。
サウジはイラン政権が消え失せるのを平気で見ているはずだ。だが、サウジもまたリストに挙がるかもしれない。米国はいつかそのうちサウジアラビアもまた不安定にさせて支配を必要とするかもしれない。1970年代ニクソン政権下でキッシンジャーにサウジ油田の米国の侵略と占領を立案する計画があったのを、数年前にウォールストリートジャーナル紙が暴いた。それらの計画が久しぶりに取り上げられかねない。
アメリカの石油戦争は、強みではなく、弱みから着手されてきている。アメリカ経済はぐらついてきており、残存する石油の支配なしには崩壊してしまう。アメリカのエリートにだけ十分な石油が残るとき、どんな場合でも大規模なカオスになるはずだ。
どちらも核兵器を所有して代替エネルギーを持たない石油で餓死する中国とインドを、アメリカに屈服させるか戦争を始めさせることになる。
それはもう欲深いとかの話ではない。生き残りをかけたものなのだ。この国の指導者らはあまりにも欲張りすぎて、石油からソーラー、風力、地熱、他の再生可能な代替エネルギーに移行できないでいた。おそらく今となっては遅すぎる。イラク侵略と占領に注がれた何兆ドルもの大金を他の再生可能な代替エネルギーに投入していたら、世界にはかすかな望みがあったかもしれなかった。今となっては確信からはほど遠い。
確かなのは、これらの戦争が民主主義で起きるんではないということだ。大量破壊兵器で起きるのではない。来るべき戦争もまったくイランの核兵器プロジェクトで起きるのではない。石油で起きるんだ、バカもん。
(The Huffington Post 24 May 2008)

写真は、イランを威嚇すると同時に、サウジには濃縮ウラン購入の仲介を誓約したブッシュ大統領とサウジのアブドラ国王