見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2008/02/23

ファンキーなブッシュ大統領


◇AFRICOM受け入れをガーナが拒む
アフリカ5カ国歴訪の4番目の行程でブッシュ大統領はガーナにいる。火曜日、ガーナの大統領ジョン・クフォーは友人としてブッシュを歓迎したが、AFRICOMとして知られる米軍の新たなアフリカ司令部を受け入れるつもりはないと断言した。大統領は「私たちの主権は、私たちがだいじに育てるものである。」と言った。木曜、ブッシュはリベリアを訪問する、リベリアはAFRICOM受け入れを表している唯一のアフリカ国家である。

◇アナリスト:アフリカ訪問でブッシュは広く大陸に米軍を拡大するアジェンダをせきたてる
ブッシュ大統領は大統領職在任中2度目でおそらく最後となるであろうアフリカ5カ国歴訪でアフリカを再訪する。大統領の訪問はアメリカの戦略的そして経済的利益のためにアフリカ同盟国の中での支持を強化する好機だと、多くが予想する。それにはアフリカでの米軍司令部AFRICOMの拡大が含まれる。

◇米国はアフリカの基地をほしがってはいない
米軍アフリカ司令部を作るのは、彼がアフリカ大陸で米軍の駐留を拡大したがっているという意味ではないと、ジョージ・ブッシュ大統領は述べた。
ブッシュ氏は米軍基地のための用地を捜すため目下、アフリカを訪れているという考えは「ばか話(たわけたこと)」だと言った。
(以上、デモクラシーナウ!ヘッドラインより)

◇ブッシュ米大統領は20日、アフリカ中部ガーナの首都アクラで記者会見し、昨年新設した米地域統合軍「アフリカ軍」の配置問題について「アフリカに新たな軍事基地を建設する考えはない」と言明した。米国の軍事的影響力拡大に対するアフリカ側の懸念を打ち消したものだ。
ブッシュ大統領はクフォー・ガーナ大統領との共同会見で、アフリカ軍の役割について「平和維持部隊の訓練などで、アフリカ諸国が自らの紛争に対処する能力を高めることだ」と説明。「米国が突然、さまざまな軍部隊をアフリカに持ち込むという憶測を払拭したい」と述べた。
米国は昨年10月、アフリカ諸国のテロ対策や密輸取り締まりの能力強化を目的にアフリカ軍を新設。報道によると、ナイジェリアや南アフリカなど数カ国が米軍基地の拡大に懸念を示しているという。
アフリカ軍の司令部は現在、暫定的にドイツに配置。米国は、アフリカにある既存の米軍基地の利用や司令部施設新設の可能性を排除していない。
(毎日新聞 2008年2月21日)

リベリアで歓迎式典でのアフリカ音楽に突然ブッシュが踊り出した。上着をぬいでまでダンスして見せるブッシュに色めき立つ会場。BBCの記事のキャプションには「ファンキーなブッシュ大統領」とあった。写真はガーナでのクフォー大統領との共同会見の席上。ここでは新たな軍事基地は建設しないと明言するはめに。リベリアでブッシュが踊ってみせたのは、彼がファンキーというより、リベリアが米軍司令部のアフリカ唯一の受け入れ表明国だからでしょ。これが彼のお仕事!

グアンタナモ特別軍事法廷は八百長


ここにきてイギリス政府がゴタついている。これまでブレアが「間違ってない」、「正しいことをしてきた」、「米国がそんなことはしていない」ときっぱり言い切ってきたことが、なにやら怪しくなっている。いまだに不思議なのは、なぜこうまで米国に追随し、彼らの肩を持ってきたかだが。信念の人とも呼ばれるブレアは果たしてどんな弱みをアメリカに握られていたのだろうーー。

◇「書式一式」を書いた人:イラクに対して英国は「間違って」いた
イラク攻撃の基礎を作った、いわゆる諜報「書式一式」とやらの初期版を英国政府が発表している。40分以内にサダム・フセインは生物化学兵器に着手できると、当時の英首相トニー・ブレアがたびたび利用した主要な主張の言及は文書にはない。初期の草案は最終的な文書の基礎として活用されなかったと英外相デイヴィッド・ミリバンドは述べた。彼はまた、情報自由制定法(条例)の要請に従って公開を実施するため、司法の決定を批判した。草案が公開されたとき、それを書いた元ブレアの補佐、ジョン・ウイリアムズは、その戦争に抗議して辞職したブレア政権の人たちは「正しかった」と述べた。「政権のために働き続けたわれわれのような者は間違っていた」と彼は付け加えた。
(デモクラシーナウ!2008年2月19日)

◇囚人引渡(レンディション)情報で米国がUKに「遺憾」を表明
ワシントン:インド洋に浮かぶ英国の島(ディエゴガルシア)で燃料を補給したテロ容疑者を乗せた米国航空機についてもたらされたワシントンの不正確な情報に関して、米国は木曜、英国に遺憾の意を表明したと述べた。
「初めに昨年末にわれわれが招いた、英国政府に提供された不正確な情報がありました」と国務省報道官ショーン・マコーマックは述べた。「よき友人であり同盟国に不正確な情報を提供するという、初めにエラーがあったことをわれわれは遺憾に思う」と彼は述べた。
この出来事に関して米国の遺憾を表明するため、米国務長官コンドリーザ・ライスが水曜に英外相デイヴィッド・ミリバンドに電話したと、彼がリポーターに語った。
当初米国が請け合ったことに反して、尋問を外注する外国にテロ容疑者を「引き渡すフライト」として2002年に2機の航空機が英国領ディエゴガルシア島の米軍基地で燃料を補給したと、木曜早くにミリバンド外相が英国議会に伝えた。
2001年にジョージ・ブッシュ大統領が就任して以来、正規の外国への犯罪人引渡の手順外でテロ容疑者を移送するのに英国領土が使われているなんてことは知っていないと英国政府はあらかじめきっぱり主張してきていた。
(ロイター通信 2008年2月21日)

◇独占記事:グアンタナモ米軍基地での軍事裁判は前もって結果を粉飾される
「ペンタゴンは無罪放免の可能性をあらかじめ排除してきている」と、刑務所の特別軍事法廷の元主任検察官が述べるのを、ネーション誌があばく。

ということは、グアンタナモに閉じこめられている人々は、テロとのつながりやアルカイダとのつながりが何ひとつ明らかにされなくても有罪ということになる。
閉じこめられるといえば、自分の肉体に閉じこめられる「ロックトインシンドローム(閉じこめ症候群)」というのがあるのを最近知った。そう、ジュリアン・シュナーベルのすごい映画「潜水服は蝶の夢を見る」でだ。この映画は冒頭からすごい。こういう映像体験って初めてに近い気がする。シュナーベルが言うように、誰でも病気になるものだ。主人公は病気になるまで、自分は「生きて」いなかったと書く。想像力と記憶とでこの「潜水服」から抜けだせる、とも。調子が出てきてこれからってときに肺炎の合併症を起こして彼は死ぬ。

2008/02/21

カストロ引退


デモクラシーナウ!2月18日ヘッドラインからーー。

◇スンニ派民兵が民間人の死者によって米軍との協力をやめる
イラクで今月12人の一般市民を殺害した米軍のミサイル攻撃に抗議して、今週、米軍と連携した民兵が治安部隊の持ち場から堂々の退場(ストライキ)をやってみせた。「イラクの息子」として知られるグループのメンバーたちは、米軍部隊といっしょに戦うのに日給10ドルをもらい戦闘用ベストを配給される。だが、前日のバグダッドの南の町での米軍の攻撃の当然の結果として、土曜日、ほぼ2000人のメンバーが彼らの持ち場を放棄した。ヘリコプターから降りると、米軍部隊はわざと発射したと民兵のメンバーは述べる。「イラクの息子」はもう米軍とはいっしょに働かないと述べる。(「イラクの息子」というグループは、米政府と軍とが元スンニ派ゲリラが「めざめ」て米軍に協力していると宣伝してきた傀儡警察の元メンバーだ)

◇オルメルト首相 イスラエルは「だれもみな攻撃できる」
イスラエルとその占領地でイスラエルの急襲のあった日曜日、90人以上のパレスチナ人たちが逮捕されイスラエルに連れていかれた。イスラエル軍が引き上げる前に一般市民のパレスチナ人ひとりとハマスの闘士3人が殺され、20人が負傷した。パレスチナ人のロケット弾が発射されれば、イスラエルには「だれでもみな攻撃する」権利があるとイスラエルのオルメルト首相が知らせたとき、急襲が起こった。
イスラエルのオルメルト首相:「われわれの国の南部でどういう類であれハマスに代わって責務を引き受けているだれでもみなに対し、応酬し、接触しようとし、そして攻撃することで、われわれにはまったくの自由がある。」オルメルトは、一連の「基本原則」だけで今年パレスチナ当局と和平協定に達することはあてにしないと続けた。まさしく最終段階までエルサレムの現状についての話を遅らせることにパレスチナのアッバス議長は同意しているのに、パレスチナ当局は主張を真実でないと言っていると彼は言った。昨年11月のアメリカが黒幕として牛耳るアナポリスサミット以降、アラブの東エルサレムに大規模な2つの入植地の拡大をイスラエルは発表してきている。ハマスのスポークスマン、サミ・アブ・ズハリが停戦についてイスラエルと話し合うことでハマスはただちに受け入れるままだと言ったとき、オルメルトのコメントが起こった。
サミ・アブ・ズハリ(Sami Abu Zuhri):「イスラエル占領軍が、わがパレスチナ民族に対するあらゆる形の正当な理由のない攻撃をやめることでゆだね、わが民族に押しつけられる包囲を取り除くのであれば、事態を注視するのになんの反対もないことをハマスは確認してきている。」

◇国連の人道主義のトップ:ガザ封鎖をやめろ
一方で、国連人道支援担当官のトップがイスラエルのガザ地区の封鎖をやめろとの要求を繰り返してきている。国連人道支援担当事務次長、緊急救済コーディネーターのジョン・ホルムズは金曜にガザを訪れた後こう語った。
国連緊急救済調停官ジョン・ホルムズ:「このどれもがここガザの人間と人道上の情況を厳然たる冷酷の方向へ進ませている。これは彼らにその権利がある、基本的尊厳を持って生きることができないということを意味する。どうしても必要なのが遮断する交差点の開通、人道上の物資はもちろん、他の物資がたくさん入ってくることで、人々はもっと普通に生きられるようになり、もっと尊厳のある暮らしを始められる。」

写真は、引退の声明をしたキューバの指導者カストロ。これで49年間におよぶカストロ政権が終結することになる。81歳のカストロ議長は声明のなかで、「機動力と総力をあげた献身が要求される要職を務められる健康状態にはない。この状態で引き受けることは私自身の良心を裏切ることになる。」と書いている。

2008/02/19

クジラ問題は日本の「環境」問題


今日の朝刊の「鯨肉 さばけぬ悩み」というのが気になった。商業捕鯨が中止になって20年になるのに、なんたって日本のクジラ肉の在庫が「普通の企業ではありえない」6000トンまで増加しているというのだから。なんで? 政府が調査捕鯨を拡大したからだ。国策販売会社は赤字続き、国民になんとか食べてもらおうと農水省管轄でクジラ料理講習会などを開催して盛んにアピールをかけているというのだ。これっておかしくない?
水産庁捕鯨班と日本鯨類研究所が後押しする「合同会社 鯨食ラボ」のサイトを見ると、「鯨ルネッサンス 鯨肉の価値の再構築を実現します」と威勢がいい。日本鯨類研究所(鯨研)は、世界で批判くらってる調査捕鯨を行う財団法人だ。2月2日の朝日新聞によると、この実働部隊も懐はピンチ。国から無利子で借りていた36億円の運転資金のうち10億円が返せなかった。鯨研は05〜06年に、クジラの生態系調査を強化する名目で、南極海での捕鯨頭数を440頭から850頭に増やした。
以下、専門家の意見から抜粋ーー。

◇調査捕鯨をめぐり反捕鯨活動家の拘束事件が南極海で起きた。日本はここ数年、調査捕鯨を急拡大。国際会合では多数派工作を進めてきた。問題に出口はあるのか。
日本の調査捕鯨をめぐる南極海での緊張が、これまでになく高まっている。
1月15日、環境保護団体「シー・シェパード・コンサベーション・ソサエティ」(本部米国)の2人のメンバーがメッセージを伝えるため航行中の日本の目視採集船「第2勇新丸」に乗り込み、日本側はこれを拘束した。
シー・シェパードは国際環境保護団体「グリーンピース」(本部オランダ)の創設メンバーだったポール・ワトソン氏が1977年に組織した。過激な行動で知られ、アイスランドなどの捕鯨船を沈没させたこともある。シー・シェパードにしろ、グリーンピースにしろ、日本側関係者は彼らを「環境テロリスト」とあしざまに呼び、放水による排除活動を行うようになっている。
実は政府間でも調査捕鯨をめぐる駆け引きは昨秋以降にわかに慌しさを増している。発火点はオーストラリアでの政権交代だ。昨年11月の総選挙で勝利した労働党政権が掲げる重要公約の一つが「反捕鯨」。12月19日には外務・環境の両大臣が会見を開き、日本の違法行為の有無を監視するため税関巡視船を派遣することなど行動計画を公表した。(つい先頃、この税関巡視船が撮影した写真が海外のメディアで取り上げられ、大きな衝撃を与えた)
このなかで一つの焦点として浮上したのが「ザトウクジラ問題」だった。日本は今年から新たに大型種であるザトウクジラ50頭を捕獲する計画を立てていた。だがホエールウォッチングの対象となることの多いザトウクジラはオーストラリア国民にとって特別な存在だ。それもあって、同国での反捕鯨キャンペーンは過去最大のものとなった。
12月11日、議長国の米国がひとつの提案を示した。機能不全に陥るIWC(国際捕鯨委員会)の正常化と引き換えに、ザトウクジラ捕獲を見合わせろというのだ。日本政府はこれを受け入れ、21日異例なことに官房長官がこれを発表した。 
日本の譲歩には、オーストラリアでの反捕鯨熱を沈静化させる狙いもあったが、新政権はその後も「調査捕鯨は無意味かつ残虐な行い」との主張を前面に出し、反捕鯨外交の手を緩めようとしていない。
日本の調査捕鯨への国際的関心が高まっている背景には、その規模が年々拡大していることがある。
そもそも調査捕鯨とは何か。IWCは1982年、乱獲による資源量の激減や環境保護運動の高まりを受け、商業捕鯨のモラトリアム(一時停止)を採択した。そこで日本が87年末から始めたのが調査捕鯨だ。国際捕鯨取締条約は、IWC加盟国が自身の判断で資源量や生態を調査する目的でクジラを捕獲することを認めている。「IWCでの承認手続きは必要なく、他国からとやかく言われる筋合いのものではない」と水産庁捕鯨班は合法性を強調する。「殺さなくても調査はできる」と反捕鯨派の批判は根強いが、年齢や胃の内容物などを知るには「致死的調査が必要」として日本側は譲らない。
調査とはいえ、商業捕鯨時代と同じように母船を中心とする船団方式で行われており、必要経費は莫大だ。そのため捕獲調査後のクジラはすぐに約15キログラムの赤肉ブロックなどに解体冷凍、日本帰国後に「副産物」と称して売り出し、その収入を費用にあてている。全体の5割強が卸売市場、4割弱が加工会社、残り1割が学校給食関係などに販売される。副産物利用も前出の国際条約が定める義務なのだが、反捕鯨からは「擬似商業捕鯨」と反発が強い。
そうしたなか、日本は調査規模を拡大してきた。当初の対象は南極海のミンククジラ約300頭のみだった。乱獲時代に見向きもされなかったのが小型のミンククジラだったために資源量が豊富で最後まで商業捕鯨の対象とされた。18年間の計画で始まった南極海調査の一方、94年は北西太平洋でも大型のニタリやイワシ、マッコウの各クジラも対象となった。さらに南極海調査は05〜06年のシーズンから6年間の第2期計画に移行、ミンクの捕獲数は2倍超の最大935 頭に増え、ナガスとザトウの各クジラも対象に加わった。
調査捕鯨の実施主体をになうのは水産庁の関連公益法人「日本鯨類研究所」。そこが投じる費用は07年9月期予算で73億円にも上る。それを賄う副産物の収入は68億円(差額は国からの補助金を充当)、量にすると5000トン以上だ。これはモラトリアムに異議申し立てを行い93年から商業捕鯨を再開したノルウェーの捕獲量を上回る。
在庫増加に危機感を持った水産庁の後押しにより、販路拡大のため5年限定の新会社「鯨肉ラボ」が2年前に設立されたが、成果は上がっていない。流通量に限度があるため、大手スーパーが定番品として扱いにくい面もある。たとえば、イトーヨーカ堂は3年前から鯨肉の取り扱いをやめている。
民間の「クジラ離れ」はほかにもある。鯨研は調査捕鯨の船団を民間企業の「共同船舶」から用船し、副産物販売についても委託している。だが、一昨年6月に同社は「民間資本」ではなくなった。というのも、日本水産はじめ5社が、鯨研など水産庁の関連公益法人に保有株式を無償譲渡したからだ。この件に関する旧株主の口は重い。ある企業は「アンタッチャブルな問題」とささやく。「背景には海外での環境保護団体によるハラスメント(=不買運動)の影響もあった」と共同船舶は明かす。企業にとってはクジラ関連ビジネスは「経営リスク」なのだ。
そうした足元のクジラ離れをよそに、日本は調査捕鯨拡大だけでなく、IWCでの多数派工作を強力に進めてきた。ODA(政府開発援助)で関係が深い西アフリカ諸国などが捕鯨容認国としてIWCに次々加盟。賛成・反対ほぼ拮抗する状況となった。一昨年のIWC総会では捕鯨推進派寄りの「セントキッツネーヴィス宣言が1票差で決議され、日本代表団はモラトリアム採択から24年ぶりの勝利に沸いた。だが、直後から英国が反捕鯨外交を展開。欧州新興国など5ヵ国が加盟し、形勢は再び逆転した。
次の議長国には副議長を務める日本が就任することが確実。数年間は日本にとって捕鯨外交を推進する上でまたとない好機のようなのだが、IWC総会で4分の3以上の賛成が必要な商業捕鯨再開は現在の情勢から見てほぼ不可能というのが一致した見方だ。にもかかわらず、なぜ日本は「経済的に問題なし」の捕鯨推進にこだわるのか。「生物資源を持続的に利用しようとする原理原則の問題。クジラで一歩譲ると、次は (資源減少が指摘され始めた)マグロでも譲らなければならなくなる。そのためにも調査は必要」というのが日本政府の答えだ。
南極海遠征は必要か 関心の低さこそが問題
たとえば、調査捕鯨のあり方はどうか。日本が多額の費用をかけてはるか遠くの南極海で調査を続ける理由は、将来の商業捕鯨の想定海域としているからだ。
現実的選択肢からかけ離れた大規模事業は、ややもすると一部関係者による利権と化す。捕鯨は欧米に対して日本が自らを主張する数少ないテーマだけに、強行路線派、偏狭なナショナリズムのはけ口となるきらいもある。それらは結局、「国益」を損なうことになりかねない。これを機に日本人自身が捕鯨問題を見直す必要がありはしないか。
商業捕鯨が認められているノルウェーの捕獲量を上回る調査捕鯨の理論は、世界の反感を呼ぶ。世界に対してていねいにPRを行うべきだ。
(週刊東洋経済 2008年1月26日)

◇現在日本が行っているのは、IWCの規約上認められている「調査捕鯨」を拡大解釈した日本流の「調査捕鯨」だが、その実態は限定的「商業捕鯨」である。
また、「一部の鯨種」の中に、実際には絶滅危惧種のナガスクジラ、絶滅危急種のザトウクジラも含まれている。日本はそれを沿岸および北西太平洋だけでなく、IWCが保護区と定めた南極海という公海でおこなっている。
このいびつな「国営捕鯨」を支えているのは、水産庁捕鯨班とタッグを組む日本鯨類研究所である。「鯨研」は国庫補助金と調査捕鯨の副産物、つまり鯨肉の販売収入で運営されている。
「鯨研」の手足となって動くのが、かつての商業捕鯨最盛期を担った大手水産会社が統合された「共同捕鯨」を前身とする現・共同船舶株式会である。またその下で鯨肉消費促進を図るために去年設立されたのが「鯨肉ラボ」という合同会社だ。さらにこれらを自民党捕鯨議員連盟などが「官民一体」の名のもとで後押ししている。
だが、それでも鯨肉はだぶついている。なので、自衛隊や学校給食への導入も考えられている。かつて販売の主体であった民間の水産会社は、採算がとれないので、すべてクジラに見切りをつけている。
「捕鯨は日本の伝統」ということがたびたび言われる。だが、渡邊洋之氏の著書「捕鯨問題の歴史社会学」(2006年東信堂)のなかにおもしろい指摘がある。
つまり、近世までの局地的な沿岸捕鯨の伝統と、明治時代の「ノルウェー式捕鯨」導入後に形成された歴史とでは、あらゆる点で断絶があるというのだ。その一方で、昔は多くの漁村でクジラは大漁をもたらす「神」として獲ることを禁じられていたり、魚ではなく動物という認識があったため、その肉を食べることが倫理的(仏教観)によくないとされていた「伝統」もある。こうした日本人の意識の問題や、歴史の「複数性」に触れられないのはなぜなのか?という問題もある。
クジラ問題は「文化摩擦」などではない。まさしくメディアを含め、私たちを取り巻く「環境」の問題なのだ。
(ブログ「弱い文明」より抜粋)

2008/02/17

ラテンアメリカのカタツムリ革命




日本の三井物産株式会社及び丸紅株式会社は、昨年、ベネズエラ国営石油公社(PDVSA)との間で締結したベネズエラ産原油及び石油製品引取りに関わる包括引取枠組契約に基づき、200万バレルのベネズエラ産原油を共同で引き取ることで合意している。ベネズエラの原油を積んだタンカーが8月に出港した。

◇資産凍結でベネズエラ国民がエクソンモービルに抗議
石油大企業エクソンモービルとのベネズエラの戦いは激しくなっている。水曜日、米連邦判事はベネズエラ国有石油会社の海外資産と銀行口座の凍結を裁定する裁判官を支持した。エクソンモービルは国有化されたベネズエラ石油プロジェクトにおける開発をいわば埋め合わせる命令を勝ち取った。エクソンの投資額は20億ドルから40億ドルの間と値踏みされたにもかかわらず、120億ドルを上回るベネズエラの資産が凍結されたのだ。距離を置く国務省がエクソンモービルの支援を発表した数時間後にこの命令が下った。その間に、ベネズエラではエクソンモービルに対する抗議でデモ隊が英国大使館まで行進した。ベネズエラの主権を陰険な手段で傷つけるとしてベネズエラのエネルギー大臣ラファエル・ラミレスは会社を訴えた。
エネルギー大臣ラファエル・ラミレス:「一国の利害を超えた会社、エクソンモービルは、われわれの政府に満足していない。エクソンモービルがわが国の政府について何を思うか、われわれはほとんど気にかけない。わが国の政府はベネズエラ国民、ベネズエラの労働者、ベネズエラの制度・法令に合致する。」
ベネズエラは今週初めにエクソンモービルに石油を売るのを中止した。

◇キューバのカストロ政権と反米左翼のチャベス・ベネズエラ大統領らが提唱する独自の経済協力協定「米州ボリバル代替統合構想(ALBA)」の首脳会議が1月26日、ベネズエラで開かれ、チャベス大統領は加盟各国に対し米国系金融機関からの資金の引き揚げを求めた。AP通信などが報じた。
大統領は「(外貨準備を)なぜ、北(米国)に置いておかなければならないのか」と強調。約10億ドル(約1070億円)を原資とするALBA銀行の創設を打ち出し、各国の開発支援にあてるという。
各国は石油や天然ガス、地熱発電への合弁企業の発足でも合意したほか、イランが南米諸国への金融支援を表明した。
ALBAの加盟国はイランやボリビア、ニカラグアなど計6カ国。豊富な石油収入を原資としたチャベス大統領の影響力がさらに拡大しつつある。
(共同通信2008年1月27日)

◇ベネズエラのウゴ・チャベス大統領がラテンアメリカとカリブ諸国に反米軍事同盟を提携することを求めている。
心底からの反米指導者は、ニカラグア、ボリビア、キューバ、ドミニカはひとつの統一軍隊を創設すべきだと述べる。
米国帝国主義とみなすものを長いこと批判してきたチャベス氏は、リーダーたちのサミット後にコメントした。
米国拒否を守り通しても、チャベス氏は米国が中南米にとって重大な脅威の姿勢をとると確信する。
彼は最近、コロンビアとの強力な結びつきを案出することでその地帯を精力的に不安定にしようとしていると米国を責めている。
資本主義やグローバリゼーションや米国との彼の戦いでチャベス氏にはキーとなる重要な同盟国がある。
ボリヴィア、キューバ、ニカラグア、そしてカリブ諸国と、どれもみな、南米独立指導者シモン・ボリーバルから名前をいただいた米州(南北中央アメリカ)ボリバル代替(オルタナティヴ)と知られる貿易(通商)同盟国のメンバーだ。
チャベス氏は彼ら仲間に、共同の防衛政策を立案して米国帝国主義と戦う統一軍隊を創設しようと促している。
「米国がわれわれのうちの一国をおどしでもしたら、われわれすべての国をおどすことになる」と言って、「われわれは一体として応酬するだろう」と言った。
(BBC 28 January 2008)

写真は、今から14年前以前のものにまでさかのぼり、グルーバル化やあらゆる搾取と闘うラテンアメリカのすべての民衆蜂起の名称と同等にまでなるサパティスタ民族解放軍(EZLN)に関するものです。2006年、レベッカ・ソルニットが「インディアンの地位だけにとどまらず、革命の本質にまでおよぶ革命を演出した」と書いた革命勢力、サパティスタ民族解放軍は、みずからをカタツムリやトウモロコシにたとえる。1枚目はサパティスタの女性たち。2枚目は刺繍されたそのシンボル。そして3枚目はランドリーと壁画のあるサパティスタの学校。
これらの写真がキャプション入りでついた最新のレベッカ・ソルニットの記事は後日、メールマガジンのほうで紹介するつもりです。写真はクリックすると拡大版で見ることができます。

サパティスタのことをインターネットで知った方は多いはず。彼らを率いるマルコス司令官は世界中の大学生に特に人気です。彼らはじょうずにインターネットを活用してその運動の精神を世界中に知らせてきています。ビジュアル的にもうまい。なんでも、ネットワーク上での活発な活動は米国のジャスティン・ポールスンという当時の学生がウェブページを作っていて、なかなかニュースにならないラテンアメリカの解放運動の声明やインタヴュー、新聞記事、論説などの貴重な資料がべたべたとアップされていました(http://www.ezln.org/)。これは当時、画期的なこと。ネットの世界では「サパティスタ」があらゆるジャンルの革命を表す名詞になっているのがわかる。