見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2009/07/11

カンダハルの野獣



◇今週、メディアがそのスポットライトをひとりのセレブの死に向けるとき、あまりにも多くの他の根深い損失が報告されないでいます。特にアフガニスタンとパキスタンのアメリカの無人偵察機の攻撃によって殺されたあの一般市民のことです。
2006年以来、無人機の攻撃が少なくとも14人のアルカイダ指導者たちと、およそ700人の一般市民を殺してきており、罪のない犠牲者と目標とされる敵の比率は50対1です。ニュースがこれを報道してないので、私たち自身がメディアになる必要があります。
メディアの編集者らに手紙を書きませんか?

今週はまた、私たちを欺いてヴェトナム戦争に陥れた戦争犯罪人、ロバート・マクナマラの死にも遭遇しました。後に彼は私たちの軍を巻き込む計画を立案して指揮することを悔やみました、でも、結果として残された深い苦しみを癒すものではありません。アフガニスタンでの7人のさらなる米兵の死は、戦争というムダな試みとそのおそろしい犠牲を強調し続けます。アフガニスタンとパキスタンは今はオバマの戦争です、いつか彼が悔やみそうな戦争です。ヴェトナムのように、それは間違っています。

ペトレイアス将軍の元顧問のデイヴィッド・キルカレンを含める将軍と他の軍当局者らが、米国の無人機の使用に対し反対意見を述べてきています。「無人機は過激派の周囲の全住民を一体化する怒りの感情のもとであり、過激派の高騰へと導く」と、キルカレンは下院軍事委員会の前で述べました。それでもなお、アメリカ国務省は攻撃を否定し続け、私たちの税金をそれにつぎ込み続けます!
将軍たちやCIA、他の人たちが、無人機やあの地域の安定化について言っていることをもっと読んでください。↓
http://salsa.democracyinaction.org/dia/track.jsp?v=2&c=eUqXt2wwiknvDw2%2FbkQa0GGtzRp61T1p

平和運動での私たちの兄弟姉妹の何名かは、無人機を止めるため言葉ではなくてカラダを危険にさらしています。無人機を地上に引きとどめるため!7月13日、コードピンクは高名な神父ルイス・ヴィタールを含める他の活動家たちと組んでいます。そして無人機が遠隔操作で操縦されるインディアン・スプリングス近くのクリーチ空軍基地のゲートで、徹夜の祈りヴィジルをやります。

もうひとつ、私たちの次のガザへの旅にいっしょに加わってください。↓
http://salsa.democracyinaction.org/dia/track.jsp?v=2&c=qUfAuJ5JJfu6mNDsX8LY7mGtzRp61T1p

(CODEPINK 10 July 2009)

◇タリバーン標的に2度のミサイル攻撃、米軍無人機か 多数死亡

パキスタン情報機関当局者は24日、北西部にありアフガニスタンと国境を接する政府直轄部族地域の南ワジリスタン地区で23日、2回のミサイル攻撃があり、タリバーン司令官3人を含む武装勢力構成員少なくとも55人が死亡したと述べた。米軍の無人武装偵察機が撃ち込んだとみられる。

タリバーン側は、攻撃で45人が死亡、5人が自組織のメンバーで、残りは一般住民と反論している。

最初のミサイル攻撃は3発で、同地域の村落にあるタリバーンの訓練施設を標的にし、2人が死亡、複数が負傷した。司令官1人が殺害されたとみられる。この死傷者のための弔いが開かれている場所に2度目の攻撃が加えられたという。

南ワジリスタン地区は、「パキスタン・タリバーン運動」を率いるベトゥラ・メスード司令官の勢力圏だが、葬儀には同運動の構成員多数が出席していたという。司令官は参加していなかったとされる。

CNNのまとめによると、部族地域やパキスタン北西辺境州での無人機によるミサイル攻撃はこれで今年15件以上で、昨年比で激増。米軍は部族地域などがアフガンへの越境攻撃の拠点となっていると主張している。無人機の越境ミサイル攻撃は昨年秋から加速し、ゲーツ米国防長官は先に、米軍の関与を認めていた。

これまでの死亡者は数百人規模とされ、民間人の犠牲者も多く、パキスタン国民の反発も強い。同国政府は主権侵害として攻撃停止を求めているが、内密には承認しているとの情報もある。

タリバーン系の組織は今年に入り北西辺境州内でも存在感を強め、パキスタン軍は4月下旬から掃討作戦を強化し、一定の成果を挙げた。同軍は部族地域への作戦拡大の準備を進めている。

(CNN.co.jp 2009年6月24日)

◇アフガニスタンでまた未確認の無人航空機が目撃される

アフガニスタンで米軍の秘密兵器とみられる未確認の無人航空機(UAV)らしきものが飛行している模様が撮影されて注目を集めている。

映像を公開したのは仏航空専門誌「Air & Cosmos」で、機体の特徴はこれまでに公開された無人航空機のどれにも当てはまらないことから、正体は不明だとしているが、同誌が公開した画像を分析した英航空専門誌「Aviation Week」では、先月、アフガニスタンの米軍基地で駐機している模様が目撃された機体と同一のものではないかとも述べている。

英航空専門誌「Shephard」は先月、アフガニスタンの米軍基地にこれまで存在が確認されたことのないナゾの無人航空機が駐機している模様が目撃されたとしてそのイラストを公開していた。

欧米の航空アナリストの間では、今、このナゾの無人航空機を「Beast of Kandahar(カンダハルの野獣)」と呼び、正体探しの努力が続けられている。

(technobahn japan 2009年5月22日)

写真は最新のアメリカの無人機 アメリカが製造するのは無人機ばかりとのこと
Photo Courtesy Air & Cosmos

アフリカ合衆国



◇アフリカ連合(AU)のサミットが6月25日からガーナの首都アクラで開かれるのを前にして、アフリカ大陸の統一政府建設をめぐる議論が展開されている。

「国連ミレニアムキャンペーン」のタジュディーン・アブドゥル・ラヒーム副代表は、今月はじめにナイロビで行われた集まりにおいて、「これはもはや、アフリカ統合が正しいかどうかの論争ではなくて、どの程度、どのくらい早くそれを達成するかの論争だ」と発言した。アブドゥル・ラヒーム氏は、アフリカ諸国の貿易の低迷、人間開発の程度の低さなどによって、アフリカは当然にも統一政府を必要とすると考えている。

AUは、2006年に発表した報告書「アフリカ連合政府:アフリカ合衆国に向けて」において、2015年までの統一に向けた3段階を示している。第1段階では、統一政府が特に責任を負うことになる分野を特定し、資金調達の方法を決め、市民に対して宣伝を行う。第2段階では、アフリカ合衆国の憲法を起草し、アフリカ中央銀行を設立する。そして、第3段階では、憲法を採択し、アフリカ政府のポストをめぐる選挙が各地で行われる。

しかしながら、アフリカ政府構想に関してはいくつかの疑問があがっている。

ひとつは、2015年という期限は短すぎるのではないか。もうひとつは既存の仕組み、2004年に作られた汎アフリカ議会(PAP)、をもっと活用する必要があるのではないかという意見だ。

また、「各国主権を奪われることになる」「市民参加の機会が十分与えられていない」といった民主主義の観点からの批判もある。

(IPS 2009年6月14日 byジョイス・ムラマ)

◇アフリカ連合総会開催

ガーナの首都アクラで、第9回アフリカ連合(AU)首脳会議が、7月1日~3日にわたり行われた。モロッコを除くアフリカ52の独立国と西サハラの計53の国と地域から首脳級の代表らが出席した。

会議では、ダルフール問題、ソマリア問題、人権問題、児童および貧困問題が話し合われたが、議論の中心となったのは、「アフリカ合衆国」建設に関することだった。アフリカ合衆国構想は、もとはガーナの初代大統領エンクルマが提案したものである。リビアのカダフィ大佐は、アフリカ合衆国の早期建設を主張し、「連立政府や200万人からなる軍隊を組み、統一した貨幣やパスポートを発行して、強くて大きなアフリカ合衆国を建設する」といった案を提唱した。

一方、ナイジェリアのヤラドゥア大統領は、国内の経済発展、インフラ整備、エイズなどの問題を優先的に解決すべきだと主張。また、ザンビアのシカタナ外相や、南ア共のズマ外相も、準備はまだできていないと、やや消極的な意見を述べた。

(31 July 2007)

☆クワメ・エンクルマ(1909-1972)の戦い〜アフリカ合衆国を夢見た男〜
パンアフリカ会議を設立
会議人民党を結成(1949)選挙で第1党となる(1951) 
アフリカに最初の独立国ガーナ国が誕生 初代大統領となる(1957)
全アフリカ人民会議を開催(1958)
アフリカを統一国家とするアフリカ合衆国構想が謳われる
コンゴ動乱後エチオピアの介入でハイレ・セラシエがアフリカ統一機構設立
軍と警察のクーデターで失脚(1966)ギニアで亡命生活を送る
ルーマニアのブカレストで病死あるいは暗殺説も(1972.4.27)

2009/07/10

水を飲む権利



□水、どこの水も、あなたには一滴を飲む資格がある

世界の真水がまもなく危機的に不足すると科学者たちが警告し、企業が先を争ってこれを民営化しようとするとき、ある研究者と活動家らが水は基本的人権とみなされるべきであると述べる。

6月30日に出版されたエッセーで、Public Library of Science Medicineの編集者たちは、「健康に不可欠なきれいな水を入手する権利がおびやかされている」と書く。

知性の首尾一貫した見地からみれば、この考えは検閲を通過する。国連の世界人権宣言の第25条に顔を出す、食糧と同じく水は生命に欠かせない。

今後、不十分な水が世界の病気負担量のほぼ十分の一に責任があって、死亡すべての6%は万人共有の安全な飲み水とよりよい公衆衛生を入手する手段(権利)によって防ぐことができると、WHO世界保健機関は判断する。

もちろん、それを強制するより権利を宣言するほうがずっと簡単だ。飢えを止めるとの国連の誓約にもかかわらず、10億人近くが十分食べられないでいる。そして2015年までに水を失った人の数を半減させるとの国連の約束はサハラ砂漠で雪合戦に遭遇する勝算だ。だが、Public Library of Science Medicineの編集者が指摘するように、水を人権として認めることが、少なくとも水の民営化に対処するための枠組みを提供することになる。

過去20年ずっと、IMF(国際通貨基金)とWTO(世界貿易機関)の助けを借りて、水はたった3社の企業によって支配される5000億ドルの世界産業になってきている。非営利団体Food and Water Watchが出版した報告書によると、それは米国と開発途上国の両方で大きな災難になってきている。
(3社とは、水道施設の設計・建設から運営管理、代金回収、下水処理までを一括して請け負う、フランスの通称「ウォーターバロン:水男爵」ことVeolia Environnementと同じくフランスのSuez 、イギリスのThames Waterのことだ。世界の水道利用者の5%以上が民間の水道を使用しており、その人口は10年で12倍に伸びる。そのうちの半分をフランスの2社が独占する。Veoliaは日本でも子会社を開設しており、報道によるとすでに3件受注してきている。)

昨年出版されたエッセーの中で、水問題の上級顧問Maude Barlowが国連総会の議長に「このモデルは失敗であることを立証してきている」と書いた。「高い水道料金、貧しい人々への供給停止、サービスの低下、約束不履行、そして汚染が、民営化の負の遺産である。」

国連によると、2025年には28億人が基本的ニーズを満たす十分な水がないことになる。

「水への人権アプローチは、潜在する不公正の可能性を認識して最も無防備なものが無視されないことを保証する」と編集者たちは書いた。

(WIRED SCIENCE 30 June 2009)
http://www.wired.com/wiredscience/2009/06/waterright/

セグウェイの発明者ディーン・カーメンがどんな水だろうと飲めるきれいな水に変える浄化マシーンを発明した。汚水も、海水も、毒性の水も、すべてクリーンな飲料水になる、ワォー!
(WIRED SCIENCE 25 March 2008)

道に迷ったサイモン



□犬の居場所を捜し当てようとの試み、家族の尿

写真はいなくなった犬、サイモン
サイモンは臆病でとても「近づきやすい犬とは言えない」とのこと

自宅近くの通りに家族の尿の臭いの跡を残しておくことで行方不明の犬をなんとか呼び戻そうとした家族が、市議会によって批判されてきている。

7月4日、ブリストル、クリフトンのバルテス一家のペット、10歳のラブラドール犬、サイモンがいなくなった。

サイモンが戻れなくなったとき、呼び戻すのに一家は異端の手法を選んだ。

ブリストル市議会のスポークスマンはこう言った。「環境志向の健全な観点から、私たちはこれが適した考えだとはみなしません。」

ルイス・バルテス43歳は、臭いの跡を手伝ってまくのに家族全員が金と時間を提供してきたと言った。

一家にあてつける批判を承知していたが、彼らはサイモンを連れ戻すためならなんだってするつもりだったと彼女は言った。

・非常に薄められた尿

「動揺する人々がいますが、私は感情的にへとへとになりすぎでそれについて考えられません」と彼女は言った。「気をもんでいます、ほんとうに。」

「通りで誰もがおしっこしたら、うんざりしてむかつく、そうじゃないですか?でも、それは非常に薄められたものなんです。」

ジョナサン・バルテス44歳、妻ルイス、ヘンリー15歳とクララ13歳の子どもたち。一家は、なにがなんでもサイモンを取り戻すのに必死だと言った。

猟犬の嗅覚の手がかりという考えは、行方不明の犬の飼い主に助言の品揃えを提供するウェブサイトから得たものだとバルテス夫人は言った。

「そんなことするなんて気が狂ってると感じました、でも私は自暴自棄の処置にかられました。」

「まったく普通の方法なのは明らかです。ほんのちょっとボトルに入れて、あとは水をいっぱいにつぎ足すだけです。」

「強いニオイのする食べ物を置きます、犬は食べ物に向かって行って(尿の)手がかりをキャッチします。一度やりさえすればいいことです。私たちは2つの臭いの跡を残しました。」

・飼い主の手がかり

一家は「行方不明」のポスターを掲示しており、生まれつき臆病でとても近づきやすいとは言えないサイモンの目撃となりうる情報を幾つか受け取ってきている。

だが、計画がうまくいくことに、近くの獣医は少しも楽観的ではなかった。

ブリストルの獣医イアン・ウイルスは、「おもしろい考えだとは思うが、それに効果があったとしたら、私は愉快に不意をつかれることでしょう。」と言った。

「犬が家からわきにそれて迷ったとき、犬がまずまずだったとき、犬はたいていさすらって戻るものです。」

「もし犬が飼い主の手がかりの後をつけるつもりなら、ジャンパーのような、飼い主が着たものの後をつけるでしょう。失禁問題があるのを除いては。」

当局が家族に対して措置を講ずるのはありそうもないことだと、ブリストル市議会のスポークスマンは言った。

(BBC 09 July 2009)

2009/07/06

ホンジュラスのピノチェレッティ



□ホンジュラスの空港で激突

テグシガルパ空港でホンジュラス軍が追放されたマヌエル・セラヤ大統領の支持者らを追い散らそうとするとき、少なくとも一人が殺されてきている。

セラヤ氏の飛行機はワシントンから到着したあと、暫定当局が着陸は許可されないと主張するので、首都上空を旋回してきている。

代わりに彼らは飛行機をエルサルバドルへ別ルートで向かわせようとしている。

ちょうど一週間前の彼の追放以来、大統領官邸に戻るとのセラヤ氏の要求を地域全体の指導者らが支持してきている。

彼は機内でのTVインタヴューで挑戦的なメッセージを発してきている。

「私は国民によって選ばれた軍の指揮官です、そして私は着陸して私の同胞と抱き合うのに問題ないように空港を開けよとの命令に従うことを軍隊に求める」と、彼が言ったものとしてAP通信社によって引用された。

「そこに到着してキリスト受難の十字架を掲げられるように、キリストの血で祝福された、私には十分な精神力がある。」

彼の飛行機にはミゲル・デスコト国連総会議長と数人のジャーナリストが同乗している。

アルゼンチン、エクアドル、パラグアイの大統領と米州機構(OAS)のインスルサ事務総長が、セラヤと同時にワシントンを離れ、重大ごとの発生を監視するためエルサルバドルに行く。

ホンジュラスの暫定政権は隣国ニカラグアから国境へ向かう軍隊を非難してきているが、ニカラグアはこれを否定する。

「禁止」

繰り返し石を投げつける人もいる数千人のセラヤ支持者に、暴動鎮圧用装備の軍が催涙ガスを発射した。数千人はなんとか防衛手段の非常線を突破した。

現場のAP通信のカメラマンは、人々がなんとかして防衛手段の非常線を破ろうとしたとき、空港内からの発砲によって男性が頭を撃たれていたと言った。

通信社の写真が群衆のなかのふたつの遺体を示す、どちらも死んでいると言われる。

セラヤ氏がワシントンを発つ何時間か前、ホンジュラスの暫定外務大臣エンリケ・オーテスは、追放された大統領は「なにが来ても」帰国を許可されることはないと言った。

セラヤ氏の解任は国際社会によって非難されてきている。

土曜日、OASがホンジュラスの資格停止を発表。キューバがソ連と同盟関係になった1962年にキューバが資格停止になって以来、米州機構がそのような対策を講じるのは初めてのことである。

セラヤ氏がワシントンを発ったとき、暫定政権はOASとは「誠実に」対話してきたと言った。

ホンジュラス自体はどうも、放逐された指導者の支持者と、彼を一掃した当局を支持する人々とのあいだで分裂しているようだ。

どちらの側もここ数日間抗議を行ってきている、だが、デモはたいてい平和のままである。

富裕な実業家のセラヤ氏は左翼の政治家でベネズエラのウゴ・チャベス大統領の支持者だ。

最高裁と議会の多数派を含める、彼の敵対者は、彼が統治を延ばそうと努めていると非難する。

憲法制定議会を召集することで、現行の大統領任期の一期制限を取り除いていたかもしれなかった手段、国民投票を彼は行いたかった。

(BBC NEWS 05 July 2009)
http://news.bbc.co.uk/go/pr/fr/-/2/hi/americas/8135358.stm

□ホンジュラスの首都テグシガルパのトンコンティン国際空港で5日、軍事クーデターで国外追放されたホセ・マヌエル・セラヤ氏の帰国を前に、当局側と抗議デモ参加者が衝突し、軍兵士の発砲で2人が死亡、2人が負傷した。

警察幹部はAFPに対し、「2人が死亡、2人が負傷した。警察側は発砲していない。抗議デモ参加者が滑走路に進入しようとしたため、軍が発砲した」と語った。

現場にいたカタールの衛星放送アルジャジーラのカメラマンによると、死者のうち1人は10代の少年だという。もう1人については、抗議デモ参加者は10代の少女だとしている。

現場にいたAFP記者によると、軍兵士は発砲する直前、滑走路に進入しようとした棒などで武装した抗議デモ参加者を催涙ガスを使って解散させようとしていた。

この日はセラヤ氏の帰国を目前に控え、空港周辺には約3万人が集まっていた。

(AFP 2009年7月6日)

□From:ホンジュラス 民主主義成熟の機に

ホンジュラスを訪れたのは89年の学生時代以来である。当時、周辺のグアテマラ、エルサルバドル、ニカラグアでは内戦が続いていた。ホンジュラスは親米・右翼政権で、米国に支援されたニカラグアの右翼ゲリラ「コントラ」の拠点にもなっていた。

首都テグシガルパの貧困地区は、じめじめした道路に生ごみがあふれ、悪臭が漂っていた。そこから歩いて橋を渡れば、きれいなオフィス街。すさまじい貧富の格差が当時の強い記憶として残っている。居心地が悪くて数日で出国した。

20年ぶりのテグシガルパはずっと発展していた。格差は厳然として存在するのだが、昔のような悪臭には遭遇していない。何より印象が変わったのは、クーデター騒ぎの非常時にもかかわらず、人々がとても親切にしてくれることである。

国外追放されたセラヤ大統領を支持するクーデター抗議集会の場所をおそるおそる聞くと、兵士も警官も気さくに教えてくれた。わざわざ通りまで出て、タクシーを探してくれたおじさん。日本円で50円ほどのかき氷を無理やりおごろうとする青年。おせっかいぶりに苦笑してしまうほどだ。

冷戦下も内戦は起きず、政治的立場を問わず平和志向が強いと言われる国民が、クーデターに巻き込まれたのは不幸なことだ。左傾化したセラヤ氏を追い出した暫定政権は「クーデターではない。合法だ」と主張する。しかし、軍は大統領を連行し、裁判もせず、パジャマ姿のまま国外に追い出した。国際社会が非難するのは当然だ。

驚いたのは米国がすぐにクーデターを非難したことだ。中南米右派の軍事クーデターの歴史には必ずと言っていいほど、米国の影があった。チリの軍事独裁者として左翼活動家を弾圧し、3000人以上の死者・行方不明者を出したピノチェト将軍の73年のクーデターを米国が支援したことは、象徴的な史実である。

最近では、反米姿勢で知られるベネズエラのチャベス大統領追い落としを狙った02年4月のクーデター未遂事件がある。当時のブッシュ米政権は軍の一部が擁立した暫定大統領を早々に承認したのだが、チャベス氏は48時間後に復活し、米国は大恥をかいた。

この苦い教訓もオバマ政権の対応に影響したのかもしれない。オバマ大統領はホンジュラス暫定政権を承認せず、中南米諸国と足並みをそろえているが、過去の歴史を考えれば、隔世の感がある。これが「チェンジ」というものなのか。

今回のケースは親米派であれ、クーデターという手法では米国の支持は得られないという前例になったと言えるだろう。混乱の行方は見えないが、中南米の民主主義成熟の機会になるかもしれない。

ミチェレッティ暫定大統領は悪名高いピノチェト将軍にちなみ、「ピノチェレッティ」と呼ばれている。こんな不名誉な称号を与えられる指導者は、これが最後であってほしい。

(毎日新聞 2009年7月6日 by 庭田学)