見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2010/08/20

オバマにもっと時間をやれよ



◇バラク・オバマ大統領はイスラム教徒だと、不適切に真に受けるアメリカ人の数が次第に大きくなるのを調査が提示する。

3003人のアメリカ人を対象にしたPew Research(教会の座席・リサーチ)によれば、2009年3月の11%から上昇の、約18%が大統領はイスラム教徒だと言っている。

そのうち共和党員の数は34%だった。彼らの三分一がオバマ氏をキリスト教徒と正しく識別するのに冷笑的だった。

世論調査は、オバマ氏がグラウンドゼロのそばにイスラム教徒のセンターを建てるイスラム教徒の権利を擁護した8月13日の前に行われた。

質問された人の43%がオバマ氏の信仰がどれなのかわからないと言っている。

・蔓延するウソ誤り

ホワイトハウスは、オバマ氏の宗教について誤解される信仰を、彼の政敵によって付きまとわれる「誤報キャンペーン(一連の作戦行動)」のせいにする。

「大統領が自分のキリスト教徒らしい信仰に忠実で自ら献身的であるのに対して、 大統領と彼の価値観や信念について捏造をまき散らすことに専念する人びとが確かにいる」とホワイトハウス信仰補佐ヨシュア・デュボアはAFP通信社に語った。

およそ大統領の信仰の信念が彼の従事する政治的な判断に密接にリンクするのを世論調査は見いだした。

(BBC 19 August 2010)

◇フランス政府が、不法移民取り締まりで拘束したロマ人約700人を19日からルーマニアとブルガリアに強制送還すると発表し、EU(欧州連合)や関係政府から「外国人嫌悪からくる排斥だ」などと強い批判が起こっている。

ロマ(ジプシー)の強制排除をすでに開始しているパリ南東のヴァル・ド・マルヌ県は、代わりの住宅を与えるなどの支援は一切行わないと断言している。また、ボルドー地方南部では、ロマの家族約140人がトレーラー住宅で居住を続ける承認を裁判所に求めていたが、却下された。

ロマ人口の多いルーマニアのテオドル・バコンスキ外相は18日、仏ラジオRFIのルーマニア局に対し、「経済危機を背景に、ポピュリズムや外国人嫌悪が強まる危険性を心配している」と深い懸念を表明した。

ロマに関するルーマニア担当相によると、18日から週末にかけて、フランスから追放されたロマ人を乗せた飛行機が同国に到着する。

仏政府はこれまでも「自主的帰還」と称する措置で、ルーマニアおよびブルガリアへのロマ人の帰国を促しており、前年は両国へ計約1万人が帰国したが、ニコラ・サルコジ大統領が賛否両論の中、コミュニティーごとの放浪生活を基盤とするロマなどの移動生活者集団の強制排除に乗り出して以来、仏政府がロマ人を強制送還するのは今回が初めてだ。

EUの行政執行機関である欧州委員会は18日、仏政府に対し、EUが保障している域内の「移動の自由」を順守するよう警告した。 

しかし仏外務省は、「不法移民のキャンプ撤去に関する今回の一連の措置は、EUの規定に完全に準拠したもので、各協定で保障されているEU市民の移動の自由を妨げるものではまったくない」と反論している。

フランス国内にいる東欧出身のロマ人は約1万5000人とされている。

(AFP 2010年8月19日)

◇フランス政府は19日、国内各地にキャンプを設置していた少数民族ロマの国外退去を開始した。同日、93人が母国のルーマニアに向けて仏政府の特別チャーター機で出国。26日までの一週間で計700人を同国とブルガリアに帰国させる。

国外退去は、域内の人の自由な往来というEUの基本方針に反する可能性もあり、ルーマニアのバコンスキ外相が18日に少数民族排斥の懸念を表明した。サルコジ政権は7月末、犯罪を犯した外国出身者の国籍剥奪などの強硬方針を表明。今月に入り、パリ近郊のロマ族のキャンプ51カ所を強制的に取り壊した。今回送還されるのは、これらのキャンプの住民。仏政府の指示に従ってチャーター便に乗れば大人300ユーロ(約3万3千円)、子ども100ユーロの手当が支給され、拒否すれば1カ月以内に自力でフランスを出国することが命じられる。

(東京新聞 2010年8月20日)

◇ロマ民族への差別を批判した米歌手マドンナに対する感謝のしるしとして、自称「ロマ民族の王」が金のプレートを贈る手配を整えていると、ルーマニアの通信社メディアファクス(Mediafax)が5日伝えた。

マドンナは昨年8月、ルーマニアの首都ブカレストで「スティッキー&スウィート・ツアー」の公演を行った際、「東欧で一般的に行われているロマ民族への差別を大変悲しく思っている」と発言した。  

「ロマ民族の王」を名乗るFlorin Cioaba氏は5日、ルーマニア・シビウで会見し、「マドンナはロマ民族に対する差別について世界中の関心を喚起した。その功績は極めて大きい。よってロマ民族は感謝の意を示したい」と語った。

ルーマニアは欧州で最大のロマ民族人口を抱える国の1つで、「ジプシー」とも呼ばれるロマ民族への差別も根強い。前年9月の世論調査では、国民の10人中7人が「ロマ人を家族に迎えたくない」と答え、マドンナが公演で差別について発言した際には観客からは激しいやじが飛んだ。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは前年、ロマ民族の差別撤廃に向けた努力に欠けるとして、ルーマニア政府を非難する声明を出している。

(AFP 2010年1月6日)

ロマの人びとジプシーのこと、わたしはエミール・クストリッツアの映画で知るようになったが、
ジプシーの音楽と生き方に共感を表現してきたジョニー・デップはなにか発言しているかしら...
写真はキャンプ地で生活するジプシーの子(BBC)

セックスピストルズのジョニー・ロットン(PILのジョン・ライドン)が最近言っていた
「オバマにもっと時間をやれよ、なんてったってあのブッシュの8年!の後なんだぜ... 」 その通り!

2010/08/17

教えて なぜ戦争したの?



昨日の夕刊 ちょっとよかった!
シンディ・シーハンと、海兵隊員からアルジャジーラの記者になったジョシュ・ラッシングのこと書いてあった...

◇イラク深き淵より(12)教えて なぜ戦争したの?

2005年8月、米テキサス州クロフォード。
シンディ・シーハン(53)は、ブッシュ大統領(64)が夏休みをとっている牧場のそばの道ばたで、面会を求めて座り込みを続けていた。
最愛の息子、ケーシー・シーハン陸軍軍曹は前年の4月、イラクのバグダッドで武装勢力に殺された。24歳だった。
シーハンは、ブッシュに会って、直接聞きたかった。
「なぜ、私の息子は死ななければならなかつたの?」
「あなたは一体、何のためにこの戦争をしたの?」
シーハンは思った。
「大統領の地位は、人々の意思を超えるものではない。だから人々が声を上げたら、それを聞くのは、大統領の責任だ」
座り込みをするのは、「それこそがアメリカに対する私の責務」と考えたからだ。
シーハンの行動がきっかけとなって、全米で「イラク戦争反対」の世論が起こり、人はいつしか、シーハンを「反戦の母」と呼ぶようになった。
一方、集会などの場では、保守派から「息子の死を政治的に利用した」「テロリストの味方」「嫌な女だ」などの中傷も相次いだ。
シーハンは2007年、平和活動からの引退を表明したが、その後、活動を再開した。
「多くの心ない批判を受けてきて、気持ちが萎えたことはなかったですか?」
米フィラデルフィアで会ったシーハンにたずねた。
彼女の答えはこうだった。
「子どもを埋葬する悲しみに比べたら、そんなこと、何でもありませんでした」

アメリカを愛するがゆえに、米国を批判し、大義のない戦争に反対する。その責務を別の形で果たす米国人もいる。
イラク戦争の時、米海兵隊に所属していたジョシュ・ラッシング(38)は、中東カタールにある米中央軍司令部で、世界から集まってきた記者に、報道官として対応した。
当時は「イラク戦争は正しい戦争だ」と心底信じていた。
だが、多くの米国の記者と接しているうちに、心の中に疑問が芽生えてきた。
「米国の記者は、国民から『愛国的ではない』とみられることを恐れていた。だから、『軍がいいたいこと』を事前に私から聞いて、その通りの質問をした。つまりは、ブッシュ政権のメッセージをたれ流していただけだった」
一方、ラッシングは「反米メディア」と批判された中東の衛星テレビ局、アルジャジーラの記者ともつきあった。
ラッシング自身、最初はアルジャジーラに偏見をもっていた。だが、爆弾が落ちた地点に駆けつけて人々の悲しみを伝えようとする彼らの報道姿勢をみて、次第に考えが変わった。

1本の映画が、ラッシングの人生に影響を与えた。
アルジャジーラの内幕を描いたドキュメンタリー映画に、報道官としてアルジャジーラ側と議論をする自分の映像が使われていたのだ。ラッシングはそのことを知らなかった。
映画は米国などで上映され、ラッシングのもとには「アルジャジーラの話をしてほしい」という講演の依頼が殺到した。
だが、米国防総省は「余計なことはいうな」と口封じをしようとした。
ラッシングは、反発した。
「自分は、米軍やアルジャジーラの実態などを体験的に知った。その体験を米国民に知らせる責任があるはずだ」
悩んだ末に海兵隊をやめた。
やめた理由は、入隊した理由と同じ。「市民としての義務」を果たすため、だった。
その後、英BBCを辞めてアルジャジーラに転職する人から声をかけられ、アルジャジーラ英語放送の記者に転身した。
「売国奴」「裏切り者」
全米から猛烈な批判を浴びた。だが、ラッシングは「後悔は少しもしていない」と胸を張る。彼は、「使命 アルジャジーラ」という題の本を書いて、自らの思いをつづった。
そのサブタイトルはこうだ。
「橋を架け、真実を探し、世界を変える」 

(朝日新聞 2010年8月16日 by 松本一弥 人脈記)

2006年3月14日、ワシントンDC在住フリーランスTVディレクター(ブログ名Teddy)は高いハードルをクリアーしてジョシュ・ラッシングとの日本のTV向け単独インタビューにこぎ着ける。以下は彼女のブログにアップされたジョシュとのやりとり。

質問:米中央軍司令部の広報官をしていたときに、疑問を感じたことがあったか?

ジョシュ:中東で影響力の大きいアルジャジーラにどこまで取材許可を与えるかについて、上官からいつもネガティブな答えをもらっていた。自分の中では、アルジャジーラには最大限アメリカ軍を取材させるべきと思っていたのに。

質問:その中央軍司令部時代に広報官としてアルジャジーラに接し、彼らの報道姿勢をどのように感じた?

ジョシュ:アメリカ人の大半は、その放送内容を見たこともないのにアルジャジーラにネガティブなイメージを持っていた。私も全く同じ偏見を持っていた。記者たちに実際に会ったとき、だが、もっと彼らの放送内容について知りたいと思った。

質問:アメリカのメディアがプロパガンダだと感じたことはあるか?


ジョシュ:もちろん。正しい質問をしていないといつも思っていた。軍の取材をするアメリカメディアの中には、生中継の前に「きょうは何か伝えたいメッセージはありますか」と聞く記者がいる。それで、私が「こういうことを伝えたい」というと、そういうメディアの記者は「わかりました。じゃあこういう質問をしますから、言いたいように答えてください」などと言う。つまりインタビューのやらせだね。そして中継が終わったら、そういう記者は私の肩をポンと叩いて、「サンキュー・フォー・ユア・サービス(国のために尽くしてくれてありがとう)」などと言うんだ。というのも、軍の制服を着た若者をTVで見たときに視聴者が批判的になるはずがないと思っているからね。

質問:アルジャジーラに転身しようと決めた直接のきっかけは?


ジョシュ:2003年7月にカタールから帰ってきた。2004年2月、海兵隊のロスの事務所でハリウッド向けの撮影窓口の広報をしてたときに、ある日留守電にこんなメッセージが入っていた。
「 I just want to say thanks for the movie, I saw it at Sundance, the film festival. 」(映画のことでお礼が言いたい、サンダンスの映画祭でそれを見ました。)
一体何のことだか、全くわからなかった。けれども、カタールに駐留していた時に私とアルジャジーラを題材にしたドキュメンタリー映画がいつの間にか作られていたことがわかった。アメリカン大学の大学院の学生が、課題を撮りに来たと言っていたが、それがいつの間にかドキュメンタリー映画になっていたんだ。
これが、海兵隊を辞めるきっかけになった。映画に出たことで、「アルジャジーラについて講演をしてくれ」という依頼がたくさん舞い込むようになったのに、軍側が「軍に在籍しながら、アルジャジーラについて講演をしてはならない」と伝えてきたからだ。

質問:メディアへの転職、でもなぜ、アルジャジーラでなければならなかったの?

ジョシュ:チャンスが転がってきたから。アルジャジーラから連絡があって「英語チャンネルを開局するからやってみないか」と言われて、パーフェクト・フィットだと思った。 なぜなら、自分がこれまで説いてきた、「もっとアルジャジーラにアメリカ人が出演しなければならない」 というのを、実践できるんだからね。

質問:イラク戦争でアメリカの政府高官は、アルジャジーラは偏向しており、暴力をあおっていると批判した。そうした政府高官の批判をどう受け止める?


ジョシュ:アメリカでは、たくさんの人がアルジャジーラについて強い意見を持っているけれど、実際の放送を見たことのある人は、ほんの一握りしかいない。こういうのを「教科書しか読んでいない無知」というんだね。
アメリカメディアは戦争を間違って伝えている。従軍記者の伝える、アメリカ軍の目線をそのまま垂れ流すんだ。それ以外の目線での報道をすると、アメリカ人たちをびっくりさせてしまうんだよ。
こんなたとえがある。「CNNはミサイル発射を報道し、アルジャジーラはミサイル投下を報道する。」全く正反対の、ものの見方だよね。
でも、多くのアルジャジーラ批判報道は根も葉もないウソ。たとえばラムズフェルド国防長官(当時)は、「アルジャジーラは米兵の斬首を報道している」と批判したけれど、本当のところは、アルジャジーラは一度も斬首を放映したことはないんだ。これからもする予定はないよ。

質問:アルジャジーラ英語放送で、どんな番組を作りたいか?


ジョシュ:アメリカ人に、アメリカ以外の国の文化を理解させるような番組を作りたい。それに多分、アメリカ人の価値観を世界に広めることもできる。アメリカとアメリカ以外の国の文化の架け橋になりたいんだ。アルジャジーラの編成部長は、「the America isn’t good understanding the rest of the world, the rest of the world isn’t good at understanding America.」(アメリカはその他の世界をよくわかっていない、その他の世界はアメリカを理解するのがうまくない)と言っている。

質問:アメリカの軍人、海兵隊員が今度はアルジャジーラの一員となった。これからのあなたの使命は?


ジョシュ:アメリカ市民の私と海兵隊員だった過去と現在の仕事には何ら対立するものはないよ。私がこうしてアルジャジーラに就職したことも誇りに思っている。英語の国際放送で最も信頼されるニュースソースになること、これが私たちの使命だと思っている。

質問:記者としてインタビューしてみたい人を3人挙げると、誰?


ジョシュ:キューバのフィデル・カストロ、オサマ・ビン・ラディン、ドナルド・ラムズフェルド国防長官(当時)かな。

http://teddylog.way-nifty.com/teddy_1999/2006/03/post_28ef.html

写真は、2007年デモクラシーナウ!の番組に出演したときのジョシュ

2010/08/16

常軌を逸した気候



◇気象学者:ロシアの猛暑記録は何万と死ぬ可能性もある

ロシア全土の野火。パキスタンの壊滅的洪水。インドと中国の生命を奪う土砂崩れと鉄砲水。アメリカ合衆国全域の猛暑。ニジェールの深刻な干ばつ。全部相まって、科学者たちはこの事象が、地球温暖化によってもたらされる極端な気候結果に匹敵すると警告します。今年(2010年)は予定通り、1世紀以上前に始まった信頼できる気温記録以来、最も高温になるはずです。主として化石燃料がもとで排出される温室効果ガスの増大に因って。

(デモクラシーナウ!10 August 2010)

◇ロシア森林火災とパキスタン洪水の関係

ロシアの森林火災とパキスタンの洪水という2つの破壊的な自然災害が、ユーラシア大陸の別々の場所で猛威を振るっている。しかし、どちらも地球上で最も強力な大気の動きの1つである「アジアモンスーン」と関係があるという。

アメリカ、コロラド州ボルダーに本拠を置く国立大気研究センター(NCAR)の上級科学者ケビン・トレンバース氏は、「モンスーンは季節風とも言い、夏になるとパキスタンをはじめアジアの広い地域に大雨や洪水をもたらす。温められた大陸上の空気が上昇し、それを補うために海から大陸へ湿った風が吹くためだ。この大気循環の影響はヨーロッパにまで及ぶ」と話す。

モンスーンによって上昇した大気はどこかで下降する必要がある。また、広範囲に広がったモンスーンの影響で、上昇した熱い大気の大部分が高気圧となってロシア上空に滞留している。これが熱波をもたらしている原因だ。さらに、高気圧付近では大気が下降するため、雲も形成されにくい。「これは正常な循環パターンだが、地球温暖化がもたらす海面温度上昇によって作用が強まっている」とトレンバース氏は付け加える。

例えば、インド洋北部の海面温度は1970年代以降で1.1度上昇した。海水温が高くなると大気中に放出される水蒸気が多くなり、モンスーンによる降雨量も増加する。「自然変動と地球温暖化の両方から影響を受けている点に注目してほしい。例えば、最近数カ月間のエルニーニョ現象(太平洋中央部から東部の熱帯域で周期的に発生する海水温の上昇)も、インド洋での海水温上昇の一因と考えられる」とトレンバース氏は言う。

ニューヨークタイムズ紙によると、パキスタンでは今年のモンスーン豪雨により過去80年間で最悪の洪水が発生、約1400万人が影響を受けた。

史上最悪の猛暑が続くロシアでは森林火災が広がっている。通信社ブルームバーグによると、火災によるスモッグで覆われたモスクワ周辺では、38度前後の気温が数週間続いており、下がる見込みも当面ないという。モンスーンによる大気層が地表から数キロ上空に居座って高気圧が発生し、火災の煙が滞留している。

民間気象予報サービス会社「ウエザー・アンダーグラウンド」の気象学ディレクター、ジェフ・マスターズ氏は、「今年、ロシアとパキスタンはどちらも記録的な猛暑に見舞われている。1880年代後半の観測開始以来、最高レベルの暑さだ」と7月に米ナショナルジオグラフィックニュースの取材に対して語っている。

2010年は9カ国で最高気温が更新され、パキスタンでは5月26日にアジアで過去最高の53.5度に達した。

米国海洋大気庁(NOAA)の国立気候データセンター気候監視部で責任者を務めるディーケ・アーント(Deke Arndt)氏も、森林火災とモンスーンとの関係性に肯定的だ。「大気の停滞も災害が長引いている原因かもしれない。夏にはよく起きる現象だが、今年は例 年になく“頑固”で長く続いている。」

この閉塞状態が発生すると、大気風がもたらす大規模な嵐や熱波などの気象現象が1カ所で長期間続く。「例えばアメリカでは、夏の嵐が同じ場所に1週間も居座り続ける」と同氏は説明する。

「こうした気象現象は強力で粘り強い特徴がある。インドやパキスタンに連日雨が降り、ロシア西部で猛暑が続くのもこのせいだ。このような自然現象と気候との関係を定量化するのが気象学者の役割と言えるだろう」とアーント氏は語る。

「ロシアとパキスタンの災害は、個別に起きているわけではない。大気中のさまざまな現象がリンクしている格好の例だ。」

(ナショナルジオグラフィック・ニュース 12 August 2010 by Christine Dell'Amore)

◇常軌を逸した気候は停滞するジェット気流のせい

ロシアのすごい酷暑と現在のパキスタンの壊滅的洪水は、もしかしたら異常なジェット気流の動き具合に関連づけられる可能性があると科学者は信じる。

ジェット気流は西から東に地球をぐるぐるまわり、普通はイギリスを渡って大西洋の低地に連続した雨、ただほんの穏やかな雨を降らせる。

しかし、現象を研究する気象学者は、それが気象体系を一カ所にとじこめて常軌を逸した事情を引き起こす異常な待機状態をもたらしていると言う。

ジェット気流は普通はその特徴を示すウェーブのようなパターンを作り出すRossbyウェーブによって保たれている。

現在のこの急速な回転の強力な風は地球の形態と回転によってもたらされて、高所でジェット気流を東から西に突き動かす。

『ニューサイエンティスト』誌の記事によれば、目下のところ科学者たちはRossbyウェーブがジェット気流のいつものパターンに逆らって作用しており、同じ場所に滞らせる。

7月半ば以来、普通はいつも東へ移動するジェット気流が、Rossbyウェーブがそれを押しとどめるほどに強いので一カ所に滞っている。

ジェット気流が一カ所にとどまるとき、うねりの流れの間に正確に表される気象体系を妨げる。寒気が気圧の谷を移動する間に暖かい大気が北の最高峰まで追いやられる。

レディング大学のマイク・ブラックバーン教授は、停滞したジェット気流はおそらく60人が死亡する日本の酷暑やイギリスの突然の暖気の終わりの原因となっていると信じる。

パキスタンでは、どうしようもない悲惨な結末をもって、停滞事象が夏のモンスーン(季節風)と同時に起った。

パキスタンのほとんどを襲う強烈な季節風によって誘発される洪水は、ほぼ2週間前に起こり、およそ1600人を死なせ、200万人以上を家から追いやった。

水浸しになる村々から生き残った多くの人が、農作物や家畜はもちろん、食料の蓄えを失ってきており、救援の施しものを受けて切り抜けている。

ロシアでは、動かないジェット気流が息苦しい条件とモスクワの恐ろしいスモッグを作り出すアフリカからの熱気を引き込んだ。

多数の野火が3つの時間帯を横断して燃えてきている。プーチン首相は昨日、モスクワまでもう少しのところの火災に水を投げ落とすため、消火活動の飛行機に乗り込んだ。モスクワでは煙が濃厚なスモッグの原因になっている。

比較的近年の太陽活動にそれらを関連づけるいくつかの調査が存在してきているとは言え、「停滞事象」の原因に対して科学者はまだ不確かだ。

(Daily Mail 15 August 2010)

▽もっと読みたい方はこちらからどうぞ↓
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-1302225/Blocked-jetstream-blame-freak-weather-Russia-Pakistan.html##ixzz0wecYpXZS

写真は洪水に見舞われたパキスタンの8月15日