見つけた 犬としあわせ

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2015/01/06

イスラエルの懲罰作戦

◇国際刑事法廷という手段からイスラエルがパレスチナの税金資金を凍結
税金を取り上げるイスラエルの決定をパレスチナ人指導者は窃盗(海賊行為)や”集団懲罰”の行為を伝えるものとみなす
ガーディアン紙(エルサレムAP通信)3 January 2015

イスラエルのメディアによると、ハーグの国際刑事法廷に合流するパレスチナの手段の報復として、イスラエルがパレスチナ人に代わって徴収する税収の譲渡を停止させた。

今週初めにパレスチナ人は、イスラエルに対する戦争犯罪の告発を遂行するため、ハーグの国際刑事法廷に合流していると発表した。この手段はイスラエルに圧力をかけてパレスチナ人が将来の国家として要求する領域から撤退する意味を持った。

この手段はイスラエルやそれを”逆効果”と呼ぶアメリカ政府からの非難で報復のおそれを引き出した。

日刊紙ハーアレツは日曜、イスラエルが現行の暫定平和協定の下でパレスチナ人のために徴収し毎月パレスチナ当局に譲渡する税金を取り上げることにしたと報じた。ハーアレツ紙によると12月の税の譲渡は約1億2700万ドル。
無名のイスラエル政府当局者が報道の内容を確認したが、詳しく述べることを断った。
パレスチナ上級交渉役のSaeb Erekatは、それを窃盗行為でパレスチナ人に対する”集団的懲罰”と呼んで、イスラエルの作戦的行動を激しく非難した。
「もしもイスラエルが経済的な圧力を通じて私たちの自由と独立からのアプローチを転換することに成功すると考えるなら、それは間違っている」と ErekatはAP通信に語った。「これはパレスチナの人々のお金であってイスラエルは援助国ではありません。」
イスラエルは前に税の譲渡を止めたことがあったが、そのような凍結は短命だった。
資金を取り上げることは、ヨルダン川西岸の入植地建設を拡大することやある一定の特権を抑制することを含め、イスラエルがパレスチナ人民に対して取ることができた幾つかの行動の一つにすぎない。イスラエルのチャンネル2ニュースが土曜の夜、ベンヤミン・ネタニヤフ首相がさらなる報復のステップを議論するためにまもなく内閣を召集すると報じた。アメリカ政府は、どのように反応するか言わなかったが、パレスチナ人への援助で数億ドル提供する。
ハーグの国際法廷に救いを求めることは主要な政策転換の徴候であり、パレスチナのマハムード・アッバス議長のイスラエルとの関係が緊張から公然の敵に変容する。
昨年春のアメリカ仲介の和平会議の挫折、夏の間のガザにおけるイスラエルとパレスチナ武装勢力との50日戦争、最近のきわめて破壊的なパレスチナ人のイスラエル人攻撃の多発、そしてエルサレムの重要な聖地へのアクセスにふりかかる不穏を通して緊張が高まる真っ只中、アッバス議長はイスラエルに対してより強硬な措置を講じることで国内の重圧を受けていた。
△写真のキャプション:イスラエルからの経済圧力は、その多くが貧乏暮らしをするパレスチナ人への”集団懲罰”に相当するとパレスチナ上級交渉者のSaeb Erekatは主張する。Photograph: Wissam Nassar/Xinhua Press/Corbis
http://www.theguardian.com/world/2015/jan/03/israel-tax-payments-withhold-palestine-international-criminal-court

キューバ国民の利益

◇キューバの人びとの利益
オバマ大統領の歴史に残るキューバへの門戸開放はとっくに機が熟しており、カストロ独裁の終焉を早める見込みがある。和解を罵倒する批判者は、半世紀のあいだ惨めに失敗してきた方針がなぜこれまでうまくいくと考えたかを説明しなくてはならない。
キューバのどんなところが分別ある人々を気でも狂ったようにふるまわせるのか?合衆国は冷戦の間ずっとソビエト連邦と完全な外交関係を維持した。決して平和運動家のペアでないリチャード・ニクソンとヘンリー・キッシンジャーが中国に門戸を開放した。抑圧的な敵対的政権と交渉をする最良の方法として、歴史は大いに関与の証拠となる。それにもかかわらず、キューバはそれとは違って待遇されなければならないと強硬論者は言い張る。
島を訪れることで若干の人たちの考えを変えさせるかもしれない。私は著書「Last Dance in Havana」のリサーチをするうち、2000年~2004年に10回キューバに行った。どの旅も、私に、カストロ政権はさほどではなくキューバ国民を重視させた。
私が出会ったキューバ人はエネルギッシュで野心的でよく教育されていた、そして目盛りを定めた抑圧と頑固な官僚機構と熱帯の気まぐれという組み合わせにより統治する老人支配政府によってすっかり抑えつけられていた。今日許されたことが明日には非合法化されるかもしれなかった。
豊富な人的資本を考慮すればキューバはここまで貧しくないはずだ。これはほとんど実にひどい経済理論と経営手腕のせいだ。残りの世界が了解するように共産主義は財を造るのがダメだ。しかし、敵対するアメリカの政策は都合のよいスケープゴート(犠牲)と抑圧にとって合理的なものをカストロ兄弟に提供してきた。
ある日の午後、フィデル・カストロがまだ人気があり、国を受け持っていた頃、若いアスリーツで満員のハバナ公会堂でひげのあるこの人物が話しかけるのを聞いた。要するに、愛国心と良好な健康状態への即興の絶賛だったものの中に、彼は、封鎖、アメリカの通商停止や北部への覇権大国の容赦のない”正当な理由のない攻撃性”について反復して使用する文句を挿入した。

50年以上の間、カストロ政権は、キューバ革命を破壊して例えば教育、医療、スポーツのような分野でのキューバの成果を無にしようと努める合衆国からの絶えず続く脅威のために、不幸にして表現や集会の自由のようなぜいたくが聞き届けられなくなるとキューバ人に話した。

このお定まりの話を無批判にうのみにするキューバ人に私はほとんど出会ったことがない。だが、政権の痛烈な批判者を含め、もっぱらカストロに権力にしがみつく名目上の理由を与えているとはいえアメリカの政策は逆効果だったと考える多くのキューバ人に私は会った。

完全な外交関係を樹立するとの水曜の合意を最後までやり遂げるとして、ラウル・カストロ議長はどうしても時の試練を経た議論のお定まりの話をやめることになる。それはかなり命がけであるに違いないと思うがどうか。

実際、キューバ経済は政府がかつては考えられない民間部門の経済の拡大を許可せざるを得ないほど死にかけている。キューバ人は現在、資産を合法的に売買でき、限定されたままとはいえ、企業(事業)主の手腕が奨励される。改善はためらいがちで不十分かもしれないが、社会主義者の原則が食卓に食べ物を並べないとの嫌々ながらの認知をもたらす。
合衆国の利益となるようにとても一方的な協定でオバマが勝利した理由がこの自暴自棄だ。オバマは、すでに長期投獄されている3人のキューバ人スパイを釈放した。見返りにキューバはそもそも一度も逮捕されてないし刑務所に入れられたこともないアラン・グロスと、合衆国のためにキューバ国内でスパイ活動をしたRolando Sarraf Trujilloを自由にした。そのうえキューバの刑務所でみじめな生活を送っていた53名の政治犯とやらを釈放した。
完全な外交関係を樹立することは、タダで提供されるサービス品ではなく、アメリカの利益とみなされるべきだ。その他のかつての共産主義世界を相手に私たちが経験から学んできたように、キューバ人に提供するアメリカの価値と理想にもっとたくさんさらされる状態はなんでもアメリカの利益をはかることになる。強硬に主張するカストロ政権の反対者は渡航禁止と貿易禁止を完全に解除するよう議会に迫っていて然るべきなのだ。ハバナのホテルを販売担当者と不動産開発業者でいっぱいにしなさい、太陽を求めるアメリカ人観光客でヴァラデロのビーチをあふれさせなさい。
このどれもキューバ共産党にとって”ライフライン”ではない。それは中国版同様、いつでもすぐに崩壊しそうではない。協定は目的遂行の手段になりうるとして正しく見なされるべきであり、より深遠でより有意義な改革に向かってキューバ政権を動かすと私は考える。カストロ兄弟にとって非常に不利な週、そしてキューバ国民にとっては非常に喜ばしい週として、歴史はこれを記録するだろう。
http://www.truthdig.com/report/item/a_win_for_the_cuban_people_20141219