見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2016/02/24

アップルのスタンス

40都市以上のアップルストアとFBI本部の外の抗議者たちがiPhoneのセキュリティを弱めろとの政府の要求を押し戻す
(写真)

「iPhoneのロックを解除せよ」とのFBIの要求をティム・クックCEOが拒否した問題で、ティム・クックが社員にメモを送り、BuzzFeedがそれを入手した。そこには暗号化の議論に関するアップルのスタンスがわかりやすい言葉で書かれている。

FBIはアップルに対し、セキュリティ機能を削除した特殊なiOSを作るよう求めており、それはどんなiPhoneでも解除できる道具、マスターキーを作り出すことになる。それによって「政府の力を拡大するような法的前例になる」と言って、アップルは命令を拒否している。

政府の言い分として、FBI長官ジェームズ・コミーが、「前例を作ろうとか、何らかのメッセージを送ろうということではない」と言っている(2月21日国防ブログLawfare)。「我々はただ、捜査令状でもって、テロリストのパスコードを推測できるチャンスを手に入れたいだけだ。誰かの暗号を解読しようとか、マスターキーを出回らせようとか、そういったことは考えていない。」

▽ティム・クックのメモの翻訳(GIZMODO)より抜粋

私たちは個人としても企業としても、テロリストに対して許容も共感もしません。彼らがサンバーナーディーノで起こした悲惨なテロのような言葉を失うほどの事件を起こすとき、私たちは当局による被害者のための正義追求を助けようと働きます。そしてこの件でも、まさにそうしていたいです。
この事件は1台のスマートフォン、一事件の捜査以上のものになっており、政府からの命令を受け取ったときに声を上げる必要があるとわかっていました。これには、法を順守する数億人のデータの安全性、そしてあらゆる人間の人権を脅かす危険な前例となるかどうかがかかっています。
みなさんご承知の通り、私たちは暗号化によって顧客を保護し、顧客のデータを囲い込んでいます。私たちはあらゆるソフトウェアのリリースにおいてセキュリティを改善すべく努力しています。なぜなら脅威は常により頻繁になってきており、より洗練されていくからです。
政府の命令を支持する人たちの中には、データ保護を2013年9月にリリースしたiOS 7にまで戻すよう求めている人もいます。iOS 8以降、私たちはiPhone自体もユーザーのパスコードなしでは読めないようにデータを暗号化するようになりました。このため、もしiPhoneが紛失したり盗まれても、私たちの個人データや会話、金融や健康の情報も、はるかに安全になりました。私たちはみな、その進歩に関して時計を逆戻りさせることはひどい考えだと知っています。
私たちの仲間である市民のみなさんも、そのことを知っています。先週ずっと私は全米50州の数千の人たちからメッセージを受け取り続け、圧倒的多数の人は強い支持を表明してくれました。ある13歳のアプリデベロッパーは、私たちが「未来の世代すべて」のために立ち上がったことに感謝してくれていました。30歳の退役軍人は「私の自由と同じく常に私のプライバシーを宝だと考えている」と言いました。
社員のみなさんからも多くの声を聞き、その支持にとても感謝しています。
多くの人がまだこの件について疑問を持っており、ぜひその人たちに事実を理解していただきたいと考えています。そこで私たちは、apple.com/customer-letter/answers/に疑問への答えをポストし、この件についてより多くの情報を提供しました。みなさんもぜひ読んでください。
アップルは他でもない米国企業です。政府が保護するはずの自由(freedoms and liberties)を中心とした事件において政府と反対の側にいることが正しいとは感じていません。
私たちの国は常に結束するときに最も強くなってきました。私たちが考える前進するための最善の道は、議会の一部で提案されたように政府が全令状法に基づく要請を引き下げ、委員会または他の諜報や技術、人権に関する専門家のパネルを作り、法執行や国防、プライバシー、個人の自由に対する意味を議論することだと感じています。アップルはそのような取り組みには喜んで参加したいです。
人々はアップルがデータの安全を守るものと信じており、そのデータはあらゆる人の生活の中でますます重要な部分を占めつつあります。みなさんはそのデータを私たちが製品の中に作りこんだ機能によって保護するという素晴らしい仕事をしてくれています。どうもありがとう。

ティム

http://www.gizmodo.jp/2016/02/cook_on_iphonelock.html
http://gizmodo.com/tim-cook-wants-a-government-commission-to-settle-the-ip-1760534758

2016/02/22

43年の独房監禁状態

◇43年独房監禁状態の後、アルバート・ウッドフォックスが刑務所から釈放される
広く拷問として糾弾される監禁形態で40年以上の後にアメリカの最も長く持続する独房監禁状態の囚人がルイジアナで釈放される

43年間、ほとんど間断なく6×9フィートの独房に隔離して拘留されたアルバート・ウッドフォックスがルイジアナの刑務所から解放された。

常に無実だとはっきり言った1972年の看守殺しの結果として孤独にしておかれたウッドフォックスはWest Feliciana教区収容所から解放されることで金曜69歳の誕生日を祝った。それは苦痛を伴う喜びだった:自由を奪われた人はついに広く拷問として糾弾される監禁形態を逃れた、そしてそれは40年以上の間、彼からあらゆる意味を持った人間の接触を剥奪した。

とてつもなく長い間、ウッドフォックスは1日のうち23時間を独房におかれた。残り1時間、彼は独房から出て運動場(囲いをされた小さなコンクリートの領域)に行くのを許されたが、足かせで拘束され、おまけにそこでひとりにしておかれた。

昨年11月、連邦第五巡回控訴院裁判官ジェームズ・デニスはウッドフォックスの監禁状況をことばで述べた。「妥当な有罪判決なしにウッドフォックスは彼の人生の厖大な大部分を圧倒的な寂しさの窮屈な独房の中で、ほとんど目覚めている時間のすべてを過ごした」と彼は言った。

弁護団によって発表される声明でウッドフォックスは、いつ何時もアメリカの囚人8万人が分離して拘束されるのに遭遇する独房監禁のむちに反対するキャンペーンに新発見の自由を用いると言った。「今は独房監禁の野蛮な使用を終わらせることにすべての努力を振り向けることができるし、自由な世界で、ほらその問題に関してオレの務めを続ける。」

1972年の殺害で彼に三度目の裁判を受けさせるとの脅しを取り下げることにルイジアナ州が同意したあと、囚人の釈放が成立した。次にはウッドフォックスも、故殺や強盗というより軽いほうの容疑に対して争いをまったく嘆願しなかった。

「争わない」訴えは罪を認めることではない、そしてウッドフォックスは主要な殺人容疑について無罪だと引き続いて述べる。「次の裁判で無実を証明することが待ち遠しかったが、健康と年齢への懸念が今この訴訟を解決させて、軽い方の容疑に対し争わない訴えで釈放を手に入れさせた」と彼は言った。

ウッドフォックスはいわゆる「アンゴラ3」のひとりだった。3人の囚人は最初はルイジアナの悪名高いアンゴラ刑務所に拘留される、そしてブラックパンサー運動に同意して1970年代に施設内で人種差別に反対する運動をした。彼の支援者らは、彼の政治活動への復讐として1972年ブレント・ミラー看守殺害ではめられ、罪に陥れられたと主張した。

彼の殺人の有罪判決は二度覆された、無能な弁護提示を受けたとの根拠で1992年に一度、彼を起訴した大陪審を設定することでの人種差別を理由に2008年にもう一度。その後、殺害の重要証人の全員が亡くなっている事実にもかかわらず、昨年ルイジアナは彼に3度目の裁判を経験させると発表した。目撃者がないのはそのような再審を形式だけのいんちき裁判にするとウッドフォックスの弁護団は論じた。

アンゴラ3の二人の盟友はすでに釈放されている。ロバート・キングは異なる有罪判決が覆されたあと2001年に解放された、ほぼ30年を独房監禁状態で過ごしたハーマン・ウォレスは2013年に亡くなる二日前にやっと刑務所から出るのを許された。

「すべての証拠がくずされた犯罪のためにルイジアナがこれだけ長いあいだ彼をひとりの状態にしておく論理的理由がなかった」とキングはガーディアン紙に話した。

「ブラックパンサーのイデオロギーとの戦争として、そしてまた絶えず間違っていたと見られたくなかったから、連中はそれをやった。」

そのような待遇の数日後にさえ、独房監禁によって囚人に引き起こされるひどい結果について科学者たちは前からずっと警告してきた、そして国連を含む幾つかの国際組織がそれを拷問の形態として禁じられることを求めた。最高裁判事アンソニー・ケネディもまたその慣例について自由に意見を言い、不安、パニック、引きこもり、幻覚、自傷(自分の手足を切るなど)、自殺したい衝動に駆られる考えや行為を含む、長い隔離の副作用を一言する。

ウッドフォックスの弁護士ジョージ・ケンダルは、依頼人の数十年もの長い隔離は弁明の余地のないものだったと言った。「アルバートは独房監禁状態に40数年という度を超えた容赦のない罰を生き延びた、ひとえに彼の驚くべき強靭さとすばらしい性格のゆえだ。この冷酷な慣例は止めなければならない。国のあちこちで管轄する数が増大している時にルイジアナ更生局が独房監禁の使用を改善して大いに制限することを私たちは願っている。」

ずっと彼の解放のために運動したアムネスティ・インターナショナルUSAは、「ルイジアナ州が彼に課した、冷酷で人間にふさわしくない自尊心を傷つけるような独房監禁を、何も真に埋め合わせません。しかし、このおそきに失したある程度の正義は、彼が人生の半分以上のあいだ探し求めていた重要なもの」だと言った。

2014年、絶えずひとりでいることからこみ上げる不安をウッドフォックスはブロガーに説明した。「泣き叫びだしたら止まらなくなるのがこわい」と彼は言った。

「赤ん坊に変わって胎児型姿勢で丸くなり、残りの人生のあいだ毎日毎日そこで横たわることになるのがこわい。自分のからだを攻撃するようになるのがこわい、もうこれ以上耐えられないとき他の囚人たちがやるのを見た具合に、たぶん睾丸を切り落として桟から投げる。」

「あんたが自分に命じて割り当てるTVも趣味も雑誌も他のどんなおもちゃも、あんたが自分で騒ぎを起こして続けさせるこの地獄の悪夢を決して減らすことができない。」


ウッドフォックスの釈放は、金曜のホワイトハウスの報道関係者へのブリーフィングで持ち出された。ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト報道官は以下のように述べた。「独房監禁状態での長引く施設収容は、個人の精神衛生に長期の衰弱させる影響を及ぼしかねないと科学者は私たちに明言する。刑事司法制度における私たちの究極のゴールが、刑に服して社会に対する罪を償ったあと彼らにセカンドチャンスを与えることなら、要するに私たちは彼らを役に立たなくさせている。」

先月、すべての連邦刑務所で青少年に独房監禁を禁ずるため、バラク・オバマは大統領執行権を行使した。彼はまたアメリカにおける独房の使用に再検討を依頼した。

http://www.theguardian.com/us-news/2016/feb/19/albert-woodfox-released-louisiana-jail-43-years-solitary-confinement