見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2015/11/14

沖縄の祖父母を引きはがす

◇沖縄タイムズより
NYタイムズ「日米政府の民主主義が試されている」
2015年11月8日

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は4日、「沖縄の意思を否定している」と題する社説を掲載した。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐり、「平和や人権、民主主義を順守する国家を称する日米両政府の主張が試されている」と論じている。
社説は「暴動用の装備に身を包んだ日本の警官らがお互いの腕を組み、米軍トラックの前に身を投げ抗議する祖父母らを引きずっている」と本土からの警官隊の投入で緊張が高まっている現場を描写。米軍普天間飛行場の返還に伴う辺野古移設について、県民はこれまで「負担の永続につながる」と反対してきたなどとこれまでの経過を説明した。
そのうえで、「先月、沖縄県の翁長雄志知事が前知事による埋め立て承認を取り消したが、日本政府は翁長知事を無視し、10月29日に埋め立て工事を始めた。翁長氏は東京への抵抗を継続すると誓い、抗議する人々は警官と衝突した」と指摘。「日本は米軍の駐留による安全保障を望んでいるが、沖縄にその負担を望んでいる」と指摘。名護市長や県知事が中央政府の無法ぶりを非難していると述べ、日米両政府が沖縄の人々の権利を侵害していると主張した。
同社説は、5日付の同紙国際版に掲載されている。

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=140580

◇沖縄人の意思を否定するもの
ニューヨークタイムズ紙 by 論説委員 04 November 2015

暴動鎮圧の準備が整う日本の機動隊が祖父母らを引き離している、抗議する人々は腕をつないで軍のトラックの前に横たわっている。地元、名護市長は法律を守らないとして中央政府を非難している、そしてまた知事は東京からの”無情な統治”を公然と非難している。

それは沖縄の切迫した険悪な事態だ。長い間いだく沖縄人の熱烈な反対を制して米軍基地を大いに広げるために戦略的パートナーであるアメリカ合衆国と共に準備をした日本の計画に関して、昔の戦いが激化している。

20年間、アメリカと日本の政府は沖縄本島の過密な宜野湾市にある海兵隊基地を閉鎖して人の住まない北の辺野古湾にもっと大きな基地を造ろうとしてきた。日本の県のうち最も貧しく最もいいように利用される沖縄県は、アメリカ軍の駐留にずっといらいらしている、そしてまた多くの沖縄人が辺野古湾の計画は彼らの負担を恒久化すると主張する。それはまさしく軍用化による危険の原因となるものや、騒音、環境劣化を、島の別の地域に移動させるだけだと彼らは言う。彼らは特に、珊瑚礁や危険にさらされる個体群(マナティーに似た生き物)沖縄ジュゴンの生息地、もとのオーシャンベイにどさっと投げ捨てられるゴミ埋め立て地に巨大な滑走路を敷設する計画に驚きあわてる。

沖縄の翁長雄志 知事は、先月、建設許可を取り消した。中央政府は彼を無視して、10月29日に埋め立て事業に向けて作業場建設を開始した。翁長氏が東京に抵抗し続けると言明したとたんに抗議する人々は警察と衝突した。

際立った不公平が沖縄人のルサンチマン(恨み)の本質にある。日本はアメリカ軍駐留の安全を必要とするが、沖縄人にそれを引き受けてもらいたい。太平洋戦争の最も血なまぐさい戦いが沖縄を粉々にくじかせ、一般市民の四分の一を死に放置した第二次世界大戦の終焉からずっとこれが事実通りだった。日本で唯一沖縄だけが、いかなる時にでも去らなかったアメリカによって侵略され占領された。日本の領土の1%にも満たない大きさの沖縄に日本にいる5万人のアメリカの軍人の半数以上がいる。沖縄人から没収した土地に建設される軍事基地、戦争のからくり(機構)や軍隊、騒音、アメリカ軍による致命的な事故や女性に対する暴行のあまり、島は逆に口がきけなくなる。

日本とアメリカは自らを平和や人権や民主主義に同意する国とみなす。その主張は辺野古の膠着状態の解決不履行によって真偽を検証されている。

http://www.nytimes.com/2015/11/05/opinion/denying-the-will-of-okinawans.html

2015/11/13

タランティーノきっと見に行く

今年アメリカの警察によって殺害された人の数が”976”人になる

△私たちガーディアン紙は、総数を976人に更新しました。
今年、警察によって殺害された各々の人については下記にて知ることができます。
http://www.theguardian.com/thecounted



◇警察のボイコットに対抗してマイケル・ムーアがクエンティン・タランティーノを擁護する
「ボクら無数の大衆はタランティーノに賛成するだけじゃないと思うよ、彼の次回作をきっと見に行くと確信するだろう」とドキュメンタリー映画監督は書いている

ローリングストーン誌 7 November 2015

全米のさらに多くの警察組合がクエンティン・タランティーノの来たるべき映画「The Hateful Eight」へのボイコットに加わるとき、仲間の映画作家マイケル・ムーアが監督への支持を言葉で約束した。10月20日ニューヨークでの集会”Rise Up October”で警察の残虐行為について人に意見を伝えたあと、タランティーノは法執行機関の怒りを招いた、そして次にドキュメンタリー作家がインスタグラムに「有名で尊敬される白人があえてはっきりしゃべったことに彼らはまったくぎょっとしてたまげている。」と書いて、タランティーノを擁護した。

集会でのタランティーノの写真のキャプションに、「勇敢で善良なアメリカ人、クエンティン・タランティーノ、警察の暴力で最愛の人を失った家族と共に立ち上がる」とムーアは書いた。「目下、丸腰の罪のない黒人市民を殺害した警官を擁護するのと同一の、ある警察が、タランティーノに復讐しようとしている。彼らはタランティーノの映画のボイコットを要求している。まったく正反対だと思うね。ボクら無数の大衆はタランティーノに賛成するだけじゃないと思う、彼の次回作をきっと見に行くと確信することになるのさ!ボクに味方する人は?強いクエンティンのままでいてくれよ。」

ハリウッド・リポーターとのインタビューでムーアは、警察組合からボイコット運動が上がるまっ最中にハリウッドのタランティーノの同業者が監督といっしょに立ち上がらなかったことで酷評した。「この町のこの産業のだれか白人がクエンティン・タランティーノを支持したかい?」とムーアは述べた。
「白人の男が災いを招くようなことをすると、彼らは急にそれを遮ろうとしている。」

しかしながら、番組フライデーナイトに監督が出演する間、リアル・タイムの司会者ビル・マーが同様にタランティーノの応援にやって来て、警察組合がタランティーノの引用文を文脈がなく誤解されやすいようにねじ曲げていると言った。

タランティーノがハリウッドで支持のなさを経験している間、南カリフォルニアのACLUはマイケル・ブラウンやエリック・ガーナーやタミール・ライスのような丸腰の黒人の死について、よくぞその姿勢をとってくれたと監督を称賛した。「彼は正義を支持する数百万のアメリカ人のフラストレーションを口に出しました」とACLUは声明で述べた。「おまけに私たちは彼の声と共に私たちの声を大きくします、そして警察ではなく警察の残忍行為をとがめて警察の悪弊を取り巻く沈黙の共謀に異議を申し立てると、何十年間、非常に明瞭にしなければならなかったという事実をはっきりしゃべります。」

MSNBCと話すタランティーノは、集会に顔を出した結果として起こる抗議に驚いたと言い、まさに憲法修正第1条の権利を彼は行使していたと付け加えた。ハリウッド・リポーターの特集ページで、同国最大の法執行機関労働組合、警察共済組合の全米組織議長チャック・カンタベリーが、警察組合は言論の自由に不当に反応しているとのタランティーノの主張に応答した。

「我々は言論の自由に関して権利を敬います。同意するか否かにかかわらず、結局、警察はすべての法律を支持し、法律の範囲内で行動する人たちの権利を守ることを宣誓しています」とカンタベリーは書いた。「逆に言えば、私たちにもまた意見が異なる憲法上の権利があります。それがタランティーノを知って我々がどんなここちがするか気づくところです。彼のコメントは非常に場違いな男の意見に、ほんのおぼろな考え以上を映しだします。それらはこの国の行政機関の公安方針の増大する誤解を反映します。彼はおおっぴらに世間の大注目を用いて意見を伝えました。我々は反発しました。彼は映画の販売を促進しています。それに答える我々の唯一の武器は、あの映画の収益を減らすために努力することです。」

警察組合の努力にもかかわらず、タランティーノがこの試練から”あおった”ありったけの宣伝のために、映画「The Hateful Eight」はおそらく興行的にそれが値するよりもうかるだろうとカンタベリーは付け加えた。警察共済組合はあらかじめ映画製作者に向けて、”番狂わせ(不意討ち)”を断言した。

http://www.rollingstone.com/movies/news/michael-moore-defends-quentin-tarantino-against-police-boycott-20151107

2015/11/10

火と鍛冶の神"ウルカヌス"

◇ブッシュ・シニア(父)の本が、わかっている人物よりずっと危険なディック・チェイニーを明らかにする

新著「Destiny and Power」は、ほぼすべての前任者より権威をもっている副大統領を示して、ブッシュ・ジュニア(息子)の政権がもしかするともっとずっとひどかったことをわかりやすくする

先人のジョージ・ブッシュは息子の間違いをつきあう悪い仲間のせいにする最初の父親ではない、しかも、そのような父らしい特権に対するカウンターブローは常に同様。息子は自分の選んだ友人に重要な意見を言う、ことのほか息子がたまたまアメリカ大統領である時はいつも。

ジョージ・H・W・ブッシュの新しい伝記「Destiny and Power:ジョン・ミーチャムによるジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュのアメリカのオデュッセイア」の個人の引用文は、ホワイトハウスの息子や後継者に対して、彼の保護感情をあきらめなかったことを示す。

ブッシュ・ジュニアの任期期間の最も驚異的な遺産、イラク侵略と拷問に全力を尽くすことは一家を知るもう一つの手段であり、それはジェブ・ブッシュが兄の功績について明確な判断をなんとか避けようとした共和党予備戦の流れから生じる一連のできごとのあとに現れる。父と兄の両者は(近親者の遊説バスに)現れることなく、隔たりを与えようと努めた。

彼がいま非難するホワイトハウスの顧問の幾人かは彼が息子に残した元雇い人であるとき、ブッシュ・シニアにとって苦しい状況はいっそう身を切られるようにつらい。ディック・チェイニーは彼の国防長官であったし、コンドリーザ・ライスは一期目のブッシュ政権のロシア問題専門家でブッシュの国家安全保障顧問および友人であるブレント・スコウクロフトの秘蔵っ子だった。二人はブッシュ・ジュニアが2000年の選挙運動の間に彼のまわりに集めた外交安全保障政策顧問集団の一部分だった。彼らは自らのことを”ウルカヌス(火と鍛冶の神)”と呼んだ。スポックへの敬意ではなく、ローマの神の子と同じくらい手強い(またはブッシュ・シニアなら”iron-ass:鉄石のように冷酷ないやなやつ”と言うかもしれない)とはっきり表明するためだ。

クロフォードのブッシュのテキサス牧場に集まって相談したウルカヌスには親しい友人のリチャード・アーミテージと共にコリン・パウエル元将軍に加えて、元と将来のドナルド・ラムズフェルド国務長官やペンタゴンで彼の副官になる男、指折りのネオコンに凝り固まったポール・ウォルフォウィッツも含まれた。

後者の二人はブッシュ政権でハト派として現れた、だがその時はチェイニーやラムズフェルドやライスも、未熟の申し立てに対して、攻撃されやすい大統領候補の脇のしっかりした指導、密接な連絡の具体化としてみなされた。しかしながら、表面に隠れてまさに最初から根本的変更の計画を立てる。

911より前にもかかわらず、経験のないブッシュは父とはまったく異なる方向に政権を導いた。ブッシュ・シニアとスコウクロフトが多国間の相互自由貿易と外交を大事に育てるのに、ジョージ・W・ブッシュのホワイトハウスはアメリカ例外論を新たな極致に掲げてアメリカの国際社会との深いかかわりを熱狂的にたき火に放り投げて燃やした。政権はいやな気候変動に関する京都会議から逃げ、国際刑事裁判所を確立するローマ国際機関設立文書へのアメリカの支持を取り下げて条約に”無署名”を断言するまでに及ぶ。

この一方的軍縮論者へ向かう傾向は、明らかに若いほうのブッシュの選択だった。最初から、どれほど外交政策を父のそれから区別させるつもりだったかだ。そして911攻撃が起こったとき、アメリカの反応をあんな危険なまでに不安定な過剰の反応に助長したのがこの特質だった。

ひとたび”テロとの戦い”が始まるや、疑いなく、チェイニーとラムズフェルドは、ほぼすべての前任者よりもっと多くの気ままさや権限を与えられていた。ブッシュ・シニアが特にこの目を引く驚くべきもの、はっきりした色彩がある大スタッフを用いて、チェイニーは間違いなく現代の最強の副大統領だった。

チェイニーとラムズフェルドは、高められた権力を使って、イラクと単なるうわさの大量破壊兵器について大統領の机までの情報の流れに偏見をいだかせた。分析官をおどしてもっとタカ派の報告書を出させるために副大統領はラングレーのCIA本部にたびたび足を運んだ、同時にラムズフェルドのペンタゴンはイラク人亡命者やイデオロギーのフリーランサー(自由に行動する人)から大いに疑わしい”証拠”をすぐのみ込んだ。けれども、まさにすごく大目に見る父がミーチャムの本で認めるように、チェイニーに自分の帝国を生ませたのはブッシュ大統領だった。

「彼らはやりすぎたと思います。でも、チェイニーの責任ではありません。大統領の責任です」とブッシュ・シニアは言う。

「(責任は)まかせておけ」と、息子の在任期間の大しくじりについて非難を広める彼自身の行動への当意即妙の答えで彼は付け加える。

新しいブッシュの伝記からわかってくる最も不安をいだかせる意外な新事実はことによると、チェイニーが彼の国防長官だった間、サダム・フセインの共和国防衛隊の一師団を排除するのにどれくらい戦術核兵器が必要とされるかについて彼が研究を依頼したとの、経験の豊富なほうの男の記憶かもしれない。

(事実はともかく)聞いたところでは答えは17基だった、とはいえ、もっと影響が甚大な結論はチェイニーがわかっている人物よりずっと危険な人物だったということだ。チェイニーもまたイランの地下ウラン濃縮施設に対して低核出力の核バンカーバスター弾の使用を熟慮したことは、ニューヨーカー誌のシーモア・ハーシュによる調査報道に重みを加える。
(http://www.newyorker.com/magazine/2006/04/17/the-iran-plans)
ジョージ・W・ブッシュ政権について聞けば聞くほど、もしかすると政権が引き起こした世界的なダメージはいっそうひどかったことがより明確になってくる。

http://www.theguardian.com/us-news/2015/nov/05/george-bush-sr-book-reveals-a-more-dangerous-dick-cheney-than-anyone-knew