見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2008/04/24

今年の北京はベルリンよりも愚か


フリーランスのライターふるまいよしこ氏のブログ「北京ごろごろ日記」を読んでみた。彼女のケイタイにまたもやボイコットを促すメッセージが転送されていた。
「5月8日ー24日は北京オリンピックのちょうど3ヶ月前。カルフールに買い物に行くのを止めよう。その理由は、カルフールの大株主がダライラマに巨額の献金をしており、フランスにはチベット独立支持者が非常に多く、さらにはフランス大統領までもがそのために北京オリンピックボイコットを口にしているからだ。ならば、われわれはカルフールをボイコットしよう、その期間は北京オリンピックと同じ17日間。彼らにわれわれ中国人とネットワークの力を見せつけてやるのだ。転送乞う。」以下、彼女が連載するメールマガジンJMM「現地メディアに見る中国社会」からカットアップーー。

◇4月18日のスーパー「カルフール」でのデモを目撃した人物(連岳氏)はブログにこう記している。
「418事件でボクははっきりと目にした。多くの人たちもヴィデオを見たはずだ。それを形容する言葉は、暴力、破壊、強奪の3つだ。愛国って、まずは自分の同胞を愛することじゃないのか? 君ら大学生は多少法律について学んでるはずだろ? まず、君たちは自分が法律に反していることがわかっていない。正規のスーパーのキャッシャーをぶち壊し、アドバルーンを引きずりおろすなんて、深刻な破壊行為だ。次にボクが目にしたのは、義憤にあふれた中国人の群れが一方で毎月数百元たらずの収入しかないスーパーの中国人店員をいじめる姿だった。そのシーンには一人のフランス人の姿もなく、一人のアメリカ人の顔もなかった。両方の中国人がなんの目的で戦っているのか、そしてそれに勝った方がどんな現実的援助を受けられるのか、誰も知らなかった。見たところ、暴力、破壊、強奪がその最終目的だったようだ」(「三色旗の氾濫は長く練られたものだった」ブログ連岳的第八大洲4月21日)

文中の「暴力、破壊、強奪」とは、中国政府がチベット騒動を呼ぶときの言い方でもある。連岳氏は、「中国人なら代価が最小で基本的に誰も追及しないだろうが、もし本当にフランス人に手を出そうものなら多くのトラブルが引き起こされ、その代価は大きく、償いも決して簡単ではないことを彼らは知っており、その結果、同胞に八つ当たりすることが最も妥当な方法だと選択したのだ」と言う。
そんな同胞への八つ当たりは、先週には身体で聖火を守ったことで「最も美しい」と英雄視されたクルマ椅子の聖火ランナーである金晶さんがカルフールボイコットに反対を唱えたとたん、「売国奴」と呼ばれるようになり、その身体的障害すらも揶揄されるという形で現れた。また、アメリカのデューク大学では青島出身の中国人留学生、王千源さんが学内でチベット解放派の西洋人学生と中国政府支持派の中国人留学生の真ん中に立って話し合いを呼びかけたところ、チベット解放派のグループをバックに中国政府支持派に向かってまるで対立するかのように立っている写真をウェブサイトに掲載され、あっという間にこれまた「売国奴」と罵られるようになった。
だが、所属する身体障害者協会に守られている金晶さんとは違って、王さんの場合は中国のIDカードの番号や実家の住所、出身学校などもすべてウェブサイト上で公開されてしまい、自宅には嫌がらせが殺到、さらに出身高校からはその就学記録まで取り消されたというニュースも流れている。その王さんは今、デューク大学内で警察の保護を受けながら大学生活を続けているが、中国の実家の両親は身を隠さざるを得なくなった。
 
◇「統一されたくちぶりの<愛国>のスローガンは確かに人心を鼓舞させ、われわれは団結した自信に満たされる。だが、ここ60年来の中国史を見ると、われわれがこのような情熱を欠いたことはなく、逆にこのようなあまりにも統一された情熱によって災難が引き起こされてきた。われわれにはこれまで愛国の想い、そして自立自強、西洋との競争闘志も欠けていないが、われわれはいつも<勝てるはず>といった気概でミスを犯し、なんどもそれを繰り返してきた。われわれは自分を善良と呼ぶかもしれないが、このようないわゆる<善良>さがもしわれわれの集団知性において痕跡をとどめなければ、無知や愚かさとなんの違いがあるのだろう? 
60年という時は短くない。13億の人々が腹を一杯にして暖かい服を着られるになったのに、なぜわれわれの国民性には明らかな進歩も見られず、<西洋社会><西洋メディア><反中>などといった問題を深く理解するにあたって、むやみやたらに昔の<円明園炎上>事件をその根拠とし、何かと日ごろは非常に友好的な外国の友人に対して困惑したり、失望したりするのだろう? これらの苦境が意味するのは、われわれの世界に対する認識、文化の改造という面がなんの成長もないことのほかになにがあるだろう?」(「飛び起きた後で」ブログ連岳的第八大洲4月19日)
 
◇「われわれの時代は政治が表面化、姿態化している。だが、最後に決定的となるのはそんな表面的なパワーではないということを人々はたびたび忘れている。ヨーロッパの政治家が見せるような一時的なおごった姿は脆弱で躊躇する運命にあるのだ。いったん中国が強大な国家パワーを手にすれば、制裁なんてどれもなんの意味もなさなくなる。さらにいえば西洋の新たな世代の政治指導者はすでにいわゆる内在原則と理念を失っている。これまで20年間、北京は今よりももっと深刻な孤立に直面してきたのだ。ボクが心配なのは、中国内部の腐食である。その表面はこれまでどおり強大だが、社会内部は腐れ、そこに暮らす人々は知力、情感、そして道徳上の尊厳と信念を失っている。そのような意味からしても、中国は人々を恐れさせ、たじろがせるような覇権にはなり得ない。英紙ロンドン・タイムズのコラムニスト、マイケル・ポーティロは、今年の北京は1936年のベルリンよりも愚かだと語っている。」(「許知遠:チベット宣伝戦の背後」亜洲週刊4月20日号)

写真は3月20日、中国当局に連行されるチベット人

2008/04/23

世界の惨事の張本人


「ボクたちは世界が絶対に許してはいけない惨事の張本人かまたはボクたちがしたことを世界が決して忘れないリンカーンのようなヒーローのいずれかになりかねない。」
ワシントンDCで、アースデイのコンサートに集まった群衆に向かって俳優エドワード・ノートンがこう語りかけた。
(CNN 2008年4月22日)

実はエドワード・ノートンはナショナルジオグラフィックが制作した「Strange Days On Planet Earth」という番組の案内役をやっていた。日本ではナショナルジオグラフィックチャンネルの他にBS1で放送と再放送もしていた。以下、ナショナルジオグラフィックチャンネルの番組案内よりーー。

◇エドワード・ノートンの地球大異変!
いかに切迫した環境状態にわれわれが直面しているか、その現実を、不可解な異常現象に隠された数々のミステリーを科学的に調査しながら探っていく。地球という惑星がひとつのシステムとして動いているという基本的な発想を、エドワード・ノートンを迎え、映画のような観やすいトーンで全地球人に伝える。(60分×4話)

第1話:増殖する侵入者
地球上のあらゆる大陸に外来種(植物や動物)は侵入し、われわれの想像を超えた強大なパワーを発揮する。病気(ウィルス)をばらまいたり、建物を破滅させたり、地殻環境から根こそぎ破壊していくケースもある。このエピソードでは、増殖しつづける外来種の侵入の要因を調べると同時に、それを阻止する方法も探っていく。

第2話:1°Cの要因
熱をもったダスト雲がアラスカ上空に蓄積され、それにより地球の気温が上昇。その結果、アラスカの野生カリブーが減少していたり、海でもさまざまな種類の生き物が生存危機に直面していたり、キューバのトリニダードの子供たちはかつてなかった呼吸器疾患の被害に見舞われたりしている。

第3話:捕食者たち
ベネズエラの奥地で自然界の秩序がひっくり返る事態が起きている。何マイルものサバンナと緑の森が小さく散らばった島にさまがわりしてしまったのだ。こうした島のいくつかは増えすぎたイグアナ、どん欲なアリの大群で溢れかえっている。これはかつて蹂躙していた最高位の捕食動物の姿が消えたのが原因。捕食動物は、全生態系を整えるために必要不可欠な存在なのだ。

第4話:水質汚染
アメリカ中心部でカエルがこつぜんと姿を消し、カナダでは死因不明のベルーガの集団が石だらけの浜にうちあげられ、オーストラリアのグレートバリアリーフでは大発生したオニヒトデによりさんご礁が死滅に向かっている。離れた地域で発生しているそれぞれの異変が実は、水に毒素が混入したことによってもたらされる環境問題の代償としてつながりがあると科学者たちは考える。

ちなみに、エドワード・ノートンはかなり早い段階でオバマ支持を表明。また、マイケル・ムーアもはっきりとオバマ支持を表明しました。以下、CNN.co.jpよりーー。

◇映画「華氏911」など米政権批判映画で知られるマイケル・ムーア監督が、米大統領選の民主党候補者指名争いをめぐり21日、自身のウェブサイトでバラク・オバマ上院議員支持を表明した。
ムーア監督はオバマ氏を絶賛する一方、対立候補のヒラリー・クリントン上院議員を批判。オバマ氏の人格や人々を鼓舞する力に比べれば、経験や実績はそれほど重要ではないとして、「われわれが目の当たりにしているのはただの候補者ではなく、変化に向けた深く強大なムーブメントだ。私は候補者としてのオバマ氏以上に、このオバマ・ムーブメントを支持する」と表明した。
一方、クリントン議員については「この2カ月で、ヒラリー・クリントンの言動は単に失望させるものから、極めてむかつくものとなった」と述べ、クリントン氏が執拗にオバマ氏を中傷しようとしていると批判した。
さらにムーア監督はブッシュ政権批判を展開する一方で、戦争を終結させることができなかった民主党にも失望したとつづっている。

2008/04/22

サンバーモス





今月2歳になったサンバと来月2歳になるヴァーモスです。
昨日の朝、久しぶりに出会った仲良しのゴールデン、ユウちゃんのママが撮ってくれました。
3匹そろって歩く写真もあります。
犬たちといっしょの時間は世界がなんかまあるくなるみたいです。

写真はクリックすると拡大版で見ることができます。

2008/04/21

中国を甘く見るな


◇チベット問題をめぐる対中批判や北京五輪聖火リレーへの妨害が引き金となった欧米に対する中国民衆の抗議行動は、20日も同国各地で続いた。国営新華社通信によると、湖北省武漢と陝西省西安では連日のデモが発生、新たに黒竜江省ハルビン、遼寧省大連、山東省済南の各都市でデモが繰り広げられた。
各都市では、仏大手スーパーのカルフール前に人々が集まり、「チベット独立反対」を訴えたほか、番組中に中国人を中傷する発言のあった米CNNテレビを非難した。
このうち西安では、1000人以上の学生や市民が「フランスでチベット独立派が国旗を引き裂いたことを非難する」などと書かれた横断幕を掲げ、「五輪を支持しろ」「中国を軽く見るな」と拡声器を使ってシュプレヒコールを繰り返した。そろいの赤いTシャツを着た約50人の集団もいたという。
(時事通信社2008年4月20日)

◇中国国営新華社通信は19日夜、各地で激化する仏大手スーパー、カルフールなどに対する不買運動について、「経済グローバル化時代の今、各国経済は相互に関係しており、自らを傷つけるかもしれない」と警告し、理性的な対応を促す経済学者の声を紹介した。
北京五輪聖火リレーへの妨害などを受けた不買運動は、インターネットや携帯電話のメールを通じ若者を中心に広まった。ネット上では、「5月1日はカルフールに絶対に行くな」といった呼び掛けもあふれ、中国当局は「愛国感情」をあおらず歯止めをかけることに必死だ。
(時事通信社2008年4月19日)

◇中国の共産党機関紙・人民日報など各紙は20日、仏高級ブランド、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンのアルノー会長がチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世への資金援助を否定したと報じる新華社電を掲載した。
同会長は仏小売り大手カルフールの大株主。ダライ・ラマ支援のうわさは中国でインターネットなどを通じて広まり、カルフールへの反感を強めていた。否定発言の一斉掲載には反仏デモを沈静化させる狙いがあるとみられる。
(時事通信社2008年4月20日)

◇19日のデモの中心メンバーだった自営業の男性は20日のデモへの関与を否定、「我々のデモは中国当局と相談して計画した」として「官容認デモ」であったことを認めた。20日のデモは無許可だったため当局が取り締まったと指摘、「当局はある一定のデモは認めるが、無許可のデモには厳しい態度だ」と語った。
こうした中国当局の意向は、主要メディアの報道にも表れる。各主要紙や国営中国中央テレビは各地の抗議運動自体そのものについては伝えていない。新華社も20日夜現在、英語版のみで伝え、国内向けの中国版では報道していない。国内での波及を防ぐ狙いがあるとみられる。
一方で20日付の人民日報は2日連続で、「複雑な国際情勢下に中国は冷静さや知性を示さなければならず、愛国感情を理性的に合法的に表現し社会の安定を維持する」と呼びかける論評記事を掲載。他の中国各紙も自制を求める市民や識者の声を掲載した。
北京の外交筋は「中国当局は、限られたデモのみ許可して国外向け報道でフランスに圧力をかけ、高まった若者らの愛国主義のガス抜きをする一方で、これ以上の拡大を防ぐために取り締まりを強めるだろう」と分析する。
(朝日新聞2008年4月20日)

◇フランスのサルコジ大統領から中国政府に対する親書を携えて、フランスのラファラン元首相が23日に北京へ向かうことが20日分かった。フランス公共ラジオが伝えた。
パリで7日に行われた北京五輪聖火リレーでの混乱に反発する中国人が、各地でフランス系スーパーなどを標的に抗議行動を行う中、事態の鎮静を目指すのが親書の狙いとみられる。
ラファラン氏は20年来、中国を頻繁に訪問しており、今回の訪問も以前から予定されていた。ラファラン氏はシラク前大統領の書簡も持参。24日に中国の温家宝首相と会談する予定。
ラファラン氏の後、フランス大統領府のレビット外交顧問もサルコジ氏の親書を持って近く訪中する。
(日刊スポーツ2008年4月21日)

2008/04/20

選挙で支持されたハマスは外せない



◇パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスの幹部が、米大統領選で民主党の候補者指名を争うバラク・オバマ上院議員の支持を表明し、オバマ陣営が困惑を深めている。
保守派などはこれまで、オバマ氏のミドルネームが「フセイン」であることなどを理由に、同氏をイスラム過激派と結びつけるなどの中傷を展開しており、想定外の「ラブコール」は波紋を広げる可能性がある。
問題の支持表明は、パレスチナ自治区ガザ地区を支配する「ハマス政府」のハニヤ首相の首席政治担当補佐官、アフマド・ユセフ氏が今月13日、米WABCラジオに語ったもの。同氏は、「我々はオバマ氏が好きだ。彼に当選してほしい」とし、オバマ氏を故ケネディ大統領になぞらえ、「オバマ氏は、米国が(他国を)支配したり尊大に振る舞ったりせずに国際社会を率いることができるようにするための構想力を持っている」と持ち上げた。
これに対しオバマ氏は14日以降、「ハマスは無実の市民を多数殺害しているテロ組織だ」と演説などで繰り返し強調し、ハマスと距離を置く姿勢を打ち出している。
(読売新聞2008年4月19日)

◇中東歴訪中のカーター元米大統領は18日、シリアの首都ダマスカスで、イスラム過激派ハマスの政治部門最高指導者メシャール氏と会談した。米国やイスラエルがテロ組織とみなすハマスとの接触に反対するなか、対話の重要性を訴えるカーター氏が異例の会談を強行した。
会談内容は明らかにされていないが、シリア情報筋によると、06年にハマスが拉致したイスラエル兵の解放などについて協議したとみられる。17日にも訪問先のカイロでハマス幹部2人と会談し、イスラエルへのロケット弾攻撃などをやめるよう促していた。
17日のカイロでの講演では、ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザの住民が、境界封鎖でひどい栄養失調状態に置かれているのは、イスラエルによる「残虐な犯罪」と指摘。「和平合意実現には、06年のパレスチナ議会選挙で勝利したハマスを関与させなくてはならない」とも語り、ハマスの孤立化を進める米国やイスラエルに政策転換を求めた。
カーター氏は78年にイスラエルとエジプトの和平合意を仲介するなど、中東和平に関心が高い。13日からの中東歴訪を前にメシャール氏との会談を公言。イスラエルではオルメルト首相らに会談を拒否されるなど、冷遇を受けた。
(朝日新聞2008年4月19日)

写真は、ハマスに会う前にシリアの大統領と会ったジミー・カーターと、ガザで殺された15人のパレスチナ人犠牲者のひとり、ファデール・シャナの写真を掲げてイスラエルの攻撃に抗議する市民たち。シャナは銃の代わりにカメラを持って問題を提出し主張した。イスラエル当局は、パレスチナ人の犠牲者の大部分はジャーナリストではなく「戦闘員」だとあくまでも突き放す。

中国人の逆襲



2月にプーチン大統領が離婚していたことと、6月の祝日にロシアの新体操の元女王アンナ・カバエワと結婚というスクープを流したロシアの新聞が休刊になった。
今回の選挙で返り咲いたメディア王ベルルスコーニ(首相になるのは間違いない)は、イタリアでのプーチンとの共同会見でそれについて質問した記者に対しマシンガンを発射するポーズでやり返した。新聞が「誤報」の責任を取って一時休刊したとの報道があるが、いまのロシアでプーチン関連で誤報を流せるようなメディアはないだろうと思う。いや、あり得ない。
ところで、このアンナ・カバエワについて占星術的には「極端から極端へ、目に見えない力に左右される」と書かれている。
彼女の経歴を見ると、シドニー五輪で金メダル候補だったのがフープのミスで銅メダル。栄養補助食品の成分でドーピング違反になり出場停止。アテネ五輪で金メダル。引退、復帰、二度目の引退、そして現在の下院議員となっている。以下、ニュースからーー。

◇ロシアのプーチン大統領(55)が離婚し、元新体操世界女王のアンナ・カバエワ(24)と再婚すると報じたロシア紙が18日、一時休刊となった。大統領が「事実無根」と完全否定した直後だった。過去、反大統領キャンペーンを張った女性記者が殺害されたこともあるだけに、今回の事態はさまざまな憶測を呼びそうだ。
このロシア紙は日刊の「モスコフスキー・コレスポンデント(モスクワ通信)」。妻子持ちの大統領が再婚するというスクープを報じてから1週間後、大統領の完全否定からわずか数時間後に電撃休刊が決まった。
「報道は事実無根。性的妄想を抱いて他人の生活に鼻を突っ込むような人物は許せない」
大統領は18日、滞在先のイタリアでベルルスコーニ前首相との会談後、再婚報道を否定。不快感をあらわにしていた。その直後、同紙を発行するメディア企業は一時休刊を発表した。
企業側は「報道には根拠がなかった」とスクープを撤回し謝罪する一方、「休刊決定に関しては、いかなる政治的背景もない」と強調した。同紙のウェブサイトは同日夜、突如閉鎖され、編集長は解任された。
大統領は、1983年に結婚した元スッチーのリュドミラ夫人(50)との間に2女をもうけている。しかし同紙は11日付で、大統領のパスポートにはすでに出身地サンクトペテルブルク市の登録局の離婚印が押されていると指摘。カバエワと6月15日ごろに再婚すると伝えていた。
カバエワは現在、与党「統一ロシア」所属の下院議員。党首は、プーチン氏が大統領を退任する5月7日以降に就任する運びになっている。
同紙のオーナーは、企業家のアレクサンドル・レベジェフ氏。今年3月に米経済誌フォーブスが発表した「世界の長者番付」で358位に付け、資産31億ドル(約3176億円)を誇る大富豪だ。
・今回の電撃休刊の背景には、いったい何があるのか。
ロシアの事情に詳しい青山学院大名誉教授の寺谷弘壬氏(70)=国際比較研究所所長=は、レベジェフ氏が大統領と同じ旧ソ連国家保安委員会(KGB)の出身で、同紙はクレムリン寄りと説明。「大統領ににらまれると怖い。KGBの力で抹殺されることがあるからだ」と指摘した上で、「一時休刊は自らの生き残り戦術で、ほとぼりが冷めるまでの一時的なエクスキューズ(言い訳)」と推測している。
・女性記者射殺や毒殺事件も
プーチン政権が、欧米などから「報道の自由への抑圧」と指弾された事件がある。同政権を厳しく批判していた女性ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤが2006年10月、モスクワの自宅アパートで射殺体で見つかった件だ。捜査は難航している。この事件の情報を収集、ロシア政府の関与を追及していたアレクサンドル・リトビネンコ氏(元ロシア連邦保安局中佐)も06年11月、亡命先のロンドンで毒殺されている。
(サンスポ2008年4月20日)

◇同紙編集部はロイター通信に対し「新聞の所有者に近い人からの圧力」があることを認めた上で謝罪するつもりはないとしていたが、18日には「報道には根拠がなかった」と謝罪する文書を掲載し、ウェブサイトも閉鎖された。
(日経新聞2008年4月19日)

◇ロシアのプーチン大統領がアテネ五輪の新体操金メダリストで下院議員のアンナ・カバエワと再婚すると報じた同国日刊紙モスコフスキー・コレスポンデントが18日、一時休刊を表明。政権の圧力も含め、さまざまな憶測を呼んでいる。
同紙は政治的背景には言及していないが、ロイター通信によると、編集スタッフの一人は「われわれは(大統領の再婚について)情報を得て、報道した」「(記事をめぐり同紙の)経営者と関連する人物から圧力があった」と説明した。
インタファクス通信によると、同紙を経営する企業側は、休刊は資金的な問題と説明。大統領は18日に報道を全面否定した。
(東京新聞2008年4月20日)

写真は、パリでの聖火リレー妨害などで中国各地で広がっているフランスに対する抗議行動のひとつ。19日、中国で80店舗展開するフランスの大手スーパー、カルフールに向かって学生ら約2000人がデモ行進。フランス製品のボイコットを要求しチベット独立を糾弾するため、幾つかの都市で抗議者たちが集まっている。またカルフールに買い物客を入れないため店の前に大型トラック(ダンプ)で妨害してもいる。
4月9日CNNの番組でJack Caffertyが中国についてディスカッションするなかで、「あの国の製品はジャンク(がらくた)」と言い、中国は「ならず者と殺し屋の集団」と言及したことで、中国政府ばかりか米国内の中国人の抗議行動が過熱した。北京オリンピックを前にして世界のあちこちで中国人のナショナリズムが高まりつつある。以下、共同通信のニュースからーー。

◇チベット情勢をめぐって中国政府を非難する報道機関や、北京五輪の開会式不参加を検討する欧州各国政府に対して反発する欧州在住の中国人が19日、中国側の立場を主張するための抗議活動をパリやロンドンなどで一斉に行った。
欧州の「偏向報道」に抗議するとともに、北京五輪の成功を訴えるのが目的。6日にロンドンで、7日にパリでそれぞれ実施された聖火リレーは中国政府の責任を追及する抗議行動によって大混乱した。非難の矢面に立たされた中国人らが反論の機会を求めた形だ。
中国人は、パリでは中心部のレピュブリック広場、ロンドンでは首相官邸前に集結。また中国紙、環球時報(電子版)によると、ベルリンでも連邦議会前で抗議行動を実施。主催者はインターネットを通じて在留中国人に参加を呼び掛けた。
(東京新聞2008年4月19日)