見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2007/01/27

脅威を感じたら「Capture or Kill」



ドキュメンタリー映画「不都合な真実」がアメリカ・ワシントン州のある大きな公立学区で授業で見せるのを禁じられたというニュースについて、日本の反応との違いを挙げてホッと安堵しちゃいましたが、日本は京都議定書の批准を推進する立場にある国なので、単純に比較はできないことに気づきました。アメリカは批准してない国、そのトップが「見ない」といってる映画です。石油産業にどっぷり漬かるブッシュとそのチームは地球温暖化についても懐疑的です。
さてさて、今朝のabcニュースではブッシュのコメントが紹介されました。
アメリカ政府の無法者ぶりを示す、これまた仰天の「Capture or Kill」についてです。なんでもイラクにイランの先鋭部隊が潜入しているとかで、もしイランの工作員を脅威に感じたなら、その場で「拘束もしくは殺害してよい」と命じたのをブッシュが認めた発言です。
大量破壊兵器に代わり、今回、力強く何度も繰り返し指摘されているのが、EFPというイラン工作員がイラクに持ち込む化学兵器の名称。ゲーツ国防長官はイランがこれを提供しているとはっきり述べました。前回のイラク侵攻の口実でも、ニジェールから濃縮ウランがどうじゃとか、国連の場で世界に向かって堂々と衛星写真まで披露して指摘しましたから、ぜんぜん当てにはなりません。というか、またまたウソですかと勘ぐりたくなります。ゲーツは2万人の増派を支持し、ブッシュは「増派を決めるのは私だ」と言い切りました。
ワシントンではブッシュの増派に反対する数万人規模のデモがあるそうです。

上の写真は1983年のバスキアの作品「Lye」です。バスキアの絵が好きです。

2007/01/26

YOU TUBE で告発!



京都市のホテル2棟で耐震偽装が明らかになった問題で、元谷外志雄アパグループ代表と、その妻のアパホテル社長が25日、東京港区の本社で記者会見し、構造計算書の偽造について謝罪しました。おまけに妻が泣いてみせました。マスコミはまったく無視しましたけど、タワーマンションをばんばん建てているアパグループの偽装問題については昨年秋からネットではずいぶんと糾弾されており、政界とのというか、安倍首相との癒着が指摘されていたんです。それもイーホームズの藤田東吾氏がアパグループと田村水落設計コンビの耐震偽装について暴露したからなんです。
ついにばれたか!たぶん安倍首相の支持率低下から先が読めたということで抑えが利かなくなっているのかもしれませんね。
アパグループの元谷会長は森元首相の最有力後援者(同じ石川の出身)。そして安晋会の副会長、つまり安倍首相の有力な後援者でもあったのです。ヒューザーの問題が発覚したときにすでにアパグループにも問題があることはわかっていたにもかかわらず、こちらのほうは表面化しなかった、なぜかはわかりますよね。
以下は、YOU TUBE でも見れる元イーホームズ代表、藤田東吾氏の告白です。
http://www.youtube.com/watch?v=rZbeS5CiU3Uhttp://www.youtube.com/watch?v=rZbeS5CiU3U

今日、東京地裁で僕に対する判決が出ます。
耐震偽装事件に関係した裁判では一番最初の判決です。
僕を逮捕した本当の理由は、国が、アパのマンションやホテルの偽装を隠蔽するために、藤田東吾を逮捕して黙らせようとして行なったものと考えています。
イーホームズでは平成18年2月にアパグループのマンションの偽装を発見しました。アパのマンションやホテルの構造設計を一手に行なっていた田村水落という設計事務所の水落代表がイーホームズに来社して、「こんな偽装の手法は、姉歯より俺が先に初めた」と豪語しました。「建築確認を早く取るために構造設計にかける時間が少ないから構造計算書を偽装(改ざん)するなんて、他(の構造設計士)にも沢山いるよ」と平気で言いました。実際に田村水落がイーホームズに申請をしていた3件の物件に偽装が発見できました。その他の物件は役所や他機関に提出してきたと言いました。その後、アパの取締役や責任者の方が来社してアパに関する偽装の隠蔽や計画変更を要請しました。全くヒューザーの時と同様です。
僕は、国交省に対して、イーホームズで受け付けた以外のアパの物件を調査するように糾弾をしてきました。国は関知しないと言いました。アパは工事を止めませんでした。これもヒューザーの時と同様です。この状況が4月まで続いた中で、4月26日に僕は逮捕されました。
僕は以上の経過をずっと黙ってきました。もし言ったとしても、国は隠蔽するために何をするのか分らなかったし、社員もいたので安全を優先しました。また、アパの元谷会長が安倍晋三官房長官(当時)の後援会である安晋会の副会長を務めていたことも当時は知りませんでした。
今、イーホームズの社員は全員再就職が決まり、新しい道を歩んでいます。そして僕は一人になりましたが、僕が知る真実をここに語ることはイーホームズを創業した者として、代表を務めた者として、そして21世紀に日本に生きる者としての責任だと思います。よってここに発表を致します。
耐震偽装事件の本質は、決してヒューザーやアパだけの問題ではありません。また法的には確認検査制度の問題ではなく、大臣認定制度の問題のはずです。構造計算書が偽装(改ざん)可能なレベルで構造計算プログラムの運用プロセスを評価/認定した財団法人日本建築センター(国の天下り機関)と国土交通省住宅局建築指導課に責任はあります。
また、僕は「耐震偽装」と題して僕が知る真実を本に書きました。ペンの力によって耐震偽装が何であったかをお伝えするべきだと思ったからです。既に原稿はある出版社に入れてありますので近く出版されると思います。たとえ僕の身に何があったとしてもイーホームズの理念であった「21世紀の住環境の質の向上に貢献する情報提供」を果したと僕は思っています。
平成18年10月18日 藤田東吾

この人、そうとう脅されていましたが、それに映像を見る限り、ぎりぎりのところにいるように思えますけど、使える道具をフルに活用してふんばっているという感じがします。そこにちょっと好感を持ちます。
上の写真はこの問題にぜんぜん関係ありません。デイヴィッド・バーンが2月1日にカーネギーホールでパフォーマンスをやるそうなんです。1985年のロバートウイルソンとのコラボレーション「The Knee Plays」からのソングとあります。詳しくはまた別の機会に。写真はそのプログラムからいただきました。

地球の危機は誰にとって不都合なんでしょう



アメリカで口コミで広がり批評家からも喝采で迎えられたアル・ゴアの長年にわたる環境問題への取り組みを紹介した映画が米公立学区で上映禁止になっているというんです。
これは科学的データを基にしたドキュメンタリーであるのに、上映禁止の理由が「偏見がある」というのにはびっくり仰天してしまいます。
でもね、アメリカという国にはびっくり仰天させられますけど。最近はネガティヴなことでびっくり!が多いです。なんてったって州によっては授業で進化論を教えてはいけないんですから。人間は神によって作られたと信じる人の数には仰天どころか心底おそろしくなります。イランにも戦争で潰しにかかろうとするいまの動きには、いったいどうなってる、大丈夫なの?アメリカ!と、こころから心配になります。
25日付ワシントンポスト紙によると、ゴア元副大統領が出演し地球温暖化の危機を訴えるドキュメンタリー映画「不都合な真実」を米西部の公立学校が理科の教材として上映しようとしたところ、たったひとりの生徒の親の抗議で、教育委員会が中止にさせたことが話題となっています。
ワシントン州シアトル近郊で今月初め、7歳の娘の授業でこの映画が上映されると聞いた親が「(温暖化対策に消極的な)米国を非難するような偏見に満ちた映画を子どもに見せるな」と抗議する電子メールを地域の教育委員会に送付。これを受けた同教委が「地球温暖化のように科学的にも議論が分かれる問題を教材で扱う場合は事前の承認と異なる見解の紹介が必要」として上映を中止させました。
ここの教育委員会の見解に対しては「地球温暖化を教えるのに否定する見解を出してバランスを取る必要があるのか」といった疑問の声も寄せられたそうなんですが、科学的証拠に基づいたものに対し、なぜ偏見などというレッテルづけができるのか?困惑してしまいますね。ここで浮かぶのが、チェイニー副大統領の上を行く極右思想の持ち主である、妻リン・チェイニーの存在でした。
2004年の出来事ではあるけれど、いまもロッキードの役員をやっているリン・チェイニーの批判により、米教育省が、小学生が合衆国の歴史を学習する際の保護者向け教育小冊子の在庫分30万冊以上を廃棄していたことがありました。
彼女が気に入らないのは、この小冊子が何度も言及していたUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)で策定された国家歴史基準(National Standards for History)なるもの。UCLAの策定した国家歴史基準は推奨基準で導入するかどうかは教育現場の判断にゆだねられていましたが、すでに多くの州で導入されてきた実績がありました。
UCLAの策定した合衆国の歴史に関する記述は「アメリカの達成した偉業について充分にポジティブとはいえない」というのがリン・チェイニーの主張でした。特にクー・クラックス・クラン(白人至上主義者)やマッカーシー議員、50年代の反共産主義扇動時代についての記述、特に地下鉄組織(南部の黒人奴隷を北部に逃がす活動をした地下組織)と、自ら奴隷として逃亡し、組織運営に貢献した黒人女性ハリエット・タブマンに関する記述が、「多すぎる」と批判を展開しています。
結局、教育省は、在庫を一掃した後で、UCLAの歴史基準に関する部分全てが削除された改訂版歴史教育ガイドを発刊することになったのでした。
話をゴアの映画に戻します。
ワシントン州で7番目に大きな州範囲の学区に抗議文を送った親は「コンドームもアル・ゴアも学校にふさわしくない、彼は教師ではない」「映画が紹介している情報はなにが真実かについて完全に間違った見解なのだ。最後にはすべてが燃え尽きると聖書に書いてあるが、その将来の見通しが DVDにはない」と言っています。
この映画をめぐっては、制作者側がDVD5万枚を学校に寄付すると申し出たのですが、米科学教師協会が「政治的に一方の側に肩入れしたくない」と断ったとの報道があります。ひとりの親がおかしいという話ではなく、アメリカという国全体がキリスト教右派の方向にゆがんでいるんだと思います。
ちなみに最近公開された日本では、映画は「文部科学省特選」に選ばれています。文部科学省の担当者は「学校などで広く使われるのにふさわしい」とコメントしております。(1月26日付共同通信より)ホッ!

上のマンガは2006年とはこういう年だった、、、と言っております。国がウソをつくと他国の地下資源をドロボーするばかりではないことがよーくわかりました。どれだけの人間の生命、人生、家族をドロボーし尽くして、消すことのできないダメージを世界中に増殖させてしまったか。
イラクは内戦ではなかった。
「最後まであきらめない」とは言ってなかった。
イラク戦争は歴史によって「コンマ(句読点)」以上のことと見なされるものではなかった。
「われわれには拷問ができる。J・W・Bのサイン」は、拷問を法律上正当と認めるものではなかった。
「共和党を選ぶ(民主党に×)」は、国民の一般投票ではなかった。
「イラク研究報告」はダメだった。
(villagevoice.com by Ward Sutton Dec.18 2006)

2007/01/23

グアンタナモ捕虜収容所開設5周年


5歳になったんだねグアンタナモちゃん 誕生日おめでとう!
by 興ざましな WARD SUTTON

祝いの席に君は招待されているのだ!
「でもなんだってオレがここにいるの??」
「黙れ。」
食い物だってあるぞ!
「誕生日のケーキでも食いやがれ、ハンガーストライカーよ。」
それにパーティ・ハットだろ!(実際には麻袋のフードね)
「うーんうーん!!!」
そしてゲームだろ!
「さあ始めよう、タマタマに電極を縛りつけろ」苦痛なし、よごれ悪臭なし
「あああああ!!!」
手品だってやるぞ!ルンルンルン
「頭を全部水に浸ける、、、」
「うっグワっ!」
そして、もちろん道化役者がお楽しみを提供する。
「アメリカは拷問ちない。」はっはっはっ!はっはっはっ!

ザウパー監督のナイトメア


2006年アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた「ダーウインの悪夢」の監督フーベルト・ザウパーと村上龍の対談のなかでザウパー監督が言ってたことがこころに触れました。彼はこういうことを言っていたのです。
「アフリカに飢えた子どもたちがいることは周知の事実です。でも<知識>と<意識>には大きな違いがあって、アートという伝達方法で別の意識を提示することで<知識に顔を与える>のです。」
また、ドキュメンタリーとして現実を見せることが仕事の一部だとは思ってないそうで、彼の仕事は、映画を通して既に知られていることを<知りたいこと>に変えることなんだそうです。
「たとえば一つ例にとれば、アフリカでエイズが蔓延して、アフリカの人びとがエイズで死につつあるということは、誰もがうんざりするほど聞かされています。ですから、またそれを聞かされると人びとは、あ、それはもう知ってる、また同じこと、もういいよ、となります。情報過多の状態にあるわけです。
そうではなくて、その状況の中で一人を取り出し、その人を映画的なコンテクストに置いて、顔と名前を与えた上で、その人がどういう経緯でエイズに罹ってしまったのかということ見せたいと思います。その関係性を見せていきたいわけです。」
「脳は、これこれをすべきという命令を受けることを嫌います。逆に、何をすべきか考えろという形で挑発されたがっているのではないでしょうか。」
ザウパー監督はこの映画を作ったことで、タンザニアの政治家という強力な敵を作りました。タンザニア政府にとって大変な損害を被りかねない、非常な脅威と彼らが感じとるような、人を動かすパワーのある映画を作ったということなんです。
タンザニア政府は、映画がドキュメンタリーというのはウソで実はフィクションだと言わせてザウパー監督の信頼を堕としめるために、大金を使ったネガティブキャンペーンを張っているそうです。タンザニア政府は「Darwin's Nighmare」の入るドメインを全部買い占めたそうなんです。そして、アンチ・サーバーを張っているそうです。「Darwin's Nighmare.net」と入れると、ザウパー監督の顔写真が、世界の悪者、ビンラディンやサダム・フセインと一緒に並んで貼付いているそうです。タンザニア政府もやりますね。
アメリカは世界をだますためにもっと膨大な金をかけた、大掛かりとはいえ、冷静に考えると誠にこどもだましの、やらせをやりますけど。
上の写真は残念ながらタンザニア・バーチではありません。