見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2007/10/05

衛星が人権侵害をとめる日


米国ネバダ州では目下、衛星画像を駆使した行方不明の冒険家の捜索が行われているそうである。また、衛星画像を活用して暴力に苦しむミャンマーにおける人権侵害を追跡する別の動きもある。
米国科学振興協会(AAAS)の「科学と人権プログラム」では、人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルなどと協力して、衛星写真を使って世界の紛争を監視し、防止しようとしている。
AAASの研究者ラーズ・ブロムリー氏によると、この計画の戦略は人権侵害の現場をとらえた証拠写真を撮影し、関係者を改悛させるか、圧力をかけるよう、政府を説得する材料にすることだ。
衛星写真は、特にインターネットや電話などの通信が閉鎖され外部との連絡がたたれて十分報道されてない場所には、強力な証拠になると期待されている。
現在、ミャンマーはどうなっているのか?
以下はAAASの報告「ミャンマーにおける人権侵害を証明する衛星画像」から引用する。

◇高解像度の衛星画像をあらたに分析したところ、村落の破壊や強制移動、さらには人権侵害の目撃が報告されているミャンマー東部の25カ所で、軍の駐留規模が拡大しているのをはっきり示す証拠が見つかった。

◇AAASは、全米地球空間情報局(NGA)が提供する情報と現地調査のメモを比較して、報告されている約70件の人権侵害のうち、31件の場所の正確な地図を作成した。衛星画像の分析から、地図が作成された31カ所のうち25カ所で人権侵害の報告例を裏付ける具体的な証拠が見つかった。

ラーズ・ブロムリー氏はできるだけアーカイブに保管されてる衛星画像とあらたに入手した写真とを比較して、報告されている軍事行動の前後の現場を検証した。以前の画像がない場合でも、最近の画像から破壊行動は明白だった。
たとえばこの写真(上の写真)は、米DigitalGlobe社が運営する商業衛星によって今年6月24日に撮影されたものだが、4月22日にミャンマーのPapun郡で村が焼き討ちされたと報道される内容を裏付けると考えられる。人道主義団体「Free Burma Rangers」によると、焼き討ちは政府軍によるもので、村が反政府勢力を支持していたというのが焼き討ちの理由だ。この結果、約12人が殺された。
AAASは、ダルフールやジンバブエの紛争の追跡にも協力しており、村の人口激減を衛星写真で明らかにしている。
(WIRED DANGERROOM 28 September 2007)

政治的ツールとしてのSNS


10月6日、世界の数十都市で数万人規模による、ミャンマー(ビルマという国名を軍政が改めた)での民主化運動弾圧に抗議するデモ行進を行なう予定だ。
このデモ行進は「Facebook」という大学生の飲み仲間探しを支援する目的で作られたソーシャル・ネットワーキング・サイトの呼びかけであっという間に組織された。ソーシャル・ネットワーキング・サイトなるものの影響力がいかに強まっているか、その影響の範囲がいかに広がっているかがよくわかる。
アマチュア活動家と大規模な非営利政治団体の両者が、「Facebook」を利用することで世界中の人々を結びつけ、市民の関心事を政治家に表明することがどんなに簡単にできるかに気づいた。
6日の抗議デモは「Support the Monks' Protest」(僧侶の抗議を支援しよう)という名称の「Facebook」グループに属する30万人強のメンバーによって組織された。
ロンドンのほか、パリ、メルボルン、ソウル、台北、ウイーン、そしてワシントンDCなどの米国各都市で抗議行動が予定されている。
「Support the Monks' Protest」を立ち上げたのはカナダ・トロント出身の大学生19歳のアレックス君、9月半ばに民主化運動の弾圧を知ったのがきっかけだった。彼は今年の夏、大学に行くまでの7ヵ月の休暇中にミャンマーを旅行した。この経験が衝撃的だったという。
「すべてが古くてボロボロだった」、「人々はみな絶えず恐怖にさらされていた。思ったことを口にすることもできず、常に、見張られていることに注意していなければならない」と彼は語る。
軍政がデモ隊を暴力で弾圧するニュースが流れた後、メンバーの数は急増した。ミャンマーに親類がいる人、ミャンマーを旅行したことのある人たちが、なにか行動したくて参加できるグループはないかと「Facebook」で探したのだ。
ロンドンでこれに参加し、積極的に活動しているメンバーのひとり、23歳のジョニー君もやはりビルマでの滞在体験が参加の大きな理由だという。
リーズ大学を卒業したばかりだが、現在、このグループの中心メンバーとして、「Burma Campaign UK」やアムネスティ・インターナショナルなどの経験豊富な政治団体と協力したり、バイラル・ビデオを作ったりしている。
マレーシアのクアラルンプールでも積極的に活動している人々が20人を超えている。そのひとりナイジェル・カンバーランド40歳は英国出身だが国籍はマレーシア。母親がミャンマー出身で民主化運動に関係する親族もいる。
Facebookのキャンペーンは「自己満足的なところもあるが、ないよりましだ」とナイジェルは語っている。
New York Timesの記事によれば、ミャンマー政府は現在、インターネットや電話回線を閉鎖しており、兵士たちに、カメラや、カメラ付携帯電話を没収させている。
こうしたミャンマー政府への抗議を、自分たちのブログ上で表現しようという団体「Free-Burma.org」が、ドイツの大学生2人によって組織されている。
彼らの10月4日に組織したネットイベント、いつもの内容をやめてミャンマー軍政への抗議のバナーなどを掲載する「International Bloggers' Day for Burma」に参加したブログは、世界中で5000にのぼっている。
(WiredNews 10月5日)

写真は、ヤンゴンのシェダゴンパゴタ

2007/10/02

トスカーニのNo Anorexia



ミラノファッションウィークが開催されているイタリアで9月24日、拒食症の女性モデルを起用したヌード広告が新聞紙面や広告掲示板に掲載された。
体重31キロのフランス人モデルを起用したのはファッションブランド「Flash&Partners」。広告には「No Anorexia(拒食症)」と書かれており、イタリア人写真家オリビエーロ・トスカーニ氏が撮影した。
同ブランドによると、トスカーニ氏は、拒食症の現実を人々に示すため裸の写真を用いたという。同氏は1992年、ベネトンの広告キャンペーンで死期の迫る男性エイズ患者を撮影するなど物議を醸している。
やせすぎのモデルをめぐっては、スペインで昨年行われたマドリードファッションウイークで、BMI(肥満度)の数値が18を下回るモデルの起用が禁止され、大きな注目を浴びた。BMIで標準とされる数値は18.5〜25だ。(ロイター通信9月27日)

◇写真家オリビエーロ・トスカーニの仕事は一般にはベネトンの広告のなかで知られている。
彼のベネトンにおける最初の功績は1989年に始められた「反人種差別キャンペーン」で、黒人女性が白人の赤ちゃんに授乳をしている写真には「人種の混交」という彼のアイディアが込められていた。 当時まだアパルトヘイトが存続していた南アフリカ共和国のベネトン代理店はこのポスターに難色を示してポスターを作り直すよう依頼したが、ルチアーノ・ベネトンがこれを拒絶する。後に南アフリカ初の黒人大統領になったネルソン・マンデラは彼らを賞賛し、南アフリカに招待した。(wikipediaより抜粋)

ベネトンの広告にある、「世界がいま注目すべきこと」になんとしても人々の注意を惹きつけようとするオリビエーロ・トスカーニの努力の成果には、人の心をつかんで放さない目の覚めるような写真がたくさんある。1994年の「Bosnian Soldier 」もそんな写真のひとつだ。
ボスニア紛争で戦死した若い兵士が着ていたシャツとパンツを並べた写真。ユーゴスラビアの内戦が激しかった時期に、国連と共同で「反戦と難民の救済」を呼びかけるキャンペーンポスターとして使われた。その日のニュースで報道される戦死者はその他残りの世界には数字でしかない。このポスターでは、血染めのシャツとパンツという若い兵士の遺品を大写しにすることで、記号化された「死」や「戦争」を排除して、ひとりの若者の死というパーソナルな文脈へ見るものを導こうとする。このポスターもまた映像の衝撃の大きさから、多くのヨーロッパ諸国でメディアへの掲載拒否があったが、一方で高く評価され、日米で広告賞を受賞した。日本では1994年に一度、朝日新聞の30段広告として掲載された。
その切り抜きは、新聞紙の黄ばみから「過去」に思えても、アンソニー・ミンゲラの映画「こわれゆく世界の中で」のように、ロンドンで暮らしていようがボスニア難民という、いまの問題でもあるのだ。

写真は、拒食症の衝撃のキャンペーンポスターと1994年のBosnian Soldier

わたしたちの奇妙な優先順位


アンジェリーナ・ジョリーが26日、ビル・クリントンが主催し、地球温暖化や伝染病、貧困など、世界の抱える問題について討議する「クリントン・グローバル・イニシアティブ」のニューヨークでの年次総会に出席。イラク戦費のわずか数時間分で多くの子供に教育を受けさせることができるとスピーチした。
国連難民高等弁務官事務所の親善大使として、先月イラクを訪問し、400万人もの難民の現状を視察してきたばかりのアンジェリーナは、ユニセフと国連難民高等弁務官事務所が子供たちの教育のために要求している金額は「(アメリカの)イラク戦費の約8時間分です」と指摘し、「このわずか数時間分で15万人の子供たちを学校に通わせることができます」と付け加えた。
アンジェリーナは「思いやる心にまさるものはありません。教育以上に自由を与えるものはなく、争いを止めるために教育を受けた子供にまさるものはありません」と、行動をするうえでの優先順位を正しく設定するべきだと訴えた。
女優であると共に国連の親善大使も務めるアンジェリーナ・ジョリーは、紛争地域で暮らす子どもや難民の子どもたち100万人に対するおよそ1億5000万ドル(約173億円)の教育支援計画を発表している。
◇優先順位の見直しを
アンジェリーナ・ジョリーがイラク戦争について批判的な意見を語るのは今回が初めてではない。
6月のインタビューでは、イラク戦費について「わたしたちの優先順位はとても奇妙だ」と述べ、援助すべき状況には経費を支出せず、「結局はそれが戦争へつながり、さらに費用がかさむことになる」と指摘した。このほかにも、軍事費とエイズ対策基金を比較するなどしている。アンジェリーナは先月、イラク、シリア両国国境にある難民キャンプを訪れた。
「クリントン・グローバル・イニシアチブ」では、このほか地球温暖化や伝染病、貧困などの差し迫った問題についても話し合われた。(AFP通信9月30日)

アンジェリーナ・ジョリーは最近もっぱらその激やせぶりで人の目を引いている。
彼女はそこで子どもを出産するほどアフリカのナミビアが気に入っている。確かにナミビアにはすごい砂漠があって、写真で見る限り、自然空間はゴージャスだ。
反面、やはりそこは過酷な土地アフリカには違いなく、人々は飢えている。
国連大使として第三世界にたびたび足を運ぶアンジェリーナ・ジョリーは人々が飢えている現実世界をよくわかっている。裕福な国に戻っても、さあリッチなレストランで優雅な食事をしましょう!という気分にならないんだとどこかで言っている。
彼女の兄も、彼女が「食べなくなっている」のは今年1月の母親の死もあるだろうが、なんといっても第三世界のせいだと言っていた。
ときどき、こんなふうに「食べて」いてもいいんだろうか、と思うことがある。
ときどき、特別の日などのコースのディナーのすぐあとに全部嘔吐してしまうことがあり、数日拒食症みたいになる。罪悪感からではないと思うし、アンジェリーナのように繊細ではないけれども、こういう世界に生きていて、こんなふうに「食べる」必要があるんだろうか?とは考える。

写真は、最近のアンジェリーナ・ジョリーです。この記事では彼女のすじばった腕とおなかの陥没(ほらあなという単語を使ってた)について書かれています。それよりもすごいと思ったのは、彼女のボディには70カ所以上にタトゥーがあるんですよ。消す面倒(+痛み)があるので、もう男の名前は彫らないんだそうです、ブラッド・ピットにも期待はするなと言ったとか。ゴシップちょい好き。

2007/10/01

FUNDRACE2008


THE HUFFINGTON POST の「FUNDRACE2008」をクリックすると、あなたのボスや同僚、隣人、さらにはあこがれのセレブまでが2008年米大統領選候補の誰に寄付しているかが、すぐにわかる。
たとえば、俳優エドワード・ノートン、彼はニューヨークのパークアヴェニューに住んでおり、バラク・オバマに2300ドル寄付している。
スパイダーマンのトビー・マグワイアーはヒラリー・クリントンに4600ドル。
ポール・ニューマンはオバマとヒラリーに同額の4600ドル、他にも民主党候補
2人に寄付している。ドッド候補2500ドル、ビル・リチャードソン2300ドル。いずれにしても民主党。
◇ファンドレース2008へ ようこそ
セレブが二股かけてやしないか知りたくない?あなたが面倒みている新人が外観は共和党みたいってことなのか、それとも実際にそうなのか?
ファンドレースは、友人、家族、同僚、隣人がどの候補者に寄付しているかを名前または住所で簡単に突き止める。
金がどこからきたか?どしどしやってるのは誰か?見つけ出す、そしてあのいかれた元ルームメイトがなぜ今はトルコや西インド諸島ケーコスの大使になってるか?その謎を解くといった、何年にもわたり政治家やジャーナリストがしてきていることをやってしまうテクノロジーをファンドレースが君に与える。

写真は、次の大統領は民主党のオバマと考えるエドワード・ノートン

2007/09/30

世界で最も忘れられたエリア


YouTubeで公開されてるヴィデオですごくまともなこと言ってるジム・キャリーがご覧になれます。ぜんぜんおかしくない彼です。
http://www.uscampaignforburma.org/

45歳の俳優・コメディアンが、まれにみる真剣モードで、人権行動センターとビルマ米国キャンペーンに代わって、新しい公益事業コマーシャルに登場。ゴールは、この17年のうち11年もミャンマー政府によって監禁されてきているノーベル受賞者アウン・サン・スー・チーを解放することだ。
「彼女は現代のガンジーやネルソン・マンデラに匹敵するのに、アメリカではまだほとんどの人がアウン・サンを知らない」と、YouTubeに掲示される映像化されたメッセージでキャリーは言う。
「憶えにくい名前だという現実を直視して、がんばらなくちゃ。ボクがどうやって憶えるかやってみせる。アウン・サンは、賛美されてない(unsung)ヒーローという意味のアンサングによく似た発音だ。」
ヤンゴンの街で長いこと自宅軟禁下に置かれるスー・チーは、東南アジアの国を支配する圧政的軍事政権を転覆するための非暴力の骨折りを評価されて1991年にノーベル平和賞を受賞した。
タン・シュエ将軍率いる軍政はミャンマー東部の3000以上の村を破壊してきている。それによって150万を超える人々が故郷を離れざるをえない。そして他のどの国よりも多い子ども兵士を補充した。キャリーは彼の持ち時間の中でこう話す。
「ちょうどマンデラが投獄されたとき支援したように、世界中の人が彼女の救援に向かう必要がある」と、ビルマ米国キャンペーンの共同創始者ジェレミー・ウッドラムは声明の中で述べた。
「このコマーシャルは、米国そして世界中くまなく、アウン・サン・スー・チーに関する活動での急激な高まりの一助となります。」

◇ミャンマー東部:知らないふりをされる残忍な行為
3000の村が破壊され、百万人が難民に、国連安保理はなにもしない
そこは世界で最も忘れられたエリアのひとつ。大量の退去難民、労働レイプ拷問の強要、あらゆる形の迫害があたりまえの現実という場所。3000を超える村の破壊はアジアで最悪の人道主義の情況に導いている。ミャンマーの暫定軍事政権は国中くまなくひるまない発展・成長の阻止を維持する。特にミャンマー東部の少数民族に関してはすっかりだ。そこの政治的支援や現金、武器が、将軍たちの権力支配の存続を確かにする、中国のような国々の支援のせいで、このひどく不快な事態は続いてこれている。