見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2007/02/23

アメリカ人がイラクでしたこと


アメリカのイラク侵略について詳細に記録した本なら、あってしかるべきチャプターが、米兵はもちろんのこと、アメリカ人が訓練してしつけたイラク人平和維持部隊だか治安部隊だかの兵士や警官の、同じイラク人の女性に対するレイプ事件です(イラク人男性に対するレイプ事件もかなりあるという話)。
その筆頭にあがるのが、2006年3月12日バグダッド南部の町マハムディヤのある一家を襲撃した事件で、14歳の少女がひとり別室に連れて行かれ、レイプされ、火をつけられて燃やされ、妹と両親も殺害されるという冷酷なものでした。
その実行犯の米兵に対する審理が2006年8月10日に終了しました。
以下はAFPが配信するニュースからの抜粋です。

<バグダッド・イラク 10日 AFP>
イラク駐留米軍兵士らによるレイプ、殺人事件に関する審理が終了した。同事件は、3月12日にバグダッド南部の町マハムディヤ(Mahmudiyah)で、イラク人少女をレイプし、家族計4人が殺害されたもの。バグダッドの米軍事法廷で、この兵士らを軍法会議にかけるかどうかについて審理され、9日に終了した。
実行犯とされる米兵は5人。うちジェームズ・バーカー技術兵、ポール・コーテズ軍曹、ブライアン・ハワード兵卒、およびジェシース・ピールマン兵卒の4人は、同事件でそれぞれ異なる役割を果たしていたとされ、個別の容疑で告訴されている。検察から同事件の首謀者と指摘されているスティーヴン・グリーン兵卒はレイプと殺人の罪で起訴されている。グリーン兵卒は「人格障害」を理由に除隊となっており、米国ケンタッキー州の民間法廷で裁判にかけられる予定。グリーン兵卒は無罪を主張している。
3日間にわたり法廷で論争を繰り広げた後、軍の検察官は8日、兵士らの論告求刑の中で、この犯罪は兵士らが綿密な計画に基づき実行したものだとした。ピックランズ大尉は、兵士たちが以前から少女のことを知っていた点を指摘している。
「パトロールの際に見かけて、彼女が若くて魅力的だったから、犠牲者に選んだのだ。手近にいるか弱い存在だった」
弁護側は、事件の起きたマハムディアの検問所にいた兵士らが異常なストレスにさらされていたと主張したが、検察官のアレックス・ピックランズ大尉はこの主張を退けた。
「兵士らは集まってカードゲームを行い、飲酒し、犠牲者の少女をレイプし、殺害する計画を企てたのだ。本日ここで話し合っているのは戦争についてではなく、殺人やレイプについてだ」と、ピックランズ大尉は主張する。
一方、デイヴィッド・シェルドン弁護士は、「あれほど過酷なストレスにさらされている状況では、誰もが爆発寸前の爆弾になるはずだ。全員で犯行計画を話し合ったのではなく、グリーン兵卒が自分の計画を実行しただけで、他の兵士には責任はない」と、今回の事件の責任の大半はグリーン兵卒にあると主張している。
なお、アンソニー・イーライブ軍曹が、事件後にレイプと殺人が起きたことを知ったにもかかわらず報告をしなかったことに関し、同軍曹を職務怠慢の罪で起訴すべきかについての是非も審理された。

なぜレイプの話なのかというと、つい最近(18日か19日)にも二十歳のイラク人女性が家から拉致されて警察の駐屯地で集団レイプされました。レイプ犯は警察官だったそうですが、同じイラク人同士でも警官はほとんどがシーア派、女性はスンニ派という宗派間の恨みつらみがこういう形になったようです。日常茶飯事的にレイプ事件はあって、どの家族にも犠牲者が必ずひとりやふたりはいるというのがいまのイラクの現実。アメリカが占領する前には、フセインがいたとはいえ、レイプされて女性がじっとがまんするなんてことはなかったそうなんです。フセイン時代には、きちっとそれは違法行為であったということです。
写真はつい最近のイラク人警官による集団レイプ事件の犠牲者です。彼女は既婚者でした。

うちのサンバ5ヶ月とヴァーモス4ヶ月



今朝は散歩に出たら勢いよく雨が降ってきてしまい、一目散に家に向かって走りました。どちらかというと全速力でもがき走ったのはママのほうでした。
さてさて、イエローラブのサンバはいま警察犬訓練所で学びの最中でして、でも、あと10日ほどで卒業し、家に帰ってきます。交代で今度はボクサー犬のヴァーモスが訓練所に行きます。どうなることやら、ここまで甘やかして、好き勝手にやってきているうえに、そうとうの頑固者ですから。正直いって、めちゃくちゃおもしろい犬なので、4ヶ月いないというのは寂しいし、困ります。他犬に対してはどんなやつでも受け入れて「噛まれる」ことさえ遊びにしてしまうような彼は善良な犬です。人間に対しても同僚という感じで遊んでしまいます。パワーが増してくると不幸な事故につながる可能性があり、結局はヴァーモスに悲しい思いをさせることになりかねません。なので、ぐっとこらえて、訓練所にやるわけなんです。
通いのドッグトレーナーも試しましたが、やはりママが甘いですから、終わるともとに戻って対等になってしまいます。あと、ちょろちょろ動くもの、小型犬やネコや、風に飛ばされるものすべて(葉っぱの類いから人間が道路に捨てたゴミの類いまで)、そして鳥の動きに敏感に反応します。そういうときには抑えがきかなくなります。公園仲間の飼い主のなかには「こんなにいい犬なのになんで訓練所に預けるの?」と疑問に思う方がいます。「かわいそすぎる!」と言ってその場でトレーナーを紹介してくださる方もいます。でもね、こんなにいい犬だから!決心したんですよ。絶対に不幸なアクシデントには巻き込みたくないですから。
あと、オスの去勢もいろいろな方から薦められます。でも長年警察犬訓練所を運営してきた、そして石原裕次郎のボクサー犬を仕込んだり、先日は村上龍のシェパードの種付けを手助けした(この現場を運良く見ることできました!このベテラン訓練士さんは、メスに触っただけでどんな子宮かがわかり、微妙な臭いで子宮内膜症かどうかも見分けることができるんですよ)ベテラン訓練士が、去勢はいつでもできる、取ったら二度とつけられない、去勢したとたんに訓練したことを忘れてしまう犬がいる、筋肉質がぶよぶよになる、などの助言をくださいまして、迷っていたのが一気に吹っ切れました。当座は去勢はさせません。
ということで、今日は、まだサンバが訓練所に行く前の、のんきな2匹の姿をご覧に入れます。フェンスのあるデッキではお留守番をしたり、昼間はだいたいここで寝ます。誰が教えたわけでもないのに、ヴァーモスはデッキに来るなり、このデッキチェアーに座りました。以後、ここが彼の居場所です。いまでは窮屈になりましたが、それでもここに収まります。お座りして前方の通りを眺めている姿は最高ですよ。写真はサンバ5ヶ月、ヴァーモス4ヶ月です。

2007/02/20

ニクソンとチェイニー どっちがビッグ?


チェイニーが今日、来日します。この先もずっとオレ様に従えよ!と言いにくるのでしょう。今日来て、あさってにはやはり不人気のオーストラリアのハワード首相の元に飛びます。過去の事例から、チェイニーに逆らうと「不審な死」を迎える場合があるのでニュースから目を離さないように。特にアルコールは禁物です。
<ニクソンとチェイニーと、どっちがビッグなディックかって!?>
ニクソン □ヴェトナム戦争を終わらせる極秘計画があると主張した
チェイニー■イラクで戦争を始める極秘計画があったのを否定する
ニクソン □極秘のカンボジア爆撃を画策した
チェイニー■イラク、アフガニスタン、グアンタナモベイと捕虜収容者の極秘拷問を画策する
ニクソン □ホワイトハウスのリーク(漏洩)ダメージを止めるためリディという男に委任した
チェイニー■有害なホワイトハウスのリークの一員になるのをリビーという男に委任した
ニクソン □国民の共産主義の脅威をかきたてた
チェイニー■国民のテロの脅威をかきたてる
ニクソン □1970年に環境保護局(EPA)を作った
チェイニー■以来ずっと環境保護局を壊滅させようとしてきた
ニクソン □ウオーターゲートのテープをかけるのを拒んだ
チェイニー■エネルギー対策委員会の文書を開くのを拒む
ニクソン □ボブ・ウッドワード(ウオーターゲート事件を暴いた)によって激しく追跡された
チェイニー■ボブ・ウッドワードから機嫌を伺われた
ニクソン □テープにある彼の、ののしりと悪意ある言い方はショッキングだった
チェイニー■公の場での彼の、ののしりと悪意ある言い方は日常茶飯事
ニクソン □ウオーターゲート事件のスキャンダルが彼をよしとする率を25%までにした
チェイニー■ヴァレリー・プレイム・リーク事件が彼をよしとする率を19%までにしている
ニクソン □大統領職を辞職した後、激しい論議のある恩赦を認められた
チェイニー■ハリバートンから辞職後、大枚2000万ドルと値踏みされた議論のある退職金を授与された
ニクソン □「わたしは悪党ではない」と言った
チェイニー■そのような主張はしていない

副大統領の妻リン・チェイニーが以前から歌手のエミネムを攻撃していたことから、最近はエミネムがチェイニーの妻とディックを非難する曲を発表しています。ディック・チェイニーの経歴はというと、ブッシュのパパの政権で湾岸戦争を起こしているし、アメリカ新世紀プロジェクトのメンバーで、ブッシュ政権内ではネオコン思想家の要石の一人とされています。アメリカ同時多発テロ以降、ブッシュ政権の強硬な武力で押す政策は、彼の意見が大きく働いているとされています。
また、2005年10月から、副大統領のリビー首席補佐官がCIA工作員の身元を漏洩したとして米連邦大陪審が起訴し、さらに副大統領自身も情報漏洩に関与している疑いが持たれています。
そして、2006年2月11日には狩猟中に友人の弁護士を誤射し負傷させる事故を起こしました。狩猟前に酒を飲んでいたことが後に発覚。この事故に関して、マスメディアに情報が漏れるまで公表しなかったことが判明し、批難を浴びることになります。若い頃、飲酒運転による逮捕歴あり。ブッシュ大統領にも逮捕歴があることから、正副大統領で逮捕歴があることになりまーす。

写真はお気に入りのWard Sutton の諷刺マンガです。彼の本が出ています。
Sutton Impact: The Political Cartoons Of Ward Sutton (ペーパーバック)
Amazon.comからすぐに買えます。

2007/02/19

ボノに名誉を与える決議案


ローリングストーン誌の最新号によれば、ノースダコタ州議会がU2のボノに名誉を与える提議をしました。そしてその決議が先週木曜日に行われたんだそうです。
以下は記事の抜粋
♯ノースダコタの議員 ボノを退ける
ボノをはねつけるのは娘の婚礼の日に頼みごとを冷遇するようなものではないか?ノースダコタの議員らは知ったことではないらしい。2月15日木曜、州議会はボノに名誉を与える決議案を58対35で無効にした。提議は「第三世界の国々への債務免除の弁護」のためにロックの寵児である説教師を承認したかった。それはさておき、著しく無知な議員らはどうもボノのことをソニー・ボノとごっちゃにしたらしい。

ソニー・ボノとはソニー&シェールのソニーのこと。74年にシェールと離婚すると、TVタレントになったもののパッとせずにショービズ界から引退。88年転機が訪れ、市長に当選。94年に2度目の挑戦で上院議員の座を射止めます。60年代のヒッピー風から一転して政治家ボノは共和党に属し保守的な政治思想の持ち主でした。特に熱心だったのが著作権保護期間を延長する法改正の成立。有名なのが「永遠から一日引いたのが著作権期間」というセリフです。すでにスキー事故で他界していたので、彼の悪名高き延長法は「ソニー・ボノの負の遺産」と呼ばれました。
2003年1月15日、米最高裁は1998年成立のソニー・ボノ著作権期間延長法は合憲であるとの判断を下しました。ソニー・ボノ法以前、著作権は作者の寿命+50年間かまたは企業の著作物の場合75年間保護されていました。どちらの期間も20年延長するこの法律は古い書籍のデジタル版をインターネット上で提供していたニューハンプシャー在住の愛書家エリック・エルドレッドらによる違憲訴訟を呼びました。
法廷がエルドレッド側の主張を退ける判決を下したとき、ディズニー社は一斉に安堵の溜息を漏らしたそうです。ソニー・ボノ法がなければ2004年に著作権が消滅するはずだったミッキーマウスはパプリック・ドメインに入り、彼の仲間たちもすぐ後に続くはずだったからです。ディズニー社が同法の制定に力を尽くした理由のひとつは、ミッキーと仲間たちをディズニーの収容所に閉じこめておくためでした。エルドレッドの支援者たちは直ちに「Free the Mouse!」を非公式なスローガンに採用します。
ミッキーマウスの著作権が切れパブリック・ドメインに入ろうとするたびに著作権の期間が延長されてきたせいで、ソニー・ボノ著作権期間延長法は「ミッキーマウス保護法」とも呼ばれています。

昔々、著作権がない時代がありました。1774年、自由な文化「free culture」が誕生します。
英国貴族院、ドナルドソン対ベケット裁判の結果、著作権の停止によって、フリーカルチャーがもたらされたのです。
「かつてわれわれが持っていた文化、過去の作品を誰もが自由に利用できる文化は消え去った」
「われわれの社会は日々、自由を失ってゆく。」(ローレンス・レッシングの「free culture」より)

2007/02/18

バグダッドいまもバーニング



イラク当局がバグダッドのあちこちで新たな締め付け(断固たる措置)を発表する
2月13日、第504パラシュート歩兵連隊の兵士らがバグダッドの南東にバリケードを築いている。軍隊を誇示するチェックポイントが街の全域に及んでいる。
2月14日付ニューヨークタイムズが報じる。
「首都を血まみれにしてバルカン諸国のようにさせている宗派間浄化の流れをくつがえそうとの驚くべき、大いに挑戦的な、能力が試される奮闘で、火曜日、イラク政府は、何万ものバグダッド居住者に政府が不法に占拠している家々を離れるよう命じた。
TV放映されたスピーチのなかで、この新たな断固たる措置を指揮しているAboud Qanbar中将は、イラクのイランとシリアとの国境の閉鎖も発表した。
政府は危険と考える市民の家やクルマに突然侵入するだろうし、メールを開封し、電話を盗み聞きすると、彼は言った。中将は、新たな締め付け措置で演じることになるアメリカ軍の役割について触れなかった。だが彼の言が、バグダッドのストリートでのアメリカ軍によるより好戦的な奮闘と一致するよう時期を合わせたのは明白だった。」

バグダッドバーニング、リヴァーベンドの日記の彼女はバグダッドでどうしているのだろう。昨年12月31日にフセインのリンチについて書いた後には、どこを探しても出てこないのでUPされてないんだろうな。
ここまできちゃったけど、まだオーストラリアのハワード首相なんかは、アメリカの時期大統領候補オバマ氏の「2008年からイラクでの撤兵開始」というコメントに猛反発しているよ。
「私がアルカイダの幹部だったら来年の3月には大喜びだ。オバマ氏にもっと頑張ってもらいたいと思うだろう」と、まるで、オバマ候補がテロリストに通じていると言わんばかりの中傷を繰り広げています。この人も頭おかしい。イギリスのブレアもすでに死んでるようなものだけど。フセイン処刑の日に各国から一斉に非難が上がったのに乗り遅れたこの人、ビージーズのお友達のところで休日をエンジョイ中で、ノーコメントでお茶を濁しておりました。ブレアは洗脳でもされちゃったんでしょうかね、かつてはかっこいい時期もあったと思うんですけど。秘書のプレイメイトばりの女性と、サウナで汗を流している写真をフランスの雑誌で見ました。女性の太ももに手を触れているもので、それは色っぽかったですよ。
オーストラリアでも、ハワード政権の人気は芳しくないそうです。当然、でしょうけどね。
「オバマ世代」というくくりで書いているローリングストーン誌の記事がおもしろいんですけど、この話はまたいつか。

写真は少なくとも59人が死んだ12日の黒煙が上がるバグダッドと、16日断固とした措置が取られる首都中心部の検問所のようすです。