見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2007/08/25

Viridian 青緑色の世界





SF作家アラン・ワイズマンの新刊「The World Without Us」(われわれ人類なき世界)は、人類が突如消滅したと仮定して、その後の地球に起こることを想像している。
自分の人生、あるいはヒトという種の終わりについて意識したときに私たちの誰もが抱いたことのある疑問、つまり、自然は人類の存在の痕跡をどのくらいの期間ですっかり呑み込んでしまうのか、という疑問に答えるものだ。
以下は、「Scientific American」誌(電子版)に掲載された「人間なき世界」と題された記事のワイズマンへのインタヴューからカットアップ。by SA編集者スティーヴ・マースキー
http://www.sciam.com/article.cfm?chanID=sa006&colID=1&articleI

ひとたび電力の供給が止まると、地下鉄の排水ポンプが稼働しなくなる。ひとたびポンプの稼働が止まると、地下鉄は浸水し始める。48時間のうちにニューヨーク市のあちこちで水があふれ出す。一部は地上にいても確認できる。下水溝があふれ出すところがある。下水溝はかなり短期間のうちにゴミで詰まるだろう。最初は街のそこらじゅうで風に舞っている無数のレジ袋によって。そしてその後は公園を手入れする人がいないので、落ち葉のゴミも下水溝を詰まらせることになる。
だがそのころ、地下では何が起こっているか?腐食だ。レキシントン・アベニューの下を走る地下鉄のことを考えてみてくれ。あそこで電車を待って立ってるときに何本も鉄柱が見えるだろ。あれは、実際には道路でもある、屋根を支えているんだが。あれがすべて腐り出して、ついには崩壊する。しばらくすると道路に陥没が生じだす。これは20年かそこいらで起こるはずだ。そしてまもなく、一部の道路は地表を流れる川となり、私たちがマンハッタンの街を建設する前の状態に戻ることになる。
ああ、マンハッタン。この手の人類滅亡後の未来空想は、決まってマンハッタンから書き起こされてるような気がするが、どうしてなんだろう。ニューヨーク市に住んでいなければ、私にももっとよく理解できた気がする。だが、私にはもはやマンハッタンはアメリカンドリームの確たる象徴というよりは、中途半端な流行かぶれやプチ金持ちであふれかえった、巨大なベビーサークルにしか見えない。
告白せねばならないのだが、私はワイズマンに対して、少なからずねたましさを感じている。というのも私自身、ちょうど同じような本を書きたいと考えていたからだ。
きっかけは、ワイアード・ブログの執筆者でもあるブルース・スターリングのサイト「Viridian(ビリジアン=青緑色)」のいくつかの記事によって、「不本意の自然環境保全区域」(involuntary parks)に興味を持ったことだ。
これは、たとえばチェルノブイリの事故現場や朝鮮半島の非武装地帯など、汚染や政治的理由によって人が住めなくなった地域のことを指す。
ワイズマンは今回の本の調査のためにこれらの地域にも足を踏み入れている。未来小説のレンズを通して今日の世界を見たいという人にとって、これ以上の本はないだろう。

フリーの百科事典ウィキペディアから
Involuntary parks:
「不本意の自然環境保護区域」は、スターリングの言葉では「テクノロジーのインストルメンタリズム(思想や観念が環境支配の道具としての有用性によって価値が決まるとする説)としての価値を失い」、植物が生い茂った野性に返った状態に戻るに至っている、環境的または政治的な理由で人が住めなくなったエリアを説明するのに、SF作家で環境保護主義者のブルース・スターリングによって創り出された用語だ。地球温暖化のせいで海面が上昇するという話の文脈の中で「不本意の自然環境保護区域」を論議するスターリングは、次のように書く:
それらの区域は、わがナチュラルヘリテージ(自然遺産)財団の正規の料金で、よく仕込まれた森林レンジャー隊員によって神経質に警備される政府所有のエリア、小さな20世紀の国立公園に似ている。たとえば、青々としていて、たぶん野生動物がうようよしている。でも種の混乱は、もはや自然ではない。それらは大部分が成長の早い雑草、ツタと竹のコスモポリタンジャングルだ。ことによると、多くが塩水がしみ出た所に対処できる遺伝子組み換え種であるかもしれない。スクラップのせいで平らにならない水につかった都市は、不自然な一面に生えた雑草の繁殖のなかにすっかり姿を消す。
例として、
*ギリシャとトルコのキプロスを分けるグリーンライン
*朝鮮半島の非武装地帯
*放射能で汚染されたチェルノブイリの大きな災難域を囲む孤立地帯
*米国政府指定のホワイトサンド・ミサイル軌道・軍保留地、トリニティ試射施設の地
などが挙げられる。

写真は、ギリシャ・キプロス南部キプロスの首都ニコシアにあるグリーンラインによって分断されるレドラストリート、北から見た朝鮮半島の合同保安地区、チェルノブイリの孤立地帯への入り口、そして連邦政府が管理するホワイトサンド国立記念物のそばにいる兵士たち

力の誇示にはうんざり


「米イラク政策 単純化が過ぎないか」
25日の中日新聞社説が気持ちを代弁していた。世界に実に大きな影響力のある国を動かすトップらが本気でこう考えているなら、このでたらめさを上回るめちゃくちゃな世の中になる、いや、世界はもう幼稚園状態にある。
以下、中日新聞の社説より。

米軍のイラク撤退議論が高まる中、ブッシュ米大統領が戦前の日本軍をアルカイダになぞらえる演説を行った。日本が民主化できたのだから、イラクも可能だという。歴史を単純化してはいないか。
ブッシュ大統領が米ミズーリ州カンザスシティーの海外戦争退役軍人会で行った演説は、本論の主要部分を日本との比較に充てた。
「敵は自由を忌み嫌っていた。その敵は米国民の戦意をそぐほどの惨害を与えようと自爆攻撃をしかけた」。「といってもアルカイダのことではなく真珠湾奇襲、そしてその後、東アジアに帝国を築こうとした1940年代の日本の戦争マシンのことだ」。大統領はこう切り出し、いかに戦前の日本が今のイラクに似ているかを説いた。
日本は文化的に民主主義が根付かないと思われていたこと。女性は従順過ぎて政治的独立にはなじまないと思われていたこと。狂信的な国家神道が民主化を不可能と思わせていたこと、などが主な点だ。
その日本が戦後、米国最大の同盟国になり、女性の防衛相さえ誕生するまでになった。イラクに米軍が駐留を続ける理由は、日本の民主化を助けたアメリカの理念、権益そのものだ、と続けている。ベトナム戦争にも言及し、米軍撤退がその後の惨劇につながった、とも指摘した。
演説が、来月に発表される米政府のイラク報告書を前に退役軍人の会合でなされたものという事情は分かる。しかし、その歴史の比較はあまりにも単純過ぎないだろうか。
日本やドイツで成功した民主化過程が、歴史と文化を異にするイスラム圏で一律に適用できる、とどうして確信できるのだろうか。アフガニスタン、イラクでの民主化は確かに自由選挙を経て新生国家の誕生を見たが、その足元は危うい。イラクのマリキ政権は宗派抗争から大量の閣僚が引き揚げ、崩壊の危機に直面している。パレスチナでは選挙を通じて武装闘争路線を捨てないハマスが支持を得る皮肉な結果となり、分断を生んでいる。
テロとの戦いは、国家を超えた姿なき組織との非対称性の戦いだ。国民国家の枠を超えたグローバル化が進み、欧州連合(EU)に見られるように、世界的に新たな秩序が模索される時代。求められる「力の誇示」以外の紛争解決モデルは示されていない。
ブッシュ大統領は対テロ戦争を「イデオロギーの戦い」と主張し、この一点で一切の妥協を拒んでいるように見える。
多様であるべき歴史の比較には慎重でありたいと思う。

写真は、言わずとしれた911、日本もこれ以降、これにはずみをえて、根本から変わろうとしています。いまの国を動かす頭脳では、危険な方向にどんどん転がっていっているとしか言えません。アーティストも自分の持ち場で声を上げている人は上げているんですが、まだまだ足りません。すべての解決策は、人類が消えてなくなることでしょうか。

2007/08/24

最も恥ずかしいウィキペディア情報操作


グリフィス君が公開したツール「ウィキペディアスキャナー」は、ウィキペディア上で行なわれた独断的な編集や匿名性を利用した宣伝活動などを暴く威力を持ったツールだ。企業や団体、政府機関の名称を入力すると、それらに割り当てられているIPアドレスのリストが入手できる。さらに1度か2度クリックするだけで、それらのIPアドレスからウィキペディアのページに無記名でなされたすべての編集が確認できる。
というわけで、グリフィス君が開発したツールは、公開されている情報をちょっと整理し直すだけで、大きな発見ができることを示す好例だ。
以下は、ワイアードの読者から投稿された「最も恥ずかしいウィキペディア情報操作」から一部人気のあるものを紹介します。
化学メーカーは工場事故や枯れ葉剤の記述を削除、石油企業は「バイオ燃料」全体を削除、NSA米国家安全保障局は、世界的盗聴システム「エシュロン」へのリンクを削除。イスラエル政府やアルジャジーラ放送、トルコ財務省も登場します。
(2007年8月16日更新分)

◇電子投票機メーカー米ディーボルド社は、自社に関する批判や論争をすべて丸ごと削除している。たくさんの編集記録が残っている。
◇カルト集団サイエントロジーによる自らへの批判の削除
◇NRA全米ライフル協会の何者かが、2001年の米国同時多発テロの計画や実行にイラクが関与したと私たちに思わせたがっており、その「証拠」を記述している。NRA、米国同時多発テロに「イラクが関与」と追加。
◇ダウケミカル社が化学工場事故、枯れ葉剤、乳房インプラントへの言及を削除。
米ダウケミカル社が、「環境と人権にかかわる論争」と名付けられたセクションを丸ごと消去している。このセクションには、数十万人に被害を与え、世界最悪の化学工場事故といわれるボパール工場事故、エージェント・オレンジ(枯れ葉剤)、および乳房インプラントに関わる情報があった。
◇米シェヴロンテキサコが、バイオディーゼルの総合的な記事全体を削除し、さらに、イラクの原油に関する制裁措置への違反で科された罰金に関する情報を削除している。
◇米エクソンモービル社が、「原油流出事件の保障未支払い」について編集。
エクソンモービル社のIPアドレスから、エクソン・バルディーズ号の原油流出事件とその後の後始末に関する議論が書きかえられている。アラスカの漁師に対して支払いの義務があるという50億ドルを同社が「支払っていない」とする部分が、同社が「すでに支払った」お金についての詳細を宣伝する内容に置き換えられた。
◇FBIが、グアンタナモ米軍基地に関するページを編集。
FBI米連邦捜査局がキューバにあるグアンタナモ米軍基地の航空写真を削除した。
◇カタールのアルジャジーラ放送から「イスラエル建国はホロコーストに匹敵する悪事」との書き込み。
◇ディズニー 社が、DRMに批判的なコリー・ドクトローの引用を削除。
2004年のクリスマスイブに、米ディズニー社のIPアドレスから何者かがデジタル権利管理の項目を編集。DRMに批判的なコリー・ドクトロー氏への言及を、同氏がこの問題について米マイクロソフト社のリサーチグループに対して行なった講演へのリンクとともに削除した。
その後、ディズニー社のIPアドレスから何者かが、項目内にあった「反対派」の議論を改変し、消費者はDRMを受け入れているという記述にした。
◇トルコ財務省が、アルメニア人虐殺の記述を削除。
トルコ財務省のIPアドレスから何者かが、アルメニア・トルコ関係の項目を編集。アルメニア人虐殺に関する箇所を削除している。
◇フォックスニュースが、批判者の項目を編集。
保守系コメンテイターの「ウソ」を暴き、批判する著作「LIES: And the Lying Liars Who Tell Them」がベストセラーになったコメディアン、アル・フランケンの項目に対する編集がどこから行なわれたかを調べると、米フォックスニュースチャンネルにたどり着いた。この書き換えはちょっと大人げないのではないか。
◇NSA国家安全保障局が、エシュロンへのリンクを削除。
NSA国家安全保障局のIPアドレスから何者かが、「情報抽出」の項目を編集。「エシュロンへのリンクを削除、記事に無関係」という削除説明のコメントがついている。エシュロンとは、NSAによるグローバル監視プログラム。
◇イスラエル政府、ヨルダン川西岸の分離壁に関する批判を削除。
イスラエル政府内のIPアドレス「147.237.70.14」から、何者かが2度にわたり、ヨルダン川西岸地区に建設中の分離壁について記事全体を削除。代わりに、分離壁に対する国連の「人種差別的な」決議への批判と、「世界はアラブ陰謀説を後押ししている」、「彼らの目的は、イスラエルとユダヤ人の完全破壊を完了させることにある」との主張に置き換えた。

ウィキペディア スキャナー プロジェクト


えっ、CIAとFBIがネット上の百科事典を書き換えている? 
それが、編集したり削除をほどこしたIPアドレスをたどることでバレるーー。
当然あるよね。わたしたち市民の「景観を破壊する高層マンション反対」のサイトに用意した掲示板での、450を超える、侮辱、嫌がらせの書き込みは、このIPアドレスを追跡した結果、マンション事業者3社のうちの1社、日本を代表する大企業「〜信託銀行」の社内から書かれていたことがわかった。後に会社側はひとりの社員の仕業だと言って謝罪している。幹事会社となっている他の1社からも誹謗中傷、ウソの書き込みが1ダースほどあったことも発覚している。
さてニュースから。

米中央情報局(CIA)と連邦捜査局(FBI)が、読者が執筆・編集できるインターネット上の百科事典「ウィキペディア」の「イラク戦争」などの項目を書き換えているのでは?との疑惑が持ち上がっている。
ロイター通信によると、ウィキペディアの管理者は16日、CIAとFBIが所有するコンピュータを通じて百科事典の編集作業が行われていたことを明らかにした。これはウィキペディアの規定違反の疑いがある。
管理者によると、イラク戦争については、死傷者数のグラフの編集作業にCIAのコンピュータが使われた。またキューバにある米軍グアンタナモ基地のテロ容疑者収容施設の衛星写真が、FBIのコンピュータを使った作業によって消去されていたとのこと。
(共同通信)

実は国の重大な場面でこういうことがたびたびあったというのだ。
2005年11月17日、ある無記名のWikipedia(ウィキペディア)ユーザーが、電子投票機メーカー米Diebold(ディーボルド)社に関する項目から15段落を削除した。
インチキができるというのでいろいろ疑惑があったディーボルド社の電子投票機に関する批判的記述をそっくり消してしまったのだ。このような内容変更を行なうと、無記名とはいえ、編集作業をしたコンピュータの場所など、当人についての手がかりとなる「電子的な指紋」が残るのが一般的だ。
この場合は、ディーボルド社のオフィスに属するIPアドレスから編集が行なわれていた。そしてこの件は、決して特殊なケースではない。
13日に開始された新しいデータマイニング・サービスは、何百万件ものウィキペディアへの書き込みから発信源を突き止め、長年にわたる情報操作疑惑の背後にあった包括的なデータを初めて提供するものだ。こうしたデータはこれまで、特定の事例についてクレームがあったときに、調査の過程で断片的に明らかになるだけだった。
カリフォルニア工科大学大学院生ヴァージル・グリフィスが考案した「ウィキペディアスキャナー」は、ウィキペディアでの編集操作と関連するインターネットIPアドレスのブロック所有者のデータを突き合わせることにより、何百万もの無記名による編集と、それを行なったと思われる組織と結びつける、検索可能なデータベースを提供する。
グリフィスがこのツールを開発した直接のきっかけは、昨年、米連邦議会の議員事務所からその議員のデータが編集されたという報道だった。大企業や他の組織でも同じように利己的な姿勢で何かやっているのではないかと好奇心にかられ、知りたくなったのだそうだ。
「どんなことでも、やるなら大規模に、それも自動化したほうがいい」と笑顔で彼は言った。
グリフィスの「ウィキペディアスキャナー」の仕事の成果は、3440万件の編集のデータベースが、CIAや米マイクロソフト社、議員事務所などといった260万の政府機関や組織のインターネットアドレスから何者かによって行われたものであることを突き止めた。
ディーボルド社の場合は批判的な記述を削除したわかりやすい例で、電子投票システムの一貫性に対するセキュリティ業界の懸念を詳細に記した部分や、ジョージWブッシュ大統領に提供する資金をディーボルド社CEOが集めたという情報を、何者かがディーボルド社のIPアドレスから削除した。
ディーボルド社の広報担当者は、この件について調査すると述べたものの、コメントは得られなかった。
米ウォールマート社も、2005年に一連の比較的小さな編集を行なっている。
ウォールマートの場合は、たとえば「同社の賃金は他の小売企業よりも20%ほど少ない」といった記述を、「同社の平均賃金は最低賃金の2倍近い」に変えるなど、テキストの一部を修正して企業イメージの向上を図っている。
また、店舗が、周辺のコミュニティに与えた影響に関する社会運動家からの批判はそのまま残しつつ、コミュニティにおける全雇用数がウォールマート社の進出によって増加したことを示す「明確な」調査を追加している。
同時に、すでに述べたように、政治家の事務所もウィキペディアの編集を盛んにやっている。
たとえば、モンタナ州選出の上院議員だったコンラッド・バーンズの事務所では、「A controversial voice(議論のある発言)」で始まる段落を、「A voice for farmers(農業家の代弁者)に修正し、その後に続く文を、友好的なイメージの内容に書き換えていた。
興味深いのは、自分の利益のための修正と思われる行為の多くが、この議員事務所による項目内容の編集について大きく報道される2006年以前だということ。
どうやら、編集に手を加えるにあたり、ウィキペディアへの対応が洗練されてきているようなのだ。
たとえばCIAのアドレスに属する職員らは頻繁に編集を行なってきているが、CIAに雇われているという立場が露骨に現れるようなもの、つまり特定のバイアスはほとんど見あたらない。
ウィキペディアスキャナー・プロジェクトについて、グリフィスは特に米ハリバートン社のような企業を明確なターゲットにしてスキャンダルを見つけるもくろみで開始したと説明している。
これまでのところ、何百万とある項目からなるデータベースのほんの表面をひっかいたに過ぎない。でも、これをオンラインで公開しているために他の人たちも調べることができる。
(WIRED NEWS 2007年8月14日の記事より抜粋)

あなたの調査能力を活かして追及しよう!
WIRED NEWSでは、ウィキペディアで自社の項目を書き換えた企業や、政府のゴーストライターが歴史を書き直した件などで、読者からの投稿を募集している。グリフィスのウィキペディアスキャナーを試して、発見したことを投稿してほしいそうだ。

写真は、ウィキペディアを換えさせるIPアドレスの指紋をたどるサーチツールをつくったカリフォルニア工科大学大学院生ヴァージル・グリフィス君

2007/08/19

イラク駐留米軍はくたびれている


17日の記者会見でフレーザー国務次官補(アフリカ担当)は、ブッシュ政権がアフリカ東部のエリトリアをテロ支援国家に指定することを検討していると明らかにした。内戦が続くソマリアで活動するイスラム武装勢力に武器を供給しているとの情報があるためとか。北朝鮮やイランのように、テロ支援国家に指定されれば、武器禁輸や経済援助の停止などの制裁の対象となる。
ついこのあいだ、前代未聞にも、イランという主権国家の軍隊であるイラン革命防衛隊を事実関係が明白でないのにイラクの過激派に武器を流している!と申し立てて、テロ組織に指定することが検討されているのがわかったばかりだ。
ブッシュの増派は功を奏しているのか。この9月の中間報告を待つまでもなく、イラクのむごさは極まるばかりだ。
◇14日夜、イラク北西部カハタニヤなどで発生した連続自爆テロによる死者数が400人(500人とも言われる)を超え、イラク戦争開戦以来最悪となった。
ハラフ局長はAFP通信に対し「400人以上が死亡し、数はさらに増える方向だ」と述べた。負傷者は少なくとも350人にのぼった。犯人らは4台のトラックに合計2トン分の爆薬を積み、カハタニヤ、アドナニヤの2つの村でほぼ同時に自爆したという。
テロは同地区に住む少数派のヤジディ教徒を狙ったもの。クジャクの姿をした天使を崇拝する宗教で、イスラム教は「邪教」と非難している。米軍は国際テロ組織アルカイダの犯行だとの見方を示した。
(日本経済新聞 2007年8月17日)
アルカイダのしわざかどうかは、はっきりしない。でも一般のイラク市民429人を撃ち殺したり負傷させたのが米軍兵士なのは、はっきりしている。
◇イラク駐留米軍は、検問所やパトロール中の車列付近で、過去12ヶ月にイラクの一般市民429人を誤射し、死傷させている事実が、米軍内部の統計資料で明らかになった。
駐留米軍によるイラク市民犠牲者数に関する公式統計が明らかになったのは今回が初めてであり、一般市民の保護任務を充分に果たせていない米駐留軍の現実を表している。
記録によれば、今回明らかになった死傷者数は、検問所に近づきすぎたか、検問所に急接近した市民に対し、米軍兵士が発砲した事件の犠牲者を示したものだとか。
財源不足で統率力に欠ける部隊は、嫌気がさし、くたびれている。軍隊と縦割りのあらゆる階級で説明義務が生じる命令系統の基本分子が生存に訴えないのだ。
ヴェトナムでもこれは起きた。この行為を言い訳しているのではない、殺すか殺されるかなのが幾分かわかる。私たちは彼らを国に連れ戻す必要がある。ブッシュとチェイニー、そしてこの違法な戦争に共謀する連中から生じるホワイトハウス幹部を弾劾して刑務所に入れる必要があり、それにはラムズフェルド、パウエル、テネット、ライス等々が含まれる。
(米マクラッチー紙 2007年7月11日の報道より抜粋)

写真は、米国に「テロ組織」と名指しされるイラン革命防衛隊