見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2008/08/15

グルジアはイラクで経験を積んだ


◇旧ソ連諸国の組織CISから離脱表明、グルジア大統領
ロシア軍が武力介入したグルジア・南オセチア自治州の軍事衝突で、グルジアのサアカシュビリ大統領は12日、旧ソ連諸国で組織する独立国家共同体(CIS)から離脱することを表明した。首都トビリシでの集会で演説した。
議会も合意しているとしている。
大統領はこの中で、CISはグルジア、ロシア間の武力衝突を受け、国際組織としての機能を完全に果たせなかったと強調。グルジアへの今回の攻撃は、ソ連復活を望む人間によってもたらされたとロシアを批判した。
CISは1991年に創設されたが、ウクライナやグルジアなど北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)への早期加盟を目指す親欧米派とロシア寄りの加盟国との間の角逐が表面化している。
(CNN.co.jp 2008年8月13日)

◇米国がグルジア軍をロシアとの戦争に備えさせる
グルジアとロシアが戦争を拡大している。そして米国はこの戦闘で必ずしも私心のない監視役とはいかない。アメリカ軍は何年ものあいだグルジアの軍隊を訓練し、必要な装備を授けてきている。

ここまで:アブハジア自治共和国の分離独立派の飛び地でだらだらと続く戦争にはまり込んでいるグルジアは、こちらもまた分離する南オセチア自治領を取り戻すため攻勢に出ている(8月8日)。グルジア軍が南オセチアの首都ツヒンバリを包囲していると最新の報道が知らせる。そして分離独立派を支援するロシアが戦車を差し向けている。

ではなぜ私たちが気にかけて当然なのか?ロシアに持ち込みかねないより広範な地域戦争の見込み、おまけに米国がからみこむ。2002年のはじめから米国政府はグルジアに対し大量の軍事援助を提供してきている。ボクが最後に南オセチアを訪ねたとき、ツヒンバリの外側のチェックポイントを受け持つグルジア軍は、余剰の米陸軍の戦闘服と新しい防護服を着てめかし込んでいた。

最初の米国支援はグルジア訓練装備計画の題目に入る(表面上はパンキシ渓谷のアルカイダ勢力とやらを逆襲するためだ)、その後は維持安定作戦計画に入る。グルジアはこの親切に報いてイラクの多国籍合同軍に数千の部隊をゆだねた。昨年秋グルジアは派兵を倍増して、合同軍への負担でイギリスに次ぎ3番目に多い国となる。人口460万人の国にしてはなかなかだ。

ロシアの干渉の問題は脇に置いておき、国内の衝突を武力で解決しようとグルジアが新発見の軍のあっぱれな腕前をどうしても使いたくなるのではないかというのがもっと大きな心配だ。

2001年にアブハジア自治共和国のセルゲイ・シャムバ外務大臣がボクにこう言った。「必要な装備を授けられ訓練されてきているからグルジア人は上機嫌だ。彼らはイラクで戦闘経験が増大している。それがこの失地奪回策のムードをあおる。グルジア全体が兵器類で充満し、トビリシからツヒンバリまで戦車でわずか1時間なときに、どうして南オセチアが非武装化されるというのか?」

米国の軍事訓練官のひとりがボクに向かってもうちょっと無愛想に、「われわれは彼らにナイフを与えてきている」と言った。「彼らはナイフを使いたくなるのか?」
(Danger Room 11 August 2008)

◇イスラエルが兵器の獲得でグルジアを締め出す
アブハジアの分離自治区でだらだらと続くロシアとの戦争にはまり込んでいるグルジアは決定的な供給元に目を向けている。伝えられるところでは、グルジアに無人機を売却したイスラエルはさらなる兵器販売を止めることでロシアの圧力に譲っている。AP通信は、「ロシアを説いてイランに兵器と装備を輸送させないイスラエルの試みで、兵器売却の凍結は部分的にモスクワとの目的遂行の手段をイスラエルに与えようとするものだと当局者らは言った」と報じる。「彼らは匿名を条件に兵器販売の詳細をイスラエルは公式に発表しないとしゃべった。」
今年初め、少なくとも無人機2機を撃ち落としたことでグルジアはロシアを非難した。この主張をロシアはしつこく大声で叫んで否定する。ロシア人らもまた、気前のいい軍事の散財に乗り出すことでグルジアを非難している。
(By Sharon Weinberger 05 August 2008 Danger Room)

◇今回の軍事衝突が勃発するまでにこの地では何度も小競り合いが起こっていた。7月3日の南オセチアのグルジアの影響力が強い暫定政権のトップ、Dmitry Sanakoyevの暗殺未遂事件、グルジア警察に対する爆破事件。7月半ばからはロシアの影響下にあるオセチア兵士によるグルジアの影響下にある村への攻撃、グルジア警察の反撃といったできごとがたびたび起こっていた。
(Jamestown Foundationの記事より)

グルジア政府関連の複数のウェブサイトが数週間前からロシアのハッカーからと見られるDOS攻撃を受けてきているが、軍事衝突が起きて以来、DOS攻撃は激化している。ワシントンポスト紙によると、グルジアの商業ネットサーバーの中心である「Caucasus Network Tbilisi」が目下ユーザーに対応できない事態とのことだ。
写真は、ロシアのハッカーの仕業と見られる、グルジアのサアカシュビリ大統領を独裁者ヒットラーになぞらえるコラージュ。なかなかやります。BBCのこの記事は後日メールマガジンにて紹介するつもりでいます。

グルジア大統領 ハッカー攻撃の標的に


◇停戦を破り民族浄化を犯したとグルジアがロシアを非難
休戦におよんでわずか数時間後に停戦を破ったとグルジアがロシアを非難しています。先週、衝突が勃発したところからちょうど15マイル離れた重要な都市ゴリにロシアが多数の戦車を送っているとグルジア当局者は言います。火曜日、米国が支援するグルジアのサアカシビリ大統領は、アブハジアの町でロシアが「民族浄化」を行っていると言いました。
グルジアのサアカシビリ大統領:「まあ見たところではみごとに覚悟ができた計画の枠組み内で、ロシアの空挺部隊の司令官によって命令を下された数百のロシアの車両装備とロシアの空挺部隊が、一般人と同列でそこに着陸し弾丸を発射して間違いなく人口の一部を殺害しました。その場所の全人口が死にました。これは民族浄化の古典的事例です。」
どちらの側も多数の一般市民の殺害で相手を非難しています。南オセチアの親ロシアの離脱地域にグルジアが攻撃を始めて以降、2000人以上の住民が亡くなっているとロシアは言います。グルジアは、ロシア軍が200人近くを殺害して数百人以上が負傷していると言います。その戦闘で10万人が退去させられていると国連は判断します。

◇イラン攻撃のためのイスラエルの支援要請を米国が拒絶
伝えられるところでは、イランの核施設への空爆でイスラエルの軍事援助の要請をブッシュ政権が断っています。イスラエルの新聞ハーアレツによると、5月のブッシュのイスラエル訪問中に特定の軍事装備と他のバックアップをイスラエル当局者らがブッシュ大統領に求めました。ホワイトハウス当局者らは、要請を断って、いかなるイラン攻撃も計画する前に事前に通告するようイスラエルに迫れと命じられます。伝えられるところでは、イスラエルはその要請を拒絶して、たとえ核会談が失敗してもイランを攻撃する権利を差し控えると言いました。

◇パレスチナ国家の国葬で詩人ダーウイッシュに名誉を与える
その間に、占領された自治領では、詩人マフムード・ダーウイッシュの国葬のためパレスチナ人数千人が今日、ラマッラーに集まっています。ダーウイッシュは最も重要なアラブの詩人のひとりと考えられていました。心臓手術後の合併症から土曜日ヒューストンのハーマン記念病院で亡くなりました。67歳でした。ダーウイッシュは2004年のヤセル・アラファト以降、国葬を認められた最初のパレスチナ人です。彼の死を悼んでヨルダン川西岸とガザ地区では3日間喪に服すことが宣言されています。マフムード・ダーウイッシュの詩はアラブ世界で広く知られてきており、人びとに愛されてきました。
(デモクラシーナウ!2008年8月13日ヘッドライン)

写真は米国陸軍の余剰戦闘服でめかしこむグルジア軍、どこかうれしそうに見えます。日本ではグルジアと呼びますが、どう聞いても世界ではジョージアと言っています。日本以外でグルジアと言っても通じないということです。スペルから言っても「Georgia」ですから。

2008/08/11

ボリビアはインディオの国


◇ボリビア:貧と富の対決色強まる
南米ボリビアで10日、モラレス大統領や各県知事の信任を問う国民投票が行われた。大統領は出身母体の先住民族を中心に高い支持率を誇り、事前の世論調査では信任が確実視される。だが、貧しい先住民の権利拡大を希求する大統領に、裕福な東部などの地方は鋭く反発。対立をいとわぬ双方の強硬姿勢も重なり、同国は深刻な分裂状態に陥っている。
大統領は、長く搾取と困窮にあえいだ先住民に「平等と正義」をもたらすべく、大土地所有制限など先住民に配慮した憲法改正を目指しており、信任投票が「変革と民主主義を深める」と主張。職を賭す潔さと民意の後押しを演出し、悲願の改憲へと弾みを付けたい思惑だ。
(時事通信 2008年8月10日)

◇ボリビアは天然資源が豊かなサンタクルス県など南東部と、アンデス山脈地方などの貧しい地域の間に大きな経済格差がある。モラレス大統領は富の再配分を図るため中央集権強化を目指しているが、サンタクルス県などが反発。同県などは自治権拡大を要求し、一部住民は「独立」さえ主張した。大統領は、自身の政策の正当性を問うため国民投票実施を提案した。信任投票の対象は正副大統領と8県知事。世論調査では正副大統領は信任される見通しだ。
(毎日新聞 2008年8月10日)

◇独立記念祭はラパスで行う
大統領及び州知事の信任を問う国民投票を10日に控えたボリビア国内は、与野党間にらみ合いで緊迫した空気に包まれている。
モラレス大統領は6日、独立183周年記念祭典を挙行したが、野党勢の強い首都スクレをさけ、ラパス市に会場を移動しての挙行。
大統領は演説の中で、国の改革に反対のグループがいる。独立を提唱する同グループは独裁政権時代から勢力を維持している、と非難した。
同日午後、野党の制するサンタクルース州を訪問したが、デモ隊が街路をふさぎ、会場となるスタジアムを取り巻き気勢をあげていた。大統領はやむなくベニ州のトリニダード市に向かったが空港を反対派が包囲しており、搭乗機は着陸もできずラパス市にもどった。
野党側はスクレ市で盛大な独立記念祝典を開催し、チュキサカ州のクエラル州知事が出席した。前任者が辞任したのち、さる6月に就任したばかりの同州知事は今回の州知事信任投票を免れる。
(サンパウロ新聞 2008年8月8日)

写真は投票するインディオたち。1980年代に南米ボリビアにひと月ほど滞在しましたが、ボリビアという国の印象は圧倒的にラパス。旅行者にとっては臼状の街の上の方に暮らすインディオが行き交うインディオの国でした。サンタクルースは全然違う街。平たい土地と、インディオにはひとりも出会わない退屈な白人の街でした。天然資源に恵まれたリッチな州は貧乏な州の貧乏な人たちにその収益が使われるのをいやがる。ボリビアという国全体のことは考えない。でもボリビアがサンタクルースだけなら、誰が行くでしょう。

2008/08/10

チャン・イーモウのエクストラヴァガンザ




◇北京五輪の馬術競技が開催されている香港郊外の会場で9日午前、チベットの旗を掲げようとした女子大生が治安当局者4、5人に排除される騒ぎがあった。カナダの旗の下にチベットの旗を隠して持ち込んでいた。逮捕はされていない。
馬術競技の組織委員会によると、女子大生は今年5月、香港での聖火リレー走行でも抗議活動をしていた。チベット支援の活動家ともみられる。9日の行動を受け、女子大生は今後、馬術競技会場への立ち入りを禁じられた。
組織委は、同競技実施に当たり、競技に参加しない国などの旗の掲揚を禁じていた。また、政治宣伝などの垂れ幕、衣類やアクセサリーの利用も禁止した。
地元テレビは、馬術競技会場で「民主主義と人権は五輪より重要だ」との字句が書かれたTシャツを着ていた男性が会場に入る前、脱ぐよう求められる場面を放映した。
また、会場近くでは人権擁護、民主化を主張するグループが死刑制度廃止を中国政府に求める垂れ幕を掲げた。
(CNN 2008年8月9日)

◇論争を忘れさせる4時間の豪華ショー
・至難
暑くてむしむしする夜だった、観客はショーの間中ずっと扇子であおぎながら着席した。
ほとんどまったく同じ服を着た中国共産党のボスたちは着用したままだったとはいえ、多くの首脳らがジャケットを脱いだ。
開会式のセレモニーを指揮した中国の最も有名な映画監督チャン・イーモウは、「名誉だが、至難」なチャレンジだったと述べる。
「こんな巨大なチームと一緒に仕事したことは一度もない」と彼は式典のパンフレットの序文で述べた。
主なエンターテイメントは、中国人が5000年までさかのぼると言う、中国の長い歴史の栄光の局面をそれぞれ反映する一連の場面から成る。
光と音とダンスのエクストラヴァガンザ(豪華絢爛なショー)で、火薬、コンパス、紙といった中国の有名な発明品をほめたたえた。
それはまた、哲学者孔子(儒教の創始者)やアメリカを発見したとある人たちが考える明の王朝の探検家Zheng Heといった、最も有名な中国人たちに名誉を与えてもいた。
だが、2人の宇宙飛行士は別として、現代の中国に関するものはたいしてなかった。ことによると、わずかな時間に濃縮するにはあまりにも歴史がありすぎて、余地がなかっただけかもしれない。
・抗議はなし
主催者らは9万1000人収容のスタジアムを満席にするのを果たしたと言うが、奇妙にも、ナショナルスタジアム(鳥の巣)のところどころには空席の小さなかたまりがあった。
中国当局がテロリストの標的になるのを恐れて、オリンピックの開始で警備は見たところきつく思われた。
スタジアムの正面全体を青と白のTシャツを着た男性警備員が占拠したが、目立つ抗議はなかった。
エンターテイメントの後は、選手入場のときだった。
中国選手団に観客からここ一番の大歓声が起こったのは意外ではないが、観客はまた他の中国の競争相手にも支援を送った。
1997年に英国から中国に返還されたのに独立した選手団として競技する香港は大拍手を受けた。
しかし台湾の実情は、中国が自分の国とみなす自治の島。議論のわかれる島の身分のゆえに、台湾は「チャイニーズ台北」としてオリンピックで競技するのを余儀なくされる。
(BBC NEWS 09 August 2008)

写真は、開会式のみごとなショーからと、オリンピックとシンクロする、ロシアの戦闘機がターゲットにするグルジアから、どちらもAP通信より