見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2007/09/14

いまこそ、Whole Lotta Love


アーメット・アーティガン(1923−2006)へのたむけのコンサートで、英ロックバンド、レッド・ツェッペリンが19年ぶりに再結成する。それを見れるのはロンドンO2アリーナでたった一度だけ。
11月26日に1回のみ行うと発表したコンサートで、主催側は13日、世界中の約2000万人がウェブサイトですでにチケット購入の手続きを終えたと述べた。
1分間に8万人の割合で増えているという。購入申請の手続きは9月17日が期限、チケットの当選者は抽選で決める方針。料金は125ポンド(約2万9000円)。
公演は、昨年死去したアトランティック・レコーズの共同創立者アーメット・アーティガン氏を追悼する催しで、売上金はアーティガン氏の名前がつく教育基金に寄付される。英米と、同氏の母国であるトルコの大学生への奨学金として使われる。
レッド・ツェッペリンはアトランティック・レコーズと契約していた。コンサートにはバンド結成時からのメンバーであるボーカルのロバート・プラント、リードギターのジミー・ペイジ、ベースのジョン・ポール・ジョーンズが出演する。このほか、ザ・フーの元メンバーらも特別ゲストで加わる。
レッド・ツェッペリンは1980年にドラマーの死去を契機に解散している。
(CNN News)

◇レッド・ツェッペリンのゴッドファーザー的な存在だったアーティガンは、昨年10月、ローリング・ストーンズの楽屋で足を滑らせ頭部を強打し、ひと月半ほど昏睡状態に陥った後亡くなった。4月にニューヨークで行なわれた追悼式は、エリック・クラプトン、クロスビー・スティル・ナッシュ&ヤング、ベン・E・キング、フィル・コリンズらがパフォーマンスし、ミュージック界の重鎮ならではの音楽葬となった。

◇ツェッペリン・ローラーコースターが誕生
来年春、サウスカロライナにオープン予定のロックンロールをテーマにした遊園地ハードロックパークにレッド・ツェッペリン・コースターが誕生することになった。高さ155フィート(約47メートル)で、かなりスリリングな乗物になる。
このテーマ・パークの企画・運営は名前の通り、ハードロックカフェだ。同社のCEOは「許される範囲で最高の高さにした。(上空を飛行中の)パイロットの目をひくのは間違いないね」と話している。プロジェクトには、ジミー・ペイジ、ロバート・プラント、ジョン・ポール・ジョーンズらツェッペリンの全メンバーが協力、コースターにはバンドのロゴがフィーチャーされる。最高速度は時速104キロで、6分半の楽しい経験の間、シートの頭部に埋め込まれたスピーカーからツェッペリンの「Whole Lotta Love」が流れる。ワオー!
50エーカーという広大な敷地に建設されているハードロックパークは、世界初のロックンロールをテーマにした遊園地。ツェッペリン・コースターのほか、レゲエリヴァーフォールズ、パンクピット、マジックマッシュルームガーデンなどの乗物もできる。

マジックマッシュルームガーデンってどんな乗物?さぞかしサイケデリックなひとときが体験できるんでしょうね!いいな!
写真は、コンサートのお知らせ、アーメット・アーティガンに捧げるページのイメージからいただきました。

2007/09/12

待望のPTAの新作


ローリングストーン誌のこの秋の映画新作案内ーその5 by 映画評論家ピーター・トラヴィス
◇The Kingdom
全米公開は9月28日
イスラムのジハードに対して身近に引き寄せて自分の知識を得たいなら、アメリカ人がまともに向かい合っている中東戦争を酷評する議論を呼ぶスリラー、ピーター・バーグの「The Kingdom」の公開日を調べることだ。リヤドにあるアメリカの囲いを巡らした敷地内で爆発した爆弾を配置したのは誰か、犯人を捜し出すために現地に向かう、ジェニファー・ガーナー、ジェイソン・ベイトマン、クリス・クーパーを含める、FBIチームをジェイミー・フォックスが先導する。映画は、手に余る映像を考慮に入れない、はなはだしい死者の数と強烈面がある。だがバーグの撮影第一のスタイルは、後でかみしめるためのマテリアルをたくさん与えてくれる。

◇There Will Be Blood
全米公開初日は12月26日
アプトン・シンクレアの小説「オイル」を基にしたポール・トーマス・アンダーソンの新作は極端で信じがたいとのうわさだ。それって誰かを落胆させるという意味かい?群衆を見張る覚悟のできた石油帝王として精力的な人ダニエル・デイ・ルイスと、ポール・ダノが演じる説教師の姿をしたゴッド(神)に加えて、「ブギーナイト」「マグノリア」のアンダーソン監督は怒りでこんチクショーとなるまで障壁を高めないと満足しない。

「ギャング・オブ・ニューヨーク」以降ずっとスクリーンから遠ざかっていたダニエル・デイ・ルイス、うわさではイタリーだかで靴職人として腕を磨いていたそうだ。ポール・トーマス・アンダーソンと組んでの彼を見るのは愉しみ。監督のほうも、ファンには待ちこがれた新作だ。前作「パンチドランク・ラブ」から4年もたっている。結婚、子供の誕生など、プライベートの変化があってのブランクだそうだが。音楽はレディオヘッドといううわさ。「パンチドランク・ラブ」の音楽もよかった、映画はもちろん。冒頭のシーンでアダム・サンドラーが倉庫から外に出て道路をボーっとながめていると、突然クルマが横転して、オルガンが道路に降ってくるのが最高でした。
写真は、最近のダニエル・デイ・ルイス

2007/09/11

クローネンバーグとヴィゴ 再び



ローリングストーン誌のこの秋の映画新作案内ーその4 by 映画評論家ピーター・トラヴィス
◇Eastern Promises
全米公開は9月14日
刺青を入れた、ぶっきらぼうなヴィゴ・モーテンセンが、ロシアの犯罪同盟の一員として連中をなぐり、いばるのを見ることで、「指輪物語」のアラゴルンのファンよりさらに多くの客を「Eastern Promises」に引きつけることだろう。だが実際に人を引きつけるのは、デイヴィッド・クローネンバーグ監督の過激なエネルギーと再び関係する、天性のずばぬけた才能のあるモーテンセンをここで見ることだ。2年前、痛烈で、きわだった映画「ヒストリーオブバイオレンス」で、2人は家庭の神聖な義務という難題に挑んだ。今回の家庭はロンドンのロシア人マフィアだ。モーテンセンのニコライは女性売買に基づいて進行するおぼつかない計画をくじくかもしれない助産婦、ナオミ・ワッツという厄介に巻き込まれる。

9月6日から15日までカナダで行われる第32回トロント国際映画祭の3日目、9月8日にサットン・プレイス・ホテルで映画「Eastern Promises」の記者会見がありました。それを伝える一連の写真には、仲よく並んで質問に応えるクローネンバーグ監督とヴィゴ・モーテンセンが手を握りあってるのがありました。自然な信頼関係の表れなんでしょう。ここにあるのはまた別の場面でのワンショットなんですが、2人の関係がにじみ出ているようで気に入りました。もう一枚は映画の中の一コマです。

2007/09/10

イスラエルにネオナチ



イスラエルにネオナチ?それでユダヤ人を襲撃だと?
イスラエル警察は9日、ネオナチと思われるグループのメンバー8人を逮捕したと発表した。メンバーは全員旧ソ連からの移民で、外国人とユダヤ教徒を狙った攻撃を行っていたとされ、ユダヤ人国家の同国では衝撃が広がっている。
イスラエル警察のミッキー・ローゼンフェルド報道官はAFPに対し、グループのリーダーと思われる人物を含む16歳から21歳の男性8人を、1年におよぶ捜査の末逮捕したと伝えた。
ローゼンフェルド報道官によると、グループは「ユダヤ人、アジア人、ほか外国人に対する攻撃」を行い、国外のネオナチグループとも接触していたとみられる。同報道官は「われわれは、この8人をネオナチの活動にかかわった罪で起訴したい」と語った。
捜査を指揮した警察職員は公営ラジオの取材に対し、「イスラエルにナチス思想の支持者がいるということは信じ難いかもしれないが、まぎれもなく現実だ」と語った。
これまでの家宅捜索では、ナチスの制服、アドルフ・ヒトラーの肖像画のほか、銃、ナイフ、爆薬が容疑者宅で発見されている。
(AFP 2007年9月10日)

イスラエルの右派紙「エルサレム・ポスト」によると、今回ドラッグ所持などで逮捕され、軍事法廷にかけられるという20歳の兵士は、4年前に旧ソ連からやってきた移民で、ネオナチ信奉者であるのを自ら認め(左腕にカギ十字の刺青あり)、イスラエルを憎んでいると話している。
さらに、この兵士の母親も尋問に呼び出され、イスラエルに対する憎悪とネオナチ支持を告白したそうだ。
この親子が正規の書類手続きを経た移民でなかったのを指摘する記事のトーンには、いろいろな移民が入ってきてることへの不信感、特に「ユダヤ人でない」と公言するロシア系・旧ソ連系移民への不信感が強くある。
なんとも皮肉なことである。イスラエル国内のパレスチナ(アラブ)系人口の比率に脅威をおぼえて、ユダヤ人の人口を増やしたいがために、どんどん旧ソ連などからの移民を受け入れた結果がこれなのだから。
(2005年のユダヤ系新聞にすでに国内のネオナチの記事があるのを発見!)

写真はBBCとCBC Newsの記事からいただきました。一枚目の写真の腕の刺青、すごいですね!

悪魔のようにおかしいコーエン兄弟の新作


ローリングストーン誌のこの秋の映画新作案内ーその3
◇No Country for Old Men
全米公開は11月9日
今年、猛烈で悪魔のようにおかしい「No Country for Old Men」を超える、刺激的に打撃を与える映画はない。ジョエル&イーサン・コーエンが、およそ1980年西テキサスでの悪人とさらなる悪人の撃ち合いについてのピュリッツァー賞受賞作家コーマック・マッカーシーの小説と血縁関係を結ぶ。並外れてひどい髪型(おかっぱが怖い!)死人のように青ざめたハビエル・バルデム(「海を飛ぶ夢」でアカデミー主演男優候補)が悪を次のレベルにもっていく、この殺人マシーンが選ぶ武器は家畜用のスタンガンだ。彼の標的はジョシュ・ブローリンが演じるモス(出世する演技だよ)。狩猟するうちドラッグがらみの大量殺人に出くわしたモスは現場に残された2百万ドルをねこばばして歩き去った。
トミー・リー・ジョーンズがエド・トム・ベル保安官役で無骨な美点という新規格を売り出す。人々が敬称で呼びかけなくなって世の中は悪くなったとの考えを持ち、仕事に必要な倫理観のある保安官だ。
これは、物語の悲嘆に暮れさせる急所を見せることで我慢できないサスペンスに仕立てる、聴衆を惹きつける雄弁家の骨子だ。演技(バルデムの離れわざは絶対に忘れない)から、映画の撮影技術(ロジャー・ディーキンズは、目をくらますような日光の中でも気味の悪い脅威の場所を探し当てる天才だ)に至るまで、この一流作品の卵は、パワー絶頂期にあるコーエン兄弟のものだ。これを見逃したくはないだろう。

「ディボースショー」「レディーキラーズ」と、コーエン兄弟らしからぬ、ファンとしてはものすごく物足りない映画が続いてきました。でも、予告編を見る限り、初期の「ブラッドシンプル」「ミラーズクロッシング」「バートンフィンク」、そして「ファーゴ」あたりまでの「コーエン映画」に仕上がっているようで、公開が愉しみです。なにやらコーエン流の不気味さが感じ取れる西部の風景がとてもいいです。
個人的には「ブラッドシンプル」がいまだに強烈。マフィアの親分アルバート・フィニの運動力と存在感に圧倒される「ミラーズクロッシング」も大好きで、何度見ても(実際何度も見てますが)ハートにずしんときて、どこということなく、全体の映画のトーンに惹かれます。
写真は「No Country for Old Men」の一場面です。