見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2009/07/02

ボクの望みは眠れること



■マイケル・ジャクソンが「ひどく」鎮静剤を求めたと、栄養学者は言う

先週50歳の突然死に先立つ数カ月、マイケル・ジャクソンはDiprivanとかPropofolと呼ばれる強力な静脈注射の鎮静剤を入れることに「頑として揺るがなかった」と、スターを処置した看護師で栄養学者のシェリリン・リーがAP通信に語った。そして彼が死ぬちょうど4日前、ジャクソンの助手のひとりがリーに絶望的な呼び出しを行って、ジャクソンが非常に具合が悪いと知らせた。「身体の片側が熱くて、燃えるよう、そして片側は冷たい」と、背後でジャクソンが言うのをリーは偶然聞いた。彼女は病院に急ぐよう彼に助言した、「誰かが中枢神経系に打撃を加えるなにかを彼に与えていた」と仮定して。

Diprivanのような鎮静剤のやりすぎは呼吸停止を引き起こしかねない、そしてついに不規則な鼓動と心拍停止にいたる体内における二酸化炭素の増大をもたらすと、麻酔専門医がAP通信に伝える。リーが呼び出された6月21日にジャクソンは病院に行かなかった、しかしながら、ロサンジェルスの自宅で意識不明に陥りCPRに反応しない後、6月25日UCLA医療センターに急いで連れていかれた。「彼は日曜に面倒なことになっていて泣きわめいていた。」とリーはAP通信に話す。

7月13日ロンドンのO2アリーナで始まるカムバックコンサートのために彼の「This Is It!」の一連の急速なダンスステップのリハーサルをしたとき、ジャクソンはひどい不眠症を経験していたとリーは言う。彼の子どもたちの軽症の風邪をヴィタミン剤で治療した1月、リーは初めてスーパースターに会った。ジャクソンが睡眠障害を報告して、彼の夜間の習性をモニターするためリーが一晩外泊したとき、彼が眠ったままでいられないのを立証した。サウンドシステムから流れるクラシック音楽とベッドに置かれたコンピュータのドナルド・ダックでジャクソンは寝た。3時間眠っただけで目ざめるとジャクソンは、「ボクの望みは眠れるってことだけ。8時間眠れるようになりたい。翌日気分がよくなるのはわかっている。」と言った。

「彼はクスリからハイになるとか気分よくなることを期待していなかった、鎮静剤を飲まされていた」とリーはAPに語った。「麻薬を常用していた人ではなかった。睡眠を取るため、休息を取るため、必死で助けを求めていた人でした。」クスリは危険である、「唯一の問題は、あなたがクスリを服用するつもりでいるのと、気づくつもりがないこと」だと、ジャクソンに助言したとリーは言う。だが、ジャクソンは以前にクスリを経験してきたと言って、それを処理した医師を名指しするのを拒んだ。

ジャクソンの処方薬の濫用とかに関する問題が、先週の彼の死以降、新聞のページを埋めてきている。毒物学検査が4週間から8週間で正式に報告されるまでは死因は確定されないと初期段階の検死結果が発表されたとき、検死官当局は「彼が処方薬を服用していたのは承知している」と言った。

今日、TMZ(エンターテイメントニュースサイト)が、ジャクソンの自宅の警察の捜査令状が規制薬物と注射針を明細に記したこと、そしてLAPD(ロス市警)もまたジャクソンに出していたかもしれない処方箋に関して歌手の前の一回限りの皮膚科医アーノルド・クレインに尋問しようと努めていると報じた(皮膚科医はUsウィークリーがジャクソンの子どものうち2人の子の父親として名指しした人物)。ジャクソンファミリーの元弁護士ブライアン・オクスマンもまたUsウィークリーに語った。「いわば私の監察で気づいたことで、それらの投薬の使用を彼に許すのを決して容認されてはならない人びと、彼の付き人、広報担当マネージャーなど、彼に手段を与えていた人々による処方箋の濫用があったと彼らに警告しました。」

(RollingStone ROCK&ROLL DAILY 30 June 2009)

▲写真はマイケルが死ぬ2日前の6月23日に撮られた!
どれほどリハーサルが行われたかわかる?(BBC NEWS 30 June 2009)

2009/07/01

イスラエル フリーガザの船を攻撃



■緊急事態:ガザに対する人道支援をイスラエルが攻撃
オンラインペティションはここ↓
http://www.iacenter.org/palestine/gazashippetition
シンシア・マッキニー下院議員、スピリットオブヒューマニティ、すべての支援スタッフと食糧供給品の解放をいま要求してください!

昨夜、イスラエル占領軍がガザ解放運動ボート、SPIRIT OF HUMANITY号を襲って船に乗り込み、ノーベル賞受賞者マイリード・マグワイアとアメリカ元下院議員シンシア・マッキニーを含める、11カ国出身21人の人権活動の働き手を誘拐しました。乗客とクルーは力づくでイスラエルに向かって引きずられています。

人道支援食糧物資の押収と人権活動スタッフの誘拐は、国際法の下の犯罪、海賊行為です。ボートが攻撃されたとき、イスラエル水域ではなかったし、ガザへの人権使命を帯びていました。国際的領海での非武装船に対するイスラエルの前もって計画した故意の攻撃は、明確な国際法違反です。

アメリカ政府と企業メディアは、シンシア・マッキニーとパレスチナの人びとへの人種差別のせいで、この顛末を大々的に無視するか、葬り去ってきています。言葉を聞きただして公にするのは私たちの義務です。

昨日発表された国際赤十字委員会の報告によると、ガザに住むパレスチナ人たちは「絶望に閉じ込められ」ます。イスラエルの12月・1月の大虐殺の間、早期に家を破壊された数千人のガザ住民は、ほぼ45億ドル支援の誓約にもかかわらず、避難所なしのままでいます、というのもイスラエルがセメントや他の建築資材をガザ地区に与えるのを拒むからです。報告はまた、イスラエルの医療品妨害のため、病院がその患者のニーズを満たすのに苦労してどうにかやっていることにも注目します。

この非武装船に対するイスラエル占領軍によるテロ行為は、ガザの人びととの連帯を示すことから人々を脅して追い払う明確な試みです。私たちはいま行動を取らなければなりません!
以下は、あなたにできる手助けの方法:

1)オンラインの請願に署名する
http://www.iacenter.org/palestine/gazashippetition

2)この話を公にする
Eメールで広める、Facebook & Myspaceに掲示する等。

3)街頭デモ ガザの人びとの連帯表明とイスラエル占領軍に誘拐された全員の釈放を要求する
ニューヨークでは7月1日水曜日午後4時〜6時、場所:イスラエルミッション(43rd St. & 2nd Ave.) これにいっしょに参加してください。

4) ガザへの支援キャラバン隊を支援する!
現在のプロジェクト:<Free Gaza>http://freegaza.org/
<Viva Palestina>http://www.vivapalestina-us.org/
7月4日アメリカを出発する予定、英国のジョージ・ギャロウェイとベトナム戦争の退役軍人ロン・コヴィックが先頭に立って率いるキャラバン隊にはアメリカからの数百人が含まれる。

5)メディアに電話
・The New York Times:212-556-5272・Los Angeles Times:800-252-9141・Boston Herald:617-426-3000・Chicago Tribune:800-874-2863 他に地元の新聞、ラジオ局、TVニュース番組等。

<請願>
ただちにSPIRIT OF HUMANITY号と船の乗客全員を解放し、ガザへの人道主義の使命を前進させてください!ガザ包囲をいま終わらせてください!

イスラエル軍の行動に私は憤激します。ガザ解放運動のボート、SPIRIT OF HUMANITY号を攻撃して船に乗り込み、11カ国出身の21名の人権活動スタッフを誘拐する、その中にはノーベル賞受賞者マイリード・マグワイアとアメリカの元下院議員シンシア・マッキニーが含まれます、そして乗客と乗組員を力づくでイスラエルに向かって引きずっています。さらに私はイスラエルがおもちゃやオリーブの樹と同様、船から数トンの医薬品を押収していることに憤激します。

私は、船、乗客、乗組員がただちに解放され、ガザに人道主義の援助をもたらすための使命を続けさせることを要求します。

アメリカの元下院議員で2008年大統領候補としてシンシア・マッキニーは言いました、「これはとんでもない国際法違反です。私たちのボートはイスラエル水域にはありません、そして私たちはガザ地区への人権使命を帯びていました。オバマ大統領が人道主義と再建の支給物を入れるようにとイスラエルに言ったところでした。そして私たちはまさにそれをしようとしたのです。私たちが旅路を続けられるように私たちの釈放を要求するよう私たちは国際社会に求めています。」

6月29日に発表された国際赤十字委員会の報告によると、ガザに住むパレスチナ人たちは「絶望に閉じ込められ」ます。イスラエルの12月・1月の大虐殺の間、早期に家を破壊された数千人のガザ住民は、ほぼ45億ドル支援の誓約にもかかわらず、避難所なしのままでいます、というのもイスラエルがセメントや他の建築資材をガザ地区に与えるのを拒むからです。報告はまた、イスラエルの医療品妨害のため、病院がその患者のニーズを満たすのに苦労してどうにかやっていることにも注目します。

「私たちが運んでいた援助は、ガザの人びとには希望のシンボルです。海のルートが彼らのために開かれて、”キャストリード作戦”の猛攻の最中に破壊された学校、病院、何千ものわが家を再建し出すため自分たちの材料を輸送できるとの希望です。私たちの任務は、彼らに味方して援助するので彼らはひとりではないとの、ガザの人びとへのジェスチャーです」と、仲間の乗客、北アイルランドでの仕事でノーベル平和賞を受賞したマイリード・マグワイアは言いました。

国際法違反に抗議して船と下記に列記される誘拐された人たちの解放を手に入れるため、そして人道支援とSpirit of Humanity号や英国議会議員ジョージ・ギャロウェイとベトナム戦争の退役軍人ロン・コヴィックによって率いられ米国からの数百人が含まれる、来るべき人道主義の援助使命Viva Palestinaのような使命のガザへのアクセスの達成を確実にするため、ただちに手段を講じるようオバマ政権に要求します。Viva Palestinaの使命はガザをめざして7月14日ニューヨークシティを出発する予定です。

私はさらに、ガザの残忍な包囲、封鎖、占領をただちに止めるため手段を講じるよう、オバマ政権に要求します。

以下の人権活動スタッフと乗組員全員をいま釈放してください。

・バーレーンのKhalad Abdelkader(バーレーンのイスラム慈善協会を代表するエンジニア)
・ヨルダンのOthman Abufalah(アルジャジーラTVの一員として世界的に有名なジャーナリスト)
・バーレーンのKhaled Al-Shenoo(バーレーン大学の講師)
・イエメンのMansour Al-Abi(アルジャジーラTVの一員のカメラマン)
・バーレーンのFatima Al-Attawi(バーレーン出身の救助員で地域社会活動家)
・バーレーンのJuhaina Alqaed(ジャーナリストで人権活動家)
・米国のHuwaida Arraf(ガザ解放運動の議長でこの船旅の代表団共同コーディネーター)
・英国のIshmahil Blagrove(ジャマイカ生まれのジャーナリスト、ドキュメンタリー映画作家、Rice & Peas映画制作会社の創設者。彼のドキュメンタリー作品は社会的正義を求める国際的な苦闘に焦点をあてる。)
・バーレーンのKaltham Ghloom(地域社会活動家)
・アイルランドのDerek Graham(電子技師、ガザ解放のオーガナイザー、Spirit of Humanity号の一等航海士)
・英国のAlex Harrison(英国出身の連帯の働き手。長期の人権モニタリングを行うため彼女はガザに来ている。)
・英国のDenis Healey(Spirit of Humanity号の船長。これは彼のガザへの5回目の航海になる。)
・英国のFathi Jaouadi(イギリス人ジャーナリスト、ガザ解放のオーガナイザー、この船旅の代表団共同コーディネーター)
・アイルランドのMairead Maguire(ノーベル賞受賞者で有名な平和活動家)
・パレスチナ・イスラエルのLubna Masarwa(パレスチナ人人権活動家でガザ解放のオーガナイザー)
・スコットランドのTheresa McDermott(スコットランド出身の連帯の働き手。長期の人権モニタリングを行うため彼女はガザに来ている。)
・米国のCynthia McKinney(元下院議員で大統領候補はもちろん、人権と社会的正義問題のずばずばものを言う擁護者。)
・英国のAdnan Mormesh(英国出身の連帯の働き手。長期の人権モニタリングを行うため彼はガザに来ている。)
・デンマークのAdam Qvist(デンマーク出身の連帯の働き手。長期の人権モニタリングを行うため彼はガザに来ている。)
・米国のAdam Shapiro(アメリカ人ドキュメンタリー映画作家で人権活動家)
・米国のKathy Sheetz(看護師で映画作家、人権をモニタリングするためガザに来ている。)

(International Action Center 30 Jun 2009)

2009/06/30

ネダの死はうさんくさい



◇政府の公式の選挙結果に抵抗するイラン人のシンボルとなっている女性の死は対抗勢力(ムサビ側)が主張する死に方ではなかったと、28日、政府びいきの放送局プレスTVが伝えた。

ネダ・アグハ・ソルタン(26歳)が6月20日殺害されたとき、そのエリアに治安部隊はいなかったと、2人の人間がプレスTVに語った。

ネダの死は、おそらく携帯電話でアマチュアのヴィデオに記録されてオンラインに掲示された。彼女は数時間の内にイラン政府弾圧の聖像的犠牲者になっている。

ネダは屋根の上に位置を占める政府びいきの民兵組織バシジによって撃たれたと目撃者らは言う。

だが、彼女を殺した銃弾のタイプはイラン治安部隊によって使用されないとプレスTVは伝えた。

国家が資金供給するネットワークに彼女を病院に運ぶのを手伝ったと話した男性は、「彼女が殺されたとき、治安部隊または政府支援の民兵組織バシジの姿はなかった」と言った。

プレスTVはその男性を名指しして呼ばなかった、男性はペルシャ語で話をして、放送に英語の字幕が入った。

CNNは彼の身元を確認してないので、彼の話を確認できない。

「誰が誰を撃ったか私は見なかった」と彼は言った。「私には現場全体がうさんくさく見えた。」

ネダが死んだとき一緒だった彼女の音楽教師としてプレスTVが身元を確認した2番目の男性は、彼女が撃たれたとき、「この通りに治安部隊はいなかった」と局に告げた。

プレスTVは、グレーの口ひげとポニーテールの男性を名指しして呼ばなかった。狙撃の現場だったとプレスTVが言ったところに彼が歩いていって指さしたとき、彼はペルシャ語で話して英語の字幕が入った。

殺されたとき彼女は音楽教師である家族の友人といっしょだった。彼はどうも放送局のイラン人キャスターと話をした男性であるようだ。

「抗議の徴候はなかった」と彼は言った。「タクシーをつかまえるため、私たちは通りを渡った... この地点に着いたとき銃声が聞こえた。ここで銃撃はなかった... この通りに治安部隊はいなかった。この通りには約20人から30人の人がいた。一発の銃声がして、銃弾がネダに命中した。」

「弾丸は見たところではイラン治安部隊によって使われない小口径の拳銃から発射されたらしい」とプレスTVのアンカーマンは言った。

イランには一般人の市民が小火器を所持するのを禁じるきびしい銃規制法がある。

火曜日、アメリカのバラク・オバマ大統領がネダの死のヴィデオを見たと言って、それを「ひどくつらい(断腸の思い)」と呼んだ。

「それを見た誰もが、なにか根本的に不当なものがあるとわかると私は考える」と彼は言った。

彼女の死の揺れるヴィデオは、彼女が反政府デモの近くを音楽教師で哲学者の男性と一緒に歩くのを示す。

エアコンの効きが悪い小型車、プジョー206の中で一時間以上も交通渋滞にはまった後、ネダと友人は新鮮な空気を吸おうとクルマを降りることにしたと、彼女の死後、ネダの友人はCNN に語った。

国のあちこちで大胆な抵抗を誘発してきている反政府デモの終わりを命じる最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイに、抗議者らが反対をチャント(繰り返し唱える)していた近くに二人はいた。

黒いスカーフの上に野球帽、黒いシャツ、ブルージーンズ、テニスシューズといういでたちのネダは、見たところチャントはしてないらしく、デモを観察しているように思える。

突然、ネダが地面に、胸への一発によって倒れた。数人の男が彼女のわきにひざまずいて、出血を止める試みで彼女の胸を押さえる。「彼女が撃たれた!誰か、来て彼女を連れて行け!」と一人の男性が叫ぶ。

口、そのあと鼻から出血。一瞬、カメラが男のひとりにふさがれ彼女の顔が画面から消える。またネダの顔が映しだされたとき、血に覆われている。

6月12日の問題にされる大統領選以来、CNNと話をしてきている数少ないイラン当局者のひとり、イランのメキシコ大使が、たぶんアメリカの情報機関が彼女の死に責任があると示唆した。

「ネダの死は非常にうさんくさい」と、ムハマド・ハッサン・ガディリ大使は言った。「私の疑問は、このミス・ネダが背後から撃たれるのはどうしてか?数台のカメラの前で撃たれる、そして重要なデモが後ろで行われたエリアで撃たれるのはどうしてか?」

「さて、仮にCIAが誰かを殺してその結果を政府の部隊に帰するとしたいなら、女性を選ぶのがふさわしい選択だ、なぜなら女性の死はより多くの共感を呼び起こすからだ」とガディリは言った。

CIAのスポークスマン、ジョージ・リトルは、「この若い女性の死にCIAが責任があったというどんな説明も誤りで、ばかばかしく、不快だ。」と応答した。

写真はドイツ、フランクフルトでイラン大統領選に抗議する間、ネダの写真のそばでキャンドルに火を灯す少年
(CNN.com 28 June 2009)

2009/06/29

軍・最高裁・議会が大統領を追放



◇大統領のプラン、2期目に立候補できるように憲法を改正するための国民投票をめぐる権力闘争の後、ホンジュラスの軍隊がマヌエル・セラヤ大統領官邸を急襲して彼を追い出した。(写真:BBC NEWS 29 June 2009)

◇ホンジュラスでクーデター 

中米ホンジュラスで28日未明、国軍がセラヤ大統領を国外追放するクーデターが発生した。
セラヤ氏は大統領機でコスタリカの首都サンホセに到着。同地で会見し、国際社会に対して支持を訴えた。その日のうちにコスタリカのアリアス大統領とともに、ニカラグアでの中米統合機構(SICA)の首脳会議に向かった。

(日本経済新聞 2009年6月29日)

◇中米ホンジュラスでホセ・マヌエル・セラヤ大統領(56)が28日朝、首都テグシガルバで同軍に拘束され中米コスタリカに追放された。事実上のクーデターとみられる。

セラヤ大統領は同国が憲法で定められた大統領任期4年の改正を図るため、憲法改正の投票を同日に行うことになっていた。国民投票日の同日、軍に拘束され首都テグシガルパ郊外の空軍基地に連行され、その後セラヤ大統領はコスタリカのサンホセに移送されたとロイターが報じた。セラヤ大統領はサンホセ国際空港で記者会見し政治的陰謀と非難、自分はまだホンジュラスの大統領だと主張した。

ホンジュラスでは大統領の再選が禁止されていたが、セラヤ大統領は憲法を改正し再選を目指した。それに対して軍や裁判所が反対を表明し政治的な対立が続いていた。国民投票については野党だけでなく与党からも強い非難の声が上がっていた。最高裁や選管当局は違法と認定していたが大統領は強行突破を図ろうとしていた。

首都テグシガルパでは大統領支持者が抗議行動を起こしデモを行っているが、警察は催涙ガスなどで鎮圧を図っている。セラヤ大統領は当初保守として当選していたがその後、公民投票で憲法を改正して再選を可能にしたベネズエラのチャベス大統領ら中南米の左派勢力と関係を強めていた。セラヤ大統領の盟友でもあるベネズエラのチャベス大統領は、自国軍に警戒態勢をとらせていることを表明した。

(IBTimes 2009年6月29日)

◇大統領は中南米向けスペイン語放送局テレスルに対し、「発砲すると脅され、寝間着のまま飛行機に乗せられた。軍がわたしを裏切った」などと言明。自分は今も大統領だと主張し、国民に対して非暴力と対話による平和的な事態収拾を呼び掛けた。
現地からの報道では、大統領の連行後、軍兵士が装甲車や戦車で大統領官邸を包囲。空軍機が首都上空を旋回しているという。ロイター通信によると、テグシガルパ中心部で抗議行動をしていたデモ隊に警察が催涙ガスを発射するなど、各地で緊張が高まっている。

(時事通信 2009年6月29日)

◇中米ホンジュラスで28日、大統領再選を可能にする憲法改正をめぐって軍や国会と対立していたセラヤ大統領が国外へ追放され、国会はミチェレッティ議長を暫定大統領に任命した。セラヤ氏は移送先のコスタリカで、執務の続行を表明している。

国会では同日、セラヤ氏が書いたとされる辞表が読み上げられ、大統領の解任が可決された。

一方、セラヤ氏はコスタリカでCNNとのインタビューに応じ、辞表は書いていないと主張。中米諸国の首脳会議に出席するため、予定通りニカラグアへ向かうと述べた。同氏は28日朝、武装した兵士らによって自宅から「拉致」され、強制的に出国させられたとしている。さらに、ロダス外相も軍に拘束されたと話している。

ミチェレッティ氏は同日夜、「無期限の」外出禁止令を発令したと述べた。国会議事堂周辺にはセラヤ氏の支持者らが集まって抗議しているが、大きな混乱には至っていない。

セラヤ政権と友好関係にあるベネズエラやボリビアは、同氏の追放を非難する声明を発表。オバマ米大統領は「深い懸念」を表明し、「外部からの干渉を受けることなく、対話によって平和的に解決されなければならない」と強調した。

セラヤ氏は、大統領の再選を禁止する憲法の改正を目指し、制憲議会開催の是非を問う国民投票を28日に計画していた。最高裁は国民投票を違法と判断し、軍と議会もこれに同調。投票を強行しようとするセラヤ氏との間で、先週から緊張が高まっていた。

(CNN 29 June 2009)