見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2011/08/27

脱原発の象徴 カルカール


写真は脱原発の国ドイツのカルカールの街並み、ここの人気のレジャーパークとホテルは高速増殖炉の施設として建てられたものだった

以下、最近の気になったニュースの断片

◇原発事故の放出セシウム、原子爆弾168発分

経済産業省原子力安全・保安院は26日、東京電力福島第一原子力発電所事故と、広島に投下された原子爆弾で大気中に放出された放射性物質の種類別の量をまとめた資料を公表した。単純計算すると、原発事故の放出量はセシウム137が原爆の168.5倍、ヨウ素131が2.5倍にあたる。

半減期が約30年と長いセシウム137で比べると、原発事故が1万5千テラベクレル(テラは1兆)、原爆が89テラベクレル。放射能汚染がそれだけ長期化する可能性を示している。

保安院は「原爆は熱線、爆風、中性子線による影響があり、原発事故とは性質が大きく違う。影響を放出量で単純に比較するのは合理的でない」としている。

(引用元:朝日新聞 2011年8月26日)
http://www.asahi.com/national/update/0827/TKY201108260665.html

◇警察幹部が実行犯を指揮か ロシア女性記者殺害容疑で拘束

ロシア連邦捜査委員会は24日、プーチン前大統領のチェチェン政策に対する批判で知られた女性記者アンナ・ポリトコフスカヤさん殺害を指揮した疑いで、元モスクワ警察幹部のドミトリー・パブリュチェンコフ容疑者を同日までに拘束したと発表した。

連邦捜査委報道官によると、パブリュチェンコフ容疑者はモスクワ警察第4捜査課長だった2006年、何者かから金をもらって部下にポリトコフスカヤさんを尾行させ、犯行グループを集めて武器を渡し、殺害を実行させた疑い。(共同通信)

(引用元:47ニュース 2011年8月25日)
http://www.47news.jp/CN/201108/CN2011082401001061.html

◇放射性物質含む堤防の雑草、事前説明なく埋め立て

国土交通省福島河川国道事務所が、堤防の除草作業で生じた放射性物質を含む雑草を周辺住民に事前説明することなく二本松市の上川崎地区の河川敷にある国有地に埋め立てていたことが23日、分かった。付近には住民が飲用水として使っている井戸もあり、シートを敷くなどの措置を取らずそのまま埋設しており、住民は不安を募らせている。


同事務所によると、埋め立てた雑草は7月下旬から8月上旬にかけ、同市でも比較的線量が高い杉田地区の阿武隈川沿いと支流の杉田川沿いの堤防から刈り取った。今月4日から12日までの間、5回に分けて計90立方メートルを埋め立てた。地上10センチの地点で測定した最大の放射線量は毎時1.72マイクロシーベルトだった。土をかぶせたところ毎時0.6マイクロシーベルトまで下がったとしている。このほか、同市杉田地区でも同様の雑草を野積みしているほか、須賀川市でも同様の埋め立てを実施しているという。


(引用元:福島民友ニュース 2011年8月24日)
http://www.minyu-net.com/news/news/0824/news8.html
ドイツ語がわかる仲間が送ってくれたドイツの賢い転換例
(ドイツ観光局のメルマガより)

◇脱原発の国ドイツ
カルカールの高速増殖炉は今、レジャーパークとホテルに

ライン川下流のライン河畔のカルカールに造られた日本の"もんじゅ"と同じ高速増殖炉が現在、レジャーパークになっています。しかし放射能の心配はまったくありません。なぜなら、建設は完成したけれど、発電する前に廃炉になったからです。

ドイツは90年代から脱原発を推し進め、2002年には法改正をして脱原発を決定しました。福島の事故の後にドイツが急に脱原発を決めたということではありません。全廃の時期を2022年としたということです。

カルカールの高速増殖炉は1985年に完成しましたが、安全性とコストに対し市民と政治がゴーサインを出しませんでした。1991年に廃炉の決定がなされ、民間業者が買い取ってレジャーパーク「ワンダーランド・カルカール」をオープン、現在は年間60万人が訪れるホテルや会議施設を備えたレジャー施設になっています。

冷却塔の外壁はクライミングウォール、内側にメリーゴーランド、原子炉建屋はホテル、緑と池に囲まれた敷地にはコースターなど40種類の乗り物があります。

カルカールの町はかつてのハンザ都市で、美しい旧市街が残っています。さらに近くにはロマンチックなモイラント宮殿もあります。ここは世界的な現代美術館でヨゼフ・ボイスの収集では世界一です。

ドイツ脱原発のひとつの象徴となるカルカール増殖炉を訪ねる旅はいかがでしょうか。

アクセス:デュッセルドルフより車で1時間(89Km)、鉄道で1時間45分
http://www.wunderlandkalkar.eu/de/

2011/08/26

外国の記者は人質


◇トリポリのホテルからジャーナリストが解放される

カダフィに忠実な武装した男らによって何日か捕らえられたのちに西側のジャーナリストがリクソス・ホテルから解放された。

カダフィ大佐に忠誠を誓う総勢は、ジャーナリスト全員をトリポリのリクソス・ホテルから出るにまかせた、少なくとも彼らは5日間ホテルに閉じ込められた。

24日水曜、赤十字国際委員会の代表らが仲裁に入った後、ジャーナリスト35人余りが解放された。

その日もっと遅くに、ザウィヤ近くで4人のイタリア人ジャーナリストが連れ去られたとロイター通信社が報じた。

ジャーナリストらは、イタリアの新聞、Corriere della Sera、La Stampa、Avvenireの仕事をしていたとイタリア外務省報道官は言っている。

ジャーナリストらがホテルから4~5台の車で運び去られたのを目撃されたとリクソス・ホテルで新事実を確認するアルジャジーラのEvan Hillは言う。

AP通信社のジャーナリストはクルマでリクソスを出て他のホテルに移動していたと言う。

ホテル内に捕らえられた人たちは途切れ途切れの電力に加えて、毎日のそのエリアでの続けざまの戦闘を説明する。

BBCニュースのマヒュー・プライスは言った: 「背水の陣に備えて、彼らはこのホテルを軍の兵営として用いるつもりだと思いついた月曜のいつか、私はある核心に至った。」

「もしもホテルを兵営として使うなら、われわれにどういうことが持ち上がるか?われわれに実行可能な逃げ道はひとつもないのを発見した。このすさまじさの最中に、聞こえることはできても見えない、われわれの周囲至る所に燃え上がる戦闘で、このパラノイア(妄想症)感覚をもたらす。」

ジャーナリストらは2人のいらいらしているカラシニコフを振り回す警備兵によって銃口を突き付けられていた、市中どこかほかの所で反乱軍兵士らが勝利するというのに警備兵は彼らの持ち場を放棄するのを拒んだ。

部屋の中で人が襲撃されないように互いに助け守るため、彼らはホテルの一方のウイングの床で群がって眠っていた。急な出発を必要とするといけないから、彼らは付属物を荷造りしていた。

ホテルは親カダフィ勢力の基地だった。

◇イタリア人ジャーナリスト 連れ去られる

4人のイタリア人ジャーナリストは民間人の集団によって止められ、次にその集団が、彼らを個人住宅に連れ込んだカダフィに忠実な軍人の男どもに彼らを手渡した、しかも何時間かしてAvvenire紙のジャーナリストから最初の連絡が来たと、新聞Corriere della Seraが社のウェブサイトで言う。

4人のジャーナリストはBab al-Aziziyaとリクソス・ホテルのあいだのトリポリのアパートに拘束されているとベンガジのイタリア領事Guido De Sanctisが言うのを、イタリアの通信社ANSAが引用した。

(引用元:アルジャジーラ)
http://english.aljazeera.net/news/africa/2011/08/201182415430326561.html

◇不穏なリビア情勢:説明されるジャーナリストのリクソス・ホテルの厳しい試練

首都攻防戦があちこちで猛威をふるう頃、ホテルに追い込まれたにもかかわらず、約35人の外国のジャーナリストがなんとかトリポリのリクソス・ホテルから出てきている。BBCのマヒュー・プライス(Matthew Price)がその集団の中にいた。

上の写真がそのBBCのマヒュー・プライス記者
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-14655407

◇カダフィ派、イタリア人記者4人を首都郊外で誘拐

イタリアANSA通信は24日、リビア反体制派が制圧した首都トリポリに向かっていたイタリア人記者4人が、トリポリ郊外でカダフィ大佐支持派により誘拐されたと伝えた。トリポリでは反体制派と大佐支持派らの戦闘が続き、治安が不安定になっている。

ANSAなどによると、誘拐されたのはイタリア有力紙コリエレ・デラ・セラの記者ら。4人は西部ザウィヤから車でトリポリに向かっている途中で大佐支持派に車を止められた。運転手が殺害され、4人は民家で拘束されているという。うち1人の記者が電話することを許され、上司に連絡したという。(共同)

(引用元:日経新聞 2011年8月25日)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE0E7E2E2828DE0E7E2EAE0E2E3E39790E3E2E2E2;at=ALL

◇トリポリ市内のホテルで中国人記者5人が拘束される

首都トリポリ市内のリクソスホテルで身柄を拘束されている外国人記者約30人に中国人記者5人が含まれていることがわかった。中国新聞社などが報じた。

駐リビア中国大使館の職員によると、リビアに滞在中の中国人は全部で19人。このうち、同ホテルで監禁中の中国人記者5人は香港に拠点を置く鳳凰衛線(フェニックスTV)の記者3人と中央電視台(CCTV)の記者2人だとわかった。

外国メディアの報道によると、ホテル内では現在ホテル従業員らが不在の中、水道や電気などが遮断されているほか食料が少なくなっていると見られる。拘束中の記者らは、“人質同然”の状況のもと、防弾チョッキを身につけるなどして、安全確保に努めているという。

(引用元:サーチナ 2011年8月24日)
http://topics.jp.msn.com/wadai/searchina/article.aspx?articleid=676113

顔のない眼

わたしが住むスキン



アントニオ・バンデラスが古巣に帰って来た
ペドロ・アルモドバルの新作「The Skin I Live In(原題:La piel que habito)」のはなし
原作はフランスの作家ティエリー・ジョンケ(Thierry Jonquet)の小説「蜘蛛の微笑(Mygale)」、脚本はアルモドバル

◇これだけビザールで趣のある、愛人の皮膚を取り替える外科医の話で、ペドロ・アルモドバルはこれまでにほかの誰も作り得なかったエキゾチックなビール一杯を用意する

セクシュアリティーと自我の牢獄が、ペドロ・アルモドバルの途方もなくぶっ飛んだ新作映画、病室の雰囲気を放つ、ぜいたくなパルプフィクションのテーマだ。内密の手術室が備えつけられ、体裁よく家具をあてがわれる宮殿の家の裕福な才能あふれる形成外科医、ロバート・レッガード役でアントニオ・バンデラスが主演する。彼は美しくて従順な若いヴェラ(エレナ・アナヤ)でひそかに実験している、彼が置き換えた豚の皮から遺伝子的に派生するとらえどころのないすべすべした人工的物質で彼女の皮膚全体は覆われる。とりことなる、彼の長い間不明だった愛妻は、最近の自動車事故で焼死したと広く判断されるか?または全くの別人、彼が外科手術で彼女に作り直しているのか?どちらにしろ、とりこと捕える人は惚れているらしい。しかしそれが始まったと同様に終わりがあるのが愛情関係、すさまじい状態で。

(引用元:ガーディアン紙の映画評より)
http://www.guardian.co.uk/film/2011/aug/25/the-skin-i-live-in-review

あらすじとしてこうある...
妻が自動車事故で焼死してからというもの、著名な形成外科医ロバート・レッガードは妻を救えたかもしれないと新しい皮膚をつくりだすことに関心を抱いてきた。12年後、彼はどんな打撃にも耐えられる皮膚の培養になんとか成功する。長年の研究と実験に加えてロベールに必要なものが他に3つあった。良心のなさ、共犯者、そして人間の実験台。良心については問題なし。彼には生まれたときから世話をしてもらうマリリアという女性がいる、彼女が最も忠実な共犯者になる。そして人間の実験台は...。

「The Skin I Live In」は今年のカンヌ映画祭でプレミア上映された。賛否がわかれたとはいえ、大きな話題のひとつだったのは事実。

2011/08/25

スティーヴ・ジョブズの手紙


August 24, 2011 

Letter from Steve Jobs

To the Apple Board of Directors and the Apple Community:

I have always said if there ever came a day when I could no longer meet my duties and expectations as Apple’s CEO, I would be the first to let you know. Unfortunately, that day has come.

I hereby resign as CEO of Apple. I would like to serve, if the Board sees fit, as Chairman of the Board, director and Apple employee.

As far as my successor goes, I strongly recommend that we execute our succession plan and name Tim Cook as CEO of Apple.

I believe Apple’s brightest and most innovative days are ahead of it. And I look forward to watching and contributing to its success in a new role.

I have made some of the best friends of my life at Apple, and I thank you all for the many years of being able to work alongside you.

Steve 


アップル取締役会とアップルコミュニティへ:

もはやアップルのCEOとして職務と期待に応えることができなくなる日が来れば、最初にみんなに報告すると私は常々言ってきました。残念ながら、その日が来ました。

この結果、私はアップルのCEOを辞任します。取締役会が適切と判断した場合、私は取締役会長、取締役、アップル社員として勤めたいと思います。

私の後任に関して言えば、後継計画を発動してティム・クックをアップルのCEOに指名することを強く推薦します。

輝かしくて最高に革新的な日々がアップルの前途に待ち受けていると私は信じている。また、新たな役割のなかで、その成功を見守り、貢献できることを楽しみにしています。

人生最高の友を私はかなりアップルで得てきている、加えて、みんなと長年にわたり一緒に働くことができたことを全員に感謝します。

スティーヴ

http://www.apple.com/pr/library/2011/08/24Letter-from-Steve-Jobs.html

あーあ、ひとつの時代が終わった

2011/08/22

新規風力買わぬだと




8月21日反政府勢力がトリポリから西25キロの町Maiaを進むとき、反政府戦士らが道路標識のある道路を通りすぎる、標識にはトリポリ直進、Zhrah右19キロ、ベンガジ右1090キロとある(写真はロイター)
http://blogs.aljazeera.net/liveblog/libya

上のアルジャジーラの映像からは、「武器庫を解放する、みんな武器をとって、進め、進め、進め」と命じるカダフィ大佐の音声が聞こえる 最後の声かも...

◇ソフトバンク 苫前で風力発電検討 全国最大30万キロワット超

全国で大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設を計画している通信大手のソフトバンクが道内で、全国最大規模の風力発電事業への参入を検討していることが8日、分かった。風の状況など風力発電の好条件がそろっている留萌管内苫前町を候補としており、同社の孫 正義社長が近く同町の森利男町長と面会、具体的な協議に入る見通しだ。

関係者によると、ソフトバンクの幹部が7月末、同町を訪問。町内に42基の風力発電機がある先進地の苫前町を最有力の候補地として検討していることを町側に伝えた。全国最大規模の30万キロワット以上の風力発電施設を想定しており、参入決定後、2~3年で事業化を目指す方針という。

(引用元:北海道新聞 2011年8月9日)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/310738.html

◇北電「新規風力買わぬ」 風車 新設困難に

8月13日北海道新聞朝刊1面、2面によると、北海道電力が再生エネルギー特別措置法の施行後も、風力発電による発電電力の新規買取を行わない方針であることが、8月12日に判明した。(前にも書きましたので、重複失礼)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/311571.html
この方針は、電力安定供給のために北海道電力が独自に定めている風力発電の買取上限(風力発電連系可能量)が現在すでに満杯になっていることが理由であるらしい。因みに現在の上限は36万キロワットで、北電の総発電出力(742万キロワット)の4.9%に相当。
北電は、再生エネルギー特別措置法の下でも新規買取拒否は例外規定で認められるとしている。
記事には、2つの見解が紹介されるーー。
「北電の36万キロワットの上限が適正かは現段階で判断していない。具体的な問題が起きれば調査する」(資源エネルギー庁新エネルギー対策課)
「スペインやドイツでは、風力発電の割合が20%を越えた時でも停電などのトラブルは起きていない。日本の5%は低すぎ、根拠も不明確」(北海道大学大学院教授)
先にソフトバンクの「苫前で風力発電検討 全国最大30万キロワット超」が報じられたばかりで、この間髪を入れずの方針発表には北電の意図がありありと見える。
簡単に言えば、"原発つづけたい"ための、"風力つぶし"
菅直人のもうひとつの目玉だった、発電と送電を切り離す「発送電の分離」がきちんとシステム化できれば、大手電力会社の独占から抜け出して、わたしたち消費者はこんなことをほざく北電からなにも買う必要はなくなり、風力に力を注ぐ新しい電力会社から納得の価格で、気持ちよく、送電を受けられるようになる。
そうなれば、自然と、高コストの原発は続けられなくなるはずだ。
そして動かしてしまった泊原発! 通産省(現経産省)出身でどこを切っても原発推進派の黒い血が流れる北海道の高橋はるみ知事、プルサーマル導入のため知事になった人とはいえ、この機にあなたの罪は大きい。

◇独立行政法人「原子力安全基盤機構」 検査員の内部告発

原子力安全基盤機構とは、そもそもどういうところか。
2003年に発足した独立行政法人で、今年4月の職員数は426名。その目的は大きく言って、「原発や原子力施設の検査」や「設計の安全性解析」。原発の検査をする機関としては、経産省の原子力安全・保安院があるが、ここは保安院の「下請け」的な立場で全国の原発の検査を行う。保安院の検査担当者は「検査官」、原子力安全基盤機構の検査担当者は「検査員」と区別される。実際には、保安院の検査官が検査するのはごく一部で、大半はここの検査員が検査にあたっている。
そして、原子力安全基盤機構を特徴づけるのが、経産(通産)官僚たちの天下り組織として機能していることだ。

ここの検査業務部調査役が検査記録の改ざんを命じられたのは2009年3月。

告発:「当時、北海道電力の泊原発3号機は、建設が終わり、使用前検査の段階に入っていました。私は電気工作物検査員として、同原発で3月4日と5日の2日間にわたって『減速材温度係数測定』という検査を行ったのです。これは原子炉内で何らかの原因で冷却材の温度が上がっても、原子炉出力を抑えることができるかどうかを判定する基本的な検査で、どの原発でも、この検査なしでは運転することは許されません。」

「ところが、4日の検査では本来なら『負』にならないといけないこの係数が『正』になってしまった。このまま運転すれば、臨界事故につながりかねない危険な状態です。そこで、翌日の検査では部分的に制御棒を挿入し、ホウ酸の濃度を薄めるなどの対策を取って検査をし直しました。その結果、係数が『負』になったので、条件付きで合格としたのです。」

「私は当然、4日の『不合格の検査記録』と5日の『条件付き合格の検査記録』の両方を上司のグループ長に見せた。ところが、グループ長は3月4日の検査記録を削除するように指示しました。これは記録改ざんに他なりません。」

「私がその要求に従わない場合、『(査定について)評価を絶対に下げてやる』と恫喝したのです。 ...6月になって配置転換を命じられ、勤務査定は5段階評価の下から2番目となる「D」評価となり、7月には賞与が8%カットされた。部長の業務命令に背いたという理由である。 昨年3月末に定年を迎えたとき、本来なら大半の人が再雇用されるところ、私は再雇用不可とされて、職場を去らざるを得ませんでした。」

現在、告発者は、再雇用拒否という処分取り消しを求めて、機構側と訴訟中だ。訴訟で原告の代理人を務めるのは、「浜岡原発運転差し止め訴訟」の弁護団も務めた海渡雄一弁護士。

「訴えは、一検査員の雇用問題ではなく、原子力発電所の安全性に対する問題提起だと考えています。原子力安全・保安院につながる原子力安全基盤機構という組織で、データ改ざん命令のようなものがまかりとおっていたら大問題。それに、原告は原発の現場で長年検査業務に携わってきた人物です。そんな人が『より安全に』と願って内部告発したのに、その声は届かなかった。このことが持つ根本的な意味を、裁判を通じて多くの人に知ってもらいたいと思います。」

日本の原発事故の処理方法を、わかりやすい言葉でたとえてみせた。

「工場のライン上を次から次に製品が流れてくるところを想像してください。そのなかに部品が一つだけおかしい不良品が混じっているとします。そのとき、部品だけを取り替えて対症療法で問題は解決したというのがいまの処理方法。しかし、本当にやるべきなのは、なぜおかしな部品が作られたのかという根本原因を突き止めることでしょう。それが検査員として私がこだわってきたことなんです。」

保安院などに内部通報したことについても、問題は大きい。たとえば、簡易書式に書かれた検査ミスのなかには、「判定基準が間違っていた」「検査結果の数値が一部間違っていた」などと、検査の信頼性そのものを失わせる記述がある。だが、これらの内部通報は保安院でも安全委員会でも、「原子力安全に関わる問題ではない」という回答で調査が行われることはなかったという。

(引用元:週刊現代「私が命じられた北海道泊原発の検査記録改ざん」2011年6月18日号)