見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2007/10/13

地球を攻撃してるのは人間だ



WIRED誌の記者デイヴィッド・ハンブリングによると、アメリカの豪華ホテルの地下には秘密の米国議員向けの核シェルターがあり、アメリカの中央銀行である連邦準備制度が10億ドルの核シェルターを運営していたそうなんだ。(フィンランドには6000人が入れる核シェルターがあるって)
そして、もちろん、ハリウッドスターがこれを持ってちゃいけないという法はない。報告によると、少なくともひとりがこれを計画している。
以下はエンターテイメントワイズの記事から引用
◇トム・クルーズ 1000万ドルかけてサイエントロジーシェルター建設か
トム・クルーズが、世界の終末に備えてコロラド州にある邸宅の地下に1000万ドルをかけた核シェルター建設を計画しているとの情報がある。
俳優のトム・クルーズは、新興宗教団体「サイエントロジー」の熱心な信者でも有名だ。彼らの教えのひとつに、銀河系の悪の支配者「Xenu」が地球を攻撃してくるというのがあり、クルーズはそれに備えて、大金を投じて備えをすることにしたというのだ。
ところで、デイヴィッド・ハンブリングによれば、爆撃に耐える最も強固なシェルターは地下ミサイル格納庫を改造したものなんだそうだよ。
写真は核シェルターとなるバンカー
(DANGERROON 01 October 2007)

トム・クルーズといえば、映画「ワルキューレ」の撮影でトラブルがあった。
◇ドイツ国防省は25日、アドルフ・ヒトラーの暗殺計画を描いた映画「Valkyrieワルキューレ」の製作について、ドイツ国内の軍事施設での撮影を認めないと発表した。同省はその理由として、主演する米人気俳優のトム・クルーズがサイエントロジーの信者であることを挙げた。
ドイツ政府は、サイエントロジーについて、宗教団体を装って資金集めをしていると主張している。サイエントロジー側はこうした主張を認めていない。
この映画の中で、クルーズは、クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐を演じることになっている。国防省の報道官は、クルーズがこの役を演じる限り、この映画のためのドイツ軍事施設の撮影は許可できないと語った。
シュタウフェンベルク大佐はヒトラー暗殺計画の首謀者で1944年7月にブリーフケースに爆弾を隠し暗殺を試みたが失敗し、処刑された。
(ロイター通信2007年6月26日)
◇ドイツメディアはこうした経緯を大きく報じ、全国紙フランクフルターアルゲマイネの世論調査では3割以上が「サイエントロジストのトムクルーズに演じて欲しくない」と答えた。ドイツでは70年代に布教が始まり、高い参加費などから「宗教の名を借りた集金マシーン」と社会問題になった。サイエントロジー側の反発のなかで、ドイツ内務省は97年に認定した監視対象指定を変えていない。
(朝日新聞)
◇サイエントロジーは多くの訴訟で負けている。スイス国内の少なくとも4カ所の裁判所が、「サイエントロジーは宗教ではなく事業である」と認定している。そして注目すべきことに同団体は「組織的サギ」の疑いでも取り調べを受けた。さらにこの他にも、世界各国で、不審死亡事件に関連した裁判で敗訴している。
また、サイエントロジー教会は名誉毀損や著作権・商標権侵害などを訴因として多数の訴訟を起こしている。
◇アメリカ社会を過激に風刺するアニメ「サウスパーク」では、たまにサイエントロジーをからかったようなシーンがある。シーズン7「羊たちのトイレットペーパー」では、子どもたちがサイエントロジー信者に捕まり人格診断テストを受けたというウソ話をでっち上げるシーンがある。なおこのエピソードのエンドロールに流れるスタッフ名はすべて偽名が使われている。劇場作品がMTV Movie Awards 2000を受賞したとき、授賞式でジョン・トラボルタにもらった性格診断用紙をトイレットペーパーにする映像が流れた。(トラボルタも熱心な信者のひとり)
◇フランスではサイエントロジーは司法、警察の記録に基づいてセクト(カルト)として扱われている。また、デンマークでは宗教法人として認可されるための基準を満たすことができず、これを取得することができなかった。またフランスではサイエントロジーを脱会した人を同団体の信者が集団でいじめ、自殺にまで追い込んだ事件で有罪判決が出ている。この判決はマインドコントロールに関する重要な判例の一つとなっている。
(フランスの信者自殺事件:毎日新聞1997年8月28日の記事)
◇欧州でサイエントロジーは単なるビタミン剤を法外な値段で売りつけるビジネスを組織的に行っていた。イギリスではサイエントロジストは公務員になれないが、これが信者であるというだけで差別するのは問題ではないかと、アメリカ政府との間で争議をかもしており、非常に難しい問題になっている。
◇2005年7月11日、パリ市議会はトム・クルーズがサイエントロジーのメンバーであることを理由に名誉市民の称号はふさわしくないとの決議を採択した。世紀の2枚目俳優はパリでは「歓迎すべからざる人物」と規定された。また2006年8月には、パラマウント映画がサイエントロジーの擁護などを理由にクルーズとの14年間におよぶ契約を打ち切ると発表した。2007年には映画「ワルキューレ」の撮影においてドイツ国防省がクルーズの同国連邦軍施設内への立ち入りを断るといった事態も発生している。
◇ブライアン・シンガー監督の「ワルキューレ」に一転して撮影許可が!
7月からドイツ国内で撮影が始まっていたトム・クルーズ主演、ブライアン・シンガー監督の戦争映画「ワルキューレ」が、撮影当初は独国防省から許可されなかった軍事施設での撮影が一転して許可されることになった。AP通信が9月15日に伝えたもの。
今回撮影の許可が下りることになった建物は、ベルリン市内のベンドラー街にある「ベンドラーブロック」と呼ばれる国防省ビル。大戦時は旧独陸軍司令部が置かれ、ヒトラー暗殺未遂事件の舞台になった場所。またシュタウフェンベルク大佐が射殺された場所で、今では「反ナチ」レジスタンス活動の記念施設となっている。
トム・クルーズがサイエントロジーの重要なメンバーであるとして、独国防省は当初、同作の撮影を許可しない意向を示していたが、クルーズの共同プロデューサーである製作会社ユナイテッド・アーティスツのポーラ・ワグナーが、同省へ脚本と手紙を送り、同軍事施設内での撮影の重要性を説明していた。
同省スポークスマンは、暗殺計画者(シュタウフェンベルク大佐)が射殺された記念施設と、今の民主的なドイツは(脚本の中で)区別されていると指摘。「野蛮な行為に支配されず、最終的には民主的なドイツの再興が描かれている」と述べ、製作会社ユナイテッド・アーティスツに対する撮影許可が下りるとの見方を示した。
上の映画のスチール写真の4番が大佐を演じるアイパッチをしたトム・クルーズ

2007/10/12

ゆがんだ世界



9月初め、イスラエル軍がシリアの疑惑の核物質現場を爆撃した。ここで、どうやってロシアから購入したシリアの防空レーダー網にひっかかることなく、これを成し遂げたか?とのミリオンダラー級の疑問が生じる。レーダー専門家デイヴ・ファルガムの答はこうだ、イスラエルはネットワークをハックした。

◇DANGERROOM by Sharon Weinberger 04 October 2007
米航空宇宙産業と退役した軍当局者らは、米国が開発した「Suter」のようなテクノロジーがイスラエルによって使われたと指摘した。空気伝送ネットワーク攻撃システムは英BAEシステムズによって開発され、L-3コミュニケーションズによる米国の無人航空機に組み込まれる。
このシステムは、過去1年を通して、イラクとアフガニスタンで使われてきているか、少なくともいつでも使えるように試されてきている。
このテクノロジーは、ユーザーを通信ネットワークに侵入させ、敵のセンサーが見ているものを見させ、システム管理者を装って乗っ取ることも許すので、センサーを操作して接近する航空機の位置を見えない位置にすることができた。
その操作課程には、すばらしい精度で敵のエミッターの位置を突き止めることが含まれ、データの流れをニセの標的や誤解させるメッセージのアルゴリズムが含まれるものに向けることで、コントロールも含め、幾らかの活発な動きを許すことになる。

これで疑問が解けるものかどうか、ぜんぜんわからないが、いままさにその集中攻撃の大当たりを研究するロシア人レーダーエンジニア団がいるのは確かなんだろう。
どうせわからないなら、こういう謎解きよりは、デイヴィッド・リンチの「インランドエンパイア」の謎解きのほうがいい。
リンチはわたしの持ってるヴィジュアル感覚のはるか彼方で彷徨っていた。でもときどき、触れてくる瞬間はすごいものがある。時間とか次元とか、誰であるかがパチッと切り替わるとき、入れ替わるとき、すごい。ムンクのような感情の「ゆがみ」はわたしの興味の対象でもある。

写真は精鋭のイスラエル空軍 こんなのを持ってる国と戦ってきているパレスチナ人って驚くばかりだ!
そしてリンチ監督

2007/10/11

戦争が悪魔をつくる


これから、続々とイラクを題材にした映画が公開される。
ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した、ブライアン・デ・パルマ監督の「リダクティッド(Redacted:編集した書きもの)」は、実際にイラクで起きた米兵による「むごたらしい」レイプ殺人事件を取り上げている。
2006年3月12日、バグダッド南部マハムディヤ(憶えているだろうか、日本人ジャーナリスト橋田信介さんが殺害されたのもここ)で、5人の泥酔したイラク駐留米軍兵士が一般市民の家を襲撃し、14歳のイラク人少女をレイプして射殺したあと、彼女のからだに火をつけて燃やした、さらに少女の両親と幼い妹も射殺した。
犯人グループとされる米軍兵士らは、ジェシー・スピールマン米陸軍初等兵、ジェイムズ・バーカー初等兵、ポール・コルテス三等軍曹、ブライアン・ハワード初等兵、スティーブン・グリーン初等兵。このうち、ジェシー・スピールマン米陸軍初等兵はすでに米国内裁判で懲役110年の有罪判決を受けて服役する見込みだが、10年で仮釈放が可能な条件つきである。また、グリーン初等兵はレイプ直後に少女を射殺し、遺体に灯油をかけて燃やし証拠隠滅を図った件で死刑宣告される見通しである。

◇イラク中部で14歳の少女をレイプして射殺し、家族も殺害した罪で起訴された元米兵に対し、米検察当局は3日、死刑を求刑する意向を明らかにした。イラクでは駐留米軍による民間人の殺害事件が複数起きているが、死刑求刑は極めて異例だ。
米中部ケンタッキー州の連邦地裁に同日提出された検察側文書などによると、元米兵はスティーブン・グリーン被告(22歳)。2006年3月12日ごろ、同じ部隊の兵士らとバグダッド郊外の民家に押し入り、少女を集団で暴行して殺害、証拠隠滅の意図で遺体の一部を焼いた。妹(6歳)と両親も射殺したとされる。
グリーン被告は事件発覚前に除隊したため民間法廷で審理が行われている。事件当時、犯行現場付近は駐留米軍と武装勢力の激しい戦闘が続く「死のトライアングル地帯」の一角で、同被告も戦闘ストレスを訴え薬物治療などを受けていたと米メディアは報じている。( 毎日新聞)

映画祭で行われたインタヴューによれば、デ・パルマ監督は米国大手メディアが現在進行中の戦争の実像をまったく伝えていないと憤慨している。今回の作品では、そうしたメディアによる「編集して作られた(Redacted)」イメージではなく、ネット上で流通する米軍兵士が投稿した戦場風景や動画を作品の中に入れることで、イラク戦争のリアリティを伝えようとしている。

写真は、惨殺された一家を襲撃しようとするイラク駐留米軍兵士ら、といってもこれは映画のワンシーン

2007/10/10

日本のブラックウォーター戦力


◇ブラックウォーター社は日本のミサイル防衛力 by Noah Shachtmnan
07 October 2007

ブラックウォーター社に雇われた殺し屋どもがぶらついてるのはバグダッドやニューオーリンズの通りばかりではない。日本でもまた、彼らが国内で議論のある弾道ミサイル防衛システムを保護することが判明する。
Stars & Stripes 紙によると、日本海沿岸の小さな車力(しゃりき)村では、約100人の政府請負人がAN/TPY-2 レーダーを処理する。そのレーダーは「アメリカやその同盟国に向かって東に進む敵のミサイルを追跡するため、高性能の電波を西方のアジア本土に向ける」
請負人たちは「RaytheonとChenega Blackwater Solutionsに勤めており、それぞれミサイルレーダーを処理し、基地の警備を提供する。」2人の兵士が100人のチームを監督する。
どういう人たちがこの警備の仕事をしてるのか?このブラックウォーター職務内容説明書によると、この職に応募する人は誰でもハイスクール卒業証書(またはGED一般教育を満たすと同等)を持ち、「民間警察隊、軍警察隊、または民間警備会社」で経験のある、少なくとも21歳である必要がある。
「分数、パーセンテージ、配分、比例計算といった概念を応用する能力」もまた不可欠。そして求職者は以下のように通告される:
この職務をこなす間、従業員はたびたび立つことが要求される;歩く、指先まで手を使って処理する、あるいはモノや道具をさわったり、コントロールする;両手両腕で達しようと努める;相談し、聞き入れる。従業員はデスクまたはテーブルで座ってる時間を臨時に延長されることがある。授業員は立ってる時間を延長されることがある。予定された交通手段、すなわち航空機、乗物、大量輸送システムなどによって、臨時に移動できなければならない。

2007/10/09

イーノがデモを呼びかける


イラク戦争に反対する市民連合「StoptheWar」といっしょに行動するミュージシャンのブライアン・イーノが、月曜のデモ行進にいっしょに参加しよう!と呼びかけている。
1839年ロンドン警視庁法という古い時代からの生き残りの法律を使ってデモが禁止されていようと、月曜の「デモはやる」と言っている。「ボクたちの多くがまだイラクのことを考えているという事実に注意を引きつけるのと、イギリス部隊の即時撤退を要求するため、議会が再開される月曜日にトラファルガー広場から議会スクエアまでデモ行進する。」
「いま都合よくイラクを忘れることは、戦争にあるかもしれない唯一の恩恵、ボクたちを動きの取れない苦境に陥れた機能不全の政治システムを再考するチャンスを失うことになる。もしこれをやらないと、これまでよりずっと動きの取れない一連の苦境に陥るリスクがボクたちにはある。イラクのいちかばちかの冒険は、中東に民主主義の目標となるものを根付かせるとして正当化された。それにすっかり失敗したばかりか、ボクたちの民主主義も傷つけた。ボクたちの考え方よりもパラノイアにアピールするジョージ・ブッシュとトニー・ブレアは、発展させるのに何世紀もかかった自由に対し制限を手に入れた。ボクたちの安全を保証するのにこれらが欠かせないと2人は言った。記憶にないほど昔から独裁主義の指導者によって利用される方便だ。」
続きはメールマガジン「NewsFanzine173」で読めます。

◇生殖力をゲットする イーノの音楽
アンビエントミュージックのゴッドファーザーと呼ばれるブライアン・イーノは、コンピュータによって生み出される最近の曲は「おそまつ」だと感じている。
有能なソフトウエアプログラムによって、テンポや音の高低、ビートの感じをちょっと変えるなんてことはテキストのフォントを変えるのと同じくらい簡単にできるようになった。でも、そういった操作ができることは必ずしもよいこととはかぎらないとイーノは語る。
こういったソフトウェアプログラムが登場した結果、ミュージシャンは「非常に細かい部分にまでこだわれるようになった反面、全体を無視しがちになってしまった」
「ファンキーさがなく、すごく細かくて、石みたいに無表情な響き」
イーノが1970年代初めからずっとやってきているスタイルは、「generative music (生殖する音楽)」として知られており、イーノが嫌悪してやまない細かすぎるコンピュータ製の曲とはまったく異なるものだ。
「普通の音楽は技術工学のようなもので、すべてが計画通りにきちっと組み立てられていて、なんど繰り返しても同じ演奏になる。それに対し"生殖する音楽"はガーデニングにたとえられる。種を植えると、いつも違う成長のしかたをする」とイーノは説明する。
またこうも述べる。コンピュータに依存するプロデューサーたちは「自分がどんなに不自然な音楽を作っているかわかっていない。最先端テクノロジーを使うなら、それによって最先端でないものを生み出さないかぎり、おもしろいことはなにもできない。」
(WIRED 27 October 2001)
ちなみにイーノはこのごろのアンダーウエアはぴっちりしすぎで気に入らない。彼が愛用してるのはポーランド製のゆったりしたものなんだそうだ。

写真は、ロキシーミュージック時代のブライアン・イーノ。ボーカルのブライアン・フェリーよりメイクもギンギンにきめていた。

2007/10/08

アンナ殺害の日はプーチンの誕生日



ロシアのプーチン政権を厳しく批判してきたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤが自宅のある建物のエレベーター内で射殺されて7日で1年が経過する。
1年前、アンナ殺害は「プーチンへの誕生日プレゼント」と言われたように、この日はプーチン大統領の誕生日と重なった。今年7日、モスクワでは大統領を批判する勢力と大統領を支持する勢力の相反する2つの集会が開かれた。
モスクワ川のほとりで開かれた写真展。亡くなったアンナの生前の表情や、彼女が記者生命をかけたチェチェン紛争の惨状を物語る写真が展示されている。訪れたある市民は「残念ながら、今のロシアには当局と異なる意見を言えるほど自らの仕事を信じている彼女のようなジャーナリストは少なくなってしまった」と語った。
この日、野党勢力「もう一つのロシア」がアンナを追悼する集会を開いた。警官隊に囲まれるなか、治安当局に行動範囲や時間を制限されたことと仲間割れも手伝って、規模は小さく数百人から1000人の市民が参加した。
もう一方の大統領を支持する集会では「ナーシ」と呼ばれる若者およそ数千人から1万人が大統領の誕生日にあわせてロシア議会の近くに集まり、「プーチンはロシアを近代化し、自信を取り戻させた」と気勢を上げた。
ところで、いまロシアでは大統領の権力を象徴するようなCMが流れている。
プーチン大統領が登場して「私はコムソーモールスカヤ・プラウダを読んでいます」と新聞を宣伝する。
「権力の監視」が使命の新聞社が大統領に出演を依頼するのも、大統領が特定のCMに出演するのも、ロシアでは前代未聞のこと。
ロシアの将来を憂える人々にとって「10月7日」はどうやら特別な意味を持つ日になるようだ。
◇ロシアの代表的な人権活動家リュドミラ・アレクセーエワ氏は、「ポリトコフスカヤ記者は無法な暴政と妥協せず闘ったために殺害された。首謀者が処罰されていないことはロシア国民にとって恥辱だ」と述べ、政府当局への抗議を呼び掛けた。
野党指導者のカシヤノフ元首相は「プーチン政権は言論の自由や市民の政治参加を阻害し、全体主義国家をつくろうとしている」と非難した。(時事通信)
◇下院選を控えるロシアで7日、政権支持派の青年組織「ナーシ(Nashi)」は、モスクワ中心部に約1万人を動員し、ウラジーミル・プーチンの55歳の誕生日を祝った。
参加者の多くは、胸にプーチン大統領のイラストと「プーチンを選ぶ」とあり、背中に彼のイニシャル「V.V. Putin」と数字の1が描かれたアカ一色のTシャツを着て雨の中で祝いの言葉を叫んだ。このキャンペーンは1週間続けられる。
プーチン大統領はこの日の夜、安全保障会議メンバーなど治安トップをクレムリンに招いて仲良く誕生日を祝うことを明らかにした。任期終了を目前に、在任8年で初めてクレムリンでの誕生日会を行った。
今月はじめ、プーチン大統領は12月に行われる下院選挙で与党「統一ロシア」の比例名簿第1位の候補者として立候補することに合意し、首相就任の可能性についても「十分現実的だ」と発言。また、2012年に再び大統領選へ出馬する可能性についても否定しなかった。2期連続で大統領を務めた後、一度退任してから大統領選に再出馬すれば違憲にはならない。(AFP通信10月8日、ドイツZDF)

◇「ナーシ」のサマーキャンプ
「ナーシ」(英語でOurs)は、2005年に結成されたプーチン大統領支持の青少年団体。大統領顧問のスルコフ氏が組織したとされる。団員は現在約10万人。
最近の目立った活動として、2007年4月、エストニア政府が首都タリンにあった対独戦勝の旧ソ連兵記念碑の銅像を「ソ連による占領の象徴」として撤去・移設したことに対して、在モスクワのエストニア大使館を包囲して抗議デモを行ったことがあげられる。「ナーシ」の活動資金源は明らかにされていないが、クレムリンが援助していると言われる(当局は否定)。
ロシア国家とプーチン大統領の偉大さを称え、大統領を批判する者・政敵をファシスト呼ばわりするこの団体は、メディアにはよく「大統領の親衛隊」と出てくるが、組織的にはソ連時代のコムソモール(共産主義推進のための青年組織)に近いようだ。
7月11日から23日まで、その「ナーシ」のサマーキャンプがモスクワ近郊セリガー湖畔で開かれ、青年1万人が参加した。学習会やカラシニコフを使った訓練が行われたが、訓練は戦闘のためというより軍隊での新兵いじめ(ロシアでは深刻な問題になっている)に対抗するためのプログラムとのこと。
政治団体「もう一つのロシア」の活動などで、大統領を批判しているカシヤノフ元首相と元チェス世界チャンピオンのカスパロフ氏の娼婦姿のポスターが、キャンプ敷地内の「赤線地帯」と名付けられた場所に掲示された。
元チェスのチャンピオン、カスパロフは今度の大統領選に立候補を表明している。
(ロイター通信2007年7月19日、AP通信7月18日)

写真はアンナ・ポリトコフスカヤと、ナーシのキャンプ地に貼られたプーチン批判するカシヤノフ元首相(左)と元チェス世界チャンピオンのカスパロフ氏(中央)を娼婦に見立てておちょくるポスター(AP通信)

2007/10/07

ベルナール・クシュネルってどうよ


フランスのベルナール・クシュネル外相が先月16日、イランの核問題をめぐり解決のためにはイランと「最後の最後まで協議は続けなければならない」としながらも、最悪の場合、「世界は新たな戦争に備えなくてはいけない」と発言したことで波紋を呼んだ(AFP 通信9月17日)。その後、発言はメディアによって誤解を招くものとなったとして訂正はしたが、EU独自の制裁などに含みを残した。
ベルナール・クシュネルは、もともと左派系の医師でサルコジ政権では最長老なんだが、さかのぼって見ると、あの「国境なき医師団」を設立した人なのだ。1980年に意見の相違からそこを離れ、「世界の医療団」を設立することになる。
1970年代末、ベトナムからボートピープルが南シナ海に流出するという騒ぎが世界中の注目を集めた。 クシュネルが設立に加わった国境なき医師団は、ボートピープルの救助が領海侵犯の恐れありとして行動を躊躇した。これに反対したクシュネルは友人らとともに大型船「イル・ド・リュミエール:光の島」号をチャーターし、海上をさまようボートピープルの救助に向かった。これを契機に「世界の医療団」は設立された。
「世界の医療団」の使命:(wikipedia)
正義のない治療はなく、社会のおきてのない持続的援助はありえない。効果的にその支援活動を実施するのに、世界の医療団は医療を超えた「証言」という手段に訴えていく。いかなる政治的・イデオロギーにも拠らない独立した立場において、医療へのアクセスの妨げとなっているもの、人権や尊厳を侵害するものを、医療を通じて証言していく。 さらに、単に医療にとどまらず、医療アクセスの障害となっているもの、人権ならびに人間としての尊厳の侵害を証言し、世論に訴えるアドボカシー活動も世界の医療団の重要な使命のひとつである。

◇フランスのベルナール・クシュネル外相は今月2日、対ミャンマー追加経済制裁について、国内石油大手のトタル(Total)にも例外なく参加を求めるとの考えを示した。ラジオ放送局Europe1の番組内で語ったもの。
クシュネル外相は「経済制裁が必要となった場合には、当然ながらトタルも例外ではない。わが国は現在、経済制裁の発動可否について検討中であり、いかなる企業も例外とはならない」と明言した。
一方で外相は「海外企業が撤退しても、ミャンマー資本や中国資本の企業が新たに参入してきた」過去があることを指摘し、軍事政権による市民弾圧を食い止めるには、欧米諸国による経済制裁よりも、アジア諸国による圧力のほうがより効果的だとの見方も示した。
サルコジ大統領も先週、トタルを含む国内企業に対し、ミャンマーへの新規投資を凍結するよう要請していたが、完全撤退については求めていなかった。(AFP通信10月2日)
◇VOA(ヴォイスオブアメリカ)は、トタル社のような外国企業がミャンマーの軍政維持に一役買っていると指摘する。
◇ロイター通信は、トタル社が軍事政権を利している最大の外国企業の一つであると伝える。
◇オランダで左派政党が中心になってトタル(エルフもその傘下)のガソリンスタンドに対する不買運動が起きているとインターナショナル・ヘラルドトリビューン紙は伝えている。
◇英インディペンデント紙は、トタル社のみならずフランス政府への批判が高まっていることを示し、人権団体が指摘する児童就労の問題(会社側は否定)についても取り上げた。

◇ミャンマー南部でガス田を操業し、隣国タイの発電所にガスを供給しているトタルは、約270人の現地労働者が劣悪な労働環境に置かれている事実を容認しているとの非難を浴びている。
◇フランス石油会社トタルがミャンマーのヤダナ・パイプライン建設に関わる訴訟で和解:
トタルは強制労働に関わったとして2002年フランスのナンテール地方裁判所で8人のミャンマー人に訴えられていた問題で、11月に両者が和解にこぎつけたとのプレスリリースを発表した。
ヤダナの天然ガスパイプライン建設の際にミャンマー軍などによる強制移住、強制労働などの甚大な人権侵害が行われていることが批判されており、同社はその建設に投資し推進していたことから、強制労働で責任を問われていた。また、ベルギーの裁判所でも人道に対する罪で訴えられていたが、2005年4月、原告がミャンマーからの難民でベルギー国籍を持たないため、管轄権がないとして訴えを退けられた。
2003年、一連の批判騒動に対処するため、トタルはコンサルティング企業BK Conseilを雇った。BK Conseilの経営者は人道活動の世界で顔が効く。彼はミャンマー現地で調査を行い、開発事業から撤退するよりも批判を抑えるためのPR活動を拡大することでイメージ改善に力を入れるべきだと報告書でトタル社にアドバイスした。(Total社サイト:報告日2003年9月29日、報告書を書いたのはBK Conseilの経営者、企業コンサルタントのベルナール・クシュネル)
今回のミャンマーの僧侶などのデモ行進に対する軍政の武力制圧でのフランスの制裁措置について、トタル社側はミャンマーでの事業を継続する理由として、「フランス企業が撤退したら倫理面ではるかに劣る中国その他の企業が投資を拡大し、ビルマ国民にとって事態はさらに悪くなる」と説明している。そしてまたフランス外相も「トタル社はミャンマー軍事政権と事実上協力関係にある」との批判を一蹴して、フランス最大・世界第4位の天然資源開発企業であるトタルを擁護した。
おわかり?フランスの外相とは、2003年トタルに事業を続けるよう提言したコンサルタント会社の社長、ベルナール・クシュネル氏ってことだよ。

また、ヤダナ・パイプライン建設に関わる人権侵害では米国のユノカル社が2004年12月に住民への補償および医療、教育などの整備のための資金提供などを行うことで原告と和解している。
ヤダナ・パイプライン建設事業には仏トタル社の他に米シェブロン社も参加している。米国のライス国務長官が1991年からブッシュ政権入閣直前までシェブロンの重役だったのはよく知られた事実だ。
さて、お待ちかね!チェイニーがCEOだったハリバートンは、90年代からミャンマー軍事政権を顧客に抱え、ヤダナ・パイプライン初期工事に携わった。シェブロン同様、ハリバートンもまた「対ミャンマー経済制裁の適用外」という特別待遇を受けている。CNNの番組「ラリー・キング・ライブ」でこの件を問われたチェイニー副大統領は、「この世界は民主主義だけで成り立つわけではないんだ。」と言ってのけている。

◇ミャンマーにおける人権侵害関与をめぐるユノカル社事件が和解合意する:
ミャンマーの天然ガス・パイプライン建設の際の強制労働、強姦、殺人などについて米国の石油会社ユノカルを米国の連邦裁判所に訴えていた事件で、12月、当事者が和解に合意した。ユノカルとその子会社は1992年、ミャンマーの国営企業とミャンマー沖ヤダナ油田の天然ガス採掘でジョイントベンチャーを行っていたフランスの石油会社トタルからプロジェクトの28%を取得し、テナセリム地方を通して天然ガス・パイプラインを建設していた。その際、ユノカル承知の上でミャンマー軍がユノカルのプロジェクトに対して警備その他のサービスを提供していた。
原告のテネサリム地方の住民は、パイプライン建設での強制労働、軍による拷問、強姦、殺人などで1996年ロサンゼルスの連邦地裁に訴え出た。翌年、同地裁はミャンマー軍と国営企業に対する訴えは主権免除により却下とした。2000年にはユノカルに対する訴えも直接、人権侵害に関わったことを示していないとして退けた。これに対し、原告側は控訴した。
原告は外国人不法行為請求法などの法律を根拠にユノカルを訴えていた。同法は米国外で起こった外国人に対する不法行為について、それが国家機関によるものであれ、非国家組織体の行為によるものであれ問わずに米国の連邦裁判所に管轄権を付与する法律だ。フィリピンのマルコス元大統領やボスニア・ヘルツェゴビナのカラジッチ元セルビア人指導者などに対する訴訟で適用されてきたが、最近は多国籍企業の海外における人権侵害に対する救済の手段として注目を集めている。
2002年9月、第9巡回控訴裁判所は、ユノカルの人権侵害の教唆・幇助を問えると判断した。一方、米国政府はそのような訴訟が多発することが米国の外交政策を損なう懸念があるとして、同法の適用に消極的な意見を裁判所に提出している。
2004年12月13日に公表された和解では、ユノカルがテネサリム地方の住民に補償金を支払い、生活条件、医療、教育などを改善するためのプログラム開発資金を提供することになっている。

今回、ビルマに関する記事をあれこれ読んでいて戸惑ったのは国名表記と元首都ラングーン表記の違いだった。NYタイムズを初めとするアメリカのニュースはほぼビルマ表記となっている。そこで google:
1989年、共産主義体制の崩壊にともない国名が「ビルマ連邦(Union of Burma)」に変更となったが、暫定軍事政権が国を支配するとすぐにこれを「ミャンマー連邦(Union of Myanmar)」に変更。同時に、首都ラングーンもヤンゴンに改名された。
アメリカ合衆国、イギリス、オーストラリアなどは、暫定軍事政権を承認しないという意味を込めて「ビルマ」の名称を使用し続けている。EUのニュースなどでは両方併記となっている。
ここでわが国は、ビルマを軍事政権が支配して一番にこれを承認したのが日本だった。当然「ビルマ」はあっさりミャンマー表記に変わった。おまけに、諸外国からあんまりうるさく批難されたもので仕方なく2003年に援助を停止するまで、日本が最大のミャンマー軍政の援助元だった。「経済活動と政治は別問題」と最近誰かさんが言いました。でも、世界をちょっとでも見れば、ひとつにつながって、がっちりタッグを組んでることは歴然としています。世界はまさにひとつのことのために動いているのです:「金儲けがすべて」

写真は、トタル社のウエブサイトにあるビルマ、ヤダナ・パイプライン事業のバナー。英語&フランス語圏のウエブにはビルマとミャンマーが併記されている。