見つけた 犬としあわせ

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2016/09/18

想像を絶する不正

ルセフ大統領の弾劾に重要な役割を果たした過去の選挙でルセフの労働者党に敗北する野党議員らがワシントンで会談
ルセフの辞任を望んできたエコノミスト誌でも、“有罪の証拠なしの弾劾は正当性を欠いている… ” 
“不人気な大統領を追い出す口実のように見える”と言っている

◇「出て行け!」ブラジル新大統領がリオパラリンピック開会式で大ブーイングを浴びた理由 
テメル氏は国民から選ばれた大統領ではない
ハフィントンポスト 09 September 2016

ブラジルでは経済の低迷や汚職疑惑で支持率が低下していたディルマ・ルセフ氏が8月31日に罷免され、新大統領が誕生した。これによって数カ月にわたる弾劾手続きが終結した。ルセフ大統領弾劾騒動によって、ルセフ氏に反旗を翻したミシェル・テメル副大統領がブラジルのリーダーとして実権を握ることになった。

テメル氏は保守派のブラジル民主運動党(PMDB)に所属し、111日間ブラジルの大統領代行を務めたが、正式に国の最高官職に着任した。テメル氏はブラジルが深刻な不況と政治危機のまっただ中で大統領の座を射止めたが、彼が大統領代行に着任以降、政府への支持率はさらに低下している。

テメル氏も汚職疑惑の渦中にいる。6月には原子力発電会社の契約絡みで30万ドルの賄賂を受け取ったという疑惑が浮上した。

テメル氏は8月のリオオリンピックで姿を見せるたびにブーイングを受け、大統領として9月7日のリオパラリンピック開会式に臨んだ際には、「出て行け」「大統領を強奪しやがって」などど、さらに激しいブーイングを浴びた。
同じく7日には、国内48都市で大統領の退陣を求める大規模なデモがあった。

テメル氏の不人気ぶりは著しい。4月の世論調査で58%の国民が彼の弾劾を求めているという結果が出るほどだ。にもかかわらず、国政の闇の中から這い上がり、最高権力を手に入れるに至った。テメル大統領はルセフ氏の任期の残りを引き継ぎ、2018年の選挙まで就任することになる。

・ブラジル政界を渡り歩くベテランのテメル氏

テメル氏は国会議員として6回当選し、下院議長として3回選出されている。
ブラジル政府内での様々な役割を通して、テメル氏はネゴシエーター(交渉人)としての手腕でその名を知られるようになった。しかし、近年まではほとんど公の場で脚光をあびることなく、むしろ政府内で連立政権を構築する影の実力者として立ち回っていた。

テメル氏はかつてルセフ派の一人だったが、国会がルセフ氏の弾劾裁判を承認する直前に寝返った。上院内のテメル氏支持がルセフ氏罷免への動きに一役買い、61票対20票でルセフ氏の罷免が可決された。

「ミシェル・テメル氏が副大統領に選ばれたのは彼がこの民主主義の中心の一員であり、物事を変える力のある革新主義者だと考えていたからです。テメル氏はPMDB党に最もふさわしい人物だと信じていました」と、ルセフ氏は8月29日上院議事堂の弾劾裁判答弁で述べた。「それがいつ変わり始めたのかはわかりませんが、変わり始めてしまったことは事実です」

テメル氏はすでに大統領代行としての政治手法も批判されている。暫定政権の閣僚が全員男性でほとんどが白人で占められているのもその一つだ。閣僚の一部はすでにスキャンダルで辞任している。そのうちの1人は皮肉にも汚職対策大臣を務めていた。

http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/08/michel-temer_n_11920930.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001

◇ブラジルのジルマ・ルセフがクーデター計画で大統領代行を非難する
http://www.bbc.com/japanese/36032356

ブラジルのルセフ大統領は12日、テメル副大統領が自分に対する「クーデター」計画に加担していると示唆して弾劾への動きを非難した。

ルセフ大統領は、テメル氏を名指ししなかったものの、テメル氏が暫定大統領の就任演説を練習しているように聞こえる録音テープが副大統領が陰謀の首謀者だという証と述べた。副大統領の音声は11日に報道されたものだ。

テメル氏は録音で、「ブラジル国民に向けて少なくとも予備的な演説を行うように多くの人が私に求めたので、謙虚かつ慎重に、節度をもってこれを行う」と語っている。

ブラジルで取材するBBCのウィラ・デイビース記者は、テメル副大統領自身も弾劾対象になる可能性がある現状で、録音の内容は時期尚早に思えると指摘した。

“想像を絶する不正”

ルセフ大統領は、「合法的に選挙で選ばれた大統領を陥れる陰謀が白昼堂々と行われている」と語った。また、テメル副大統領とクニャ下院議長を指しているとみられる発言で、2人をそれぞれ「首謀者」と「第2の首謀者」と呼んだ。

ルセフ氏は2人について、一方が弾劾手続きで「想像を絶する不正」をするなかで、もう一方が「就任演説を外に漏らすという茶番をやりながら、手をもんでほくそ笑んでいる」と語った。

さらに、ブラジルが「不思議な時代にある。クーデター、茶番、裏切りの時代だ」と述べた。

ルセフ氏の発言後、テメル氏は、保守系エスタード・デ・サンパウロ紙のインタビューで、クーデターを首謀などしていないと反論し、首都ブラジリアを数週間離れたのは陰で何か企んでいると思われないためだったと主張した。

ルセフ大統領に対しては2年前の選挙運動を前に政府予算を操作して赤字を少なく見せたとして弾劾手続きが進められている。ルセフは不正を否定している。

ルセフ氏の批判勢力は、弾劾は国民の大半に支持されているとしているが、同氏の支持者らは政敵によるはなはだしい権力収奪行為だと非難している。

もし、ルセフ大統領とテメル副大統領が2人とも権限を停止された場合は、クニャ下院議長が暫定大統領を務めることになる。

だが、クニャ氏に対してはマネーロンダリング(資金洗浄)を含む複数の違法行為の疑いがかけられている。

テメル副大統領は最近までルセフ氏と緊密な協力関係にあったが、出身党のブラジル民主運動党(PMDB)は大統領に対する弾劾を支持しており、与党連立から正式に離脱している。

“メイドインUSA”

“メイドインUSA”:ブラジルのクーデターにワシントンの手腕を示す3つの重要な痕跡
RT 23 May 2016

ブラジルの左派の大統領ジルマ・ルセフが予算規定無視で裁判をうけるために公職を停止されている時、ルセフ支持者がクーデターと呼んでいるものでワシントンが関係している内密の策略をにおわすことに関与する重要人物について詳細が出てきた。

ブラジル初の女性大統領の停職につながった先週のブラジル上院での投票のあとで、左派政治家自身は、“まさかこの国でクーデターと戦わなくてはならなくなるなんて考えもしなかった”ことに特に言及した。

ラテンアメリカの近代史は政権を打倒しようと意図するアメリカの秘密工作の文書による十分な裏付けのある例で満たされる、同時に人によるとブラジルの状況は汚職スキャンダルと悪化する経済のせいで発生した民衆抗議運動に縛り付けられると主張する。しかしながら、ワシントンの手が遊んでいるかもしれない理由に関して時事問題の中心にいる人々の横顔が手がかりを提供する。

1.アメリカの情報提供者からブラジル大統領代行へ

ルセフの以前の盟友で元副大統領のミシェル・テメルが国の当座の大統領として彼女の跡を継ぐことが明らかになったあと、テメルの過去から人に言えないような秘密のある詳細がウィキリークスによってわかってくる。その告発ウェブサイトは、テメルがワシントンのための大使館情報提供者として役に立った証拠を公表したと言っている。

ウィキリークスが入手する2006年1月11日と2006年6月21日付の2つのケーブル(外電)は、中道のブラジル民主運動党(PMDB)の党員であるテメルがブラジルの政治プロセスと2006年の選挙の時に権力に達するとの彼の党の抱負についてアメリカの外交官にかいつまんで話したことを明らかにする、2006年の選挙では労働者党のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァが再選された。

興味深いことに、“sensitive(国家機密などにかかわる)とunclassified(機密扱いをうけていない)”の印をおされる文書のふたつの宛名のひとつ、サンパウロ・マクマレンのアメリカ総領事はテメルの党を「イデオロギーまたは政策の枠組みをまったくもたない日和見主義的なグループ」と名称を付けた。結局、その党が労働者党との連立に加わった。

2%程度と予測される支持率にあっては、テメルの人気のなさに加えて、ブラジルに拠点を置くアメリカ人ジャーナリストで弁護士のグレン・グリーンウォルドによると、現在臨時代行としての大統領はルールに金を使って選挙を冒涜したことで調査中であり、どのような公職に手を出すことも8年の禁止令に直面した。

それがテメルをブラジル最高位の公職の見込みのない候補にするように思えるかもしれないが、同時に彼の指名はおそらく国益ではなく、おそらく他の一部の利害関係者に力を尽くすことができるとグリンウォルドは主張する。

「彼は経済を運営するためにゴールドマンサックスとIMF(国際通貨基金)を官職に任命するつもりだ、さらに他の点でまったく選挙民を代表していないネオリベラル・チームを就任させるつもりだ」とグリンウォルドはインターセプト(The Intercept)に書いた。

2.怪しげにアメリカと密なつながりをもつ上院の弾劾指導者

上院でルセフの弾劾を先導したテメルのブラジル民主運動党のアロイシオ・ヌネス上院議員は、わずか1日後、アメリカの官僚と会うため三日間の訪問でワシントンへ向かった。ヌネスが会った人々の中には、特にアメリカ上院外交委員会のメンバー、マドレーン・オルブライト元国務長官や元ブラジル大使トーマス・シャノンが議長をつとめるロビー会社オルブライト・ストーンブリッジ・グループも含まれるとインターセプトは報じた。

RTと話す、経済および政策研究センターの共同議長Mark Weisbrotは、「シャノンは地域で他のクーデターを助けすることに関係していた」と述べた。そのクーデターには2009年のホンジュラスと2012年のパラグアイが入った。

ヌネス自身は、ブラジルとアメリカの間のスパイ活動スキャンダルを改善しようとしてアメリカとのより密な関係に味方する意見を伝えた。

3.“クーデターで場数を踏んだ”アメリカ大使

前任者のみならず、現アメリカのブラジル大使リリアーナ・アヤルデ(Liliana Ayalde)もまた、外国政府を打倒することに貢献する経験を自慢するかもしれない。

ブラジルに派遣される前、アヤルデは2012年のクーデターに先立ってパラグアイ大使としてつとめた。クーデターではルセフのそれと類似した手順でパラグアイのフェルナンド・アルミンド・ルゴ・メンデス大統領が公職から弾劾されるのを経験した。

パラグアイで起こったクーデターの間、大使は非常に力強く行動した、そしてブラジルにおいて彼女は同じ論述を使ってブラジルの制度によって問題を解決する状況があると主張すると、サンパウロ大学社会学教授のカルロス・エドゥアルド・マーティンズは言った。(teleSURによる引用)

一方、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、ブラジルの弾劾を支持して陰で糸を引いているのは誰かという問題はロケット工学ではないと言う。
「このクーデターの背中に“メイドインUSA”のラベルがあるのをわたしは疑わない」と彼は言った。

ブラジルの政治危機における「強力な寡頭政治、メディア、尊大な軍隊」のねらいは、「大陸の進歩的な軍勢、人気のある大変革の指導部」を厄介払いすることだったとマドゥロは述べた。

彼はブラジルでの大事件を「大陸すべての将来の安定性と平和にとって容易ならぬ脅威」だと説明して、次の犠牲者はベネズエラと言ってもさしつかえないと懸念を表明する。

アメリカ諜報機関がルセフの通信を盗聴(傍受)することで彼女をスパイしていたことを示した2013年のアメリカ国家安全保障局の告発者エドワード・スノーデンのすっぱ抜きのおかげで始まったスキャンダルによってアメリカとルセフの内閣との関係は損なわれた。発覚の結果としてブラジル大統領がアメリカ訪問をキャンセルしたことでスキャンダルは引き分けになって落ちついた。2015年、NSAがルセフ自身を含むブラジルの29人の高官の携帯電話を盗聴していたのをウィキリークスが明らかにした。
https://www.rt.com/news/343390-brazil-rousseff-impeachment-us/

◇“ブラジルでクーデターが起こった”:カンヌで映画仲間がルセフに賛成してレッドカーペットで抗議をやってみせた
RT 17 May 2016

ブラジル映画「Aquarius」のキャストとクルーが失脚させられたジルマ・ルセフ大統領への支持を示すため南仏のカンヌ映画祭コンペティションのレッドカーペットで即興の抗議をやってみせた。そしてルセフの停職を「クーデター」と非難した。

映画の脚本家で監督のKleber Mendonca Filho、主演女優Sonia Braga、他のキャストとクルーの仲間が、彼らの映画のプレミア上映に先立って映画祭の豪華な建物の階段で印刷されたえり抜きの横断幕を発表した。

ブラジルの大統領代行(ミシェル・テメル)は常にアメリカ諜報機関の情報提供者であったーーウィキリークス
Published time: 13 May, 2016 14:43

https://www.rt.com/news/342933-temer-us-brazil-spying/