見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2026/07/14

SHINKOLOBWE:権力と記憶のはざま


地元で開催された“「第四の被曝」を考える講演のつどい”に行ってきた
この種の講演にこれほど多くの人びとが集まるとは!驚きだった
これは、日本の現政権への不満の現れのひとつとしても見て取れる
金平茂紀さんからは、アーティストのこと、映画のことを教えられ、新鮮だった

広島、長崎、ビキニ(第五福竜丸被曝)『第四の被曝』を考える
「日本人と原子力・忘却の果てに」をテーマにジャーナリストの金平茂紀が講演
 核植民地主義への目覚め 連帯の可能性
シンコロブウエSHINKOLOBWE コンゴと広島・長崎 
○核開発と植民地主義
○人種・非白人 優生思想

映画『叛逆のサウンドトラック』にも登場するユニオン・ミニエール社
コンゴの天然資源を収奪した植民地企業
この企業の足跡から わたしたちは何を学ぶべきか?

映画『叛逆のサウンドトラック』は1960年代のコンゴ動乱を題材に、音楽と政治が共鳴した「もうひとつの冷戦史」を描いたドキュメンタリー
97回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門にノミネートされている。

第一の被曝:19458月6日アメリカ合衆国による広島への原爆投下
第二の被曝:1945年8月9日アメリカ合衆国による長崎への原爆投下
第三の被曝:195431日アメリカのビキニ岩礁での水爆実験により第五福竜丸被曝
第四の被曝:1958712日、国連の国際地球観測プロジェクトの海流調査のために派遣された海上保安庁測量船「拓洋」と巡視船「さつま」が赤道海洋を航行中、ビキニ西方海上でのアメリカの水爆実験ポプラによって被曝
この件の情報は機密扱いだったことが確認されている

2024
915日、NHKスペシャル「封じられた『第四の被曝』〜なぜ夫は死んだのか〜」が放映されたことで明らかになった事実
金平さんも「NHKスペシャルはすごい」と褒めていたが、この番組を制作したNHK大阪放送局コンテンツセンター第3部、横里征二郎チーフディレクター(40代)もこの場にいて、当時の取材について話を聞かせてくれる
番組は、当時、日米両政府が実験による被曝の実態を把握しながら、水面下で封じようとしていた事実を明らかにする 
日本政府は日米安全保障協定の改定交渉を始めようとしており、被曝から12日後に作成した極秘文書では、反核の世論がアメリカへの反発につながり、交渉が難航することを懸念している
また、外務省は「アメリカの原水爆の保有を抑止力として必要」と認識するようになっていたので、被曝による健康被害が出ても、アメリカと争うのは現実的ではないと認識していた

金平さんはShinkolobwe: Between Power and Memory / シンコロブウェ:権力と記憶のはざま』の絵(パソコンの画像)を紹介し、コンゴから広島・長崎に至る矢印の意味を説明する

19458月6日広島に投下された原子爆弾リトルボーイの核燃料には当時ベルギー領だったコンゴ(現コンゴ民主共和国)のシンコロブウエ(SHINKOLOBWE)鉱山で採掘されたウラン鉱石が大量に使用された
コンゴ産ウランは非常に高いウラン含有率(純度)を誇っていた
ベルギーのウラン採掘企業ユニオン・ミニエール(現ユミコア社)は、アメリカ合衆国のマンハッタン計画で使用されたウランの大部分をシンコロブウエ鉱山から秘密に採掘し、供給した
アメリカの事情でマンハッタン計画に提供されたシンコロブウエ鉱山で採掘されたウランはNYのスタッテンアイランドに確保され、テニアン島
広島→長崎に至る(参照:アーティストの絵の画像)

Shinkolobwe: Between Power and Memory / シンコロブウェ:権力と記憶のはざま』は、コンゴ民主共和国、アメリカ、日本出身の3人のアーティストによる芸術的対話。コンゴのシンコロブウェウラン鉱山の歴史を多分野にわたる視点から考察する。下記、3人のアーティストの展示会より:

 

シンコロブウェ鉱山(当時ベルギー植民地領)は、1945年に広島と長崎に投下された原子爆弾に使用されたウランの主要産出地であった。この鉱山はそれまでに発見されたものとは比較にならないほどの高濃度のウラン鉱石を埋蔵しており、その驚異的なパワーによって、アメリカはわずか3年という短期間で人類初の原子爆弾を開発、爆発することを可能とした。そしてさらに数千発という核兵器を続けて製造した。マンハッタン計画と冷戦初期、ベルギーはシンコロブウェ鉱山から数千トンのウラン鉱石をアメリカに売却した。鉱山に関する情報は厳重に秘密にされ、その名前はニュース報道や地図からも削除された。同時にウラン採掘者らの話や労働実態や健康被害も歴史から削除された。シンコロブウェ鉱山は少なくとも冷戦はじめの10年間、核兵器製造だけでなく西側連合による原子力産業全体の発展の源であった。『シンコロブウェ:権力と記憶のはざま』に関わるアーティストらは、第二次世界大戦の核の歴史とその後の影響を、文化的、生態学的、政治的に多様な視点から再考する。

 主な展示作品:ロジャー・ピートの版画地図は、マンハッタン計画の産業インフラによって、シンコロブウェのウラン鉱石が地球上どこをどのように通過したかを提示する。(トップの画像)
鉱山会社ユニオン・ミニエール社が発行したシンコロブエ鉱山の絵葉書の上に描かれた竹内としえのドローイングは、歴史上抹殺されたウラン採掘者や彼らの家族を想像し、日本とコンゴが共有する放射能被害の記憶を浮き彫りにする。
そしてシクテ・カキンダのアニメーションビデオは、コンゴと広島の「つながり」を主題とし、ウラン採掘からはじまり、アメリカにおけるウラン加工を経て、広島に投下されるまでの時系列をたどる。

 https://hiroshima-artscene.com/exhibitions/shinkolobwe/

金平さんは、日本では核(兵器など軍事的・否定的な文脈)と原子力(発電など平和利用・肯定的な文脈)を意図的に分けて使っているが、英語では核兵器から原子力発電まで、原子核を扱うすべてに「nuclear」という一つの単語が使われると、語気を荒げて指摘した
ウラン採掘企業ユニオン・ミニエールから、イスラエルがウランを盗んだと彼が言ったとき、わたしの中で、「核開発と植民地主義 ○人種・非白人 優生思想」がひとつに繋がる
コンゴ民主共和国ではウラン採掘場は閉鎖されたものの、いまはレアメタルだそうで、「中国がここに参入しているから、行ってみたい」と彼は言っていた
ジャーナリストって最高におもしろい仕事のひとつだ

そうそう、金平さんのパネルの一つに、世界に誇れる日本人というのがあって、袴田秀子さんと中村哲さん、2人の写真がありました