見つけた 犬としあわせ

ニュースのファンジン、世界のニュースのサンプリング。 一枚のCDを聴くように一枚のコラージュを眺めるようにこれを体験して欲しい。

2011/04/07

太陽が活動期に入った


この半分じゃまされた壮観な画像は3月29日、太陽の周囲を軌道を描いてまわるソーラーダイナミクス観測衛星(Solar Dynamics Observatory)が地球の裏側に動いたとき捕らえられた。
SDOは地球の表面より2万2000マイル上からの太陽のビデオとまばゆいばかりの写真を撮影する。

写真はNASA/GSFC/SDO
(引用元:Wired.com 31 March 2011)
http://www.wired.com/wiredscience/2011/03/sdo-eclipse/

△Wired Newsによると、太陽が活動期に入った。
太陽は2013年頃まで活動が強まり続ける見込みだ。なんでも11年周期の今後最大のピーク期が2013年半ばで、前後2年ほどずれることもあるようだ。活動期には強力な太陽嵐が壊滅的な被害をもたらす可能性もあり、太陽フレアが放出するエネルギーが地球の磁場を混乱させて、強力な電流によって高圧変圧器が故障し、電力網が停止する可能性について検証した報告書もある。マヤ文明に用いられていた暦の一つが2012年12月20日に一つの区切りを迎えることから、2012年人類滅亡説なるものがあるという。1859年(日本は江戸時代末期)9月2日、残る記録ではこの日最も明るいオーロラが発生し、キューバ、フロリダなど、地球の広範囲で目撃された。この日米国ボストンでは通信の交換台で過電流が生じた。嵐が起こる18時間前、英国の天文学者リチャード・キャリントンが観測中に明るい光の点を2つ見つけていた。キャリントンが観測した現象は現在では、通常は核融合により摂氏5500度ほどになっている太陽の表面温度がそれ以上に熱せられて起こったものなのがわかっている。この過熱の原因となるエネルギーは太陽の磁場の膨張した部分がはじけてはつながる磁気爆発からきている。米航空宇宙局(NASA)の太陽天文学者によると、磁気爆発はわずか1〜2時間で1000万個の原子爆弾に相当するエネルギーを放出する。

福島原発の危機に終わりが見えない今、太陽の活動期のピークが近づくというのは、人類にとってなんとも不吉な感じだ...

移動式太陽光発電機


◇燃料ゼロ大助かり 移動太陽光発電機フル稼働 大船渡

電力復旧のめどが立っていない岩手県大船渡市周辺地区の避難所で、相模原市の光学部品製造「相光技研」(本田義広社長)が贈った移動式の太陽光発電機が活躍している。

同社は3月18日、碁石コミュニティセンターと後ノ入公民館の2カ所に発電機を設置した。宇宙航空研究開発機構の関係施設がある縁から「銀河連邦」として大船渡市と交流を続けてきた相模原市から依頼を受けて、無償で協力した。

発電機は一辺約1メートルの立方体で、1メートル四方の太陽光パネル5枚を広げて使う。大容量のバッテリーを搭載し、電圧100ボルト、電流30アンペアで10時間、出力できる。

テレビや掃除機を動かすのに使っている同センターのリーダー役、及川宗夫さん(60)は「自家発電機は燃料をたくさん消費するため、あまり長く使用できない。これは大変助かる」と喜ぶ。

同社は「約1年前に開発した時は『電力は大災害でも2、3日で復旧するから使えない製品だ』と評判が悪かった。現在、利用されているのは被災地にある2台のみで、役立ててもらえてありがたい」としている。
△写真は大船渡市の碁石コミュニティーセンターに設置されたものと同じ移動式太陽光発電機(相光技研HPより)

(引用元:河北新報 2011年4月5日)
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/20110405t35044.htm

2011/04/05

ほんまかいな!


◇日本で公表されない気象庁の放射性物質拡散予測

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、気象庁が同原発から出た放射性物質の拡散予測を連日行っているにもかかわらず、政府が公開していないことが4日、明らかになった。

ドイツやノルウェーなど欧州の一部の国の気象機関は日本の気象庁などの観測データに基づいて独自に予測し、放射性物質が拡散する様子を連日、天気 予報サイトで公開している。日本政府が公開しないことについて内外の専門家からは批判が上がっており、政府の原発事故に関する情報開示の在り方が改めて問われている。

気象庁の予測は、国際原子力機関(IAEA)の要請に基づくもの。国境を越える放射性物質汚染が心配されるときに、各国の気象機関が協力して拡散予測を行う。

同庁では、東日本大震災当日の3月11日から毎日1~2回、拡散予測を計算している。具体的には、IAEAから送られてきた放射性物質の放出開始時間や継続期間、どれくらいの高さまで上ったかを、風向きや天候など同庁の観測データを加えた上で、スーパーコンピューターに入力し、放射性物質の飛ぶ方向や広がりを予測している。

(読売新聞 2011年4月4日)
上の写真は4月5日午後9時の放射性物質の拡散予測(ドイツ気象局ホームページより)
◇放射性物質拡散の予報(ドイツ気象局)

ドイツ気象局が、日本の放射性物質拡散の予報を行っていることがわかった。ちなみに、4月5日は「太平洋上に拡散して本土にも上陸する見込み」とある。
そして、6日は「東へと拡散されていき、太平洋上から南方へと風の影響を受け西日本にも飛ぶ可能性がある」となっている。
日本気象学会の新野宏理事長(東京大学教授)は、大気中に拡散する放射性物質の影響を予測した研究成果の公表を自粛するよう通達を出していた。

(引用元:ゆかしメディア 2011年4月4日)
http://media.yucasee.jp/posts/index/7165?la=0003

△これを見た関西人のカキコ 「ほんまかいな〜」

▽ノルウェー政府のノルウェー気象研究所Department of Atmospheric and Climate Research, The Norwegian Institute for Air Researchによる放射性物質拡散予測図
http://transport.nilu.no/products/fukushima

日本やアジアと地域を選び、放射性物質ごとに青い印をクリックすると時間と共に拡散していく動きをアニメで見ることができる
ちなみに半減期は、ヨウ素131(I-131)が約8日、セシウム137(Cs-137)が約30年、キセノン133(Xe-133)が約5日と6時間となっている
下の最初の写真はセシウム137の地表4日〜5日21時の拡散予想図
二枚目はヨウ素131の地表7日6時の拡散予想図

2011/04/03

東電:隠し砦の三悪人


3月29日の朝日新聞の記事、<福島の野菜農家が自殺 摂取制限指示に「もうだめだ」>について触れた、スウェーデンで暮らす日本人のブログの書き込みに対して幾つか熱を帯びたコメントがカキコされた
この記事の自殺した福島のキャベツ作りの男性は30年以上前から有機栽培にこだわっていた
オリジナルな腐葉土など、彼がいろいろ試行錯誤を重ねて作り上げたキャベツ畑の土壌が彼の命の証しだったのは容易に想像がつく
「子どもたちが食べるものなのだから、気をつけて作らないと」(この男性の言葉)
10年かけて育ててきた安全なキャベツ、農協でも人気が高く、地元小学校の給食分全部をまかなっていたキャベツは、彼の誇りだったはず...

http://www.asahi.com/national/update/0328/TKY201103280468.html

▽下記はこれについて触れたブログの書き込みに対してのコメントから引用
「原発は発電はしますが、発電を続けるためには常に電力が必要です。
発電量の何割かは自己消費で、今回のような事故が発生したら外部から電気の供給がないと危険物以外の何ものでもなくなります。
原発、実は、非効率的な発電システムなのではないですか。

ではなぜ地球温暖化の切り札みたいな扱いになったのか。
マスコミの力が大きいと思います。

東電会長の記者会見の折、原発爆発当日何をしていたか記者に聞かれて、複数の大手マスコミ幹部OBと一緒に中国に旅行していたことが露見しました。旅費はほぼ全額東電負担だそうです。マスコミ対策は、東電経営陣の大きな仕事の1つだったようです。」
(これについてはこちらから↓
http://www.janjanblog.com/archives/35249
http://tanakaryusaku.seesaa.net/ 
○地震発生時、勝俣会長はマスコミ幹部を連れて中国旅行に出かけていた。 衆院議員の田中康夫氏が「サンデー毎日」誌上で明らかにしている。)

「こと、原発の問題に関しては、これまで安全性のみを強調し、このような事態に絶対に至らないと主張し、その一方で隠れたところでは安全性の確保をないがし ろにしてきた人たちがいることも震災後の報道などで明るみになってきています。そのような人々に、命を絶ったこの農家の方がどのような思いだったのかをしっかり考えてもらいたいです。」

http://blog.goo.ne.jp/yoshi_swe/e/83efcec6cd231eac3d35baf6456834fa

上の写真は自殺した方のキャベツ畑
下は3月30日東電本社にてウソつきの三悪人、左から藤本副社長、勝俣会長、武藤副社長(フリーの記者、田中龍作ジャーナルより)

2011/04/02

ジェーンバーキンがゲリラギグ



4月6日ジェーンバーキンがゲリラギグ
クラブクアトロでしかもフリーらしい
http://www.timeout.jp/en/tokyo/feature/2760/on-the-blog/#birkin
4月3日、1991心臓発作で死んだゲンズブール生誕83年で
セルジュゲンズブールナイト2011が西麻布である
http://www.timeout.jp/en/tokyo/event/1457/Serge-Gainsbourg-Night-2011
△写真はセルジュとジェーンバーキン


チェルノブイリ原発事故の時に現場で活動していた日本人によると
この事故でポーランド政府はただちに全国民にヨウ素剤を配ったそうだ
日本にも備蓄があるはずなのに、これもダシオシミなのか?
その日本人医師だか専門家は、ポーランド人に甲状腺ガンなど被爆が
原因で死ぬ人がひとりもいなかったのは早期のヨウ素剤のせいと言っている
そうそう、チェルノブイリから20年という本に集めた事故調査の
再考を掲載した方が言っている、20年間に直接チェルノブイリ事故
が原因で死んだ人は100万人以上だと...

写真は在庫切れのIOSAT Potassium Iodide(ヨウ化カリウム錠剤)

△日本に錠剤5万個を寄付

2011年3月13日、原子炉事故によって被災した方々への早急の配布のため、東京にある徳州会病院にアメリカのNukepills.comから5万個のヨウ化カリウム錠剤が寄付された。この取り組みはマサチューセッツ州ボストンのハーバードメディカルスクール教育施設、ブリンガム&ウーマンズ病院によって便宜を図られた。
http://www.nukepills.com/

◇「ヨウ素剤、今すぐ配布を」仏放射線専門家グループが訴える

ロイター通信によると、フランスの放射線専門家グループCRIIRAD関係者は3月31日、福島第1原発事故を受け、放射性ヨウ素による甲状腺被ばくを防ぐ効果がある安定ヨウ素剤を、直ちに、できるだけ広範囲に配る必要があると表明した。

日本の原子力安全委員会は放射線量が100ミリシーベルトを超えた場合、安定ヨウ素剤を予防的に服用すべきだとしているが、同団体は放射性物質の影響を過小評価していると批判。基準をさらに下げる必要性を強調している。

同団体によると、安定ヨウ素剤の配布を怠った場合、甲状腺ガンの患者が今後数年で急増する可能性があるという。

関係者は「放射性物質による汚染が続く今、安定ヨウ素剤の配布を直ちに始めるべきだ。健康被害を最小限に抑えることができる。早急にできるだけ広範囲で配れば、まだ遅すぎることはない」と呼び掛けている。(共同)

(引用元:MSN産経ニュース 2011年4月1日)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110401/erp11040110060004-n1.htm

◇東北地方太平洋沖地震に続く福島第1原発事故を受け、放射能による人体への悪影響を抑えるヨード剤の売れ行きが世界各地で急増しているが、専門家らはヨード剤の効果は限られているとし、焦って購入することに注意を呼び掛けている。

米国では製薬各社のヨード剤(ヨウ化カリウム)の在庫が完全に切れ、特に太平洋を挟んで日本の対岸にあたる西海岸の薬局には、処方箋なしで購入できる薬を求める人が殺到した。ヨウ化カリウムのインターネット販売業NukePills.comでは「日本の原発危機のせいで注文が殺到し、出荷には1週間以上の遅れが見込まれている」と言う。もうひとつの米ヨード剤製造販売会社アンベックス(Anbex)でも在庫を切らし、次の入荷は4月中旬までないと言う。

・WHO「ヨード剤は妊婦には危険」
 
ヨウ化カリウムは塩類の一種。甲状腺を飽和状態にして、原子炉事故で漏れる放射能に含まれる強い発ガン物質、放射性ヨードが甲状腺に取り込まれるのを阻止する効果がある。

しかし、WHOはツイッターで「ヨウ化カリウムは服用前に医師と相談すること。独断で服用してはならない」と警告を発した。WHOによると、ヨード剤は「放射能の解毒剤ではなく」、セシウムなどの放射性元素に対する防御効果もない。しかも、妊婦など特定の人にはかえって健康リスクとなると強調している。

・「メルトダウンの場合はアジア全域に一定の影響」

中国の政府機関、香港天文台は中国領内の放射線レベルは「通常。香港にも放射能が影響するという噂には根拠がない」と強調している。

香港中文大学の生物医学者スティーブン・ツィー氏は、日本国外の放射能汚染リスクは「低い」が、福島の原発が完全にメルトダウン(全炉心溶融)した場合には「アジアのすべての国に一定の影響はある」と述べている。

(引用元:AFP 2011年3月16日)
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2790704/6962242

2011/04/01

電力の質 電源選択の時代



下記は3月11日以前の記事、「米国の事情、ガスタービンについて」だが、
日本はいよいよ原子力に取って代わる発電に舵を切る必要がある

写真は、三菱重工業が米ドミニオンから受注したガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)に使われるガスタービンの同型機

◇天然ガスを使う発電設備、ガスタービンに追い風が吹いてきた。米国で「シェールガス」と呼ばれる新型の天然ガスの生産が本格化。ガス価格が下落して発電コストの競争力が高まっているためだ。オバマ政権が力を入れる風力など再生可能エネルギーの普及も、実はガスタービンに有利に働く。「原子力ルネサンス」ともてはやされた原子力発電所の新設計画が軒並み遅れているのとは対照的だ。

今年1月、「ガスタービンの時代」を予感させる受注が米国であった。
三菱重工業が米電力大手ドミニオンの傘下企業、バージニア・エレクトリック・アンド・パワー(VEPCO)から、ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)と呼ばれる設備を受注したのだ。

GTCCはガスタービンで発電してから、その排熱で蒸気をつくり、蒸気タービンを回してさらに発電する高効率の発電設備。ガスタービン3基、蒸気タービン1基、発電機で構成し、出力は130万キロワットと、大型原発1基に相当する規模となる。

三菱重工は昨年5月、同じドミニオンから原発設備を受注している。出力170万キロワット級の加圧水型軽水炉で、ノースアナ発電所(バージニア州)3号機向けに建設する計画だが、こちらは「計画が2年遅れている」(三菱重工)。つまり、ドミニオンは原発計画を遅らせ、ガス炊き火力発電を優先する戦略に転換したわけだ。

なぜか。背景にはシェールガスの登場でガス価格が下落したことが大きい。これでガスを使った発電のコスト競争力が一気に高まった。

シェールガスは米国で100年分に相当する埋蔵量があるとされ、資源メジャーや商社による投資が活発だ。設備投資の安さも魅力だ。受注額は明らかにしていないが、170万キロワットの原発の受注額が数千億円なのに対し、出力がさほど変わらないGTCCは数百億円。1桁の違いがある。規制電力のドミニオンは建設費用を電力料金に上乗せできるとはいえ、原発の投資負担が重いのは事実だ。工期も短い。GTCCは2014年末には稼働を開始できるが、原発は建設に7年はかかる。ドミニオンはさらに数基のGTCCの建設を計画しており、三菱重工は追加受注に期待を膨らませる。

意外なようだが、風車や太陽光など再生エネルギーの普及もガスタービンには追い風だ。風車や太陽光は天気任せ。気象変化によって出力が変動し、電力系統を不安定にする。電力業界では「しわ」と呼ばれる現象だ。再生エネルギーに出力を自在に調整できるガスタービンを組み合わせ、しわを取って電力系統を安定させる新たなニーズも高まっている。出力調整が難しい原発にはできない芸当だ。

こうした「しわ取り」用途に適したガスタービンに力を入れているのが、米ゼネラル・エレクトリック(GE)だ。スイッチを入れればすぐに立ち上がり、出力調整も自在な機動力を武器に、高効率・大出力路線の三菱重工とは違った市場開拓を着々と進めている。

米国では老朽化した石炭火力発電所の建て替えが課題になっているが、二酸化炭素(CO2)の排出を抑えつつ、低コストで発電できる発電手段としては、ガスタービンを上回る解決策が見当たらない。

(引用元:日本経済新聞 2011年3月7日)
http://www.nikkei.com/tech/ssbiz/article/g=96958A9C93819696E2E6E2E1E38DE2E6E2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;df=2;p=9694E3EAE3E0E0E2E2EBE0E4E2EB

◇米国発の「シェールガス革命」の行方を、発電設備を手掛ける重電メーカーがかたずをのんで見守っている。最近になって採掘技術が確立し、生産量が急増しているシェールガスが世界のエネルギーの需給構造を一変させ、メーカーの戦略にも大きな影響を与える可能性があるからだ。

シェールガスとは、頁岩(けつがん)と呼ばれる固い岩の層に含まれる天然ガスを指す。以前から存在は知られていたが、採掘が難しくコストがかかるため、ほとんど利用されずにきた。だが、岩に小さな穴を開け、高い水圧をかけてガスを取り出す技術が確立されたことで生産量が急増している。

米国は既存のガス田での生産が細り、国内需要の3割相当を輸入する計画だったが、シェールガスの登場により、天然ガスを輸入しなくても需要をほぼ満たせるようになった。

余波は世界に及ぶ。世界最大の液化天然ガス(LNG)生産国のカタールは米国への輸出を当て込み、LNGの生産能力を大幅増強してきたが、仕向け地をアジアや欧州に振り向けざるを得なくなった。天然ガスの価格には強い押し下げ圧力がかかっている。

シェールガス革命が追い風になりそうなのはガスを燃料に発電するガスタービンだ。ガス価格が下がればガスを使った発電単価も下がり、他の発電手段と比べた競争力が高まるからだ。IHIの橋本伊智郎副社長は「最近、ガスタービンの引き合いが増えてきた」と語る。

裏を返せばガスタービン以外の発電設備にはいずれもマイナスになりうる。代表例は石炭火力発電。石炭火力は米国の発電の半分を占める主力だが、CO2の排出量の多さから悪玉扱いされている。米国では石炭火力発電所を閉鎖に追い込むための市民運動さえあるほどだ。

住友商事が米ペンシルベニア州のシェールガス鉱区のプロジェクトに参画する。

(引用元:日本経済新聞 2010年10月18日)
http://www.nikkei.com/tech/ssbiz/article/g=96958A9C93819696E3E6E2958B8DE3E7E3E2E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;df=2;p=9694E3EAE3E0E0E2E2EBE0E4E2EB

◇幻に終わるか、「第2東電」構想

電力会社から買う電気はみんな同じ。利用者は電源を選べない――。そんな“原則”が覆るかもしれない。東京電力とソニーとの間で二酸化炭素(CO2)ゼロの電気だけをやり取りする計画が実現寸前まで進んだ。実質的に環境性の高い電気を特定の需要家のみに販売する「第2東電」を作るような計画。東電内部にも反対論は根強かったものの、実現に向けた原動力になったのは2000年から始まった電力自由化がもたらした競争だった。

「第2東電」構想の動きが表面化したのは昨年9月29日。ソニーとバイオマス発電所を持つファーストエスコによる発表だった。東電が60%、ソニーが40%を出資してつくる新会社「サステナブルグリーンパワー」に、ファーストエスコが持つ福島県白河市内の出力1万1500キロワットの発電所の発電事業を譲渡する覚書を結んだ。譲渡価額は9億円。バイオマス発電で作った電気を東京・港区のソニー本社まで送電して使う計画だった。

東電社内の調整は難航した。特に自由化後、新規電力を相手に大型ビルなどの需要の取り合いを最前線で担う営業部から異論が噴出する。子会社が作る電気とはいっても、ソニー本社という大口顧客が現在の東電との契約を解除して、ライバルとしている新規電力からの購入に移ってしまうことに反発は強かった。

結論が出せないままの膠着状態が続くなか、計画実行へと背中を押したのは清水正孝社長だ。赤字にならないなどの前提を設けることで、経営トップ自らがゴーサインを出した。特定の顧客に直接、特定の電源の電気を供給するのではなく、発電所の運営会社に出資するスキームであれば問題ないと判断。もし、東電がやらなくても、ソニーは別の新規電力事業者と同じことを目指すに違いない――。大口顧客に対する競争がすっかり定着したことで、顧客が求めるサービスに対応しなければ需要が奪われてしまうとの考えが働いた。

ただ、結果的には、東電社内での1年近い時間の空費が実現への障害になってしまった。覚書を結んだ昨年9月の時点で、バイオマス資源を巡る市況はそれまでとは大きく変化した。

ファーストエスコはその後、東電・ソニーよりも良い条件を提示した日本テクノ(東京・新宿)に発電所子会社を売却すると発表。「第2東電」構想はとりあえず幻となった。

それでも、今回の東電・ソニーの動きが電力業界に与えたインパクトは大きかった。電力自由化後に価格競争は進んだが、電源の選別につながりかねない「電力の質」に応えるサービスは皆無だったからだ。企業規模には大差があるものの、ライバル企業が存在することで、自由化前夜にはねつけていた需要家の要望に対し、いまや最大手の東電であっても、応えざるを得ないのだ。

1年前には出光興産が作る新規電力事業者、プレミアムグリーンパワー(東京・千代田)が三菱地所が運営する「新丸の内ビルディング」に、風力や水力など自然エネルギーを主体とする電力の供給を始めている。気候変動問題への意識が定着し、東京都や埼玉県などの自治体が温暖化ガス削減に向けた規制を導入する中、自然エネルギーで作る環境負荷の低い電気の価値は高まっている。たとえ、割高であっても供給を希望する需要は存在するのだ。

政府の自然エネルギー政策の混乱もあり、国内の風力やバイオマスなどの発電所を運営する企業のなかには、厳しい経営を強いられているケースも多い。確実に「CO2ゼロ電力」の需要はありながら、供給側とのミスマッチが続いている。両者をつなぐ役割を期待されていた日本卸電力取引所に設けられたグリーン電力の取引市場は開設された2008年11月以来、取引実績ゼロが続いている。

環境配慮を強く求める海外の消費者・投資家などの意向を意識するソニーはクリーンな電源からの直接の電力購入をあきらめたわけではない。東電とソニーが共同で出資した発電所運営会社、サステナブルグリーンパワーは存続しており、案件さえあれば「第2東電」構想が再浮上する可能性もある。需要家による電源選択というパンドラの箱は完全に開くのか。環境意識の変化と自由化の浸透により、従来型の電力供給のあり方も変化を促されている。

(引用元:日本経済新聞 2011年2月28日)
http://www.nikkei.com/tech/ssbiz/article/g=96958A9C93819696E0E3E295908DE0E6E2E0E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;df=3;p=9694E3EAE3E0E0E2E2EBE0E4E2EB